タグ: 日本社会

  • 『今月の困ったちゃん』 内田春菊, 1989年 レビュー | いつの時代も困ったちゃんだらけ 

    『今月の困ったちゃん』 内田春菊, 1989年 レビュー | いつの時代も困ったちゃんだらけ 


    今月の困ったちゃん エッセイ&漫画 (ぶんか社コミックス)
    今月の困ったちゃん
    内田春菊, 1989
    215 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 痛快なエッセイ集
    ✔ 笑いながら読める非常識人間たちとの闘い

    ★★★★☆ さらっと楽しく読めるエッセイ集。今の若いやつは、ってよく言われるけど、若いやつはいつの時代も困ったちゃんが多いんですね。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    さらっと楽しく読めるエッセイ集。
    今の若いやつは、ってよく言われるけど、若いやつはいつの時代も困ったちゃんが多いんですね。
    小さい会社とかなら洗礼を受けれるけど、今はないんですかね。
    やっぱり日本で会社員はできないわ。
    
    
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    今月の困ったちゃん エッセイ&漫画 (ぶんか社コミックス)
    今月の困ったちゃん エッセイ&漫画 (ぶんか社コミックス)


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  • 『ファザーファッカー』 内田春菊, 1995年 レビュー | 堕ちるところまで堕ちる自伝的小説 

    『ファザーファッカー』 内田春菊, 1995年 レビュー | 堕ちるところまで堕ちる自伝的小説 



    ファザーファッカー
    内田春菊, 1995
    160 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 漫画家の著者による初の小説
    ✔ 養父による性的虐待から逃れ職を転々とする自伝的長編小説

    ★★★★☆ 悲しいというよりも絶望的で、堕ちるところまで堕ちた実母と義父の元で育つ少女。逃げるという選択肢がなかなか出てこないという受け入れがたい現実も。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「ところが、私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人の客は私の育ての父だった。」

    暗いストーリーというのはわかっていたけど、やっぱり暗い。
    悲しいというよりも絶望的で、堕ちるところまで堕ちた実母と義父の元で育つ少女。
    被害を受けた人間にとって逃げるという選択肢がなかなか出てこないという受け入れがたい現実も。

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    ファザーファッカー (文春文庫)


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  • 『レイクサイド』 東野圭吾, 2002年 レビュー | 淡々とした真相の緊張感ミステリー

    『レイクサイド』 東野圭吾, 2002年 レビュー | 淡々とした真相の緊張感ミステリー



    レイクサイド
    東野圭吾, 2002
    288 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 心理ミステリー
    ✔ 一枚一枚剥がされていく真相の緊張感
    ✔ 普通の人たちの普通じゃない狂気

    ★★★★☆ わくわくするミステリーではなく、淡々と一枚一枚剥がされていく真相の緊張感、それは正に真夜中の湖のように静かで冷たい。正義と真実と愛と懺悔の間で彼のこころが揺れ動く。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    中学受験の勉強合宿で夫の愛人が殺された。
    親たちは子供を守るために事件を隠蔽しようとする。
    
    天才科学者でも執拗な刑事でもなく、いち夫が苦しみながらも真相を突き止めていく。
    彼は客観的でない分、正義と真実と愛と懺悔の間で彼のこころが揺れ動き、ついには悲しい真実へとたどり着く。
    
    ガリレオシリーズのようなドキドキわくわくのエンターテイメント性ではなく、淡々と、一枚一枚剥がされていく真相の緊張感、それは正に真夜中の湖のように静かで冷たい。
    
    
    
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    レイクサイド (文春文庫 ひ 13-5)


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    レイクサイド (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]
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  • 『野心のすすめ』 林真理子, 2013年 レビュー | 少女よ野心を抱け 

    『野心のすすめ』 林真理子, 2013年 レビュー | 少女よ野心を抱け 



    野心のすすめ
    林真理子, 2013
    196 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 自伝、エッセイ集
    ✔ ずっといじめられ怠け者だった著者が急に野心を抱く
    ✔ 読むとやる気になれる一冊

    ★★★★☆ 野心のある彼女の面白い自伝。とにかく強気でいること、裏で続ける努力が成功を呼ぶ。自分の人生において野心を持つことの大切さは誰も教えてくれない。自分で学びに行くしかない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    すすめといいつつ、本当は野心のある彼女の面白い自伝。

    とにかく強気でいること、そしてその裏では絶え間ない努力を続けることが運を呼び、成功を呼ぶ。
    自分に向いていることを見定め、向いていなければあっさりきっぱり捨て去る。
    そう言うことを自分の経験を踏まえて書いてあり、面白く読める一冊。

    特に女の子は小さくまとまることを強いられる日本、夢やゆとりは学校で連呼されていても、自分の人生において野心を持つことの大切さは誰も教えてくれない。
    少女諸君、でも本がある。
    こういうタイプの学びこそが読書の醍醐味。
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    野心のすすめ (講談社現代新書 2201)


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    野心のすすめ (講談社現代新書) [ 林 真理子 ]
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  • 『死神の精度』 伊坂幸太郎, 2005年 レビュー | リアルに少しシューリアルな短編集 

    『死神の精度』 伊坂幸太郎, 2005年 レビュー | リアルに少しシューリアルな短編集 


    死神の精度 (文春文庫 い 70-3)
    死神の精度
    伊坂幸太郎, 2005
    352 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 死神の千葉が主人公の短編集
    ✔ クールなのにシュールな死神の日々
    ✔ 伊坂幸太郎らしいテンポ


    ★★★★☆ 全て主人公は千葉という死神。伊坂幸太郎独特の、リアルに少しシューリアルを混ぜた世界観。死神の千葉さんの精度には苦笑してしまう。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    短編集だけど、全て主人公は千葉という死神。
    伊坂幸太郎独特の、リアルに少しシューリアルを混ぜた世界観。

    私の読んだ彼の作品のうち初めて暴力が少ない上、少し愛や優しさを感じるところも多く、気持ち悪くならずに読める。
    ユーモアたっぷりで、死神の千葉さんの精度には苦笑してしまう。

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    死神の精度 (文春文庫 い 70-3)
    死神の精度 (文春文庫 い 70-3)


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  • 『日本人は日本を出ると最強になる』 吉越浩一郎, 2013年 レビュー | 海外移住の良いところを説く 

    『日本人は日本を出ると最強になる』 吉越浩一郎, 2013年 レビュー | 海外移住の良いところを説く 



    日本人は日本を出ると最強になる
    吉越浩一郎, 2013
    199 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ビジネス啓蒙書


    ★★☆☆☆ そうであっても現実的に海外で働く許可を得ること自体が難しいんですけどね。あと、女は男を支えるか、働きたければ家事と両立する風習には反対されていない。


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    留学を経験し、海外の企業で働き、外国人の配偶者のいる方ならではの視点。
    でも私が思うには次元が違いすぎて冷めてしまうかも。
    第一それ以前に世界で働くといったって現実的に労働許可を取ること自体、やる気だけでは難しいのが現実なんですが。

    一番の問題といえば、残念ながらよくあるパターンなんだけど、女性はイコール妻であり、もっといえば主婦である、というニュアンスがどうしても気になる。
    男が外で働くという固定観念から脱出できない人たちに向かってる。
    日本の女の役目は男の能力を十二分に発揮できるよう応援すること?
    ビジネスウーマンの例にも触れているけど、女だけが仕事と家庭の両立の綱渡りを強いられていることには特に反対意見は持たれていないよう。

    個人的には、まずは誰でも比較的制限のない留学はぜひとは思います。
    あと日本人は最強という自画自賛はあまりしないようがいい。
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    日本人は日本を出ると最強になる 海外で働こう、学ぼう、暮らしてみよう!


