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  • 『(テヘランの女獅子たち)』 Marjan Kamali, 2024年 レビュー | 戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語

    『(テヘランの女獅子たち)』 Marjan Kamali, 2024年 レビュー | 戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語

    The Lion Women of Tehran: The life-affirming BBC Radio 2 Book Club pick (English Edition)
    (テヘランの女獅子たち)
    Marjan Kamali, 2024年
    The Lion Women of Tehran
    333 ページ
    2026.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ テヘランに住む環境の違う二人の女の子の友情
    ✔ 大きくなったら全力で働く女性を夢見た少女たちの現実
    ✔ イランの情勢の移り変わりと、立ち向かい続ける女性たち

    ★★★★★ テヘランで戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語。大きくなったらイランの社会の役に立つのだと勉強に励む二人の少女。古い伝統と不平等な社会の間にいながら決してあきらめない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    古く強い伝統を持つペルシアの都、テヘラン。
    そこで戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語。

    この少し前にもイランの女性の小説を読んだばかり。
    こちらの方が少女の友情やその後を描いていて読みやすい内容ではあるけれど、やはりパワフル。
    1950年のテヘランで出会った二人の少女の友情。
    大きくなったらライオンの心を持つ女性となってイランの社会の役に立つのだと勉強に励む。

    しかしテヘラン大学に入学後にイランの社会は怒涛の時代に入り、彼女たちの生活は急変し夢は断たれる。
    スラム街に住むホマは活動家となり危険な人生を選び、裕福なエリーは主婦となりアメリカへ去る。
    ホマはどんなに酷い仕打ちを受けても戦い続ける、なぜか。
    彼女は、そしてイランの多くの人は希望を捨てていないからだとしか思えない。

    エリーと母親の関係も面白い。
    伝統の中で世間体の中で、でも娘のためだけに生きてきた母親と新しい世代であるエリー。
    でも伝統が悪いということではなく、どちらでも選ぶ権利があるということ。

    立て続けに読んだイランの女性を主人公とする小説、どちらも強い。
    どの道を選んでも強い心を持ち続けるのは、彼女たちは希望とイランへの愛国心を捨てていないからだと思う。
    そして小説は常に全くのでっちあげでなく現実の鏡、実際にイランには同じように戦い続ける女性と男性が今もいる。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Lion Women of Tehran" Marjan Kamali (2024) Review | Powerful story about friendship of 2 girls
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    The Lion Women of Tehran: The life-affirming BBC Radio 2 Book Club pick (English Edition)
    The Lion Women of Tehran: The life-affirming BBC Radio 2 Book Club pick (English Edition)

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  • 『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ, 2018年 レビュー | 同じ屋根の下で愛情があれば家族

    『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ, 2018年 レビュー | 同じ屋根の下で愛情があれば家族


    そして、バトンは渡された (文春文庫 せ 8-3)
    そして、バトンは渡された
    瀬尾まいこ, 2018年
    432 ページ
    2026.03 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 血が繋がっていたり繋がっていなかったりの家族の形
    ✔ それぞれの愛情を受けて育つ高校生が主人公
    ✔ 読みやすく心を打たれる、高校生にもぜひ

    ★★★★★ どんな形であっても家族であることは間違いない。血が繋がっている繋がっていない、一緒に暮らし同じご飯を食べること、無理したり冷めてみたりしても、そこに愛情があればうまくいく。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    油断していた。
    最初は、子供の頃から次々と親が変わり家族の形が変わる中で、自分の配偶者を見つけるっていう恋愛ものだと思ってた。
    いや、あらすじを書くとそうなんだけどここにはもっと深い愛情がある。
    
    血が繋がっていること、繋がっていないこと、お互いを大切に思い一緒に暮らすこと、同じご飯を食べること、無理したり冷めてみたりしても、そこに愛情があれば、愛し愛されていれば、うまくいく。
    
    どんな形であっても家族であることは間違いない。
    
    みんなそれぞれの形でそれぞれが幸せになれる、という幸せ。
    最後の方はじんわりと流れる涙を拭いながら、これが本屋大賞なのが痛いくらい分かるわと嘆いてしまう。
    素直に受け入れられる読みやすさなので、高校生にも読んでもらいたい。
    心に偏見が生まれる前にぜひ家族の自由な愛情の形を。
    
    
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    そして、バトンは渡された (文春文庫 せ 8-3)
    そして、バトンは渡された (文春文庫 せ 8-3)


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  • 『告白』 湊かなえ, 2008年 レビュー | 告白式ストーリーテリングの力

    『告白』 湊かなえ, 2008年 レビュー | 告白式ストーリーテリングの力



    告白
    湊かなえ, 2008年
    320 ページ
    2026.03 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 教師が娘はこのクラスの生徒に殺されたという告白から始まる
    ✔ それぞれの関係者からの告白という形で進む
    ✔ 人間的な弱さや嘘も絡む心理的なミステリーも

    ★★★★★
    ストーリーテリングのパワー。英語のタイトルはConfessionsつまり複数でこの複雑さを物語る。誰が真実を知っていて誰の弱みが出てきているのか。人間の弱さと怖さ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    このストーリーテリングのパワー。
    教師の告白、そして単純に娘の死の責任の追求と憎しみという一面的な物語を想像していたんだけど、英語のタイトルはConfessions、つまり複数で、そこで初めてこの本の複雑さに気づかされた。

    告白形式なので真相が分かる流れは、誰がどの部分を勘違いしているかもしくは嘘をついているかによって明らかになっていく。
    自分が知っていると踏んでいる人間の本来の姿を知っていく作業のなかで、それぞれの人間的な弱さを暴いていく。
    少年Aの弱さと少年Bの弱さと、強かったり弱かったりの多様な母親像。
    自分ならどうする、って絶対思ってしまう強い引力の一冊。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Confessions” Kanae Minato (2008) Review | Japanese school life at extreme
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    告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)


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    告白 (双葉文庫) [ 湊 かなえ ]
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  • 『ベル・ジャー』 シルヴィア・プラス, 1963年 レビュー | 繊細で普遍的な物語

    『ベル・ジャー』 シルヴィア・プラス, 1963年 レビュー | 繊細で普遍的な物語


    ベル・ジャー
    ベル・ジャー
    シルヴィア・プラス, 1963年
    The Bell Jar
    Sylvia Plath, 1963
    388 ページ
    2026.03 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 成長物語のモダンクラシック
    ✔ 若い女性の怒りや不安と表面的な成功とのギャップ
    ✔ 若くして死を選んだ詩人が著者の世界観

    ★★★★★ 優秀な学生のエスター、派手だけれど空虚な生活から帰宅したタイミングで精神のバランスを崩す。成功している見た目の裏でギリギリの精神状態だった若い女性の普遍的な物語。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    モダンクラシックの一冊。
    貧しい家庭でありながら優秀な学生のエスター、勉強に励みいろんな賞をもらう生活。
    すべてがうまくいっているように見えるが、ニューヨークでの派手だけれど空虚な夏の仕事体験から帰宅したタイミングで精神のバランスを崩し後半は施設での生活が始まる。

    若者に読んでほしい、とか思う反面、これを自分が10代、20代に読んでいたら衝撃がありすぎて立ち直れないかもというくらい生々しい。
    主人公の抱える説明のできない恐怖は多くの若い女性が抱えるもので、その怒り、絶望感、憎しみ、といったすべての感情は同感してしまう。
    ちゃんとしっかり生きているんだけど、ひとつの過ちですべてが流れて行ってしまう感覚。

    成功してる雰囲気とは裏腹にギリギリの精神状態という危うさ。
    著者はこの本の出版された数週間後に自殺をしているのも有名。

    1960年代に書かれたので、確かに今の社会の状況とは違うし今はあからさまな生きづらさは見えないかもしれない。
    それでも現在の女の子たちはやはり主人公と同じような違和感を抱えてるし、今後もそう簡単には変わらない。
    この本はやはり何十年も先も読まれ続けることになるであろうと思う。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “The Bell Jar” Sylvia Plath (1963) Review | Young woman and her uncertainty
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    ベル・ジャー
    ベル・ジャー (I am I am I am)


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    ベル・ジャー (I am I am I am) [ シルヴィア・プラス ]
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  • 『ファザーファッカー』 内田春菊, 1995年 レビュー | 堕ちるところまで堕ちる自伝的小説 

    『ファザーファッカー』 内田春菊, 1995年 レビュー | 堕ちるところまで堕ちる自伝的小説 



    ファザーファッカー
    内田春菊, 1995
    160 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 漫画家の著者による初の小説
    ✔ 養父による性的虐待から逃れ職を転々とする自伝的長編小説

    ★★★★☆ 悲しいというよりも絶望的で、堕ちるところまで堕ちた実母と義父の元で育つ少女。逃げるという選択肢がなかなか出てこないという受け入れがたい現実も。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「ところが、私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人の客は私の育ての父だった。」

    暗いストーリーというのはわかっていたけど、やっぱり暗い。
    悲しいというよりも絶望的で、堕ちるところまで堕ちた実母と義父の元で育つ少女。
    被害を受けた人間にとって逃げるという選択肢がなかなか出てこないという受け入れがたい現実も。

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    ファザーファッカー (文春文庫)


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  • 『マクベス』 ウィリアム・シェイクスピア, 1606年 レビュー | 血で汚れた欲望 

    『マクベス』 ウィリアム・シェイクスピア, 1606年 レビュー | 血で汚れた欲望 


    マクベス (新潮文庫)
    マクベス
    ウィリアム・シェイクスピア, 1606
    福田恆存 訳
    The Tragedy of Macbeth
    William Shakespeare
    162 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 悲劇の代表作
    ✔ 短くあらすじ自体は複雑ではなく読みやすい

    ★★★★★ ロンドンで蜷川幸雄追悼ステージを見に行くことになり。やっぱり血で汚れた欲望は長くは続かない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンで蜷川幸雄追悼ステージを見に行くことになり。

    短いストーリーだけど次々と話が展開していく。
    ニナガワマクベスは豪華絢爛だけど、シェイクスピアの英国的なオリジナルな劇はもっと殺風景で衣装も地味だろうし、そう考えるとやっぱりニナガワ版を観れてよかった。

    内容はご存じの通り、魔女にそそのかされ、妻にも後押しされ、でもやっぱりそんな血で汚れた欲望は長くは続かない、という教訓です。
    シェークスピア作品に星をつけるなんて私ごときがですが。

    マクベスといえば黒沢明監督、三船敏郎主演の『蜘蛛巣城』も圧倒的な完璧な素晴らしさだった。
    形や言語を変えて何百年と語り継がれるそのオリジナルという意味でも、好き嫌いは全く関係なく客観的に人類にとっての宝だと言い切れる作品。
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    マクベス (新潮文庫)
    マクベス (新潮文庫)


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  • 『レイクサイド』 東野圭吾, 2002年 レビュー | 淡々とした真相の緊張感ミステリー

    『レイクサイド』 東野圭吾, 2002年 レビュー | 淡々とした真相の緊張感ミステリー



    レイクサイド
    東野圭吾, 2002
    288 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 心理ミステリー
    ✔ 一枚一枚剥がされていく真相の緊張感
    ✔ 普通の人たちの普通じゃない狂気

    ★★★★☆ わくわくするミステリーではなく、淡々と一枚一枚剥がされていく真相の緊張感、それは正に真夜中の湖のように静かで冷たい。正義と真実と愛と懺悔の間で彼のこころが揺れ動く。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    中学受験の勉強合宿で夫の愛人が殺された。
    親たちは子供を守るために事件を隠蔽しようとする。
    
    天才科学者でも執拗な刑事でもなく、いち夫が苦しみながらも真相を突き止めていく。
    彼は客観的でない分、正義と真実と愛と懺悔の間で彼のこころが揺れ動き、ついには悲しい真実へとたどり着く。
    
    ガリレオシリーズのようなドキドキわくわくのエンターテイメント性ではなく、淡々と、一枚一枚剥がされていく真相の緊張感、それは正に真夜中の湖のように静かで冷たい。
    
    
    
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    レイクサイド (文春文庫 ひ 13-5)


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    レイクサイド (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]
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  • 『真夏の方程式』 東野圭吾, 2011年 レビュー | “家族”の深い愛情と守るべき自然

    『真夏の方程式』 東野圭吾, 2011年 レビュー | “家族”の深い愛情と守るべき自然


    真夏の方程式
    東野圭吾, 2011
    464 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 映画化もされたガリレオシリーズ
    ✔ 血の繋がっていない家族の愛情
    ✔ ガリレオならではの爽快なトリックと推理

    ★★★★★ 複雑な人間関係の中で今回は家族愛、それも血の繋がっていない"家族"の深い愛情や、一般常識では成立しないような関係での愛情が目立つ。やっぱりこのシリーズは人を惹きつける。


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱりこのシリーズは人を惹きつける。
    相変わらず推理もトリックも難しくてわかった気になるけどやっぱりわかってなくて、そして謎解き。

    今回は複雑な人間関係の中で今回は家族愛、それも血の繋がっていない"家族"の深い愛情や、一般常識では成立しないような人間間の愛情が目立つ。

    もちろん、珍しく子供の相手をする湯川先生のその見守るような愛情も含めて。
    そのイメージは正に澄んだ青色の海なのかも。
    湯川先生と草薙刑事が珍しく離れているのも、このストーリーにおける特徴で、そういうちょっとした変化球がファンを飽きさせないのかも。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “A Midsummer’s Equation” Keigo Higashino (2011) Review | Affection of the “family”
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    真夏の方程式 (文春文庫 ひ 13-10)


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    真夏の方程式 (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]
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  • 赤パンの3冊 | #005 「母と娘」

    赤パンの3冊 | #005 「母と娘」



    「母と娘」
    いい母といい娘、近すぎて苦しい関係


    選んで気づいたけど、三冊とも日本の本ではないのに日本とその歴史に関係する本。
    故郷の長崎での出会いを想う母、在日コリアンとして家族を支える母、日本の植民地インドネシアで売春婦として生き抜いた母。
    そして彼女たちの娘たち。強い。


    1.カズオ•イシグロ
    遠い山なみの光, 1982
    A Pale View of Hills
    Kazuo Ishiguro
    183 ページ (英語)

    【おすすめポイント】
    故郷長崎の戦時中に出会った女性と娘を想う悦子。戦争の空しさと苦しみ。女たちの過去、未来、後悔。終わらない母の苦しみと降り積もる娘の苦しみの物語。
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    2.パチンコ
    ミン・ジン・リー, 2017
    Pachinko
    Min Jin Lee
    512 ページ (英語)

    【おすすめポイント】
    1910年の韓国から日本に渡った女性。在日コリアンとしての彼女の人生で絶えることなく続く苦労と小さな幸せと愛。母から娘へ続く生き方。人生はパチンコの如く。
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    3.美は傷
    エカ•クルニアワン, 2002
    Beauty is a wound
    Cantik Itu Luka
    Eka Kurniawan
    480 pages (英語)

    【おすすめポイント】
    インドネシア。この地に宿る魂の苦しみ、植民地としての過去、蔑ろにされる女性の尊厳、生きていくための手段。暴力と愛と呪い。最後の望みは醜く生まれてくれた娘。強く生きる女たちの壮大な物語。
    【amazonで見る】

    【関連ページ】
    『遠い山なみの光』 カズオ•イシグロ, 1982年 感想 | 普通の人の嫌味や僅かな悪意

    『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017 感想 | 韓国から日本へ

    『美は傷』 エカ•クルニアワン, 2002年 感想 | その地に宿る魂の苦しみ
  • 『博士の愛した数式』 小川 洋子, 2005年 レビュー | 思いやりに溢れるつぎはぎの家族

    『博士の愛した数式』 小川 洋子, 2005年 レビュー | 思いやりに溢れるつぎはぎの家族


    博士の愛した数式
    博士の愛した数式
    小川 洋子, 2005
    291 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ シングルマザーの家政婦、老数学者、家政婦の息子
    ✔ それぞれの立場と孤独
    ✔ 第一回本屋大賞受賞の温かな作品

    ★★★★★ 主人公のシングルマザー家政婦と、記憶が80分しか持たない老数学者と、家政婦の子供。他人であっても立場が違っても、ほんの少し努力しお互いを尊重しあえば、家族になれる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    愛に溢れ、思いやりに溢れた、少し悲しい物語。
    でもじんわりと心が温かくなってくる物語。
    
    主人公のシングルマザー家政婦と、記憶が80分しか持たない老数学者と、家政婦の子供。
    それぞれ孤独を背負う3人が、少しずつ重なる偶然と、互いを懸命に思いやる気持ちのお陰で、だんだんと不思議な家族として繋がっていくストーリー。
    他人であっても、立場が違っても、ほんの少し努力しお互いを尊重しあうことができれば、家族になれる。
    
    
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    博士の愛した数式
    博士の愛した数式


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    博士の愛した数式 (新潮文庫 新潮文庫) [ 小川 洋子 ]
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  • 『(ペルシャ人一家)』Sanam Mahloudji 2025年 レビュー | 誇り高きイラン人女性の物語 

    『(ペルシャ人一家)』Sanam Mahloudji 2025年 レビュー | 誇り高きイラン人女性の物語 


    The Persians: A Novel
    (ペルシャ人一家)
    Sanam Mahloudji, 2025
    The Persians
    384 ページ
    2016.02 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 3代にわたるイラン人女性を描くデビュー作
    ✔ イラン革命前と後、アメリカ移住後のそれぞれの世界
    ✔ プライドの高い彼女たちと家族のつながり

    ★★★★★ イラン革命、テヘランに残る祖母と孫娘、アメリカにわたる残りの家族。「アメリカなんてママの宝石よりも短い歴史しかないのよ」高貴で傲慢でわがままで美しく愛らしい女性たち。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この月は勝手に読書テーマを女性と決めて、最初に読んだのがこれ。
    パーフェクトな選択。

    イランの英雄を祖先とする由緒正しきValiat家、70年代のイラン革命で家族は二手に分かれる。
    テヘランに残る祖母と孫娘、アメリカにわたる残りの家族。
    『ペルセポリス』のあの雰囲気があるけれど、こちらもしっかりと当時のテヘランでの状況を伝える。
    つまり、表ではちゃんと髪の毛を隠す女性も違法のクラブでは性と薬物に手を染め、でも同時に政治的な活動もする、という一筋縄ではいかない現状。
    そしてアメリカへ渡った残りの家族は今度はアメリカで贅沢な生活を続けるも、こちらも酒に薬物にゴシップにまみれた現状。
    地理的に二手に分かれているうえに、1940年代のテヘランを生きた祖母と1980年代のテヘランを生きた孫娘の環境の差も浮き出てきて、まさにダイナミックな物語。

    「アメリカなんてママの宝石よりも短い歴史しかないのよ」

    それぞれの分かれた世界で生きる3世代のイラン女性たち、高貴で傲慢でわがままで美しく愛らしい女性たち。
    彼女たちの望みは、好きなように生き、好きなように愛し、好きなように捨て、それでもお互いに向き合うこと。

    世界最古といわれる文明を持つイラン、その伝統の中できちんとしたプライドの中で生きてきたイラン人女性の葛藤。
    ずっと続いてきた欧米中心の思考から少し目をそらすと複雑で圧倒的な世界が広がっていることを、特に今のご時世では知っておくべきだと思う。

    日本語はないようですが、英語は少し難しいかも、くらいのレベルです。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Persians” Sanam Mahloudji (2025) Review | Dynamics of the women
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    The Persians: A Novel
    The Persians: A Novel (English Edition)


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    The Persians【電子書籍】[ Sanam Mahloudji ]
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  • 『小さきものたちの神』 アルンダティ ロイ, 1997年 レビュー | 感動が迫ってくるインド人作家の非線形の語り

    『小さきものたちの神』 アルンダティ ロイ, 1997年 レビュー | 感動が迫ってくるインド人作家の非線形の語り


    小さきものたちの神
    小さきものたちの神
    アルンダティ ロイ, 1997
    The God of Small Things
    Arundhati Roy, 1997
    2019.12 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの作家、活動家の非線形の語り口のデビュー作
    ✔ 南インドを舞台とした伝統的な文化や家庭のあり方への問
    ✔ ブッカー賞受賞

    ★★★★★ 少し少なめに愛されていると認識する子供時代と少しずつ少しずつ壊れていく日常。その繊細な美しさに驚き憑りつかれ、読み終わって本を閉じた時にじんわりと感動が迫ってくる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドの作家で、同僚にオススメしてもらったもの。
    なので全く予備知識もなく読んで、その繊細な美しさに驚いて、読み終わって本を閉じた時に、じんわりと感動が迫ってきた。

    たしかに読みづらい。
    それは事件を明確にしないまま時系列的にあちこちに飛んでいくという点と、インドの文化を知らないとついていけない部分があるという点で。
    分からない単語やコンセプトも多く、調べながらの読書。
    まさにトラウマを抱える人が、一番重要な事件を記憶の先頭に立たせるのに、その他の事についてぐるぐると思い起こすかにように話はあちらこちらへ飛んでいく。

    これがインド人(インド系でなく、インド人)女性によって書かれたという意義。
    アジア人、インド人の女性としての感覚、視点、描写は、西洋の中で生まれ育ってしまうと光ってこない。
    「不可触民」がいるという生活、母であり、女であり、邪魔者であるという生活。
    少し少なめに愛されていると認識する子供たち(双子) 、コンプレックス、差別、トラウマ、嫉妬、愛情、繋がり、禁断の愛、無。
    少しずつ少しずつ壊れていく。

    「子供たちが昼間慕う男性、母が夜に愛するその男性」という表現を含め、時に美しく時に冷たく、時に率直な表現が散りばめられていて、それを追うのが困難でもあり、この本の楽しみでもあり、取りつかれたように次のページに進んでしまう。
    さすがブッカー賞。

    これを読んで、ケーララ州に行きたくなって、実際に行ってカタカリという古典舞踊も一応見てきましたよ。

    背景がすでに日本の日常からかけ離れているので、詩的なこの本の美しさを訳すのは大変そう。
    オンラインでは日本語での定価がなさそうなので古本で探してみてください。
    イギリスではいまだに売れている本だけどやっぱり日本にはなじみがなかったのかな。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The God of Small Things" Arundhati Roy (1997) Review | Haunting, emotional, beautiful
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    小さきものたちの神
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  • 赤パンの3冊 | おすすめ #003 「元気をくれる女性たち」

    赤パンの3冊 | おすすめ #003 「元気をくれる女性たち」

    akapan book recs 003

    🔽 赤パンの3冊 セレクト🔽

    「元気をくれる女性たち」
    明日も頑張れる3冊

    わたし赤パンが勝手に独断でテーマ別に好きな本、おすすめの本を3冊選ぶページです。
    趣味が偏っていますが、きっと波長が合う人もいるはず。



    1.高慢と偏見
    ジェーン•オースティン, 1813年
    Pride and Prejudice
    Jane Austen
    367 ページ
    イギリス
    【おすすめポイント】
    お金のため結婚なんかしない。負けん気が強いエリザベス、あれだダーシーをけなすのに結局は愛を見つけ出す。古典中の古典だけどここは押さえておかないと。
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    2.ランチのアッコちゃん
    柚木麻子, 2013
    200 ページ
    【おすすめポイント】
    先輩のアッコちゃんから元気をもらう美智子。アッコちゃんの周りで起きる短編集で、食べ物を取り囲んで冷えきった東京の生活を暖めてくれる物語たち。
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    3.佐賀のがばいばあちゃん
    島田洋七, 2004
    163 ページ
    【おすすめポイント】
    ど田舎に住むおばあちゃんとの夏の思い出。貧乏でも元気と愛情と生命力にあふれているおばあちゃん、心も体も強い!何もない二人だけの生活は少年の一生の思い出になる。
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    【関連ページ】
    『高慢と偏見』ジェーン•オースティン, 1813年 感想 | お金持ちの青年を散々けなして結局結婚する

    『ランチのアッコちゃん』柚木麻子, 2013 感想 | 心を満たすランチパワー

    『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七, 2004年 感想 | 大切な夏の思い出

  • 『続氷点』 三浦 綾子, 1971年 レビュー | 辛いメロドラマの続編 

    『続氷点』 三浦 綾子, 1971年 レビュー | 辛いメロドラマの続編 


    続氷点(上) (角川文庫)

    続氷点
    三浦 綾子, 1971
    768 ページ (上下 368 + 400 ページ)
    2019.06 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ シリーズ続編
    ✔ 家族に愛されずも健気に生きる少女のその後
    ✔ 北海道の厳しい冬景色が舞台

    ★★★★☆ あの辛い辛いメロドラマの氷点の続編。母の夏枝のジェラシーとエゴがもっと全面に出てきて、もっとひどい状態にもなるけどだけどやっぱり面白くて、上下巻あっという間。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    来た、あの辛い辛いメロドラマの氷点の続編。
    前回は苦しみ歪んでいない愛情を知らずにひたすら健気に生きる陽子ちゃんのストーリー。
    今回は自殺未遂後のその後の家族との生活。
    
    単純な憎さではなくて、母の夏枝のジェラシーとエゴがもっと全面に出て、さらには陽子を性的対象として見る兄と父。
    そして、産みの親とその家族。
    
    絵にかいたようなメロドラマだけど、やっぱり面白くて、上下巻あっという間に読んでしまう。
    しかしみんな自分勝手もいいところ。特に男たちは見事に。でも夏枝の僻みが一番怖い。
    最後の方はいままで暗に示されていたキリスト教の教えもしっかりと絡まってきて、北海道の厳しい景色とも重なり、壮大な物語となっていく。
    
    
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    続氷点(上) (角川文庫)
    続氷点(上) (角川文庫)

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  • 『流星の絆』 東野圭吾, 2008年 レビュー | 三兄妹の復讐ドラマ

    『流星の絆』 東野圭吾, 2008年 レビュー | 三兄妹の復讐ドラマ


    流星の絆 (講談社文庫)
    流星の絆
    東野圭吾, 2008
    480 ページ
    2019.07 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 東野圭吾らしい家族ドラマのミステリーの組み合わせ
    ✔ 親を殺された兄妹の復讐
    ✔ 感動系人間ドラマ、映画化

    ★★★★☆ わたしたち三兄妹の両親を誰が殺したのか、という謎解き。東野作品のそのドラマの観点が好きな人にはじんわりとキュンとくる作品。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    わたしたち三兄妹の両親を誰が殺したのか、という謎解き。
    親を殺されたという過去がバレないかというハラハラ感と、妹の恋心とが交わって、さすが!の東野ミステリードラマ。
    
    最後の謎解きの部分はちょっと突然な感じもするけど、そこはドラマチックなストーリーで十分にカバーできてるし、東野作品のそのドラマの観点が好きな人にはじんわりと、キュンとくる作品。
    
    
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    流星の絆 (講談社文庫)
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  • 『花の鎖』 湊かなえ, 2013年 レビュー | つながりが見えてくる女性たちのストーリー 

    『花の鎖』 湊かなえ, 2013年 レビュー | つながりが見えてくる女性たちのストーリー 


    花の鎖 (文春文庫 み 44-1)
    花の鎖
    湊かなえ, 2013
    368 ページ
    2020.09 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ だんだんとつながりが見えてくる女性たちのストーリー
    ✔ 花屋さんが結びつけるミステリー
    ✔ 家族のつながりと商店街のつながり

    ★★★★☆ 最初は短篇集かと思うほど、それぞれが独立してるようなんだけど、段々と繋がりが見えてくる。強い女性。強い繋がり。強いストーリーテリング。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    最初は短篇集かと思うほど、それぞれが独立してるようなんだけど、段々と繋がりが見えてくる。
    時代背景が最初は分からないので商店街の繋がりのみでは想像できないけど、後半は、なるほど、と何度も頷いてしまう。
    
    強い女性。強い繋がり。強いストーリーテリング。
    凶悪犯罪はないけど、確かにミステリー。
    そしてきっと誰もが、きんつばが食べたくなる。
    
    
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    花の鎖 (文春文庫 み 44-1)
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  • 『くっすん大黒』 町田康, 1997年 レビュー | パンクな短編集 

    『くっすん大黒』 町田康, 1997年 レビュー | パンクな短編集 


    くっすん大黒 (文春文庫 ま 15-1)
    くっすん大黒
    町田康, 1997
    192 ページ
    2020.09 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 元ミュージシャンのデビュー作
    ✔ 大国の置物を捨てるための日常なのに異次元な空間
    ✔ パンクな笑いの独特の文体と表現方法

    ★★★★☆ 普通の人の普通の日々、と思ってたらちょっとずつずれていって、かなりロックなのかパンクなのか、とにかく突っ走ってる。笑いと恐怖は常に紙一重。パンクなんですね。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    不思議な短編二本。
    日常の異空間。
    普通の人の普通の日々、と思っていたらちょっとずつずれていって、かなりロックなのかパンクなのか、とにかく突っ走ってる。
    
    で、後書きを読んでみると、なるほどパンク歌手という肩書きなんですね。
    笑いと恐怖は常に紙一重。
    そう、笑っていいのかわからないチャアミイや、二本目の「河原のアバラ」の遺骨の件で会う人など、面白いんだけどヤバい。
    ヤバいけど笑える。
    
    パンクなんですね。
    
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    くっすん大黒 (文春文庫 ま 15-1)
    くっすん大黒 (文春文庫 ま 15-1)


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    くっすん大黒 (文春文庫) [ 町田 康 ]
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  • 『猛スピードで母は』 長嶋有, 2005年 レビュー | 強さと弱さのリアルな家族の日常 

    『猛スピードで母は』 長嶋有, 2005年 レビュー | 強さと弱さのリアルな家族の日常 


    猛スピードで母は (文春文庫)
    猛スピードで母は
    長嶋有, 2005
    110 ページ
    2020.07 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 家族ドラマの短編集
    ✔ 少女視点の親の離婚と少年視点のシングルマザーの二本
    ✔ 子供のリアルな心境の動き

    ★★★★☆ ドラマチックではないし、ふんわり系でもない家族ドラマ。リアルな日常と人には伝えにくい心情の動きや行動がそこにはある。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    二本の短編。
    ふんわり系と思っていたら、違う。
    最初のストーリーには、少女の目線からの親の離婚とその愛人のことが、
    もう一つには少年から見たシングルマザー母のことが。
    ドラマチックではないし、ふんわり系でもなく、リアルな日常と人には伝えにくい心情の動きや行動がそこにはある。
    
    初めての作家で女性かと思ったら男性だった。
    なのに女の子の心の動きや強い女性のちらりと見せる弱さの背景の動きなどが心地よい。
    
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    猛スピードで母は (文春文庫)
    猛スピードで母は (文春文庫)


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  • 『とりつくしま』 東直子, 2011年 レビュー | 大切な人に会いたくなるやわらかい短編集

    『とりつくしま』 東直子, 2011年 レビュー | 大切な人に会いたくなるやわらかい短編集


    とりつくしま (ちくま文庫)
    とりつくしま
    東直子, 2011年
    224 ページ
    2020.07 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 歌人の著者の死後の世界
    ✔ 残した人を想うそれぞれの主人公
    ✔ 家族や友達に会いに行きたくなる

    ★★★★☆ ふんわりと包み込むような世界。死んでしまってちょっと後悔はしてる。後悔していいんだよ。大切な人の元に戻って言いたいことがある、うまくは伝えられない。それでもいいんだよ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    東直子のふんわりとした包み込むような世界。
    
    とりつく、とはちょっと怖いイメージもあるけど、優しく受け入れるという表現が近いと思うというか、それでいいんだよ、という感じがいい。
    
    死んでしまってちょっと後悔はしてる。
    後悔していいんだよ。
    大切な人の元に戻って言いたいことがある、うまくは伝えられない。
    それでもいいんだよ。
    
    視点が面白くて、死者の世界だから正義とかじゃなくて、ただそこにあるのは、想い。
    
    
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    とりつくしま (ちくま文庫)
    とりつくしま (ちくま文庫)


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    とりつくしま (ちくま文庫) [ 東直子 ]
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  • 『パパは家出中』 ハニフ・クレイシ, 2001年 レビュー | ロンドン、ロックンロール小説

    『パパは家出中』 ハニフ・クレイシ, 2001年 レビュー | ロンドン、ロックンロール小説


    パパは家出中
    パパは家出中
    ハニフ・クレイシ, 2001
    Gabriel’s Gift
    Hanif Kureishi
    2020.06 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ロンドンが舞台のミュージシャンの父と息子
    ✔ 父と息子と家族のずれ

    ★★★☆☆ ロンドン、ロックンロール、そこで大人になっていく少年。ロックな両親の元に生まれ、両親のロックな環境で育ち、そういう感じが好きな人はきっと楽しめる一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドン、ロックンロール、そしてそこで大人になっていく少年。

    『マイ・ビューティフル・ランドレット』の脚本家なのであの素敵な青春を予想していたけれど、ここはほぼ純粋にロック音楽への賛歌。

    ロックな両親の元に生まれ、両親のロックな環境で育ち、でも小さいときに双子の兄弟を失った主人公。
    そういう特殊な子供時代を少年の目で見つめる、という感じで、そういう感じが好きな人はきっと楽しめる一冊、ただ私はその辺については鈍い。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Gabriel’s Gift” Hanif Kureishi (2001) Review | Rock and London
    tag ; 音楽 ロンドン
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  • 『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス, 1966年 レビュー | 救いに溢れた幸せを問うSF

    『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス, 1966年 レビュー | 救いに溢れた幸せを問うSF


    アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
    アルジャーノンに花束を
    ダニエル・キイス, 1966
    Flowers for Algernon
    Daniel Keyes, 1966
    2026.02 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 知的障害を持つ主人公の頭脳へ起きる変化
    ✔ 彼の書いた日記として進む物語
    ✔ 幸せとは何かを問う感動作

    ★★★★★ 幸せとは何か。素晴らしい知識の中でチャーリーは幸せだったと思いたい。私たちは何かを得てもその何かを失うサイクルからは逃れられない。許しと救いに溢れたストーリー。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    あまりにもチャーリイの障害が身近過ぎて客観的に感動できなかったところはある。
    逆にいうと、だからこそ痛いほどよくわかるところもある。
    なんというか、感動で涙は出ないけど、ただただ痛かった。