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  • 『アニメ文化外交』 櫻井孝昌, 2009年 レビュー | 海外におけるアニメのポテンシャル

    『アニメ文化外交』 櫻井孝昌, 2009年 レビュー | 海外におけるアニメのポテンシャル


    アニメ文化外交
    櫻井孝昌, 2009
    192 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ポップカルチャー研究家
    ✔ アニメの世界事情とポテンシャル
    ✔ 現在にも通じる体験談と考察


    ★★★★☆ アニメのポテンシャルを説く一冊。ただ単に外国のオタクが見るだけでしょ、と軽視するのは勿体ないし、間違っている。日本以外にいるとしっかりと肌で感じることなんです。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    アニメのポテンシャルを説く一冊。
    イタリア人やフランス人は私より断然アニメに詳しく、しかも日本では70年代に放送されていたものとか私はリアルで観ていなかったものも。
    日本に住んでいるとわからないかもしれないけれど、日本以外にいるとしっかりと肌で感じることなんです。
    
    それを、ただ単に外国のオタクが見るだけでしょ、と軽視するのは勿体ないし、間違っている。
    
    日本に住む日本人として伝統芸能が人気であってほしい(もしくは人気だと勘違いしている)と思うのも分かるけど、一般的な過半数の人間は歌舞伎とアニメどちらを身近に感じるか。
    その答えは実は日本人であろうがイタリア人であろうが同じだよ、ということです。
    
    ただ、同時に海賊版の問題をきちんと意識することも忘れてはいない。
    普及の要となる違法ダウンロードは最終的には生産者側の首を絞めクオリティが下がる。
    まずは外交の重要な一貫としてアニメを理解し活用し、正規版が普及できる様に持っていければ。
    
    
    
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    アニメ文化外交 (ちくま新書)


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    アニメ文化外交 (ちくま新書) [ 櫻井孝昌 ]
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  • 『町長選挙』 奥田英朗, 2009年  レビュー | 今回もトンデモナイ伊良部先生 

    『町長選挙』 奥田英朗, 2009年 レビュー | 今回もトンデモナイ伊良部先生 


    町長選挙 (文春文庫 お 38-3)
    町長選挙
    奥田英朗, 2009
    272 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ トンデモ精神科医 伊良部シリーズ第3弾
    ✔ 選挙に巻き込まれる先生

    ★★★★☆ 離れ小島に赴任することになった精神科医の伊良部先生。町長選挙に巻き込まれ。やっぱり今回もトンデモナイ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    離れ小島に赴任することになった精神科医の伊良部先生。

    やっぱり今回もトンデモナイ。
    不潔で、ボンボンで、子供で、注射フェチで、どうしようもないのに、患者さんが通ってしまう。
    「町長選挙」では町民のパワーに圧倒されるけれどやっぱり伊良部に引き寄せられる人は、かまってほしいんでしょう。
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    町長選挙 (文春文庫 お 38-3)
    町長選挙 (文春文庫 お 38-3)


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  • 『空中ブランコ』 奥田英朗, 2004年 レビュー | 自分への小さな違和感の患者たち 

    『空中ブランコ』 奥田英朗, 2004年 レビュー | 自分への小さな違和感の患者たち 



    空中ブランコ
    奥田英朗, 2004
    288 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ トンデモ精神科医 伊良部シリーズ第2弾
    ✔ 直木賞受賞
    ✔ 今回もとんでもない患者と医者

    ★★★★★ みんなおかしな症状なんだけど、実は原因は誰もが感じる自分自身に対する小さな違和感。一気にシリーズ3冊読んでやっぱりこれが一番面白かったかも。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    一気にシリーズ3冊読んで、短編集なのでお気に入りを決めにくいけど、「空中ブランコ」一冊分が一番面白かったかも。
    
    尖ったものは何でも怖いヤクザに、どーしても義父のヅラを取りたい大学の先生、このネタ使った気がすると気になってしょうがない恋愛小説家。
    
    みんなおかしな症状なんだけど、実は原因は誰もが感じる自分自身に対する小さな違和感。
    なるほど直木賞なのね、納得。
    
    
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    空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)


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  • 『イン・ザ・プール』 奥田英朗, 2002年 レビュー | この精神科医トンデモナイ 

    『イン・ザ・プール』 奥田英朗, 2002年 レビュー | この精神科医トンデモナイ 



    イン・ザ・プール
    奥田英朗, 2002年
    288 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ トンデモ精神科医 伊良部シリーズ第一弾
    ✔ 来院する患者も先生もとんでもない
    ✔ コメディー短編集

    ★★★★★ この精神科医、トンデモナイ。意味わかんない。むちゃくちゃすぎる。なのに通ってしまう。一歩間違えたら自分もなっているであろうと思ってしまう現代人ならではの症状ばっかり。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この精神科医、トンデモナイ。
    意味わかんない。むちゃくちゃすぎる。なのに通ってしまう。
    患者さんも奇妙な症状でやって来るんだけど、どの症状も、なんか笑えないものばかり。
    多分、一歩間違えたら自分もなっているであろうと思ってしまう現代人ならではの依存症、禁断症状、強迫神経症、などなど。
    携帯がないと手が震える、確認がやめられないOCDとか、自意識過剰とか、少なからず自覚してるからなんとか生活できてるだけであって。
    その分、伊良部先生は、全く気にしない。うちの8歳の息子のほうが、常識をわきまえてる。

    「イン・ザ・プール」のお気に入りは「コンパニオン」。
    どんどんひどくなって収拾がつかなくなる。
    そこでエスカレートする自意識の邪魔をする伊良部先生のお陰で、ハッとし、収まる。

    まったくなにも知らずに読んで正解だった。
    こういう時に日本から遠く離れて何も情報がないことが逆に得。

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    イン・ザ・プール


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    イン・ザ・プール (文春文庫) [ 奥田 英朗 ]
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  • 『女ぎらい ニッポンのミソジニー』 上野千鶴子 , 2010年 レビュー | 国をあげての家父長制 

    『女ぎらい ニッポンのミソジニー』 上野千鶴子 , 2010年 レビュー | 国をあげての家父長制 



    女ぎらい ニッポンのミソジニー
    上野千鶴子 , 2010
    392 ページ
    2018 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本を代表する女性学者、社会学者
    ✔ 本人たちには見えにくい日本の女性嫌悪と女性蔑視
    ✔ 具体的な例を出しての痛快な読み応えの一冊

    ★★★★★ 日本における女性嫌悪の形は変わっているんだろうけど根本は変わっていない。多くの人には分からないように理解させないように仕向けているシステム。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    上野先生のフェミニズム満載の一冊。

    ここ数年で日本における女性嫌悪の「形」は変わっているんだろうけど、根本は変わっていない。
    日本は国をあげて男性主義、というか家父長制を死守しようとする国。
    言われなくても空気を読む文化の国。
    でしゃばる者は打たれ、社会的弱者はその存在を無視され、女性はあくまで下級市民で、型にはまらない男性も下級、メディアの少女やアイドル崇拝を通じて女性を生身の人間と認めず、幼い女の子達にそれが日本で生きていく最適な生き方と教育する国。

    日本のイメージは残念ながらそうなんですよね。

    いまは女だって働けるというけれど、原因は働き手の不足という社会のニーズであり、女性の個人の選ぶ権利ではない。
    未だに多くの場合は女は働いて家事育児もする、というスタイルでつまりタスクが増えただけ。

    ちなみに当然のことながら、これと比例して家父長制から外れている男性の生きづらさが増えていく。
    例えば単純に子供といたい男性の生きづらさ、結婚したくない男性の生きづらさ、「男らしい」の鎖ですね。
    ここはしっかり理解しないとただの自己防衛に過ぎないと思うし、男vs女という無駄な形になる。

    この本のステートメントは少なくとも西欧では当たり前なこと。
    社会としては女性を一個人として見るのが当然だと伝える社会。
    色んな制限と妄想を込めた「女らしい」なんて時代遅れな言葉はもうマスコミ上では使えない国が多いのすらわからない、知らない。
    理解させないように仕向けているのが、日本の社会システム。

    フェミニズムという言葉が怖い?
    男性が無条件で女性を虐げるのがオッケーな社会の方が怖い。
    しかも男と女と対極にして白黒はっきりさせようということすら現実的ではない。
    人間はもっと複雑だから、その人がどんな人間でありどう生きていくかを社会の秩序のためだけに制御するのは限界に来てる、と思う。

    やっと変わってきてる気がする今日この頃だけど、それは著者のような人が声を上げ続けたからだとつくづく思うのです。
    
    
    
    
    
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    女ぎらい (朝日文庫)

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    女ぎらい ニッポンのミソジニー (文庫) [ 上野千鶴子 ]
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  • 『生きがい』 茂木健一郎, 2017年 レビュー | 小さな幸せ逆輸入

    『生きがい』 茂木健一郎, 2017年 レビュー | 小さな幸せ逆輸入



    生きがい
    茂木健一郎, 2017
    Ikigai
    Ken Mogi
    2020.05 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 脳科学者がイギリスで出版、その後日本語に翻訳
    ✔ 欧米人に向けての日本の生きがいの紹介
    ✔ 日本人にとっても発見のある一冊

    ★★★★☆ イギリスで出版された本を数年後日本に逆輸入。心持ち日本の宣伝になってるのは仕方ないけれど、確かに当時ロンドンではどこの本屋にもあった。Japanese books人気の先駆け。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    もともとはイギリスで出版された本なのでターゲットはイギリス人ではあるけれど、結局逆輸入されたのは面白い。