    でもできるだけ客観的に。
    小説の感想はいつもはできるだけ内容に触れないようにしているんですが、今回は少し内容に触れているので全く何も知りたくない人は読まないでください。

    この本が問うことは「幸せとは何」というとてつもなく大きな問。

    チャーリイの手術後すぐに、同僚の子が呟いた話にヒントがあるように思う。
    神様は私たちが与えられたもの以上のものを得ようとすることを許さない。
    彼女の考えでは、賢くなることは悪いこと。
    チャーリイは果たして周りの誰よりも賢くなることで幸せになったのか、そして良いことだったのか。
    世界中にあふれている素晴らしい知識を体いっぱい吸収できて彼はきっと、いや間違いなく幸せだったはず。
    それでも超能力がなくなるように、もっと言うと年を取って誰もがそれぞれ呆けたり遅くなっていくかのように、生きていくうえで避けられないサイクルとして、何かを得ても人は必ずその何かを失う。

    知識は力、たまに力が強すぎて害を及ぼすけれど、間違いなく失うものと思えれば、その山と谷をしっかりと自分のものにすればいい。
    得て、失って。
    広い目で見れば失うことだって、不幸と一言では言えない、そんなに狭い視野の話をしていない気がする。

    失ったと思った友情も、いつか戻ってくるかもしれない。
    人は大きな共同体、コミュニティの中での持ち場があるということも考えさせられる。
    (特にアメリカのような超個人主義の中でそれぞれの共同体ということも)

    そして、母親の存在。
    母親は悪い人間だったのか、自分の息子が「普通」であることを望むのは悪いことか。
    道徳の授業で差別はいけませんと教えられていると、他人ごとでは簡単に言える。
    自分の息子は他の子と同じように会話したり仕事をしたりすることはないと絶望した母親には、そんな他人事は通じない。
    それでもチャーリイのことを第一に考えることができればよかったのに、彼女は自分の不幸に集中するあまり息子のことを愛することを忘れていた。

    みんな、自分が一番大切。
    でも周囲の人間を傷つける気持ちもない、ただどちらもこなすのが難しいだけ。
    許しと救いにあふれているストーリーで本当に良かった。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Flowers for Algernon” Daniel Keyes (1966) Review | Forgiveness and salvations

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    アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
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  • 『乳と卵』 川上未映子, 2008年 レビュー | 女性の普通をタブー視する社会への挑戦 

    『乳と卵』 川上未映子, 2008年 レビュー | 女性の普通をタブー視する社会への挑戦 


    乳と卵 (文春文庫 か 51-1)
    乳と卵
    川上未映子, 2008
    144 ページ
    2020.05 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 主人公と姉とその娘の3人の3日間
    ✔ 女であること、女の身体のことを新鮮な文体で描く
    ✔ 世界的にヒットした芥川賞受賞作

    ★★★★★ 女であること、というテーマから、具体的にツールになる身体のパーツ、女同士を見る事見られる事。実は日常茶飯事だけど、タブーになる女性の普通を、不思議な文章で表す。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    こんな作品は他にない。

    女3人の3日間。
    女であること、というテーマから、具体的に性的なツールになる胸、生殖のツールになる卵子、その過程である生理、女同士を見る事、見られる事。
    男の役割はなんなのか。
    そういう実は日常茶飯事だけど、タブーになる女性の普通を、不思議な文章で表す。
    読みにくい長文と入り混じる大阪弁で読者を惹きつけて離さない。

    本には実は2作品が収められていて、もうひとつの方は繰り返す日常の中で女性が抱く淡い希望について。

    二作品とも地に足がついていて、日常の真実を語っていて、テーマや物語は鋭いのに、文体は優しく温かい。

    世界中でファンが多い著者、私もロンドンで知って日本語で読む機会を待っていました。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Breasts and Eggs" Mieko Kawakami (2008) Review | Women's normality, society's taboo
    tag 女性主体
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    乳と卵 (文春文庫 か 51-1)
    乳と卵 (文春文庫 か 51-1)


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    乳と卵 (文春文庫) [ 川上 未映子 ]
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  • 『審判』 フランツ・カフカ, 1914年 レビュー | 理不尽、屈辱、抵抗

    『審判』 フランツ・カフカ, 1914年 レビュー | 理不尽、屈辱、抵抗



    審判
    フランツ・カフカ, 1914
    The Trial
    Franz Kafka
    Der Prozess
    394 ページ
    2020.05 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ カフカの描く不条理の世界
    ✔ 途中が断片的な未完の作品
    ✔ なぜ逮捕されたのか分からないままの主人公

    ★★★★☆ 理不尽、屈辱、抵抗、カフカの世界。なんの罪に問われているかもわからず、セレモニアルでない呆気ないのあとに残るものは恥辱のみ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    理不尽、屈辱、抵抗、カフカの世界。

    「変身」は学生時代に読んだきりで、ああこういう感じだったと思い出す。
    突然逮捕される、または突然虫になる。
    周りの人間の侮辱に似た言動を堪えて過ごし結局は野垂れ死に。

    真面目な男である主人公はロジカルでない事や物へ理解に苦しむも、結局どこに裁判所があるのかも、誰が助けてくれるのかも、そして読者は彼がなんの罪に問われているかもわからないまま、最もセレモニアルでない形の呆気ない死、その死のあとに残るものは恥辱のみ。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review

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    審判 (岩波文庫 赤 438-2)


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    審判 (岩波文庫 赤438-2) [ カフカ ]
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  • 『春にして君を離れ』 アガサ・クリスティー, 1944年 レビュー | 母の苦悩を描く名作

    『春にして君を離れ』 アガサ・クリスティー, 1944年 レビュー | 母の苦悩を描く名作



    春にして君を離れ
    アガサ・クリスティー, 1944
    Absent in the Spring
    Agatha Christie, 1944
    イギリス
    336 ページ
    2020.04 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アガサクリスティーの別名での作品
    ✔ 家族のために犠牲にしていると思う女性
    ✔ 背景はバグダットから英国への帰国の旅路

    ★★★★☆ 多くの人、特に母親が歩む道である被害者妄想というか。家族のために自分を犠牲にして、過ちを犯さないようレールを敷いてあげているのに。当時の彼女の別ペンネームの作品。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    いわゆるアガサ クリスティのミステリーではない、当時の彼女の別ペンネームの作品。

    何も知らずに読んだけど、途中からなぜこの本が面白いのかだんだんわかってくる。
    それは、多くの人が歩む道であり、たぶん母親となる女性に多いのかもしれないけど、これは被害者妄想というべきか。

    バグダッドから一人帰国する旅の途中、彼女は自分の家族について考える。
    家族のために自分を犠牲にしてやってあげてるのに、過ちを犯さないようレールを敷いてあげているのに。
    そういう独り善がり。
    さらには、夫はたしかに優しいし、優しさから、主人公が好きな事をしてもらう。
    でも最終的にそれは彼女にとっての幸せか。
    🔽 関連ページ 🔽
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    春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


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    春にして君を離れ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]
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  • 『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎, 1937年 レビュー | 人間よりも猫のリリー

    『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎, 1937年 レビュー | 人間よりも猫のリリー



    猫と庄造と二人のおんな
    谷崎潤一郎, 1937年
    日本
    176 ページ
    2020.04 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 猫好きのための谷崎潤一郎作品
    ✔ 離婚時の猫の行き先について
    ✔ 人間よりも猫

    ★★★★★ 猫のリリーがすべての中心。男はリリーを愛しリリーのみを愛する。人間の女は福子でも品子でも母でも誰でもいい。庄造の幸せとはつまり、猫のためだけに全てを捧げる事。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    猫のリリーがすべての中心。

    男はリリーを愛しリリーのみを愛する。
    人間の女は福子でも品子でも母でも誰でもいい。

    谷崎らしい片思いのドラマなんだけど、溺愛の対象は猫。
    しかも清楚な名前の西洋種の雌猫。
    主人なのか召使いなのか、男の愛情には気ままにしか対応しない。「痴人の愛」のナオミを極限まで引っ張って、ここでは美しい西洋猫リリーになる。
    周りに流される庄造、庄造に捨てられた女、猫以下の女。

    庄造の幸せとはつまり、猫のためだけに全てを捧げる事だった、んですね。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    タグ: 谷崎潤一郎

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    猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)


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  • 『Unmarriageable』 ソニア・カマル, 2019年 レビュー | パキスタン版高慢と偏見 

    『Unmarriageable』 ソニア・カマル, 2019年 レビュー | パキスタン版高慢と偏見 



    Unmarriageable
    Soniah Kamal, 2019
    ソニア・カマル
    384 ページ
    2020.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ パキスタン版の『高慢と偏見』
    ✔ 2000年ごろの英語の教師が主人公
    ✔ 元気でおしゃべりなパキスタンの女子たち

    ★★★★☆ まさにパキスタン版『高慢と偏見』リアルなパキスタンの若い人たちの様子、口うるさい年寄りにうんざりしながらも元気でおしゃべりなパキスタンの女子の様子が新鮮。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    パキスタン版『高慢と偏見』。まさに。

    (この時点では)まだジェーン・オースティンのオリジナルを読んでいなかったので似ている点については詳しくわからないけど、間違いなくエンターテイメントな一冊。

    パキスタン生まれでアメリカ人の著者の作品。
    もうパキスタンは独立はしているけれど、まだ大英帝国の影響は消え去ってはいない2000年頃の社会で英語の先生である若い女性が主人公。
    パキスタンの当時の様子、新旧の文化や食文化が次々と描かれそれだけでも楽しい。
    出版はアメリカだし、欧米を意識していた感じは否めないけど、欧米メディアを通さないリアルのパキスタンの若い人たちの様子、口うるさい年寄りにうんざりしながらも元気でおしゃべりなパキスタンの女子の様子が新鮮。
    きっとその辺はオリジナルと同じ感じなんだと思う。

    日本語版はないですが、英語はそんなに難しくないし、コミカルなパキスタンの様子なんてなかなか簡単に読めないので頑張る価値ありです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Unmarriageable” Soniah Kamal, (2019) Review | Pakistani Pride and Prejudice
    オリジナル「高慢と偏見」ジェーン•オースティン
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    Unmarriageable: Pride and Prejudice in Pakistan (English Edition)


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  • 『密やかな炎』 セレステ•イング, 2017年 レビュー | 女たちの内なる怒りを描く

    『密やかな炎』 セレステ•イング, 2017年 レビュー | 女たちの内なる怒りを描く



    密やかな炎
    セレステ•イング, 2017
    Little Fires Everywhere
    Celeste Ng, 2017
    2020.03 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 社会的地位や家族構成の違う二つの家族
    ✔ 母親と娘の関係
    ✔ アマゾンでドラマ化

    ★★★★☆ 二つの家族、二つの逆の生き方。フェミニズムを語るときそこには常に人種や貧富の差、社会的地位、イデオロギーの違いなどが確実に存在している。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この映像化に関わったので同僚から借りた本。

    静かにゆっくりと始まる、まさにこの原題のように小さな炎があちらこちらで生まれていく。
    二つの家族、二つの逆の生き方、異なる母親像に、異なる娘像、そして異なる運命。


    登場人物はほの女性で彼女たちの内側の怒りを描くんだけど、ここで重要なのは女性と言っても一つの存在ではなく、社会的地位と貧富の差が女性を分け隔てるということ。
    フェミニズムを語るときに重要なことは、そこには常に人種や貧富の差、社会的地位、イデオロギーの違いなどが確実に存在しているという事実。
    フェミニズムの一言でまとめられる問題じゃない。

    女性同士の問題を、なんというか心持ち分かりやすくしすぎている気がしてそこがちょっと気になるけど、でも私のいつもの屁理屈なだと思う。

    もうちょっと壊れていく感じを出していたら私の好みにもっと近づくのではと密かに思う。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Little Fires Everywhere” Celeste Ng (2017) Review | Women’s inner anger
    tag フェミニズム
    tag 女性主体
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    密やかな炎


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  • 『父と暮らせば』井上ひさし, 1998年 レビュー | 戦争で残された人々の痛み

    『父と暮らせば』井上ひさし, 1998年 レビュー | 戦争で残された人々の痛み



    父と暮らせば
    井上ひさし, 1998
    128 ページ
    2025.12 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 1994年に初演された広島弁の戯曲
    ✔ 原爆で亡くなった父と残された娘の二人の登場人物
    ✔ 戦争の酷さ、残された人間のつらさを描く

    ★★★★★ ユーモアに溢れていて、広島弁でゆっくりと進んでいく物語。ここにじんわりと写された苦しみと痛さと、自分なんかが幸せになってはいけないという葛藤。その痛みを忘れないための大切な一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    前書きで著者はずっと命の限り広島と長崎のことを書いていくという強い意思を示している。
    絶対に絶やしてはいけないことだから。

    その思いで書かれたこの作品。

    ここにじんわりと写された苦しみと痛さと、自分なんかが幸せになってはいけないという葛藤。
    父の生と死を越えた愛情と、娘の方からも深い愛情があり、原爆で命を奪われた人と「死ねなかった人」の次元を越える慈悲に溢れていて、短いながらもその深さに、読む人の心にずっと残るものになる。

    ユーモアに溢れていて、広島弁でゆっくりと進んでいく物語。
    私はまだ原爆の巨大な被害にあった人の話を直接聞けた世代。
    その次に続く高度成長期のあとの明るい未来を知らない世代。

    忘れないための大切な一冊。

    🔽 関連ページ 🔽
    tag 戦争/War 
    
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    父と暮せば (新潮文庫)
    
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  • 『あん』 ドリアン助川, 2015年 レビュー | 暖かくてそっと甘い物語

    『あん』 ドリアン助川, 2015年 レビュー | 暖かくてそっと甘い物語

    🔽 基本情報 🔽
    あん
    ドリアン助川, 2015
    260 ページ
    2025.12 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ どら焼き屋をめぐる3人のそれぞれの過去と未来への思い
    ✔ 仕方なくバイトとして雇った老女に対する周囲の目
    ✔ 生きる意味と生きていくための希望を描く

    ★★★★★ 社会の役に立つことが生きる意味だと言われることを最近よく考える。生きる意味自体は「あぁ、よかった」って思えることじゃないかな、と。暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。
    でも幸せはいつもわかりやすいの形をしていない。

    社会の役に立つことが生きる意味だと言われることを最近よく考える。
    それは生きる意味じゃないとつくづく思う、どちらかというと意義だよね。
    生きる意味自体は「あぁ、よかった」って思えることじゃないかな、と最近は思う。

    徳江さんも、店長さんも、ワカナちゃんも、それぞれ辛い思いをしてきたなかでお互いに会えた。
    ハンセン病という病気に苦しみ完治後は偏見に苦しんだ徳江さん。
    私も療養施設が90年代まであったなんていうことも知らなかったけれど、差別をする側の無知の怖さ。

    偶然にも去年初めて自分であんこを作り、その後何度かどら焼きも作った。
    簡易レシピであったにも関わらず、もちろん乾燥小豆を前の日から水に浸し、数時間かかる。
    そして、自分で作ったちょっと固めになってしまったあんこの美味しさ。
    その時に感じたのは、間違いなく幸福感だった。
    お菓子が運んできてくれる小さな幸せ。
    時間をかけた割には一瞬で食べてしまう美味しいもの。
    そんなときにも「あぁ、よかった」と思うようだ。

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Sweet Bean Paste” Durien Sukegawa (2015) Review | sweetness of life


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    あん (ポプラ文庫 と 1-2)



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  • 『岳物語』椎名誠, 1989年 レビュー | 息子と父の物語

    『岳物語』椎名誠, 1989年 レビュー | 息子と父の物語



    岳物語
    椎名誠, 1989
    Makoto Shiina
    272 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 椎名誠の息子の生活をベースにした小説
    ✔ 岳の自由気ままなその姿を愛情たっぷりで見つめる父親
    ✔ 岳さんは椎名誠よりシーナ的とも

    ★★★★★ 父親の愛情に溢れた一冊で、しかも思春期の難しい時期に入るまでの息子と父の物語。自分に息子がいるとよくわかる。最近はじわじわ息子との接点もなくなって。でも子供が自分を越えていく、それが子育ての成功した証だと思う。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    小説というか、ほぼエッセイというのか。
    でも小説ということらしい。
    父親の愛情に溢れた一冊で、しかも思春期の難しい時期に入るまでの息子と父の物語。

    自分に息子がいるとよくわかる。
    こうでした。
    私は母親だしプロセス技もかけないけれど、長男はは家庭内だけでなく社会で育つべきと思っていたし、家族でない人との交流をさせてもらえることがありがたくてしょうがない。
    13歳のときに長い夏休みに日本の私の実家に3ヶ月送り込んだときと、作中におとう(椎名誠)が3ヶ月半の海外での仕事から帰宅した時とが重なる。
    少年として送り出したのに帰ってきたときは青年になっていた。
    単純に身長も抜かれたし、何よりも親がいない、知らない時間を経験をした、ということ。
    普段は学校は片道バスで2時間の街にあるから部活もスポーツも何もしないのに家ではご飯食べて寝るだけ、いよいよ息子との接点もなくなる。
    子供が自分を越えていく、それが子育ての成功した証だと思う。