    日本人ではない人たちが、日本人の考え方の謎を解くカギになる一冊で、細かい作業を続ける職人や同じような生活をするサラリーマン、そんな日本人の裏には「生きがい」という概念がある、と。

    心持ち日本の宣伝になってるのは仕方ないけれど、今の日本現代文学ブームの前に書かれたこの本は確かにロンドンではどこの本屋にもあった。
    まだまだ日本の本が今のように流行になる前に、ひっそりと本屋の入り口に並んでいたし、直後には似たような本が日本人じゃない人が書いたり。
    もちろん茂木先生の職業などは知らない人たちが、当時はまだミステリーだった日本人のことを知るきっかけになったはず。

    日本人にとって発見があるかどうかは別ですね。
    それを逆輸入して、「見て、日本って素晴らしいでしょ」となるのは、さすが。
    イギリスにいるときに英語で読んだので★4つだけど、日本で生活してて日本語で読んだらたぶん★3つになる。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
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    生きがい (新潮文庫)


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  • 『コンビニ人間』 村田沙耶香, 2016年 レビュー | 平凡にも狂気あり

    『コンビニ人間』 村田沙耶香, 2016年 レビュー | 平凡にも狂気あり



    コンビニ人間
    村田沙耶香, 2016
    176 ページ
    2020.03 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 世界中で人気の日本の現代小説
    ✔ 36歳未婚のバイト人間の主人公が問う「普通」とは
    ✔ 芥川龍之介賞受賞

    ★★★★☆ 平凡であり狂気に満ちている。予測不能。全てがどうでもいい古倉さんのテンポが気持ちいい。そうだ、わたしはコンビニ人間であって、コンビニ人間でないとダメなんだ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンの本屋でずっと売り上げ上位で並んでるのを見てて、やっと。
    でも例によって全く予備知識ないままだったのでちょっとびっくり。いい意味で。

    ただ単にコンビニ店員の恋愛ものと思ったら、確かにそれじゃあイギリスでバカ売れしない。

    平凡であり狂気に満ちている。

    結婚もせず、まともな就職もせず、子供も生まず、恋愛もせず。
    誰もが足を踏み入れそうになる、もしくは踏み入れてしまう「あちら側」の世界。
    彼女の前に正真正銘ダメ男が現れて、マニュアルを取り上げられてやっとわかる。
    そうだ、わたしはコンビニ人間であって、コンビニ人間でないとダメなんだ。

    全てがどうでもいい古倉さんのテンポが気持ちいい。
    切り返しが早く、ダメ男のダラダラな理論とのコントラストが明確で、次のページの展開が予測不可能。

    短いのでさっぱりスッキリ読める。私にとってはハッピーエンド。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Convenience Store Woman” Sayaka Murata (2016) Review | Ordinary yet mad
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    コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)


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    コンビニ人間 (文春文庫) [ 村田 沙耶香 ]
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  • 『もう、怒らない』 小池龍之介, 2012年 レビュー | エネルギーの無駄遣いはしない

    『もう、怒らない』 小池龍之介, 2012年 レビュー | エネルギーの無駄遣いはしない



    もう、怒らない
    小池龍之介, 2012
    182 ページ
    2025.12 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 少し変わったお坊さんの著作
    ✔ 今も昔も自分の力では変えられない状況を生きる
    ✔ 自分をコントロールして怒りを放り出す方法

    ★★★★☆ 神様がいうから人の悪口を言わない、じゃなくて、自分にとってネガティブだから人の悪口ごときににエネルギーを使わない。それにしても仏教で心を落ち着かせる本を読み始めたのは、年齢のせいか、それともイタリアのせいか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    またもや小池龍之介というお坊さんの本。
    包み込まずにストレートに書いてあり、自身の実体験からきていると分かる反省をもっての伝え方なので受け付けやすいのかも。

    それにしてもイタリアに来て仏教で心を落ち着かせるとか、いわゆる仏教系の自己啓発を読み始めたのは、年齢のせいか、それともイタリアがそこまでムカつきにまみれた国だからか。
    どっちもあるかな。
    日本もイギリス(というかロンドン)は大体のことは決められた通りに進み、みんな決められた仕事をこなし、距離感を保つ。
    イタリアは全て逆、極度の官僚主義社会だから誰もが抜け道を必死に探し、自分のために怒ること多々。怒らないと永遠に後回しにされる。

    そんな感じで、生きにくい社会の程度はそれぞれ時代や地域によって違ったにしても、2500年前から仏教によって人々が救われたのはやっぱり自分一人の力では変えられない環境のなかで自分自身を整えて、ある意味自分自身をマインドコントロールして、乗り越えていくという方法が手っ取り早く効果的だったのでしょう。

    神様がいうから人の悪口を言わない、じゃなくて、自分にとってネガティブだから人の悪口ごときににエネルギーを使わない。

    私にもいつかは、そうね、はいはい、と全てをさらっと流せる日が来るのでしょうか。

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    もう、怒らない (幻冬舎文庫)


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  • 『白い人・黄色い人』 遠藤周作, 1955年 レビュー | 人種と宗教と道徳の境界線

    『白い人・黄色い人』 遠藤周作, 1955年 レビュー | 人種と宗教と道徳の境界線



    白い人・黄色い人
    遠藤周作, 1955
    208 ページ
    2020.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ キリスト教の道徳をとことん追求した代表作2作
    ✔ 絶対的な神の厳しい文化と多神教の自由さ
    ✔ 悪とは善とは何かを深く考えさせられる

    ★★★★★ キリスト教と人間の悪。「白い人」絶対的な神を持つ文化で生きる白人の道徳の中に沸き出す悪。「黄色い人」は信じるか信じないかの二択から解き放たれた人たちのただただ疲れた瞳、諦め、そして罪のない身軽さ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    キリスト教と人間の悪。

    「白い人」
    自らの醜さを理解し、劣等感を超えての空想の優越感を覚える。
    悪は普遍的であり、政治的であり、相手を潰す力を持つ。

    級友を踏みにじることは全ての偽善者を踏みにじることであり、娘を汚すのは全ての処女を汚すこと。
    これは絶対的な神を持つ文化で生きる白人の道徳の中に沸き出す悪だという事だろう。
    それを信じて耐える人間になるか信じずに悪に酔う人間になるか。


    「黄色い人」
    これは、ある意味もっと辛い。
    著者本人の一番のテーマである「日本人のくせにキリスト教信者」の矛盾がもたらす醜さ。
    戦争を生きる信者の青年は全てに疲れきっていた。
    私たちは貴方達のような白い人間が恐れる神を本当は信じられない、私たち黄色い人間には、原罪はない。
    生も死も恐れない、罪もない、一つの神を信じない彼らの世界では罪人もそのまま救われる。
    自分たち白い手を持つ人間はこの黄色い人に近づくことができるのか。
    信じるか信じないかの二択から解き放たれた人たちのただただ疲れた瞳、諦め、そして身軽さ。


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    English review “White Man, Yellow Man” Shusaku Endo (1955) Review | Between the races >>
    tag 宗教/Religion

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    白い人・黄色い人 (新潮文庫)


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  • 『2050年 衝撃の未来予想』苫米地英人, 2017年 レビュー | あまりワクワクしない未来図

    『2050年 衝撃の未来予想』苫米地英人, 2017年 レビュー | あまりワクワクしない未来図



    2050年 衝撃の未来予想
    苫米地英人, 2017
    244 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 2017年に書かれた、今(2025年)から25年後の予想図
    ✔ 格差が広がる社会でどう生きるのか

    ★★★☆☆ 今から8年前に書かれた、今から25年後の予想図。ほぼ著者の言う通りな未来が待っているとは思う。でも人間の価値が下がるスピードを緩めて「高層=高齢富裕層」対「地下=若年貧困層」の到来を遅らせていればいいな。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今から8年前に書かれた、今から25年後の予想図。
    ほぼ著者の言う通りな未来が待っているとは思う。
    ただ、2017年には想像すらできなかったコロナ禍というここでは当然載っていない要素の影響は少なくないと思うけれど、それはどう科学にまた人間に影響するのか。
    希望としては人間である価値が下がるスピードを緩めて「高層=高齢富裕層」対「地下=若年貧困層」の到来を遅らせていればいいな。

    日本は震災を経験したすぐあとにコロナ禍になり、その2年を生きた私たちは自分とはなにか家族とは社会とは、を考える時間が二度あった。

    もう一つ「想定外」は二度目のトランプ政権。
    世界最強の国はトランプが象徴する自己チューな社会をまた選んだ。
    まあこの本の流れでいうと当然の結果ではある。