    岳さんは椎名誠よりシーナ的とも言われてこの本のイメージが強すぎてそれが迷惑な時期もあったそうだけど、家族ってそれぞれで、そんなものなんですね。
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    岳物語 (集英社文庫)


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  • 『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024年 レビュー | ダークでリアルなロンドン

    『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024年 レビュー | ダークでリアルなロンドン



    Caledonian Road
    Andrew O’Hagan, 2024
    カレドニアンロード
    アンドリュー・オヘイガン
    657 ページ
    2025.11 読了
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    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 現在の金持ちの遊び場と化したロンドンを風刺する
    ✔ 富豪政治家やロシア人、インフルエンサーなどとの絡み
    ✔ 金と権力の渦に巻き込まれる美術史の専門家の苦悩

    ★★★★☆ 完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。未だに階級の問題は根強く残っているし、加えてロシアの富裕層や貧しい移民の問題もある。金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンって住むにはどんなところ?と聞かれたら、とりあえずこれを読んでと言う。
    完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。

    人々はより良い生活を求めてロンドンに行くけれど、すぐにそんなものは存在しないと気づかされる。
    ここ数年で特に急激にお金がないとマシな生活はできない街となった。
    未だに階級の問題は根強く残っているし、桁違いの金持ちの生き方は一般人からは見えないほどにきっぱりと区別されている。
    (もちろん旅行者に見えることは絶対にない)
    金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    仲間と敵、それは政治上あったり利益であったり郊外に住むギャングであったり。

    主人公の美術史の歴史家兼教授である生徒との関係がメインだけど、貴族階級の伝統的な富裕層、ロシアの富裕層、その子どもたち、犯罪も厭わない若者ギャングなどの視点からも描かれていてまるでロンドンの街の生活そのままの複雑なサスペンス。

    このエリアは実は私は合計10年近く住んでいたので、知ってる道の名前が出てきて嬉しい。
    この辺は貧しい通りと裕福な通りが本当に隣り合わせ。

    英語レベルで言うとロンドンのスラングなども入ってくるのでちょっと難しめ。
    しかもみっちり657ページ。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Caledonian Road” Andrew O’Hagan (2024) Review | Dark reality of London today
    tag ロンドン

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    Caledonian Road: The Sunday Times bestseller (English Edition)
    
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  • 『(眼の中の砂)』タゴール, 1903年 レビュー | 不幸の未亡人を描くインドの傑作

    『(眼の中の砂)』タゴール, 1903年 レビュー | 不幸の未亡人を描くインドの傑作

    🔽 基本情報 🔽

    Chokher Bali
    Rabindranath Tagore, 1903
    (眼の中の砂、やっかいもの)
    ラビンドラナート・タゴール
    298 ページ
    2022.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの偉大な詩人タゴールによる小説
    ✔ 不幸を運ぶといわれる未亡人となった女性の半生
    ✔ 伝統的な社会の中で生きる悲しさ

    ★★★★☆ Chokher Bali、眼の中の砂、やっかい者。知り合いの家に預けられる才色兼備の未亡人、彼女はそれでも自由になりたかった。眼の中の砂は触るものすべてを乱して、いつの間にかいなくなる。不幸をテーマにした強く悲しいインドの傑作。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    初めて読んだタゴールの本はこの小説。
    インドでは有名でテレビや映画になっていて、特に最近のアイシュワリヤー・ラーイ主演のは見てみたい。

    Chokher Bali、眼の中の砂、やっかい者。
    美しい未亡人が、知り合いの家に預けられ、その家の嫁と仲良くなる。
    お互いをBaliと呼びあう仲だったけれど、才色兼備の未亡人(美しさが頂点のアイシュワリヤー・ラーイが演じる)は運命に反してでも自由になりたかった、そしてどんな手を使ってでも。

    日本人には馴染のある夫婦間、母と息子、嫁と姑、という繊細な家族の揺れ。
    そこに突如、悲しみを身にまとった美貌の未亡人がやってくるんだから、それぞれが沸々と狂っていく。
    眼の中の砂は触るものすべてを乱して、いつの間にかいなくなる。
    この身分をわきまえずに愛情も幸せも追求した悪に根元(インドでは未亡人は不吉な存在)。

    不幸をテーマにした強く悲しいインドの傑作。

    (原語はベンガル語、日本語訳は見つけられませんでした)
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Chokher Bali” Rabindranath Tagore, (1903) Review | Tragedy from India
    tag インド
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    Chokher Bali (English Edition) 
    
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  • 『夫婦茶碗』町田康, 1998年 レビュー | パンク小説

    『夫婦茶碗』町田康, 1998年 レビュー | パンク小説



    夫婦茶碗
    町田康, 1998
    Ko Machida
    221 ページ
    2022.02 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 元ミュージシャンの著者の短編集
    ✔ どうしようもないクズな主人公


    ★★☆☆☆ 夫婦茶碗と、人間の屑という二本立て。どちらもコロコロと人生を転がり落ちるような男の話。パンク小説なんだけど、ここまでくるとね。まあ私向けではない本だった、ということでした。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    夫婦茶碗と、人間の屑という二本立て。
    どちらも、コロコロと人生を転がり落ちるような男の話。

    どうしようもないクズ、反省をするのは頭の中で一瞬で、それだけで自分に浸って、次から次へと悪化し、やっぱり転がり続ける。

    パンク小説なんだけど、ここまでくるとね。
    面白くない、よくない、というわけではなく、私向けではない本だった、ということでした。
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    夫婦茶碗 (新潮文庫)
    
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  • 『呪われた村』ジョン・ウィンダム, 1957年 レビュー 感想 | 居心地の悪いSF

    『呪われた村』ジョン・ウィンダム, 1957年 レビュー 感想 | 居心地の悪いSF

    The Midwich Cuckoos
    John Wyndham, 1957
    呪われた村
    ジョン ウィンダム
    240 ページ
    2022.12 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 居心地の悪いSF小説スバーガーのアドバイザーが著者
    ✔ この町の奇妙な秘密と政府の動き
    ✔ 「光る眼」など映画化

    ★★★★☆ 一斉に生まれた子どもたちは親に全く似ていないがお互いが似ていた。特に光った目。恐ろしいほどに賢く強く育っていく。居心地の悪い怖さの理由は、本当は今どこかで静かに起きて静かに消されているんじゃないか、というそのリアルさ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    友人に薦められるままに読んだので内容を知らなかったので最初は混乱状態に。
    なにこれ。
    SF小説をあまり読まないので他と比べようがないけれど、何度も映画化やドラマ化されている静かに恐ろしい一冊。

    静かな町である日、住民が全員意識を失い目が覚めると女性たちは妊娠していた。
    一斉に生まれた子どもたちは親に全く似ていないがお互いが似ていた。特に光った目。
    そして子どもたちは恐ろしいほどに賢く強く育っていく。
    何かがおかしい、この子達は何者なのか、どうすればいいのか、何が正しい方法なのか、どうやって止めるのか。

    居心地の悪い怖さの理由は、こんなことが本当はどこかで静かに起きて静かに消されているんじゃないか、というそのリアルさ。

    SFって昔は宇宙人の仕業だった。
    わかりやすい敵が外にいるいい時代だったのか。
    今は身内である人間が怖い。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Midwich Cuckoos” John Wyndham, (1957) Review | Uncomfortable


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    呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)


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  • 『片想い』東野圭吾, 2001年 レビュー | 自分のことをわかってほしいという片想い

    『片想い』東野圭吾, 2001年 レビュー | 自分のことをわかってほしいという片想い



    片想い
    東野圭吾, 2001
    624 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 「男の社会」での男として女としてという友情と縛り
    ✔ 夫婦や男女の役割などの社会問題も描くミステリー
    ✔ 当時はまだ新しいLGBTQに対する社会の課題も

    ★★★★☆ アメフトという「男の世界」、夫婦間での愛情や信頼、男として女としての暗黙の役割や社会的立場。そういう所をとことん疑問視する。なるほど、相手に自分のことをわかってほしいという気持ち、それは片想い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大学時代のアメフト部の仲間たち。
    当時のマネージャーが人を殺したと告白してきたので夫婦でかくまうことにした、そこまでは裏表紙にかいてあるけれど、これ以上はネタバレになるので何もいえない。

    アメフトという「男の世界」、夫婦間での愛情や信頼、男として女としての暗黙の役割や社会的立場。
    そういう所をとことん疑問視する。
    今から24年前に書かれたというのは、かなり早い時点でこの問題に向き合っていたと思う。
    今でさえ日本は男らしいとか女らしい、白黒はっきりした男女という概念が常識とされ、それに当てはまらない人間は気持ち悪いか、笑いの対象になる。
    もちろん男尊女卑は当然。
    そこに不満を持っているかどうかでこの本への気持ちの持ち方は変わると思う。

    はっきりできない部分、わからない部分、そういうところをテーマに、大学時代の友情やアメフト部のポジション関係を絡ませる。
    現実であれば、本人が懸命に隠したい部分はいくら友人でも尊重してあげればとも思うけど。

    タイトルがいい。
    なるほど、相手に自分のことをわかってほしいという気持ち、それは片想い。
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    片想い

  • 『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012年 レビュー | 自分を見つける巡礼の旅

    『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012年 レビュー | 自分を見つける巡礼の旅



    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful
    Gideon Lewis-Kraus, 2012
    ギデオン ルイス=クラウス
    352 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ カミーノ、四国、ウクライナをめぐる巡礼の旅
    ✔ 30歳のライターの若い男性と家出した父親との葛藤
    ✔ スピリチュアルじゃなくかなりリアルな大変な旅行記

    ★★★★☆ 30歳のライターがスペインのカミーノ・デ・サンティアゴ、四国のお遍路、ユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと回る旅行記。旅の本当の目的は家族を捨て若い彼氏と暮らす父親との関係を修復することだと気づく。父を許せるのか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最初は普通の旅行記にもとれる。
    30歳のライターでベルリンに自由気ままに文句をたれながら暮らしていたけれど、あるきっかけからキリスト教の巡礼の地カミーノ・デ・サンティアゴでスペインへ、そして四国のお遍路四国八十八ヶ所霊場、最後はユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと次々と巡礼の地を回る。
    そしてこの旅の本当の目的は、自分の父親との関係を修復することだと気づく、といった感じ。

    世界中を回って結局自分の求めていたものはいつも出発地点にあったという典型的な旅ではあるけれど、やっぱりきつくて苦しい思いをすることでそこにたどり着くのです。
    ユダヤ教の指導者ラビであった父親が、ある日若い男の恋人を作って家を出た。
    その父親を許せるのか、許すのか、自分は父親を愛しているのか、父親は自分を愛してくれていたのか。

    そういう彼自身の葛藤を別にしても巡礼を回る旅行記としても面白い。
    宗教心もスピリチュアルな思いも全くなし、でも現代人はそういう人が多い。
    それでも巡礼をする意味はやっぱりある。
    サンティアゴは友人と(友人や恋人と巡礼する人たちは多くが分かれるらしいけど彼はなんとか友情を保ちつつ)、四国は一人きりで、そしてウクライナは弟と父親と。

    ユダヤ人らしいユーモアもちらほら見えて読み物として面白い。
    ただ足の裏がぼろぼろになり寒くて辛くて心も折れるこの旅行記を読んで自分も巡礼に行こう、とは思わないかも。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “A Sense of Direction” Gideon Lewis-Kraus, (2012) Review | Pilgrimages to yourself
    タグ: 宗教

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    A Sense of Direction Pilgrimage for the ...
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    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful (English Edition)

  • 『猫と女たち』群ようこ, 2009年 レビュー | 動物も女もみんな自由

    『猫と女たち』群ようこ, 2009年 レビュー | 動物も女もみんな自由



    猫と女たち
    群ようこ, 2009
    223 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 前半は猫や犬にまつわるエッセイ、後半は小説
    ✔ 度の短編集もみんな自由でみんなかわいらしい

    ★★★★☆ 前半は猫と犬のエッセイで、後半は自由な女たちの短編集。つまりみんな自由。勝手で好きなことしてるのに、ちょっと可愛げがあるので放っておけない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    前半は猫と犬のエッセイで、後半は自由な女たちの短編集。
    つまりみんな自由。

    自由に生きるペットや野良猫たちは可愛くて、私どもにぜひお世話をさせてください、とこちらからお願いしたくなる。
    そして女たちのほうもそう、勝手で好きなことしてるのに、ちょっと可愛げがあるので放っておけない。
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  • 『透明な螺旋』東野圭吾, 2021年 レビュー | ガリレオの真実

    『透明な螺旋』東野圭吾, 2021年 レビュー | ガリレオの真実



    透明な螺旋
    東野圭吾, 2021
    368 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ガリレオシリーズ、湯川の過去をめぐる
    ✔ 湯川も関わる、子供や家族がテーマの今作
    ✔ 彼も年を重ねそれなりの問題も出てくるというリアルさ

    ★★★★☆ 宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。すごいなあ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズ最新作。
    宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。

    面白いのはもう当然というか、読者はみんな異常に期待してるのに、新しさを入れながらクオリティをキープしてるすごさ。
    表紙からも分かるように子供や家族がテーマ、それ以上はネタバレなのでいえないけど、やっぱり捻ってきてくれるのが東野圭吾。

    登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。
    すごいなあ。
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  • 『9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて』ウィリアム・ダルリンプル, 2013年 レビュー | インドの信仰の移り変わり

    『9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて』ウィリアム・ダルリンプル, 2013年 レビュー | インドの信仰の移り変わり



    Nine Lives: In Search of the Sacred in Modern India
    William Dalrymple, 2013
    9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて
    ウィリアム・ダルリンプル
    305 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ローカルな信仰が消え画一化したヒンドゥー教化するインド
    ✔ 人間としてではなく聖なる存在や技術として生きる人々
    ✔ 新しさと古さの渦の中の現代インドの人々を描く

    ★★★★★ 9つの聖なる人生。彼らは人間ではあるけれど「聖なるもの」として崇められている。画一化された信仰に向かう現代インド。あと何年でローカルな信仰や伝統は忘れ去られるのか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今まで読んだダルリンプル氏の他の本とはちょっと違った感じ。
    形としては旅行記なんだけど、旅先の土地の様子ではなく、その土地が「創り上げた」人々の話。

    9つの聖なる人生、9人の人間のストーリー。
    彼らは人間ではあるけれど、「聖なるもの」として崇められすでに人間ではない生活を送っている。
    例えば自己を捨て聖人としてただ流れに任せて生きている人や、女神に仕える女性として生きているけれどでもやっていることは売春婦でしかないひと、または宗教的な踊りや歌を受け継ぐ人、本当にそれぞれの宿命を背負って生きている。

    私がダルリンプルの書く文章が大好きな理由はもちろん、彼のすべてをありのままに受け止め、深い情熱と愛を持って世界に届けようとする徹底したその姿勢。
    いまインドの社会は大きく変化している。
    それは日本のように人々が宗教から離れていくという減少ではなく、その土地その町の超ローカルな信仰が薄れていき、代わりに、意図的に、インド全国規模の統一されたヒンドゥー教が彼らの生活に入り込んできているということ。
    何百年も語り継がれてきた地元の信仰とは違う、インド全土で統一されたラーマの物語が全国放送のテレビを通じて短期間で人々の脳内の記憶を塗り直すナショナリステックなラーマフィケーション(Rama-fication、ラマ化)が進む中、あと何十年、あと何年でローカルな信仰や伝統は忘れ去られるのか。

    その最後をきちんと書き残してくれる歴史家がいるって素晴らしい、の一言に尽きる。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Nine Lives” William Dalrymple (2013) Review | Being holy in India today
    tag インド
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    9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて (集英社新書)

    
    
  • 『未完の肖像』アガサ クリスティー, 1962年 レビュー | 未知の世界に触れたい女性の苦悩

    『未完の肖像』アガサ クリスティー, 1962年 レビュー | 未知の世界に触れたい女性の苦悩



    未完の肖像
    アガサ クリスティー
    Unfinished Portrait
    Agatha Christie, 1962
    559 ページ
    2022.05 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ クリスティーの別名メアリ・ウェストマコットでの作品
    ✔ 良妻賢母である女性が抑え続ける願望
    ✔ 母と娘の微妙な関係、細かな心の動きを描く

    ★★★★☆ 外に出たい、未知の世界に触れたい、でも妻であり母である女性にとってそれは抑え続けるべき欲望。そして母と娘の微妙な関係。アガサ・クリスティのさすがのストーリーテリング。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    またもやミステリーではないアガサ・クリスティ。
    メアリ・ウェストマコットという名で書かれた本の一つ。
    よく女性を理解し、特に感情を内に制限された、一昔前のご婦人の心の動きを細かく描く。

    親との幸福な子供時代の家庭のあとの、夫との幸福であるべきだった家庭。
    外に出たい、未知の世界に触れたい、でも妻であり母である女性にとってそれは抑え続けるべき欲望。
    そして母と娘の微妙な関係。
    彼女の頭の中でぐるぐると渦巻いている、さすがのストーリーテリング。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Unfinished Portrait” Agatha Christie (1962) Review | Christie without mystery
    タグ: 女性主体
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  • 『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田直樹, 2016年 レビュー | 新鮮で希望が持てる