    いずれにせよ、日本がどう頑張っても世界の渦には逆らえない、ということが書いてある本であるということ。

    確かに興味深いんだけど、面白かったとは言いたくない。
    未来予想ってこんなに暗いものだったけ?
    実際に暗いんだろうけど、ワクワクする未来を頭の中に描けない今の若い人や子供ってどういう心境で大きくなるんだろう。
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    2050年 衝撃の未来予想
    
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    2050年衝撃の未来予想 [ 苫米地英人 ] 価格:1,650円(税込、送料無料) (2025/12/10時点)

  • 『ガール』奥田英朗, 2009年 レビュー | 現代日本に生きる女同士の絆

    『ガール』奥田英朗, 2009年 レビュー | 現代日本に生きる女同士の絆



    ガール
    奥田英朗, 2009
    320 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 会社員の女性たちの毎日と葛藤
    ✔ 日本の男尊女卑の世界で生きるすべの女性のつながり
    ✔ 細かい嫉妬やファッションの描写もさすが

    ★★★★☆ 大変だなー、日本で会社勤めする女性。でもここの女たちは強い。そして女の味方は女だというのもいい。作者が男性であっても、女たちの細かい嫉妬やファッションを描いていて、女同士の絆を軸にしてるってのもいい。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大変だなー、日本で会社勤めする女性。
    仕事の内容も大変なのに、男尊女卑もまかり通り、いつでも男よりも頑張って男より成果を出してないと同等にも見てもらえない。
    その中で迷惑をかけず自分の好きなようにしてると年相応にとか若作りとか、でしゃばってるとか。

    ここの女たちは強い。
    そして、女の味方は女だというのもいい。
    作者が男性であっても、女たちの細かい嫉妬やファッションを描いていて、女同士の絆を軸にしてるっていい。
    奥田英朗って読めば読むほど、いい。
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  • 『透明な螺旋』東野圭吾, 2021年 レビュー | ガリレオの真実

    『透明な螺旋』東野圭吾, 2021年 レビュー | ガリレオの真実



    透明な螺旋
    東野圭吾, 2021
    368 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ガリレオシリーズ、湯川の過去をめぐる
    ✔ 湯川も関わる、子供や家族がテーマの今作
    ✔ 彼も年を重ねそれなりの問題も出てくるというリアルさ

    ★★★★☆ 宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。すごいなあ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズ最新作。
    宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。

    面白いのはもう当然というか、読者はみんな異常に期待してるのに、新しさを入れながらクオリティをキープしてるすごさ。
    表紙からも分かるように子供や家族がテーマ、それ以上はネタバレなのでいえないけど、やっぱり捻ってきてくれるのが東野圭吾。

    登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。
    すごいなあ。
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  • 『ランチのアッコちゃん』柚木麻子, 2013年 レビュー | 心を満たすランチパワー

    『ランチのアッコちゃん』柚木麻子, 2013年 レビュー | 心を満たすランチパワー



    ランチのアッコちゃん
    柚木麻子, 2013
    Asako Yuzuki
    200 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ミステリアスな会社の先輩アッコちゃんをめぐる短編集
    ✔ 会社を辞めてフードトラックをする姿にも元気をもらえる
    ✔ 美味しいご飯と素敵な先輩のパワーでちょっと幸せに

    ★★★★☆ 食べ物を取り囲んで冷えきった東京の生活を暖めてくれる物語たち。お腹と心を満たすご飯の力なめるな、笑顔で突き進む女の力なめるな。目を凝らせばそっと手を差しのべている人がいる、昨日よりちょっと幸せになれる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱり元気をもらえた!
    アッコちゃんの周りで起きる短編集で、食べ物を取り囲んで冷えきった東京の生活を暖めてくれる物語たち。

    お腹と心を満たすご飯の力なめるな、笑顔で突き進む女の力なめるな。

    先輩のアッコちゃんから元気をもらう美智子、でも実は持ちつ持たれつでお互いは支えあってる、そしてその和がひろがる。
    日本の会社員の生活を知らないので大変そうだなと思うばかりだけど、絶対にこういう人はいる。
    目を凝らせばそっと手を差しのべている人が。
    そこに気付くことができれば、昨日よりちょっと幸せになれる。
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    ランチのアッコちゃん (双葉文庫) [ 柚木麻子 ]
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    ランチのアッコちゃん (双葉文庫)

  • 『BUTTER』柚木麻子, 2017年 レビュー | 自分のために幸せになる一歩

    『BUTTER』柚木麻子, 2017年 レビュー | 自分のために幸せになる一歩



    BUTTER
    柚木麻子, 2017
    592 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 実際の殺人事件をベースにしたミステリー
    ✔ フェミニストとマーガリンが嫌いな容疑者が主人公の心を掴む
    ✔ 社会の期待に背き自分のために生きる女性の第一歩

    ★★★★★ 自分のために幸せになるのは実はかなり気合いがいる。人の意見を振り払い、色んなのものを破棄しないとたどり着かない。その先には自分が美味しいと思うものを美味しく食べる、高価なバターのような贅沢な濃厚な時間がある。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とうとう読んだ Butter
    元ネタの殺人事件を知らなかったのだけど、知ってたら比較したりともっとミーハーな気持ちを強く楽しめたかも。

    このストーリーの魅力はやっぱり容疑者カジマナの強いパワー。
    マーガリンとフェミニストが嫌いなカジマナに振り回される主人公である女性記者理香と揺れ動く微妙な力関係。
    いや、力でいうとカジマナが完全に勝っている。
    主人公の親友との関係も、恋人との時間の過ごし方もそのあとにどこで何を食べるかも、人間関係全てにおいてカジマナの白い柔らかい腕から伸びるぷっくりとした手が鷲掴みに。

    この本、世界中でもちろん人気だけど、女性の体重に関する社会のデリカシーのなさと、見た目を気にするようにプログラミングされた日本人女性に一番響くのは間違いない。
    自分のために幸せになり、好きなものを食べることが咎められる日本。
    脂っこいものをたまに食べ結果多少体重が増えても、自分にとっての適度な楽しい人生を手にするのが、特に女性が手にするのは、悪いことである日本。

    自分のために幸せになるのは実はかなり気合いがいる。
    人の意見を振り払い、色んなものを破棄しないとたどり着かない。
    その先には自分が美味しいと思うものを美味しく食べる、高価なバターのような贅沢な濃厚な時間がある。

    単なるフェミニストな小説なんかではない。
    女性の容姿に関わる世間の身勝手な期待という呪縛からの解放、そこは大前提であるがそれに伴い男性だって男らしくあれという呪縛からも解放される。
    ミステリーでありながら、社会問題の本質のところを突き止める。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “BUTTER” Asako Yuzuki (2017) Review | Her life her food her body
    tag 女性主体
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    BUTTER (新潮文庫 ゆ 14-3)

  • 『星月夜』李琴峰, 2023年 レビュー | 外国籍の二人の女性の東京物語

    『星月夜』李琴峰, 2023年 レビュー | 外国籍の二人の女性の東京物語



    星月夜
    李琴峰, 2023
    Li Kotomi
    192 ページ
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 東京に住むウイグルと台湾の女性の恋愛
    ✔ 外国人としての生活、故郷への想い
    ✔ 東京を舞台とした次の世代の恋愛小説

    ★★★★☆ 外国籍の二人の女性の東京物語。外国人という生きづらさ、宗教やセクシュアリティという葛藤、また他文化に抑圧される故郷への想い、その上に自分の未来への希望や不安を、ひんやりと描く。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    外国籍の二人の女性の東京物語。
    静かにひんやりとした、新鮮さがある。

    ウイグルから来た学生と台湾からきた日本語教師。
    その設定も絶妙でいわゆる狭い意味での中国に対しネガティブなイメージを持って育った二人が日本という外国で、中国語(Mandarin)で会話する。
    端から見るとそれで心は通じ合えると見えるが実はそうでもないし、あまりにも故郷の環境が違う。
    それぞれ自由になるために日本に来た、その代償は小さくない。

    彼女らの日本での生活の物語だけど、それは完全なフィクションではない。
    日本のように外国人に対し厳しい社会では、外国人であることはまず圧倒的に不利であり、しかも白人でないとなると日本人より優れた才能や能力があるぐらいでは対等にすらなれない。
    いろんな側面の言葉の問題が何度も出てくるのが面白い、よく分かる。
    その一人が言う通りで日本語が話せてもわずかな発音で差別される悔しさは、差別される側の人間しか分からない。
    そしてその悔しさも差別も一日に何十回もある。

    外国人という生きづらさを背景に、宗教やセクシュアリティという個人レベルの葛藤、また他文化に抑圧される故郷への想い、そういったものの上に、自分の未来への希望や不安を、ひんやりと描く。

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    星月夜 (集英社文庫(日本)) [ 李 琴峰 ]
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    星月夜 (集英社文庫)


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  • 『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 レビュー | 軍事国家へ走る日本への警告

    『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 レビュー | 軍事国家へ走る日本への警告



    The Spirit of Japan
    Rabindranath Tagore, 1916
    日本の精神
    ラビンドラナート・タゴール
    ロビンドロナト・タゴール
    22 ページ
    2023.11 読了
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    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本の芸術家と親交のあったインドの偉大な詩人タゴール
    ✔ 慶大でのこの講演で日本の軍事国家化を批判
    ✔ 東洋の内なる力を信じるタゴールの最後の懇願

    ★★★★★ 何度も訪日し日本の文化や芸術を愛したインドの詩聖タゴール。慶大でのこの講演は軍事国家へと変化し始めた当時の日本に対する厳しい批判と警告に溢れている。しかし彼は強く輝く東洋の力を信じていた。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    タゴールが日本滞在の最後に、1916年に慶應義塾大学で行った講演。
    何度も訪日し、日本の文化や芸術また日常の中にある芸術を愛したインドの詩聖タゴール。
    しかしこの講演は急激に西洋化しナショナリズムへ走り軍事国家へと変化し始めた日本に対する厳しい批判と警告に溢れていた。

    彼の祖国を支配していた大英帝国の醜さを目の当たりにしているタゴールは、誇り高き文化を誇る日本が西洋の猿真似をしている、と強く批判。
    しかし彼の批判、警告は普遍的なものでもある。
    近代化という道は自己を破滅させる、憎しみを他者に押し付けても必ず自分に戻って来る。
    アジア初のノーベル賞を受賞した彼は東洋の力を信じていた。
    東洋の力とは、西洋のような技術的なモノを使う力ではなく、東洋哲学という力、和を愛する力。
    曇りの日でも太陽はずっとそこにあるように、東洋の力は強く輝き続けると。

    日本語では見つけれれなかったけど100年以上前のものだしネットではどこかで読めるかも?
    英語でも難しくはないです。
    短い文章ではあるけれど非常に率直で意味のある一冊。

    (講演だけどエッセイのカテゴリーに)


    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Spirit of Japan” Rabindranath Tagore (1916) Review | Short but meaningful
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    The Spirit of Japan a Lecture (Classic Reprint)


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  • 『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い


    正欲
    朝井リョウ, 2021
    528 ページ
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 多様性という言葉を安っぽく乱用する日本社会の風刺
    ✔ 理解できるという安全エリアを超えたものに対する嫌悪
    ✔ 稀な性癖の二人が出会えた幸せとその生活を続けるつらさ

    ★★★★★ 確かにズシンと重みがあって後味も悪い一冊。「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」と言われているからだ。多様性、言うは易し。もし不特定多数の想像を超える欲望だったら?

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    確かにズシンと重みがあって、後味も悪い一冊。
    なぜかと考えると。
    やっぱり最大の理由はこの本にずばりと「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。
    「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」
    「あんたも都合のいい多様性だけには寛容なんでしょ」
    「あんたも本当は人に言えないことあるでしょ」

    多様性、言うは易し。
    外国で暮らすと当然のことながら自分の価値観はマイノリティになる。
    (価値観どころか自分の存在自体がマイノリティになるし、酷ければ虐げられるけど)
    でも実は国境を越えなくても、じゃあ同じ町で生まれた人はみな同じ感覚か、教室ではみな分かち合えるのか、きょうだい間では。
    そうつまり、理解してもらうことは超レア。
    でも学校では日本は特に正しい答えを復唱することだけを教えられてきて、表面だけではみんな正常で安心して同じ製品として大きくなっていく。
    人は自分と違うという意識がないので想像力が培われない。
    ただし、根本的な欲望が人と違う人間の場合は別。
    人と違う不良品と思い込んで生きていくしかない状況に陥りやすくなる。

    結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。
    主人公たちが実際に出会えた幸せというのは、本当は図りきれない奇跡。

    人それぞれに興奮する対象が違うというのは当たり前で、人に言えないことがあるのも、程度や頻度は違ってももうここで人生終わりたいと思うことも当たり前。
    人生で知らないことばかりなのも、ほとんどの場面で自分が間違っているのも当たり前。
    つまりみんな正解のない中で生きているんだな、と分かれば自分も他人も楽になるのでは。

    多様性は大事。
    多様性のない社会は滅びます。
    たぶんずっと正しい答えは見つからず、しかも現在正しいとされていても時代が変われば正義も変わるし、永久に議論は続くと思う。
    でも議論ができるというのは違う意見が立場が存在するからで、社会はすこーしずつ良くなる。
    つまり、たまには大声を出しあってでも議論が永久に続くことが少なくとも私たちができる最良な選択でもあるのでは。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “(Ab)Normal Desire” Ryo Asai (2021) Review | You, too
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    正欲 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]
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    正欲 (新潮文庫 あ 78-3)


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  • 『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』本田秀夫, 2013年 レビュー | ASD関連の古典

    『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』本田秀夫, 2013年 レビュー | ASD関連の古典



    自閉症スペクトラム
    10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体
    本田秀夫, 2013
    Hideo Honda
    248 pages
    2023.06 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 自閉症スペクトラム障害をわかりやすく淡々と説く
    ✔ ドラマチックにしない、武勇伝にしない、という強い意志
    ✔ 今ではいろいろな本が出ているがその古典といえる一冊

    ★★★★★ 多分この分野では日本で一番読まれている本なのでは。とてもわかりやすく、淡々と語られている。学校などで誰もがこういう本を一度読む機会があれば、世の中はもっと多くの人にとって住みやすいものになるのに。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ずっと読みたかった本。
    多分この分野では日本で一番読まれている本なのでは。
    とてもわかりやすく、淡々と語られている。

    ASD、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)は当事者じゃない人が思っているよりも身近にある。
    殆どの場合は見えないところにいる、というか、一般社会の見えないところに押しのけられているが、確実に存在する。

    この本はもうすでに古典といえる。
    何よりも重要な点として、ドラマチックでない。
    この本でも何度か触れられているけど、自閉症の当事者の自伝や、医者の武勇伝にならない、普通に生きているの人々のことが大事であり、意外にも多い「少数派の、障害のある」人々にとっての生きやすさ、生きづらさを教えてくれる。

    少数派といっても10人に一人となると、当事者や家族でなくても生きていく中で絶対に対面することになるのだから。
    特に日本でよく思うのは、じゃあ彼らはどこにいるのか、なぜ見えないのか、ということ。
    あなたの町にも絶対に住んでいます、ただ外に出にくい社会だから見えないだけで。
    少数派にとって住みにくい社会とは、結局は自分にとって住みにくい社会になるという意識が薄い。

    シンプルでわかりやすいので、学校などで誰もがこういう本を一度読む機会があれば、世の中はもっと多くの人にとって住みやすいものになるのに。
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    自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 (SB新書)


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  • 『中央流沙』松本清張, 1966年 レビュー | 人間の貪欲さと汚さ

    『中央流沙』松本清張, 1966年 レビュー | 人間の貪欲さと汚さ



    中央流沙
    松本清張, 1966
    Seicho Matsumoto
    230 pages
    2023.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 官僚の汚職をテーマにした松本清張作品
    ✔ 時代に密着しつつも人間の貪欲という普遍的な汚さを描く
    ✔ ミステリー好きのための鋭いミステリー

    ★★★★☆ やっぱり鋭くてエンターテイメントで納得のいくミステリーなんです、松本清張はすべて。時代に密着したストーリーでいて人間の貪欲という普遍的な汚さがテーマが多く、これもそう。悪い官僚。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    久々の松本清張。

    やっぱり鋭くて、エンターテイメント性がちゃんとあって、なにより納得のいくミステリーなんです、松本清張はすべて。

    この場合は、官僚の汚職。
    とことん汚れていて、一般人からするとどうしようもない。
    彼の作品は時代に密着したストーリーでいて人間の貪欲という普遍的な汚さがテーマで、あるけれど、これもそう。悪いやつら世にはばかる。
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    中央流沙 (講談社文庫)


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  • 『下町ロケット』池井戸潤, 2013年 レビュー | 気持ちのいい正統派の正義