    『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田直樹, 2016年 レビュー | 新鮮で希望が持てる



    The Reason I Jump: The Inner Voice of a Thirteen-Year-Old Boy with Autism
    By Naoki Higashida, 2016
    自閉症の僕が跳びはねる理由~会話のできない中学生がつづる内なる心~
    東田直樹
    208 ページ
    2022.03 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 中学生の自閉症の男の子が綴る彼の心の中
    ✔ 当事者本人が語る他人と分かり合いたいという強い思い
    ✔ 自閉症について知りたいと思う人はまずは読むべき一冊

    ★★★★☆ 自閉症の子について色々と気付かされるだけでなく、まるで魔法のような美しさがある。彼の自然に対する愛情や他の人と繋がりたい、わかってもらいたいという強い気持ちも読み取れる。新鮮で希望が持てる、そう他人にとって「心地の良い一冊」

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    それまで気づかなかったこと(気にしていなかったこと)に気付かされるだけでなく、まるで魔法のような美しさがある。
    それだけではない、13歳の直樹くんの自然に対する愛情や他の人と繋がりたい、わかってもらいたいという強い気持ちも読み取れる、新鮮で希望が持てる心地の良い一冊。

    そう、心地が良い。
    意地悪な言い方をすれば、自閉症の子供について何も知らない人が、感動して気付かされて、心地よく読める本。
    でも当事者は皆知っているけれど、実は生活の中でそんな美しさはごく一部でしかない。
    それでも取っ掛かりになるとは思うしこの本が世にでて多くの人が読んだことは素晴らしいと思うし、読者感動したということには偽りはない。
    ただ、その感動は周りの大人が上手に作り上げた感があるのがどうしても残念。

    私の読んだ英訳バージョンの場合は超有名人である作家が関わっているので、やっぱりできれば日本語で読んでみたい。
    そして彼がこのあとに書いた本も是非。
    ぜひ彼の言葉(にできるだけ近いかたちのもの)で読んでみたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Reason I Jump” Naoki Higashida (2016) Review | Revealing
    タグ: 自閉症 ASD
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  • 『無名なるイギリス人の日記』 ジョージ・グロウスミス 1892年 レビュー | 100年前も気まずい英国人

    『無名なるイギリス人の日記』 ジョージ・グロウスミス 1892年 レビュー | 100年前も気まずい英国人



    The Diary of a Nobody
    George and Weedon Grossmith, 1892
    無名なるイギリス人の日記
    ジョージ・グロウスミス
    ウィードン・グロウスミス
    2022.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 19世紀の英国風ユーモアにあふれた日記という体の小説
    ✔ 当時のロンドンに住むミドルクラス男の空回りな頑張り
    ✔ 100年たっても変わらないブリティッシュユーモア

    ★★★★☆ 100年以上前のコメディー。下層のミドルクラスの男性とその家族。気まずい生活のなかで頑張る、気が優しいのか気が弱いのか微妙な「何者でもないただの」男の書く日記。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    本屋さんでなんとなく手にした本、蓋を開けてみると、私が何年も住んでいたロンドンのホロウェイ地区に住む男性の気まずいコメディー小説だった。

    130年前に書かれた本なのでもちろん近所の様子はぜんぜん違うけれど、ユーモアは完全なるブリティッシュユーモア。
    下層のミドルクラスの男性の家族、下層といえど華やかな場に呼ばれてしまったり、一応はメイドに厳かな態度を見せたりしないといけないけど、どうもうまくいかない。

    気まずい生活のなかで頑張る気が優しいのか気が弱いのか微妙な「何者でもないただの」男性の書く日記。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Diary of a Nobody” George and Weedon Grossmith (1892) Review | Very awkward

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    無名なるイギリス人の日記


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  • 『喪失の響き』 キラン・デサイ, 2006年 レビュー | 平等、和解、夢、そんなものは存在するのか

    『喪失の響き』 キラン・デサイ, 2006年 レビュー | 平等、和解、夢、そんなものは存在するのか



    The Inheritance of Loss
    Kiran Desai, 2006
    喪失の響き
    キラン・デサイ
    384 ページ
    2022.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ グルカ運動が過激派するダージリン近くの街カリンポンが舞台
    ✔ 西洋かぶれの祖父、孤児となった少女、その家の使用人
    ✔ 少女の無垢な想像と格差社会の現実、ブッカー賞受賞作

    ★★★★+♥ グルカ運動が過激化するインド東北部カリンポン。人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、和解、夢、そんなものは存在するのか。自分よりも圧倒的に強いパワー。コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    友人に進められるままに買ったので、私がいつも気になっている東ヒマラヤのカリンポンの街が舞台とは知らなかった。

    裕福な家庭の女の子が孤児になり、インド料理もナイフとフォークで食べるような厳格な祖父と暮らすことになる。
    そのころ激しくなっていくグルカ運動(ネパール系独立運動)に生活と人生を翻弄される人々。
    少女の想像と妄想と、そして現実。

    祖父と召使いだけの大きな家で、彼女はある貧しい青年に恋をする。
    同じ頃、召使いのニューヨークに住む自慢の息子は実は底辺を這うような生活をしていた。
    一見繋がりのないそれぞれの人生、でもグルカ運動が過激化するごとに確実に狂っていく。
    人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、わかり合い、夢、そんなものは存在するのか。

    激しく変化する生活の中で唯一変わらないもの、ヒマラヤ山脈。
    春には淡い希望を運んできて、雨季にはすべてを腐らせる湿気を運んでくる神の宿る山のもとで、その流れに身を任せる。
    日本の表紙のように明るく可愛いストーリーではないです。

    そういう感覚はインドではかなり身に沁みるというか、自分よりも圧倒的に強いパワーというものが現実にあるインド。
    コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Inheritance of Loss" Kiran Desai (2006) Review | Peace, understanding, dream, no such things here
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  • 『カラマーゾフの兄弟』フョードル・ドストエフスキー, 1880年 レビュー | 文学史上最高傑作

    『カラマーゾフの兄弟』フョードル・ドストエフスキー, 1880年 レビュー | 文学史上最高傑作



    The Karamazov Brothers
    Fyodor Dostoevsky, 1880
    ратья Карамазовы
    Фёдор Достоевский
    カラマーゾフの兄弟
    フョードル・ドストエフスキー
    896 ページ
    2023.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ロシアの文豪ドストエフスキーの最高傑作
    ✔ 三兄弟の父親殺しのミステリーとその周囲のドラマ
    ✔ 宗教観、倫理観、哲学、ミステリー、すべてが詰まっている

    ★★★★★+♥ 最高峰、最高傑作。いろいろな事柄が絡み合い、謎を生み出し、謎が解かれていき、と次に何が起こるかをドキドキしながらページをめくる。読み直して、他の人とも感想を交換して、新しい自分の意見を書き出して、と一生ついてきそうな本。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    世界最高峰の小説、最高傑作。
    たしかに長編だし、最初の方は宗教的でゆっくり始まる、でも段々といろいろな事柄が絡み合い、謎を生み出し、謎が解かれていき、と次に今度は何が起こるかをドキドキしながらページをめくってしまう自分がいる。
    だからドストエフスキーは素晴らしい語り手、ストーリーテラーなんですね。

    世界中の人が読み、再読し、研究されているので私がわざわざ意見を書くまでもないんですが、単刀直入にいうと、物凄いものに出会ってしまった、ということ。
    読み直して、他に読んだ人とも感想を交換して、その上で浮かび上がる自分の意見を書き出して、となんだかこれからの一生についてきそうな本。
    続編があるはずだったから未完だということもあるだろうけど、未完なのに完全。

    ミステリーであり、恋愛小説であり、宗教についても、家族についても、貧困についても、一つ一つのテーマは誰もが分かるシンプルなものでありながら、とにかく広く深い、そんな壮大な小説。
    というか正にそこで、今後色んな本を読んでここまで衝撃を受けるものはあるか不安にすらなる。

    素晴らしい、傑作、ここまで来ると人類の宝でもあり、本という媒体でなければ博物館に飾られるレベル。
    全体的にずっと暗いし重たいのに、実は未来に向かっているという点も素晴らしいとしか言いようがない。

    読むだけでも一つの到達点でもあるんですよ、長いしややこしいし。
    でも読んでみる、その行動だけにもすでに価値がある。
    その上で読み直してもっと分かればより良い読書体験になると思う。ので少し時間を置いて再読必須。


    ちなみに相関図はあったほうがいい。
    ロシア文学はころころと呼び名を変える上に登場人物が多い。
    で、日本語で読んでないけれど、出版社によってページ数がぜんぜん違うみたい。
    下にリンクを張っている光文社は全5巻で約2500ページ、新潮文庫は上下あわせて1400ページ。
    どれが良いとなると個人の好みもあるけれど、光文社が読みやすいそう。
    1000ページの差が気になるけれど、しっかりと理解しながら読めたほうが良いと思うので、いつか光文社の日本語版も読むことにする。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Karamazov Brothers” Fyodor Dostoevsky (1880) Review | The greatest

    『罪と罰』フョードル・ドストエフスキー, 1866年 感想 | プライドまみれの青春
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    カラマーゾフの兄弟1


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  • 『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い


    正欲
    朝井リョウ, 2021
    528 ページ
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 多様性という言葉を安っぽく乱用する日本社会の風刺
    ✔ 理解できるという安全エリアを超えたものに対する嫌悪
    ✔ 稀な性癖の二人が出会えた幸せとその生活を続けるつらさ

    ★★★★★ 確かにズシンと重みがあって後味も悪い一冊。「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」と言われているからだ。多様性、言うは易し。もし不特定多数の想像を超える欲望だったら?

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    確かにズシンと重みがあって、後味も悪い一冊。
    なぜかと考えると。
    やっぱり最大の理由はこの本にずばりと「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。
    「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」
    「あんたも都合のいい多様性だけには寛容なんでしょ」
    「あんたも本当は人に言えないことあるでしょ」

    多様性、言うは易し。
    外国で暮らすと当然のことながら自分の価値観はマイノリティになる。
    (価値観どころか自分の存在自体がマイノリティになるし、酷ければ虐げられるけど)
    でも実は国境を越えなくても、じゃあ同じ町で生まれた人はみな同じ感覚か、教室ではみな分かち合えるのか、きょうだい間では。
    そうつまり、理解してもらうことは超レア。
    でも学校では日本は特に正しい答えを復唱することだけを教えられてきて、表面だけではみんな正常で安心して同じ製品として大きくなっていく。
    人は自分と違うという意識がないので想像力が培われない。
    ただし、根本的な欲望が人と違う人間の場合は別。
    人と違う不良品と思い込んで生きていくしかない状況に陥りやすくなる。

    結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。
    主人公たちが実際に出会えた幸せというのは、本当は図りきれない奇跡。

    人それぞれに興奮する対象が違うというのは当たり前で、人に言えないことがあるのも、程度や頻度は違ってももうここで人生終わりたいと思うことも当たり前。
    人生で知らないことばかりなのも、ほとんどの場面で自分が間違っているのも当たり前。
    つまりみんな正解のない中で生きているんだな、と分かれば自分も他人も楽になるのでは。

    多様性は大事。
    多様性のない社会は滅びます。
    たぶんずっと正しい答えは見つからず、しかも現在正しいとされていても時代が変われば正義も変わるし、永久に議論は続くと思う。
    でも議論ができるというのは違う意見が立場が存在するからで、社会はすこーしずつ良くなる。
    つまり、たまには大声を出しあってでも議論が永久に続くことが少なくとも私たちができる最良な選択でもあるのでは。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “(Ab)Normal Desire” Ryo Asai (2021) Review | You, too
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    正欲 (新潮文庫 あ 78-3)


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  • 『ハバナの男』グレアム・グリーン 1958年 レビュー | どんどんややこしくなるスパイ小説

    『ハバナの男』グレアム・グリーン 1958年 レビュー | どんどんややこしくなるスパイ小説



    Our man in Havana
    Graham Greene, 1958
    ハバナの男
    グレアム・グリーン
    256 pages
    2023.07 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 滑稽なコメディースパイ小説
    ✔ 勘違いからキューバの英国スパイになった男
    ✔ ティーンエージャーの娘とのやり取りも笑える

    ★★★★☆ 冷戦下のキューバ、平凡な掃除機屋さんがなぜか英国スパイにスカウトされる。勘違いや大げさな反応や状況の馬鹿らしさに流されていると、話がどんどんとややこしくなっていく。痛快とはまさにこのこと。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    不思議なスパイコメディー小説。
    冷戦下のキューバ、平凡な掃除機屋の主人公はなぜか英国スパイにスカウトされる。
    ことごとく浪費癖のある娘のせいでお金に困っていたし悪くはないとこの話にのって、勘違いや大げさな反応や状況の馬鹿らしさに流されていると、話がどんどんとややこしくなっていく。

    信じられないような話なのに、でもありえなくもないかも、と思えてくる。
    スパイって現在もいるし(ロンドンでは意外とよくスパイのニュースがあります、MI5の求人募集の話とかも)、彼らの情報の重要さは誰もが承知、でももしこの小説のように意図的にテキトーなことを報告していたら?
    スパイ小説も映画もコメディも多いけれど、これはかなり異色。

    気がついたらもう手に負えないくらいおかしなことになってて、でももうここまで来たら嘘でもなんでも通してしまおう、もう政府相手だろうがなんだろうが、ななげやり感もすてき。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Our man in Havana” Graham Greene (1958) Review | All tangled up
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    ハバナの男


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  • 『或る「小倉日記」伝』松本清張 1952年 レビュー | もつれと絶望感の初期の傑作

    『或る「小倉日記」伝』松本清張 1952年 レビュー | もつれと絶望感の初期の傑作



    或る「小倉日記」伝
    松本清張, 1952
    396 pages
    2023.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 芥川賞受賞の代表作を含む短編集
    ✔ 知的で研究熱心な主人公と彼の背負う身体障害と周囲の反応
    ✔ 支える人、支えられる人の人間関係

    ★★★★☆ 芥川賞受賞の代表作を含む短編集。彼特有の人間の嫌なところをうまく描くというスタイル、それが静かに燃えている感じ。知的で研究熱心な主人公、でも障害のある見た目では社会が簡単に受け入れない。誰もが共感できる人間関係のもつれと絶望感。さすが。



    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっと読んだ、芥川賞受賞の短編集。
    これ以降は当時朝日新聞勤務であった松本清張は小説に専念するようになったそう。
    彼特有の、人間の嫌なところをうまく描くというスタイル、それが静かに燃えている感じ。

    有名な小倉日記では、外見と裏腹に知的で研究熱心な主人公。
    でもどうみても障害を持っている見た目では社会が簡単に受け入れない。
    他の短編集では、社会的地位の低さによって運命が決められているということ、もしくは結婚相手が凡人であるがゆえに天才肌の女性が徐々に狂っていくということ、もしくは小さな貸しにより弱みを握られると言うこと。
    殺人とか事件とか大袈裟なものじゃなく、普通に誰もが経験しうることをテーマにしていて、やっぱり面白い、すごい。

    そしていつも、支える人がいるのもストーリーとしてテーマとして興味深い。
    全身全霊で息子を想う母、普通の幸せを望む夫、結局は離れざるを得ない恩人、文句をいわずに付き添う愛人、巻き込まれる愛人。
    そういうドロドロで劇的で、でも読んでいる誰もが心の底では理解できる人間関係のもつれと絶望感。
    さすがです。

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    或る「小倉日記」伝改版 (新潮文庫) [ 松本清張 ]
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    或る「小倉日記」伝 傑作短編集1 (新潮文庫)


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  • 『作品集』ラビンドラナート・タゴール 1886年~ レビュー |  インドを代表する詩人の代表作たち

    『作品集』ラビンドラナート・タゴール 1886年~ レビュー | インドを代表する詩人の代表作たち

    🔽 基本情報 🔽

    Selected Stories of Rabindranath Tagore
    Rabindranath Tagore, 1886-
    作品集
    ラビンドラナート・タゴール
    372 pages
    2023.04 読了
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    (まったく同じ短編集はないので近いものです)


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アジア初のノーベル賞の詩人、思想家の短編集
    ✔ 主人公たちは正直で謙虚で貧しい
    ✔ 多くの短編集が出ているが出版社によって選出はそれぞれ

    ★★★★★ インド、アジアを代表する詩人思想家。この本の中だけをみてもジャンルがいろいろとある。そこで語られる物語の多くが、正直で真面目、謙虚で貧しい人々であるということも忘れてはいけない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    タゴールの素晴らしさはどこでも語られる。
    でも実際に色々と読むまでは本当には実感できない。

    もう一世紀以上経っているのでタゴールの作品集という名の本はたくさん出ているけれど、これはインド人の友人にもらったインドの出版社のもの。
    詩や短編小説が多いので、インドでもその時代によってもかなりの本が出ていて、人と話していてその本は読んでないけどその物語は知っている、ということはよくある。

    この本の中だけをみても、ジャンルがいろいろとある。
    恋愛もの、幽霊の出る話や、家族、友情と、彼のその取り上げるストーリーの幅の広さに驚かされるけれど、そこで語られる物語の多くが、正直で真面目、謙虚で貧しい人々であるということも忘れてはいけない。

    100年経っても、時代は変わっても、人々の苦しみの根源は変わらない。
    だからベンガル地方、インド、アジアという枠を超えて、人はタゴールの物語に心を打たれる。

    中でも良かった作品は「The river stairs」「The Cabuliwalla」「The son of Rashimani」「The master Mashai」「Living or Dead」「Fair neighbour」

    リンクは、同じような短編、中編の作品集を張っています。
    でも可能であれば他の手に取りやすい作品から入るのも良いと思います。

    アジア初のノーベル賞受賞者、芸術と平和という観点から近代インドと近代日本を繋いだ人でもある、けれど日本では彼の作品はそうどこにでもあるというわけではないようです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Selected stories of” Rabindranath Tagore (1886-) Review | Mastermind of literature

    『ギタンジャリ』タゴール, 1910 感想 | インドの偉大な詩人の代表作

    『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 感想 | 軍事国家へ走る日本への警告
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    タゴール著作集 第4巻 中・短篇小説集1


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  • 『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 レビュー | 退廃的な子供たちという芸術

    『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 レビュー | 退廃的な子供たちという芸術



    Les Enfants Terribles
    Jean Cocteau, 1929
    恐るべき子供たち
    ジャン・コクトー
    144 pages
    2025.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 詩人コクトーの描く退廃的な少年少女
    ✔ 大人がいない寝室という空間で自己破滅的な生活を送る
    ✔ 概念としての現代フランス芸術が詰まっている

    ★★★★★ 詩人コクトーの描く退廃的な少年少女のストーリー、最後の瞬間にすべてが完璧となる。現在においても何度も何度も戻って来る地点がここにある。概念としての現代フランス芸術が詰まった一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大学の教科書でも何度も出てきた一冊をやっと。
    フランスの詩人コクトーの小説。

    とても詩的、とてもコクトー、とてもフランスで、とてもヌーヴェル・ヴァーグ。
    退廃的な少年少女のストーリーで最後の瞬間にすべてが完璧となる。
    パリが好きな人がパリを想うとき、こういう芸術的で自己破滅的で退廃的な風景を想う。
    当時はもちろん社会にショックを与えた一冊だっただろうし、現在においても何度も何度も戻って来る地点がここにある。
    それだけ影響力があるストーリーで、概念としての現代フランス芸術が詰まっている。

    映画もいつか見なきゃ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Les Enfants Terribles” Jean Cocteau (1929) Review | very Nouvelle Vague

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  • 『さるのこしかけ』さくらももこ, 2002年 レビュー | ちびまる子ちゃんそのものエッセイ

    『さるのこしかけ』さくらももこ, 2002年 レビュー | ちびまる子ちゃんそのものエッセイ



    さるのこしかけ
    さくらももこ, 2002
    Momoko Sakura
    296 pages
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ちびまる子ちゃんの作者の爆笑エッセイ
    ✔ 著者と漫画のキャラクターが被る面白さ、無茶さ

    ★★★★☆ 楽しくかわいいと勝手に抱いていた想像よりももっと笑える感じでびっくり。ここまでハチャメチャな人だったとは、本当にまる子が大きくなっただけとでもいうか、自由。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ずっと気になっていたさくらももこのエッセイ、やっと一つ手にしました。
    楽しくかわいいと勝手に抱いていた想像よりももっと笑える感じでびっくり。

    ここまでハチャメチャな人だったとは、本当にまる子が大きくなっただけとでもいうか、自由。

    小学校の思い出のテレビでみていたまるちゃんそのままで嬉しい。
    他のも探さなきゃ。

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  • 『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん, 2018年 レビュー | 現代版細雪

    『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん, 2018年 レビュー | 現代版細雪

    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽

    あの家に暮らす四人の女
    三浦しをん 2018
    Shion Miura
    368 pages
    2025.9 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 同居する4人の女性の日常を描く
    ✔ 谷崎潤一郎の細雪をベースに
    ✔ 正しいカタチなんてない、普遍的でない「家族」

    ★★★★☆  同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」。正しい家族はない。家族は普遍的ではない。みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。本物の女の絆ほど強いものはない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」
    なるほど、谷崎潤一郎の細雪をベースにしたものなのか。

    最近は家族という概念についてよく考える。
    どうも家族というのは揺るぎないもので理想の形があってみんな同じような「家族」を作り上げるべきで、そうじゃない人たちが変わってる、と思いがちなことについて。
    みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。
    正しい家族はない。家族は普遍的ではない。
    血が繋がってたらもちろんいいよね、でもそれは一つの要因。
    第一そんなことにこだわっていられるほど人生は長くない。
    なんとなく手に取ったこの本も、前に読んだ「汝、星のごとく」もそうで、いわゆる理想じゃない家族の形を肯定する。
    きっと今の日本は特にそう言ってくれるものが必要なのかもしれない。
    社会が定めた理想なんて、もう無理。

    細雪は大昔に読んだので記憶が定かじゃないけど、こんな感じで女たちが忙しそうにうろうろしてる話だった。
    本物の女の絆ほど強いものはない。
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  • 『 (アカバドーラ) 』ミケラ・ムルジア 2009年 レビュー | サルデーニャで終止符を打つ女性

    『 (アカバドーラ) 』ミケラ・ムルジア 2009年 レビュー | サルデーニャで終止符を打つ女性



    Accabadora
    Michela Murgia, 2009
    (アカバドーラ)
    ミケラ・ムルジア
    208 pages
    2024.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ イタリア、サルデーニャ州の伝統「終止符を打つ女性」
    ✔ 保守的な社会における女性の立場や魔力
    ✔ サルデーニャを代表する作家の有名な小説

    ★★★★★ イタリア、サルデーニャで末期患者やその親族の苦しみに終止符を打つ女性のこと。善か悪か、天使か悪魔か死神か、それはもう問題ではない。圧倒的な威厳を持った一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    小説「アカバドーラ」現代サルデーニャ文学の最高峰。
    アカバドーラとは、末期患者やその親族の苦しみに終止符を打つ女性のこと、そう、その町で暗黙の了解の中、患者に安楽死をもたらす役目を背負った女性。

    とてもサルデーニャ的でとても地中海文化的。
    土埃の立つ乾いた家の壁、バールに座っている男たち、一日中家事に追われる女たち。
    草原に緑はなく茶色に乾いた草がいつこの地を炎に包もうかと小さな火花を待つ。

    生を与える助産婦が女性なら、生を終わらせるのも女性。
    少女マリアを引き取ってくれた独り身の女性は時折真夜中に黒尽くめの服を着て静かに家を出る。そして翌朝何もなかったかのように帰って来る。

    善か悪か、天使か悪魔か死神か、それはもう問題ではない。
    いま行われるべきか否か。

    サルデーニャでは実際に存在していたと考えられている。
    窒息という方法か、もっと有名なのは槌を使用する方法。
    現在も安楽死の問題は解決しないし、間違いなく客観的に100%正しいという答えは出てこないかもしれない。

    伝統に縛られた厳格な小さな町で、その大きく揺れる心境を圧倒的な力強さと威厳を持って描く一冊。
    日本語もいつか出るといいですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Accabadora" Michela Murgia, (2009) Review | A woman who ends life
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    Accabadora (English Edition)


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    ★★★★★ Accabadora, a woman in Sardinia who ends the suffering of very ill and their families. Is she an angel or a devil? That’s not the point any more to them. A book with an unusual dignity.

  • 『国宝』 吉田修一, 2018年 レビュー | 国家の宝の美とは

    『国宝』 吉田修一, 2018年 レビュー | 国家の宝の美とは


    国宝 (上) 青春篇 (朝日文庫)
    国宝 上下
    吉田修一, 2018
    840 ページ (408 + 432)
    2025.9 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ やくざの世界に生まれ歌舞伎の世界に入る少年の一生
    ✔ 芸に生き国家の宝となる人間の究極の生き様
    ✔ 兄弟同然で生涯のライバルとの硬い友情

    ★★★★★+♥ 当然期待は最高峰クラスに高かった、なのにそれ以上だった。人は大事なものを失うごとに成長する、そこで本来の自分を見つける。美そのものの国家の宝という究極の人間の人生を小説を通じて私たちが垣間見れる凄い体験。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    映画はここでは観れそうもないのでとにかく原作をと思って。
    そしてもう読む前からわかっている、国宝は凄いはず。

    さて、当然期待は最高峰クラスに高かった、なのにそれ以上だった。
    極道と花道という背景も興奮を煽る設定だし、血筋というのもそう、兄弟同然で生涯の友でライバルというのもそう、全てが面白くないわけがない設定。

    でもその凄さは喜久雄の成長物語の描き方。

    血筋のない一人の人間が運命の気まぐれで底辺に突き落とされ、または拾われて崇められて、堕ちて、を繰り返す中で彼は、その巨大な波に流される人生の中で後ろ楯もplan B代替案がない人生の中で生き延びる最後の砦としての歌舞伎と自らの天才的才能。
    人は大事なものを失うごとに成長する、そこで本来の自分を見つける。
    ひねくれものなので、やっぱり物語は上がって落ちて、堕ちるところまで堕ちるストーリーが圧倒的に面白い。
    でも彼は美そのもの、芸術そのものなのでもう本人の意思は重要ではない。
    国宝という究極の人間の人生を小説を通じて私たちが垣間見れる凄い体験。

    歌舞伎のことを知らない自分が残念、知っていたら更にもっと堪能できたはず。
    芸に生きる、まさに芸を生き抜いた人間の一生。
    一気に読んで一気に疲れる。

    映画でもいつか観てみたいなー、きっと美しさに圧倒されるんだろうなー。
    もちろん吉沢亮と横浜流星の美しさも見たいけど、なによりも素晴らしいであろう田中泯さんの仕草が見たい!
    動画を見てると音楽もいいし、いつかちゃんと劇場でみたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Kokuho (National Treasure)" Shuichi Yoshida (2018) Review | National Treasure himself
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    国宝 上下巻セット [ 吉田修一 ]




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    国宝 (上) 青春篇 (朝日文庫)
    国宝 (上) 青春篇 (朝日文庫)


    国宝 (下) 花道篇 (朝日文庫)
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  • 『子供の未来を変えるお母さんの教室』 吉野加容子, 2018年 レビュー | 発達障害の子のお母さんへ

    『子供の未来を変えるお母さんの教室』 吉野加容子, 2018年 レビュー | 発達障害の子のお母さんへ

    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽

    子供の未来を変えるお母さんの教室
    吉野加容子 2018
    Kayoko Yoshino
    224 pages
    2024.09
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 発達障害やグレーゾーンの子供を持つ親へ
    ✔ お母さんと限定しているのも母親に課される責任の重さ
    ✔ すぐに使ってみる方法がそろっている

    ★★★★☆ この系統は読んでるけど、これは「お母さんの」と限定している。日本の場合は特に強烈にお母さんが一人で育児して当然という空気。社会が改善されるまで、子どもを守るお母さんたちを守ってください。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    全体の内容としては今川ホルンさんの本と同じ。
    それもそのはず、今川さんはこの著者の脳発達の研究によって考え方を変え、脳に働く方法で、子供にも家族にも優しいしかも効果のある方法を自閉症のケース限定で伝授するから。
    こっちの本は自閉症だけでなく、発達障害色々とグレーゾーンの子にも、もっと言えばどんな子にも効くという。

    なので内容は「おうち療育」と違わないんだけど、こっちで気になるのは「お母さんの」と限定している点。
    つまりはなんだかんだ言って、誰よりも、父親よりも、母親の方が本当にプラクティカルに興味を持っているという現実。
    お母さんのプレッシャーとストレスが半端ない。
    そのお母さんと子供を、社会からだけでなく家族や夫からも精神面で守るという意味合いもこもってる。
    だから「お母さんの」と題名が限定されるというヨーロッパではありえない現象が起こる。そしてその需要はなくならない。
    社会が改善されるまで、子どもを守るお母さんたちを守ってください。

    また違った苦労を強いられている、子供を守るお父さんも守ってください。


    🔽 関連ページ 🔽
    「ことばが遅い自閉症児のおうち療育」 今川ホルン, 2024 >>

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    【発達障害とグレーゾーン】子どもの未来を変えるお母さんの教室


  • 『血の婚礼』フェデリコ・ガルシーア・ロルカ, 1932年 レビュー | 名誉の地中海文化

    『血の婚礼』フェデリコ・ガルシーア・ロルカ, 1932年 レビュー | 名誉の地中海文化



    Blood wedding
    Federico García Lorca, 1932
    Bodas de sangre
    血の婚礼
    フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
    2024.09 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 有名なスペインの悲劇、戯曲
    ✔ 地中海文化らしい、名誉と復讐の物語

    ★★★★☆ 戯曲。今も地中海文化に根強く居座る、恋人たちと母親の苦悩、名誉と復讐に命を捧げる男たち、力強い感情に溢れたストーリー。いつか演劇として見たい。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    密かに有名なスペインの悲劇、戯曲。
    今も地中海文化に根強く居座る、恋人たちと母親の苦悩、名誉と復讐に命を捧げる男たち、力強い感情に溢れたストーリー。
    演劇のために書かれているのでやっぱ文章で読むより、舞台の上の演技を観てこそ十分にその良さがわかるんだろうし、もちろん人間臭いスペイン語でなく英語で読むことでその本当の色は褪せているかもしれない。
    いつか演劇として見れるときは来るのだろうか。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Blood wedding" Federico García Lorca (1932) Review | Honour and revenge
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    血の婚礼: 他二篇 三大悲劇集 (岩波文庫 赤 730-1)



    Blood Wedding


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  • 『黄色いマンション 黒い猫』 小泉今日子, 2016年 レビュー | 小泉さんのあの声で読んでしまう

    『黄色いマンション 黒い猫』 小泉今日子, 2016年 レビュー | 小泉さんのあの声で読んでしまう



    黄色いマンション 黒い猫
    小泉今日子 2016
    Kyoko Koizumi
    208 pages
    2025.09
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 小泉今日子のエッセイ集
    ✔ アイドルとしての生活の裏側の話や最近のことなど
    ✔ 10代のころも60代もずっと輝いている彼女の魅力

    ★★★★☆ 彼女の魅力は色褪せない。それは間違いなく彼女が芯を持って人生を楽しもうとしているから。外に流されない、自分で流れている。常に輝きが増している小泉今日子、やっぱりいいですね。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    最近ずっと、ポッドキャストの「ホントのコイズミさん」を聞いているので本も。

    ポッドキャストもこのエッセイも、もちろんその演技も彼女の魅力は色褪せない。
    それは間違いなく彼女が芯を持って人生を楽しもうとしているから。
    10代からアイドルとして大人気な人生なのに、外の流れに流されていない。
    自分で流れている。
    エッセイ集を読んでると、ポッドキャストでもそうだったけど、なんか東京もいいのかも、と思う。
    きっと感受性豊かな小泉さん、自分の小さな心の動きもきちんと受け止め、文章にしている。

    10代の頃も60代の今もずっと輝いている、いや、輝きが増している小泉今日子、やっぱりいいですね。
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    黄色いマンション 黒い猫 (新潮文庫) [ 小泉 今日子 ]
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  • 『汝、星のごとく』 凪良ゆう, 2022年 レビュー | 純粋にまっすぐ、強く生きる

    『汝、星のごとく』 凪良ゆう, 2022年 レビュー | 純粋にまっすぐ、強く生きる



    汝、星のごとく
    凪良ゆう 2022
    Yu Nagira
    348 pages
    2025.09
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 高校生のころから運命を共にしてきた二人の恋愛
    ✔ 急激に変化する環境の中でまっすぐに生きる
    ✔ 悲しいながらもきれいなラブストーリー

    ★★★★☆ 純粋にまっすぐ、強く生きる。若い人が例えば読書を好きになるきっかけになる素敵な綺麗なストーリー。話題作なはず。良いですね。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    話題作。
    前はいつも自分好みの作家ばかり選んでいたので、意識的に話題作もちゃんと読んでる。
    これも本屋大賞を獲る作家、凪良ゆう (といっても名前も聞いたことがあるくらいだったけど、それは私が日本にいないという地理的な問題。)

    タイトルや表紙からもわかる綺麗なラブストーリー。
    自分勝手な親に振り回される高校生の恋から、ぐるぐると回る環境に巻かれ、するりと大人になってしまう二人の物語。

    純粋にまっすぐ、強く生きる。

    意地を張りながら、仕方がないと思いながら、打ちのめされながら、忘れずに自由を望みながら、愛と生をしっかり抱えながら。
    若いって素晴らしいとは言わない。そんなに人生は楽じゃないし、環境や境遇はそう簡単には変えられないし変わらない。

    続編があるそうで、ということはちゃんと他のも読まないと大きな事は言えないけど、若い人が例えば読書を好きになるきっかけになる素敵な綺麗なストーリー、それに尽きると思う。
    私のツボから離れているのは、私がターゲット層じゃないからでストーリーは素敵、おすすめできる。
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  • 『(グルカの娘)』Prajwal Parajuly, 2013年 レビュー | ネパールとディアスポラ