    『下町ロケット』池井戸潤, 2013年 レビュー | 気持ちのいい正統派の正義



    下町ロケット
    池井戸潤, 2013
    Jun Ikeido
    480 pages
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 下町の工場がロケットを作る夢を貫く
    ✔ 悪意を持つ大企業や冷酷な銀行にも負けない男たちのプライド
    ✔ 痛快な正統派正義のお仕事小説

    ★★★★★ 物語の流れとしてここまできちんと正統派なのに正義が勝つって分かってるのに心配で心配で、最後は誰もが、うん、よかった!と言える、元気になる一冊。夜更かし決定です。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    初の池井戸潤。
    なるほど、半沢直樹は何度かみたので期待していたし、タイトルも有名。

    そして、期待の上を飛んでいく面白さ。
    銀行とか、中小企業、大企業という彼のストーリーのキーワードに続き、男たちの夢とプライドというのもしっかりとある。
    善悪もはっきりしていて、善が勝つと分かっていても、ハラハラな展開、でもその都度彼らのチームとしての力が大きくなる。

    物語の流れとしてここまできちんと正統派なのに正義が勝つって分かってるのに心配で心配で、最後は誰もが、うん、よかった!と言える、元気になる一冊。

    読み始めたら最後、夜更かし決定です。
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  • 『子供の未来を変えるお母さんの教室』 吉野加容子, 2018年 レビュー | 発達障害の子のお母さんへ

    『子供の未来を変えるお母さんの教室』 吉野加容子, 2018年 レビュー | 発達障害の子のお母さんへ

    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽

    子供の未来を変えるお母さんの教室
    吉野加容子 2018
    Kayoko Yoshino
    224 pages
    2024.09
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 発達障害やグレーゾーンの子供を持つ親へ
    ✔ お母さんと限定しているのも母親に課される責任の重さ
    ✔ すぐに使ってみる方法がそろっている

    ★★★★☆ この系統は読んでるけど、これは「お母さんの」と限定している。日本の場合は特に強烈にお母さんが一人で育児して当然という空気。社会が改善されるまで、子どもを守るお母さんたちを守ってください。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    全体の内容としては今川ホルンさんの本と同じ。
    それもそのはず、今川さんはこの著者の脳発達の研究によって考え方を変え、脳に働く方法で、子供にも家族にも優しいしかも効果のある方法を自閉症のケース限定で伝授するから。
    こっちの本は自閉症だけでなく、発達障害色々とグレーゾーンの子にも、もっと言えばどんな子にも効くという。

    なので内容は「おうち療育」と違わないんだけど、こっちで気になるのは「お母さんの」と限定している点。
    つまりはなんだかんだ言って、誰よりも、父親よりも、母親の方が本当にプラクティカルに興味を持っているという現実。
    お母さんのプレッシャーとストレスが半端ない。
    そのお母さんと子供を、社会からだけでなく家族や夫からも精神面で守るという意味合いもこもってる。
    だから「お母さんの」と題名が限定されるというヨーロッパではありえない現象が起こる。そしてその需要はなくならない。
    社会が改善されるまで、子どもを守るお母さんたちを守ってください。

    また違った苦労を強いられている、子供を守るお父さんも守ってください。


    🔽 関連ページ 🔽
    「ことばが遅い自閉症児のおうち療育」 今川ホルン, 2024 >>

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    【発達障害とグレーゾーン】子どもの未来を変えるお母さんの教室


  • 『モンスター』 百田尚樹, 2012年 レビュー | 女は見た目重視のモノとする male gaze

    『モンスター』 百田尚樹, 2012年 レビュー | 女は見た目重視のモノとする male gaze



    モンスター
    百田尚樹 2012
    Naoki Hyakuta
    397 ページ
    2024.09読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 整形手術で手に入れた美貌を使っての復讐劇
    ✔ 過去の屈辱を忘れられず命も金も体も使い尽くす女の物語
    ✔ 主人公を平面的な人物としたてあげる

    ★★★☆☆ 過去の屈辱を忘れられず一生を振ってまで愛に復讐に命も金も体も使い尽くす。いわゆるmale gaze、女はモノ。女性を徹底的に見下すという意思がストーリーの裏側でしっかり根付いているので、もう少し面白くなれないままで残念

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    女は怖い。
    いくつもの顔を持ち、過去の屈辱を忘れられず一生を振ってまで愛にまたは復讐に命も金も体も使い尽くす。
    醜い女の子が整形で美貌を手に入れるその他だひとつの目標は学生時代の憧れの人を振り向かせること。
    結果がどうあれ、彼女は幸せだった。

    さて、どうしても腑に落ちないのは、ストーリーがショッキングだからじゃない。
    それはカモフラージュ。
    女を主人公としつつ、gazeまたはregard(ルガール、視点)が結局は男性視線、男性のまなざしであるというのが腑に落ちないんです。
    映画学では「映画において女性が男性の欲望の対象として描かれる男性中心的な視点やその表現」といわれるけど、ここでも主人公はモノであり所詮は男が書いた男のためのモノなんですね。
    ちなみにこの系統のストーリー、女性キャラクターはほぼ全てにおいて最後に罰せられます。
    もし同じ物語を女性が書いていたら(もしくは男尊女卑でない作家が書いていたら)、ほぼ間違いなく主人公はエンディングで高笑いしてます。


    (以下少しネタバレ)
    女性を徹底的に見下すという意思がストーリーの裏側でしっかり根付いているので、もう少しグルグルどろどろと面白くなれるはずが、結局浅めになり、結局は男視線でしかなく、最後は典型的に女が罰せられるという普通の終わりかた。

    🔽 買えるところ 🔽

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  • 『ハピネス』 桐野夏生, 2016年 レビュー | みんな嘘と見栄ばっかり

    『ハピネス』 桐野夏生, 2016年 レビュー | みんな嘘と見栄ばっかり



    ハピネス
    桐野夏生, 2016
    Natsuo Kirino
    456 pages
    2024.07
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ タワマンに引っ越して始まったプチセレブ生活
    ✔ ママ友の関係に縛られ嘘と見栄に縛られた日常を描く
    ✔ 気疲れするけれど、爽快な読了感

    ★★★★☆ 一生縁はないであろうプチセレブ生活。ママ友は家にあげないというのが面白い。あくまで外面しか見せない。結局みんな苦労してて、嘘と見栄ばっかりで、小さな世界でもがいてる、そういうもの。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    一生縁はないであろうプチセレブ生活。

    ママ友関係で縛られて、タワマンのランクを常に意識してお受験して、着るものにとことん気を配って、でも家庭内のことは秘密ばかり。

    すっごいセレブじゃなくてプチセレブというのがポイント。
    ママ友は家にあげないというのが面白い。あくまで外面しか見せない。結局みんな苦労してて、嘘と見栄ばっかりで、小さな世界でもがいてる、そういうもの。

    主人公がちょっと幸せ向かう感じになるのは嬉しい。失敗は恐れなくていい。
    続編もあるんだとか。
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  • 『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川恵海, 2015年 レビュー | 辞めても人生終わらない

    『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川恵海, 2015年 レビュー | 辞めても人生終わらない



    ちょっと今から仕事やめてくる
    北川恵海 2015
    258 pages
    2024.07
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 軽い感じかと思えばミステリーっぽくもなる
    ✔ 会社員としての無理のある生活が辛くなった人にぜひ
    ✔ 勇気をもらえてすっきりとする読了感

    ★★★★☆ 軽くさらっと読めるかと思ったら、ちょっとミステリーっぽくなるわ、ゴーストものなのかと思いきや、泣けてくるし、想像以上にグッとくる。ほんと、仕事辞めたって人生は終わらない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    軽くさらっと読めるかと思ったら、ちょっとミステリーっぽくなるわ、ゴーストものなのかと思いきや、泣けてくるし、想像以上にグッと来る。

    つまり、みんな仕事がきつい。
    ひどい環境にいる人を探せばキリがなくて、絶望の縁にいる人は特に日本では多い。
    真面目に無理して頑張ることが偉くて、その悪循環にはまってしまうと全てが悪になり自分自身を責める。
    つくづく日本の会社員にはなれないと思うけど、日本の若い人が読むとスッキリするはず。
    でも最近のgen zなら大丈夫かも。仕事辞めたって人生は終わらない。
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  • 『無理』 奥田英朗, 2009年 レビュー | 片田舎が舞台のハチャメチャストーリー

    『無理』 奥田英朗, 2009年 レビュー | 片田舎が舞台のハチャメチャストーリー

    
    無理 
    上下巻
    奥田英朗 2009
    736 pages (368 + 368) 
    Hideo Okuda
    2024年7月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ 片田舎を背景にしたハチャメチャな奥田英朗ワールド
    ✔ 共同体意識も薄れ大した仕事もない不満が絡み合う
    ✔ 大変なんだけどやっぱり笑ってしまう
    