    『(グルカの娘)』Prajwal Parajuly, 2013年 レビュー | ネパールとディアスポラ



    (グルカの娘)
    The Gurkha’s daughter
    Prajwal Parajuly, 2013
    280 pages
    2024.09 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ネパール人のディアスポラを描いた短編集
    ✔ 遠くなっていく伝統と強くなっていく故郷への想い
    ✔ ネパールの貧困をベースにした現象の個人的なストーリーたち

    ★★★★☆ ネパールは貧しさや紛争により昔から外に出ていく人が多くディアスポラの問題が後を絶たない。遠くなっていく伝統としきたり、強くなっていく故郷への思いという避けようのない物語を彼らは背負っている。じんわりと心に残る短編集。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ネパール人またはネパールに関わる人々のストーリーの短編集。

    ネパールは貧しさや紛争により昔から外に出ていく人が多くディアスポラの問題が後を絶たない。
    自分の住んでいる土地に、生まれた土地に属している感覚がないという問題。
    インドのダージリンはネパール系が過半数で彼らの故郷の意識は統一されていない。
    ブータンに住む故郷ネパールから追い出された難民。
    カリンポンに住むビハール出身のムスリムの商人。
    ニューヨークにすむネパールに行ったことがない移民の子。

    彼らの物語は辛くて悲しい、でもドラマチックには描かれない。
    だって彼らの人生はリアルで、大袈裟なドラマではない。
    遠くなっていく伝統としきたり、強くなっていく故郷への思いという避けようのない物語を背負っている。

    日本にも多くのネパール人が住んでいるということも忘れてはいけない。

    じんわりと心に残る短編集。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Gurkha’s daughter” Prajwal Parajuly (2013) Review | Nepal and Diaspora
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    The Gurkha's Daughter: shortlisted for the Dylan Thomas prize (English Edition)


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  • 『ことばが遅い自閉症児のおうち療育』 今川ホルン, 2024年 レビュー | 楽しく脳を育てる

    『ことばが遅い自閉症児のおうち療育』 今川ホルン, 2024年 レビュー | 楽しく脳を育てる



    ことばが遅い自閉症児のおうち療育
    今川ホルン 2024
    Horn Imakawa
    252 ページ
    2024.08読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 言葉を話さない自閉症児という絞られたテーマ
    ✔ 癇癪を起こす子供への心構えなどのアドバイスも
    ✔ 入門書としてわかりやすく自宅でも実践しやすい

    ★★★★★ 自閉症児の子育てのなかでも絞られたテーマ。子供の脳に楽しいこととして伝え、脳を育てて言葉を引き出すというメソッドの入門書。実践的。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    偶然インスタグラムで見つけて。
    専門書は一杯あるけど、この本は入門書レベルで就学する前後の言葉が出にくい子へのアプローチなので、正にストライクなテーマ。

    癇癪を起こす子が多いのは仕方ないようで、なんとか仕方なくなくなる方法がある。
    我が家の場合は落ち着いてる方だけど、やっぱりどこの本も専門家も無視しましょうとある。

    子供の脳に楽しいこととして伝え、脳を育てるというメソッド、この本は入門書としてはぴったりで深堀はしないので、今後はもうちょっとその方面の専門書を読んでみたい。
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    脳を育てれば会話力がみるみる伸びる! ことばが遅い自閉症児のおうち療育



  • 『台所太平記』 谷崎潤一郎, 1963年 レビュー | 愛らしい女中さんたちの記録

    『台所太平記』 谷崎潤一郎, 1963年 レビュー | 愛らしい女中さんたちの記録



    台所太平記
    谷崎潤一郎, 1963
    Junichiro Tanizaki
    240 ページ
    2024.08 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 次々とやってくる愛らしい女中さんたちの記録
    ✔ 女中も家族という感覚の時代
    ✔ 谷崎らしい、主人の女の子の足フェチも垣間見れる

    ★★★★★ とある老人の家にやってくる女中さんの記録。谷崎の筆にかかれば全ての女が独特で愛らしくて、それを一歩下がってみている主人の様子など、まさに谷崎文学。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    谷崎潤一郎が描く、とある老人の家にやってくる女中さんの記録。
    といっても、谷崎の筆にかかれば全ての女が独特で愛らしくて、それを一歩下がってみている主人の様子など、まさに谷崎文学。

    戦前からの数十年つまり一昔前の女中は現代でいうお手伝いさんではない。
    若い彼女たちは田舎から出てきて住み込みで働くが、主人の方も自分の娘のように案じ、世話もする。そういう関係はやっぱり今ではそうはいかない。

    主人の若い女好きが転じて女中だらけの家にいるのは一目瞭然で、いつものように足フェチなのも伺えるし、女中の自由な恋愛にだって、女中同士の同性愛へだって比較的おおらかに描かれる。
    でもそれも今は昔、良いことか悪いことかデモクラシーとはそういうもので。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Maids" Junichiro Tanizaki (1963) Review | All his lovable maids
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  • 『重力ピエロ』 伊坂幸太郎, 2003年 レビュー | 苦手意識があったのに意外にも

    『重力ピエロ』 伊坂幸太郎, 2003年 レビュー | 苦手意識があったのに意外にも



    重力ピエロ
    伊坂幸太郎, 2003
    496 pages
    2024.08
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 勝手にちょっと苦手意識のあった伊坂幸太郎の作品
    ✔ 想像より無条件の暴力さはなく優しさがある

    ★★★☆☆ ちょっと苦手意識のあった伊坂幸太郎。でもこれはよかった。何が違うかというと、もうちょっと優しさがあり、つっけんどんの暴力さはない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    死神の精度から、ちょっと苦手意識のあった伊坂幸太郎。
    語り口が苦手と思っていたら、あれはあの物語だけの話で、この重力ピエロはもっとよかった。

    何が違うかというと、もうちょっと優しさがあり、つっけんどんの暴力さはない。
    確かに暴力がずっと付きまとうけれど、それを越える家族愛があり、圧倒的な兄弟愛がある。
    理屈も事実も犯罪も遺伝子だって越えるおおきな家族愛。

    ちょっと他のも読んでみないと。
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  • 『屋根の上の部屋』 ラスキン・ボンド, 1956年 レビュー | 繊細な少年時代

    『屋根の上の部屋』 ラスキン・ボンド, 1956年 レビュー | 繊細な少年時代



    The Room on the Roof
    Ruskin Bond, 1956
    屋根の上の部屋
    ラスキン・ボンド
    184 pages
    2024.08 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インド生まれ育ちの白人の著者のデビュー作
    ✔ 彼の生まれや育ちをベースに17歳で書いた小説
    ✔ 繊細な少年時代を描く成長物語

    ★★★★★ インド生まれ育ちの白人の著者の17歳で書かれたデビュー作。少年時代というのは誰もが「ここに馴染めない」と思うんだけど、彼の場合はその悩みは変えようがない。繊細な少年時代を描く一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ラスキン・ボンド、日本ではあまり知られてないんですね。
    インド生まれ、インド育ちのイギリス系白人の彼はインドではその優しい文章と切ないノスタルジアに包まれたストーリーで人気。その彼が17歳の時に書いたデビュー作。

    彼自身の少年時代を描いたような小説で、イギリス系インド人の主人公の少年の英国人の保護者やインド人の友人との生活、なんだけど、典型的白人主義の家庭には馴染めず、かといって明らかに見た目も階級も違う自分は地元の友だちと同じ生活ができない。

    少年時代というのは誰もが「ここに馴染めない」と思うんだけど、彼の場合はその悩みはリアルで明確で、どれだけ彼自身が望んでも変えることはできない。

    いつかきっとと思っていた願いは非現実的に見えた。
    著者本人はイギリスに移住するも結局インドに帰ってくる。
    彼の愛する故郷はインドしかない。

    繊細な少年時代を描く一冊。

    日本では下記の作品集に含まれています

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Room on the Roof" Ruskin Bond (1956) Review | Sense of belonging
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    小学館世界J文学館 青い傘ほか ラスキン・ボンド作品集

    この作品集に含まれています


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  • 『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七, 2004年 レビュー | 大切な夏の思い出

    『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七, 2004年 レビュー | 大切な夏の思い出



    佐賀のがばいばあちゃん
    島田洋七 2004
    163 pages
    2024.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 少年が佐賀のおばあちゃんと過ごす夏休み
    ✔ 芸人の著者自身の子供のころの体験
    ✔ 胸を張って貧乏生活を送るおばあちゃんの凄さ

    ★★★★☆ 親との思い出は忙しくて過ぎ去っていくけど、祖父母との思い出は残る。おばあちゃん、すごい。夏休みにピッタリの一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    著者は漫才師らしいけど、彼よりもこの本の名前は知っていた。
    思っていた通り、さらっと読める代わりに楽しくて元気をもらえる一冊。

    親との思い出は忙しくて過ぎ去っていくけど、祖父母との思い出は残る。
    特に田舎で何もない二人だけの生活となるとそうだと思う。おばあちゃん、すごい。
    私もそうだったので、自分の子供が同じように祖父母と思い出を作る時間や場を設けるようにしている。

    夏休みにピッタリの一冊。
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    決定版 佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)



  • 『ハピネス』 桐野夏生, 2016年 レビュー | みんな嘘と見栄ばっかり

    『ハピネス』 桐野夏生, 2016年 レビュー | みんな嘘と見栄ばっかり



    ハピネス
    桐野夏生, 2016
    Natsuo Kirino
    456 pages
    2024.07
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ タワマンに引っ越して始まったプチセレブ生活
    ✔ ママ友の関係に縛られ嘘と見栄に縛られた日常を描く
    ✔ 気疲れするけれど、爽快な読了感

    ★★★★☆ 一生縁はないであろうプチセレブ生活。ママ友は家にあげないというのが面白い。あくまで外面しか見せない。結局みんな苦労してて、嘘と見栄ばっかりで、小さな世界でもがいてる、そういうもの。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    一生縁はないであろうプチセレブ生活。

    ママ友関係で縛られて、タワマンのランクを常に意識してお受験して、着るものにとことん気を配って、でも家庭内のことは秘密ばかり。

    すっごいセレブじゃなくてプチセレブというのがポイント。
    ママ友は家にあげないというのが面白い。あくまで外面しか見せない。結局みんな苦労してて、嘘と見栄ばっかりで、小さな世界でもがいてる、そういうもの。

    主人公がちょっと幸せ向かう感じになるのは嬉しい。失敗は恐れなくていい。
    続編もあるんだとか。
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  • 『 (自閉症の子供のための早めのスタート)』 Sally J Rogers, 2012年 レビュー | 2,3歳くらいの子の家族

    『 (自閉症の子供のための早めのスタート)』 Sally J Rogers, 2012年 レビュー | 2,3歳くらいの子の家族



    An Early Start for Your Child with Autism: Using Everyday Activities to Help Kids Connect, Communicate, and Learn
    (自閉症の子供のための早めのスタート)
    Sally J Rogers, etc, 2012
    342 pages
    2024.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アメリカの2,3歳の自閉症の子の家族のための本

    ★★★★☆ 2、3歳の自閉症の子の家族のための本。でも本自体はとても良いので、裏付けの理論をきちんと読めたのは良かった。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    間違いなく読むの遅すぎた。この本は2、3歳の自閉症の子の家族のための本。
    うちの子はもう6歳。

    それでもまあ、セラピーの先生がこの方法を選んだのかとか、この段階はこれだ、などの裏付けの理論をきちんと読めたのは良かった。

    自閉症と診断されたばかりの、まだ就学前の子の家族におすすめです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “An early start for your child with Autism” Sally J Rogers (2012) Review | For toddlers
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    An Early Start for Your Child with Autism: Using Everyday Activities to Help Kids Connect, Communicate, and Learn (English Edition)



  • 『一次元の挿し木』 松下龍之介, 2025年 レビュー | 壮大でありえないのに面白い

    『一次元の挿し木』 松下龍之介, 2025年 レビュー | 壮大でありえないのに面白い


    一次元の挿し木
    松下龍之介 2025
    256 pages
    2025.08
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの古代骨と妹のDNAが一致したというミステリー
    ✔ 失踪した妹を追う兄とその前に立ちはばかる巨大な力
    ✔ ありえない話なのに引き込まれてしまう

    ★★★★★ 何が面白いかって、ありえないよね、と分かっているのにストーリーが面白くてテンポが良くてあっという間に読んでしまうこと。エンターテイメント性たっぷりで壮大なあらすじなのに全然空回りしない。そう、面白い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    公募小説新人賞の作品とは知らなかった。しかも大賞じゃない。
    なのに安定感があって面白い。

    上から目線はここまでにして、何が面白いかって、ありえないよね、と分かっているのにストーリーが面白くてテンポが良くてあっという間に読んでしまうこと。
    つまり面白いと現実味があるはイコールではない。

    貧乏ポスドクの小ネタに始まり、笑わない美青年という設定、健気な美少女、暇な主婦にギリシャ神話と、エンターテイメント性たっぷり。
    その上であらすじが「インドの古人骨と失踪した妹のDNAが一致」という壮大なことになってる。それが全然空回りしない。

    まだ若いのできっとこれから熟していくんでしょう。
    東野圭吾のように理系で人間味があってしかもどんどん書いてくれれば、楽しみが増えるわ。
    誰でも惹き付けられるミステリー。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "(Labyrinth of Hortensia and Minotaur)" Ryunosuke Matsushita (2025) Review | Exciting and entertaining, most loved mystery

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    一次元の挿し木 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



  • 『浮世の画家』カズオ・イシグロ, 1986年 レビュー | 後悔と哀愁の静かなエレガンス

    『浮世の画家』カズオ・イシグロ, 1986年 レビュー | 後悔と哀愁の静かなエレガンス



    An Artist of the Floating World
    Kazuo Ishiguro, 1986
    浮世の画家
    カズオ・イシグロ
    206 pages
    2024.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本とイギリスの二つの感覚を持つ著者が描く戦後の老人
    ✔ 戦時中から戦後にかけて変化する日本人らしさと愛国心
    ✔ 後悔に包まれ空気の変化にも苦しむ

    ★★★★★ 日本人らしいことに閉じ込められた老人のお話。戦時中は当たり前だった自らの言動や日本精神を少しずつ見直す主人公の気持ちの変化。イシグロらしい後悔と哀愁の静かなエレガンス。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    過去を思い出し、後悔を思い出し、明るい未来を願う。
    イシグロらしさが滲み出す、日本人らしいことに閉じ込められた老人のお話。

    老後の静かな生活の中で戦時中の自分を思い返し、当時は当たり前だった日本精神のプライドなどを少しずつ見直す主人公の気持ちの変化は、後悔や哀愁、ノスタルジアをいつもうまく突き刺してくるイシグロらしい静かなエレガントさに包まれている。

    ノーベル賞受賞作家

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "An Artist of the Floating World" Kazuo Ishiguro (1986) Review | Japanese sentiment
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  • 『響きと怒り』 ウィリアム・フォークナー, 1929年 レビュー | 語り手の意識の中に迷い込む

    『響きと怒り』 ウィリアム・フォークナー, 1929年 レビュー | 語り手の意識の中に迷い込む



    The Sound and the Fury
    William Faulkner, 1929
    響きと怒り
    ウィリアム・フォークナー
    464 pages
    2024.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ まだ奴隷制度もあった南部アメリカの以前は裕福だった家族
    ✔ 同じ事柄が繰り返し語られる次第にテーマが浮き出てくる
    ✔ それぞれの語り手の意識の中を覗くかのような表現

    ★★★★★ かなり難しいので完全にわかったわけではない、でもすごい。いきなり重度の知的障害の弟の視点が描かれていて、同じ事柄をそれぞれの語り手の意識の中を覗くかのように表現されてある。再読必須。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    かなり難しいので完全にわかったわけではない、でもすごい一冊。
    第一章からいきなり重度の知的障害の弟の視点から描かれているので、時系列でもないし、重複したり注意があちこちに飛ぶ、その中で明らかなのはお姉ちゃんに対する愛情。
    それから他の兄弟の視点へと移り、客観的な説明がないのに同じことについて別の視点で描かれているが、つまりはかつて裕福であったアメリカ南部の一家の崩壊の物語。
    知的障害児が身近な私にとっても、その思考の表し方など、そういう意味でも興味深い。

    同じ出来事が別の視点で語られることによりその人物の人格を浮き上がらせるが、その事柄自体の説明がないので、途中からウィキペディアのあらすじを頼りに読んだけど、それでもこのリズムがつかめるようになるとページがどんどん進む。
    当時のアメリカ南部にきっと多くいたであろう、機能不全家族の悲しい物語。

    これはもう一度改めて読んで、そのうえで一つの読書体験とするべき。

    ノーベル賞受賞作家


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Sound and the Fury" William Faulkner (1929) Review | A difficult read but a masterpiece
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    響きと怒り 上 (岩波文庫 赤323-4) [ フォークナー ]
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    響きと怒り (上) (岩波文庫)


    響きと怒り (下) (岩波文庫)