    ★★★★☆  片田舎のそれぞれいろんな不満がある人たち、それが徐々にじゅんぐりじゅんぐり、絡まってきて。想像していた通りのハチャメチャストーリー。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    想像していた通りのハチャメチャストーリー。
    片田舎のそれぞれいろんな不満がある人たち、合併により新しくできた町、共同体意識は薄れ、故郷という感覚も昔のもの、ショッピングセンターが唯一のエンターテイメントで、パート程度しか仕事がない、それは今の日本の多くの住民が共感できること。

    それが徐々にじゅんぐりじゅんぐり、絡まってきて…
    軽くどんどん読める、予定どおり。

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  • 『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006年 レビュー | アマゾンの大自然と復讐劇の大迫力

    『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006年 レビュー | アマゾンの大自然と復讐劇の大迫力



    ワイルド•ソウル
    垣根涼介 2006
    Ryosuke Kakine
    1040 pages (512 + 528)
    2024年6月 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 戦後ブラジルへ渡った日本人たちの生活とその後
    ✔ 前半はその厳しい生活の様子、後半は壮大な復讐劇
    ✔ アマゾンの大自然とミッションを掲げた一人の人間のスケール

    ★★★★ 戦後の日本からブラジルへ渡った4万人のアマゾンでの壮絶な生活、そこから逃げ出した人々の底辺を這うような生活。下巻は大迫力の復讐劇。大きな自然を前にして人ひとりなんてちっぽけで、でも人は一生かけて後悔をしたり、人を愛したりする。1000ページ一気に読める。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    上下二巻の壮大なストーリー。
    戦後の日本からブラジルへ渡った4万人のアマゾンでの壮絶な生活、そこから逃げ出した人々の底辺を這うような生活。

    そして下巻へ。
    現在の日本、東京。三人の日系人の男たちの日本政府に対する復讐劇が始まる。

    読んでいる方としてはアマゾンでの大変な生活を知っているから、もちろん完全に三人の男の肩を持つ。彼らの計画は次へ次へと進んでいく。

    この本での何度も出てくる通り、大きな自然を前にして人ひとりなんてちっぽけで、そのちっぽけななかで、一生かけて後悔をしたり、人を愛したりする。
    そういうところも滲み出ていて、全体像でとても面白い。
    アクションもドラマもたっぷりで一気に読める傑作。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Wild Soul" Ryosuke Kakine, (2006) Review | Let the revenge begin from Brazil
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  • 『死者の奢り 飼育』 大江健三郎 1958年 レビュー | 閉塞感むきだし

    『死者の奢り 飼育』 大江健三郎 1958年 レビュー | 閉塞感むきだし



    死者の奢り 飼育
    大江健三郎 1958
    320 pages
    2024年5月 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 米兵の捕虜と村の人間たちの異様な人間関係の『飼育』
    ✔ 死体の保管のバイトをする学生と空想の会話の『死者の奢り』
    ✔ 反戦のメッセージと偽善者に対する嫌悪感

    ★★★★★ 閉塞感むきだしで、そのなかにある生身の人間関係。今日明日の生存に無駄なものを削ぎとったギリギリの状態の人間性。反戦のメッセージと偽善者に対する嫌悪感が私達を締め付ける。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    先延ばししていた、短編集。
    確かにすごい世界。
    戦争の悲劇というのは、もちろん酷い形で死者を出すこともあるけれど、人間の精神をここまで削り取るということでもある。
    死者、死体、死、ストーリーとして面白いし読みやすいんだけど、精神状態が安定してないときには避けたほうがいい。

    普通、世界が広がるという言い方をするけど、これは世界が狭まっている。
    閉塞感むきだしで、そのなかにある生身の人間関係。
    社会性とか柔らかい人間性とか博愛とか、今日明日の生存に無駄なものを削ぎとったギリギリの状態の人間性。
    そこには明らかな反戦のメッセージや、偽善者に対する嫌悪感があり、私達を締め付ける。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Lavish are the Dead, Prize Stock" Kenzaburo Oe (1958) Review | Confinement, hopelessness
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    死者の奢り・飼育 (新潮文庫)




  • 『無花果の森』 小池真理子, 2011年 レビュー | 過去から逃げる訳アリの恋愛

    『無花果の森』 小池真理子, 2011年 レビュー | 過去から逃げる訳アリの恋愛

    
    無花果の森
    小池真理子 2011
    Mariko Koike
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ 暴力的な夫から逃げた女性のその後
    ✔ もう一度人生をやり直す勇気の一冊
    ✔ いわゆるアラフォー世代に響くわけありの恋愛小説
    
    ★★★☆☆ 人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。そんなときにだから会える人もいる。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    DVを扱うのはまだ珍しかったのかな、でも逃げる彼女の心境がリアルに描かれている。

    アラフォーとかアラサーとかという言葉を使いこなせない私ですが、つまりほぼ中年の男女の訳ありの恋愛。
    人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。
    画家の頑固おばあちゃんとバーのママの脇役がいい。この二人は人生のもっと先輩だから。

    登場人物の若くはなく、もうすぐ40の女性が新しい人生を歩もうとするのはいい、ぼちぼち良い一冊。
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  • 『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 レビュー | 下山事件に取り憑かれます

    『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 レビュー | 下山事件に取り憑かれます



    Tokyo Redux
    David Peace, 2021
    下山迷宮
    デイヴィッド・ピース
    480 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アメリカ占領下の東京が背景のレトロなハードボイルド
    ✔ 実際に起きた未解決の殺人事件を扱うミステリー
    ✔ 「下山事件」という病気に取りつかれる

    ★★★★☆ 英国人の描く戦後ゴタゴタの東京で実際に起きた未解決殺人事件が土台のアメリカンなハードボイルド。あなたも下山事件に取り憑かれます

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    トーキョー三部作なのに三部作目から読んでしまった。
    でも大丈夫、面白かった。
    戦後のゴタゴタの中にある男のロマンっぽい雰囲気がどのページにも漂っていて、あの活気と勢いとアメリカニズムの中で、未解決の国鉄総裁殺人の実際の事件を扱ったミステリー。
    英国人が描く、アメリカ占領下の東京というミステリアスでノスタルジックな街を舞台に、アメリカ風のハードボイルドな物語。
    逆に日本人じゃないからこそ描けるトーキョー。

    作品の中で言われるように私も「下山病にかかるよ」、つまりこの未解決事件の魔力に取り憑かれたのかも。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Tokyo Redux" David Peace, (2021) Review | Catching "Shimoyama disease"
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    TOKYO REDUX 下山迷宮


    Tokyo Redux: A novel (Tokyo Trilogy Book 3) (English Edition)





  • 『傲慢と善良』 辻村深月, 2019年 レビュー | 社会が突きつけてくる物差し

    『傲慢と善良』 辻村深月, 2019年 レビュー | 社会が突きつけてくる物差し


    gouman
    傲慢と善良
    辻村深月 2019年
    Mizuki Tsujimura
    504ページ
    2025年7月 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 傲慢と偏見の現代日本版
    ✔ 結婚を「するべき」といわれる年代の人へ
    ✔ 社会の物差しを通しての恋愛、そしてその先

    ★★★★★ 社会が突きつけてくる物差し。これを読んで心が痛まないわけはない。恋愛小説でありながらミステリー風。つまり読みごたえがある。結婚を「するべき年齢」といわれる誰もが痛く感じさせられる現実。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    人気の小説というのは知っていたけど、実は読んだことない作者だし、第一、日本の現代文学は自分の好みではないと決めつけている私がいて。
    それじゃいけないと読む幅を広げるという意味で手にした本。
    自分の固定観念に挑戦した結果、この本が読めた。
    でかした、自分。

    社会という暗い大きな闇が突きつけてくる物差し。
    いい子は誉められます、きちんと親のいうことを聞いて、嘘をつかずに、でしゃばらずに。
    それが今のこの日本社会で子供のときから受ける教育。
    一昔前はそうだったんだから、あなたもそうしなさいという上の世代からの教育。

    私自身はさっさと国外に出たので自分の境遇とは違う、だけど、だからといってこれを読んで心が痛まないわけはない。

    恋愛小説でありながら、突如いなくなる婚約者、真実(まみ)のあとを追うミステリー風でもある。つまり読みごたえがある。
    ちょっとずつ彼女の過去や思考の霧が晴れていく中で、これはいま結婚を「するべき年齢」といわれる日本の若者誰もが痛く感じさせられる現実であると思い知らされる。
    家族ぐるみのお見合いではない、自分が定めた数ある基準から相手の点数を見定める婚活。
    そこで見定められるものは本当は何なのか。

    ヨーロッパでは親からの結婚の期待はあるのはあるけど、私の自由です放っておいて、と突き放すもしくは宥めることの方が多い。
    しかし日本では自分の意見も主張できず家族の提供する安心感も浅い中でプレッシャーと疲労感だけが高まる孤独な活動となる。

    でも、それでも、ネタバレ阻止で詳しくは言えないけど、彼女は確実にいわゆる大人の階段を上る。
    遅いか早いかは、周りから見れば遅いかもしれない。しかし遅すぎることはない。

    まだ間に合う、まだ失敗しても大丈夫、人生はいつだって方向転換ができる、まだここが終わりじゃない。よかった。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "(Arrogance and Virtue)" Mizuki Tsujimura (2019) Review | Not so comical "Pride and Prejudice" in Japan
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    gouman
    傲慢と善良 (朝日文庫)






  • 『こだわらない練習 「それ、どうでもいい」という過ごし方』小池龍之介 2015年 レビュー | 気持ちの持ちようを練習する

    『こだわらない練習 「それ、どうでもいい」という過ごし方』小池龍之介 2015年 レビュー | 気持ちの持ちようを練習する

    
    こだわらない練習
    「それ、どうでもいい」という過ごし方
    小池龍之介 2015
    Ryunosuke Koike
    2025年5月読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ 変わり者のお坊さんの説く、どうでもいいやと思える練習
    ✔ 執着しないということの具体的な話をテーマごとに
    ✔ 自分の考え方は訓練で変えられる
    
    ★★★★★ どうでもいいや、という考え方は訓練すればできると。執着しないことに浸っている自分への執着、とエンドレスな執着のループだけど気持ちの持ちよう。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱり面白かった。
    ポッドキャストを聞いてる松本紹圭の友人ということで良く聞く名前でしかもかなり変なやつ、ということだけど、まさに、変なやつ。でもいい意味で。

    お坊さんなのにあまりにもさらけ出していてきっと敵も多いだろうに、頭が良い上に自分をコントロールできるから気にしてなさそう。

    仏教の基本である、執着しないということの具体的な話をテーマごとに。
    性についてだって出てくる。
    執着しないことに浸っている自分への執着、とエンドレスな執着のループだけど、やはり気持ちの持ちよう。

    どうでもいいや、という考え方は意識すれば、訓練すればできる。
    そして最後には、でもちょっとしたことをその日の目標にして自分で誉めることで、慢心はコントロールできるというのも面白い。

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

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    こだわらない練習 「それ、どうでもいい」という過ごしかた 小池龍之介の練習




  • 『オードリー•タン 自由への手紙』オードリー・タン クーリエ・ジャポン, 2020年 レビュー | 温故知新の精神を持つ台湾のヒーロー

    『オードリー•タン 自由への手紙』オードリー・タン クーリエ・ジャポン, 2020年 レビュー | 温故知新の精神を持つ台湾のヒーロー

    
    オードリー•タン 自由への手紙
    オードリー・タン
    クーリエ・ジャポン編集チーム, 2020
    Audrey Tang, Courier Japon
    2025年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ ITやAIを駆使しすべての人が自由で幸福になる目的を持つ政治家
    ✔ 新しい技術と台湾の伝統的な精神を備え持つ
    ✔ タンの半生やLGBTQ+の側面のことも
    
    ★★★★☆ タンの戦いには自由であり幸福であることを全ての人にという目的がある
    内側も外側もきちんと深く見つめ、温故知新の精神が知識に繋がり自由に繋がる。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    クーリエ・ジャポンのインタビューの書籍化。
    世界で一番、自由と平等を国をあげて目標とする国、台湾の若き天才、若きLGBTQ+政治家、という肩書きの人物。台湾ファンの私としてもこの人はとても気になる。

    オードリー•タンの戦いは人間の希望の基準にあるものを全ての人へという願いから生まれる、つまり、自由であり幸福であることを全ての人に。
    ITやAIはそのためのものであり、また政治家はオープンであることに徹底すべきという姿勢。

    自身も男に生まれ、若いうちから女として生き、今は男にも女にも縛られない、自分はどちらも経験したことによりどちらも共感できると言う。そう多様性は強みでしかない。
    これは台湾であったから称えられ活躍できる、羨ましいこと。
    天才であるからもう学校で学ぶことはない、じゃあどうするか。台湾の原住民俗を訪ねる。欧米に行くんじゃなくて、国内の台湾の深さを学ぶという行動力。

    でもそれも彼女は幼いときのヨーロッパの体験が影響しているというし、やっぱり内側も外側もきちんと深く見つめ、温故知新の精神であることが知識に繋がり自由に繋がる。

    残念ながら日本ではあり得ない。男尊女卑が今日も普通の考え方で、古い頭を守るために新しいものを受け入れない日本。
    やっぱり台湾はリードする。

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  • 『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書』池上彰 佐藤優, 2015年 レビュー | 自分の糧となる知識

    『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書』池上彰 佐藤優, 2015年 レビュー | 自分の糧となる知識

    
    大世界史
    現代を生きぬく最強の教科書
    池上彰 佐藤優 2015
    Akira Ikegami, Masaru Sato
    254 pages
    2025年5月読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ しっかりと歴史を学ぶことの意義
    ✔ 分かりやすいものは自分の糧となる知識にはならない
    ✔ 一般教養の重要性
    
    ★★★★☆ しっかりと歴史を学ぶということは自分が体験できないことを擬似体験することで懲り固まりがちな考え方を広げてくれる。個人もしくは民族なり社会においての自分を見つめ、知り、説明できるようになる。手っ取り早いものは、自分の糧となる知識にはならない。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この二人はいくつか本を一緒に出してるらしい。
    この本はどう歴史を学び、どう歴史に学び、自分を育てるかという点に注目する。
    世界にじわじわと広がる反知識主義に対抗し、一般教養の重要性と必要性を説く。

    ずっと思ってることなんですが。
    日本はコスパがいいことがあたかも最強であるかのようにいわれてきて、今回の里帰りでおもむろにメディアでいわれることは減ったように見えるけど、まだそこが大衆メディアの底辺にあるように思う。
    ニュース番組でもバラエティー番組でも一瞬でわかるように文字で一言でテロップを流す。
    それでその人のことやその事件、事柄を分かったつもりになりになる。
    でもやっぱり手っ取り早いものは、自分の糧となる知識にはならない。

    本の内容としては歴史の出来事にも触れるんだけど、実は裏のメッセージはそういうことだと思う。

    しっかりと歴史を学ぶということは自分が体験できないことを擬似体験することになり、懲り固まりがちな考え方を広げてくれる。
    さらに個人もしくは民族なり社会においての自分自身を見つめることになる。知ることになる。説明できるようになる。

    色々と勉強になる、教訓になる本です。
    
    
    
    
    
    
    

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  • 『何様』 朝井リョウ, 2012年 レビュー | 真面目で不器用で滑稽な若者たち

    『何様』 朝井リョウ, 2012年 レビュー | 真面目で不器用で滑稽な若者たち



    何様
    朝井リョウ 2012
    Ryo Asai
    416ページ
    2025年3月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 『何様』の続編
    ✔ 今どきの就職がメイン、大学生や高校生も
    ✔ 真面目過ぎて不器用で滑稽な若者たちのストーリー

    ★★★★☆ こういう人いるよね、という感じの普通の人たちの葛藤。真面目過ぎて不器用で滑稽な人たちのストーリーたち。ちゃんと前作から読むべきだったのかも。



    🔽🔽読書記録🔽🔽

    初の朝井リョウ。
    貰い物なのでなにも知らずだったけど、6つの物語の短編集。
    前作の何者というのがあるようなので順番は間違えたのかも。

    今時の就職についてがメインで、就職したばかりだったり、大学生だったり、就職セミナーの講師だったり。最初のは高校最後のストーリーだけど、ここも大きな変化のなかのできごと、という共通点。
    こういう人、いるよね、という感じの普通の人たちの葛藤。

    最初の高校生のラブストーリーは新鮮だった。二つ目のゆらゆら揺れまくってる、姉の代わりのアパートシェアをする人を探す女の子には呆れるけど、いる、こういう人。
    真面目すぎて不器用で滑稽な人たちのストーリー。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Nanisama” Ryo Asai (2012) Review | Unintentionally funny
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    何様 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]



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