    The Sound and the Fury (English Edition)



  • 『カッコウの卵は誰のもの』 東野圭吾, 2013年 レビュー | ウィンタースポーツと人間臭さ

    『カッコウの卵は誰のもの』 東野圭吾, 2013年 レビュー | ウィンタースポーツと人間臭さ

    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    カッコウの卵は誰のもの
    東野圭吾 2013
    Keigo Higashino
    392 pages
    2024年7月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 著者の好きなウィンタースポーツがテーマ
    ✔ 才能とは、家族とはという問いに揺れる親子

    ★★★★☆ 久しぶりの東野圭吾。やっぱり面白い。今回は著者の好きなウィンタースポーツが背景になっていてそこの細かさもさすが。人間臭さが好き。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    久しぶりの東野圭吾。
    やっぱり面白い。全ての辻褄があっていて、謎解きミステリーとして面白いのと、人間関係が面白いのと、なにより人間臭さがいつもきちんと残されていて感動も与える。
    今回は著者の好きなウィンタースポーツが背景になっていてそこの細かさもさすが。
    才能とは、家族とは、血とは。

    やっぱり東野圭吾はエンターテイメントとして最高峰に面白い。

    🔽 買えるところ 🔽

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    カッコウの卵は誰のもの (光文社文庫 ひ 6-13)



  • 『ホワイト・ティース』ゼイディー・スミス, 2000年 レビュー | 混沌としたロンドンへのラブレター

    『ホワイト・ティース』ゼイディー・スミス, 2000年 レビュー | 混沌としたロンドンへのラブレター

    
    White Teeth
    Zadie Smith, 2000
    ホワイト・ティース
    ゼイディー・スミス 
    464 pages
    2024年7月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ 人種と文化が入り混じるロンドン郊外の生活
    ✔ 違う意見を持っていることが当たり前の中での友情、共同体
    ✔ 心温まるコメディー
    
    ★★★★★ 当時の混沌としたロンドンがここにはある。まとめることも同化することも必要ない、そういう共同体での生活は確かに苦労をするんだけど、その苦労こそがコミュニティの意義であり強み。すでにモダンクラシック。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンに初めて行ったときからずーっと話題の本、を20年経ってやっと読んだ。
    なんとなく難しくて移民の厳しい生活の話と勘違いしていたけど、読んでみると心温まるコメディーっぽくてちょっとびっくり。
    まさに当時まだ残っていたロンドンがこの本にはある、ごちゃごちゃした混沌としたロンドン。
    ロンドンではイズリントン区というどちらかというとトルコ人エリアにほとんどずっと住んでいたのでこの本の人物と人種的には違うけど、当時は階級も人種も入り混じっていることが自然だった。
    段々とロンドンは設備され、汚いものは「カーペットの下に隠されて」いまではお金がないと生活できない街になってしまった。

    みんな違う意見を持ち、肌の色、年齢、世代、伝統、教育、宗教、過去、経験、すべてが違うなかで、ひとつの共同体として呼吸をするということ。
    まとめることも同化することも必要ない、そういう共同体での生活は確かに苦労をするんだけど、その苦労こそがコミュニティの意義であり強みであるとこの本は語っているよう。

    日本人を含む世界のイメージの中のロンドンは現実離れしてびっくりするけど、まあ実はロンドンはそういう幻想を売りにすることで観光業を盛り上げているので、この本で、20年前まであった本当のロンドンに出会ってください。
    汚くて大げさで下品です。いや、でした。過去形。今はこういうコミュニティーは市内から弾かれているのが残念でならない。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "White Teeth" Zadie Smith, (2000) Review | Love letter to London


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    ホワイト・ティース(上下合本) (中公文庫)



    White Teeth (Vintage International) (English Edition)



  • 『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 レビュー | 暴力な世界の中の美しい物語

    『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 レビュー | 暴力な世界の中の美しい物語



    Afterlives
    Abdulrazak Gurnah, 2020
    アブドゥルラザク・グルナ
    288 pages
    2024年7月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 欧米の戦争に巻き込まれる植民地アフリカの人々
    ✔ 残酷で暴力の中でも自分たちの小さな幸せを握りしめる
    ✔ 踏みにじられる人生のわずかな美しさを描く物語

    ★★★★★ 戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。2021年ノーベル賞受賞作家。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。

    人々の生活や愛情は、戦争という外部の環境によってボロボロに破壊されるということを忘れてはいけない。
    アフリカの人々の人生は、ヨーロッパ人が勝手に始めた戦争、つまりアフリカに住む人々とは全く関係のない殺し合いビジネスによって左右される。
    それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。
    そんな狂暴な環境でも、植民地主義上の植民者と先住民でありながらも少しマジカルなでも一人間同士の関係も描かれていて少し希望を持つこともできる。

    2021年ノーベル賞受賞


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Afterlives" Abdulrazak Gurnah (2020) Review | A beautiful story told in a cruel and violent environment
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    Afterlives: By the winner of the Nobel Prize in Literature 2021



  • 『最初の人間』アルベール・カミュ, 1994年 (1960年) レビュー | 未完成という完全の遺作

    『最初の人間』アルベール・カミュ, 1994年 (1960年) レビュー | 未完成という完全の遺作



    The First Man
    Albert Camus 1994 (1960)
    Le Premier homme
    最初の人間
    アルベール・カミュ
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 自己でなくなった際にカバンにあった未完成の原稿
    ✔ アルジェリアでの彼の少年時代をベースにした感動作
    ✔ フランスとアルジェリアという二つに引き裂かれた生活を描く

    ★★★★ 亡くなったカミュのカバンにあった未完成の原稿。自伝的。ありきたりな言い方だけど本当に感動する。特に先生の章。何がなくても愛情がある。未完成という完全。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1960年に事故で亡くなったカミュのカバンにあった未完成の原稿が1994年に未完成のまま出版される。名前や詳細が噛み合っていないのもその生々しさを語る。
    半分自伝、半分小説、未完成、でも完全に心惹かれる。

    アルジェリアに住んでいたときの貧しい生活、でも母、祖母、叔父への愛に溢れていた。
    フランスとアルジェリアという2つの国に引き裂かれた生活には父親がいない、家族の伝統もない、信頼できる人も、自分を育ててくれる確かな存在も、なにもない。
    そんな時に小学校の先生に出会う。

    時に家族や血縁で繋がっていない人が、その溢れる愛情をもって育ててくれることがある。
    この先生がカミュの人生にとってかけがえのない人だったことがよく分かるくらい感動する章。
    そして彼は恋に落ちる - がそこでこの物語は途切れてしまう。
    確かに傑作になっていたと思う。
    愛だろ、愛。


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    English review
    "The First Man" Albert Camus, (1994 /1960) Review | Half biography fully touching
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  • 『(Otherwise Pandemonium)』 ニック・ホーンビィ, 2005年 感想 | 初めてのホーンビィ

    『(Otherwise Pandemonium)』 ニック・ホーンビィ, 2005年 感想 | 初めてのホーンビィ

    🔽 基本情報 🔽
    Otherwise pandemonium
    Nick Hornby 2005
    ニック・ホーンビィ
    64 pages
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    サラッと読める本を探してる人に
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ショート2本立ての短い本。多分、初のニック・ホーンビィ。
    最初のSFっぽいショートもいいけど、二本目のNot a Starのほうが好きだった。
    お母さんが自分の息子の秘密の仕事を知るんだけど、でもまあいいや、的ないいお話。

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    English review
    "Otherwise Pandemonium" Nick Hornby (2005) Review | My first Hornby
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    Otherwise Pandemonium (Pocket Penguins)




  • 『クララとお日さま』カズオ・イシグロ, 2021年 感想 | 人工友達は友達か

    『クララとお日さま』カズオ・イシグロ, 2021年 感想 | 人工友達は友達か

    🔽 基本情報 🔽
    Klara and the sun
    Kazuo Ishiguro, 2021
    クララとお日さま
    カズオ・イシグロ
    307 pages
    2024年5月 読了
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    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    ディストピア小説好き。切ないです。
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    発売当時の特別版カバー。
    カズオ・イシグロ作品はいつもちょっと哀しい。劇的な悲しさというより小さな寂しさ。
    AF(人工親友)は感覚で言えば未来のペットのような。子供の友達になるようなわんちゃん、でも違いは、AFはどれだけ知能、経験、感情を学んでも所詮はモノ。

    AFクララを購入する少女の家族のことや周りの状況が、純粋なモノであるクララの目からのみ描かれる。
    この家族は利己的なのか。いや多分そういうことじゃない。彼らはただ単にこういう世界で生きていて、これがもう普通であり、悪気なんてない。

    AFには子どもたちを幸せにする義務、ミッションがあり、そのために学び、迷い、存在する、そして最終目的のためには手段を選ばないという選択だってする。
    じゃあAFクララは我々にとって脅威か。
    でも人間より誰よりも純粋なのはクララしかいないのに。
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    English review
    "Klara and the Sun" Kazuo Ishiguro (2021) Review | Artificial Friends, are they friends?
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    Klara and the Sun: The Times and Sunday Times Book of the Year (English Edition)



  • 『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース, 2009年 感想 | 好奇心旺盛だけど冷静

    『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース, 2009年 感想 | 好奇心旺盛だけど冷静

    🔽 ログ 🔽
    Sushi & Beyond: What the Japanese Know About Cooking
    Michael Booth, 2009
    英国一家、日本を食べる
    マイケル・ブース
    307 pages
    2024年4月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    和訳は「英国一家、日本を食べる」
    イングランド人ジャーナリストが奥さんと子どもの日本に3ヶ月ほど滞在して、とにかく食べまくる。
    これ、本が和訳されただけじゃなくて漫画にもアニメにもなったんですねー

    日本人としてもちろん知っていることはあるんだけど、日本人でも知らないこと、体験できないことが多い。例えば辻調理師専門学校に行ったり、ビストロSMAPにSMAPが誰かも知らずにスタジオに行ったり、味の素に行ったり。

    でもこの本がやっぱり他の日本マニアのものと違うのは、子どもと一緒に滞在したということ。やっぱり子どもがいると日本のそのへんの近所の人も話しかけやすい。
    あと、彼がいわゆるマニアで日本大好きという感じじゃないのもいい。変に日本オタクっぽくならず、逆に何でも気持ち悪がらない、意外に冷静な感じなのもいい。

    ジャーナリストの特権で、普通の人が入れない場所に行ける、遠慮なんてできないくらい好奇心が旺盛、じゃあどうするか。じゃあ入ってみる、食べてみるしかない。

    2009年出版ということは、彼の滞在期もコロナ後の異常なまでの日本のオーバーツーリズム状態ではなかったのも良かったかも。今は彼の真似をするかのような旅行者や子連れも多く当時ほど優しく歓迎されなかったかも。

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    English review
    "Sushi & beyond" Michael Booth (2009) Review | He's British, he's composed
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    英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)






  • 『美は傷』 エカ•クルニアワン, 2002年 感想 | その地に宿る魂の苦しみ

    『美は傷』 エカ•クルニアワン, 2002年 感想 | その地に宿る魂の苦しみ

    
    
    
    
    
    🔽 ログ 🔽
    Beauty is a wound
    Cantik Itu Luka
    By Eka Kurniawan, 2002
    美は傷
    エカ•クルニアワン
    原語=インドネシア語
    読了=英語訳
    480 pages
    2024年4月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    インドネシアの町に死んだはずの売春婦の女性が戻ってきた。

    強く美しい女たちの物語は、いつも男たちによって泥沼にされる。
    その地に宿る魂の苦しみ、植民地としての過去、蔑ろにされる女性の尊厳、生きていくための手段。暴力と愛と呪い。なるほど、マジカルリアリズム。

    女性は自分の美しい娘の成長した姿を確認するまでは死ぬに死にきれず、唯一の醜い娘の幸福を確信する。だって外見の美しさは歴史、人種、宗教や政治、権力を越え、その子の人生の傷でしかないから。

    自分は何とか生き抜いた、でもそれぞれの子にそれぞれの苦しみと呪いがある、まるでマルケスの百年の孤独のような何代にも渡る一族のストーリーを、痛々しくリアルに描く。

    この物語はインドネシアだからこそ生まれてきた物語であり、世界中の人の心を揺さぶった。
    一度ページをめくったらやめられない、強く生きる女たちの壮大な物語。

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    English review
    "Beauty is a wound" Eka Kurniawan (2002) Review | Mix of history, religions, power, and abuse


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  • 『火宅の人』 壇一雄, 1975年 感想 | 男の無益なプライド

    『火宅の人』 壇一雄, 1975年 感想 | 男の無益なプライド

    ★★★★☆ こういういかにも昭和のダメ男はきっとそこらじゅうにいたはず。お金はある、なのにいつも足りない。逃げるように女を追いかけてお酒を追いかける。ただの我儘、男の無益なプライド。
    これが無頼派
    🔽 ログ 🔽
    火宅の人 上下
    壇一雄 1975
    Kazuo Dan
    960ページ(480+480)
    2025年6月読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    私小説風の大変な男の話。
    家族は放ったらかし、愛人にも面倒くさくなり、それ以外もフラフラとあっちの女、こっちの女にすがり付き、もちろん商売の女にもすがり付き、何よりも酒にお金を使い込む、そう、最低の男の代表格。
    
    こういういかにも昭和のダメ男はきっとそこらじゅうにいたはず。
    お金はある、なのにいつも足りない。
    逃げるように女を追いかけてお酒を追いかける。
    でも最低の男であっても、優しくないわけではない。
    年じゅう放っておくくせに、急に子供を海や川に泊まりがけで遊びにつれていく。
    寝たきりの次男が気になってしょうがない(だからといって世話はしないけど)。
    女の面倒を見たがる。
    でも言ってみれば、ただの我儘なええかっこしい。男の無益なプライド。
    
    結局は幸いお金があるということが救いになっているけど、じゃあなければ汗水垂らして働きますということだってないだろう。
    
    無頼派とは、こういうことか。
    
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    火宅の人



  • 『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 感想 柔らかい気持ちが長く続く

    『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 感想 柔らかい気持ちが長く続く

    🔽 ログ 🔽
    Small Worlds
    Caleb Azumah Nelson, 2023
    ケイレブ・アズマー・ネルソン
    256 pages
    2025年5月 読了
    アマゾンで見る
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    移民の集まる南ロンドンカルチャー好き、90年、2000年の音楽好き。
    


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    今人気の最近の小説をまとめてロンドンで買った中の1つ、なので相変わらず内容も知らないまま購入。でもそれがよかった。

    とても詩的。パッと表紙を見ただけでは予想できない雰囲気。
    表紙のエッジーな雰囲気は背景で、移民、黒人文化、南ロンドン、音楽、そういうものからは暴力的で騒がしいものを連想するけど、でもこれはそういう社会の渦の中にある、彼らの住む小さなスモールワールド。
    愛情に溢れ、優しさに包まれ、自由、家族、夢や悲しみの小さな世界。

    主人公は幼馴染みをひたすら想い続け、保守的な父親との関係に苦しむ、つまり誰もが共感できる誰もが住んでいる各々のスモールワールド。

    背景に聞こえるリズムと静かで深い愛、読み終わったあともその柔らかい気持ちが長く続く。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Small Worlds" Caleb Azumah Nelson (2023) Review | Tender feeling of understanding and belonging
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    Small Worlds



  • 『Hunted』 アビール・ムカジー, 2024年 感想 | 追いかけ追いかけられて

    『Hunted』 アビール・ムカジー, 2024年 感想 | 追いかけ追いかけられて

    🔽 ログ 🔽
    Hunted
    Abir Mukherjee, 2024
    アビール・ムカジー
    468 pages
    2025年5月 読了
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    Hunted Discover the new pulse-pounding, twist-packed thriller【電子書籍】[ Abir Mukherjee ]

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    アクション映画のような本。
    イスラムのテロリズムが軸になってるとは知らなかった。

    英国地方都市で静かに暮らしていたムスリム男性の娘にテロリスト容疑がかかり彼の世界が一転。そこに遠く離れたアメリカから白人女性がやって来て一緒に子供を救おうと言い放つ。
    警察が捕まえる前にテロリスト容疑の子供たちを見つける、無謀だけれどそれが親というもの。
    そしてその警察の組織から外れたある警察官も彼女自身の問題を抱えてあとを追う。

    じっくり考えるストーリーではないけれど、アドレナリン大放出でどんどんとページをめくれる。
    あと一歩、また逃げられた。すれ違った。
    テロリスト行為がいかに宗教とは関係が薄く、誰かの利益のためだけに多くを犠牲にする行為かを訴えている雰囲気もある。
    唯一ちゃんとキャラ設定がしっかりしているのはそのお父さんSajid。
    ムスリムのお父さん、今までの価値観をぶっ壊されて、娘のために走ります。

    長距離フライト用に選んだけど、読んだり寝たりにピッタリだった、良い選択。


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    English review
    "Hunted" Abir Mukherjee (2024) Review | Keep reading keep chasing
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    Hunted Discover the new pulse-pounding, twist-packed thriller【電子書籍】[ Abir Mukherjee ]
      
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    Hunted: Discover the new pulse-pounding, twist-packed thriller (English Edition)