タグ: 日本未出版

投稿の時点で日本ではまだ翻訳、出版されていない本

  • 『(ペルシャ人一家)』Sanam Mahloudji 2025年 レビュー | 誇り高きイラン人女性の物語 

    『(ペルシャ人一家)』Sanam Mahloudji 2025年 レビュー | 誇り高きイラン人女性の物語 


    The Persians: A Novel
    (ペルシャ人一家)
    Sanam Mahloudji, 2025
    The Persians
    384 ページ
    2016.02 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 3代にわたるイラン人女性を描くデビュー作
    ✔ イラン革命前と後、アメリカ移住後のそれぞれの世界
    ✔ プライドの高い彼女たちと家族のつながり

    ★★★★★ イラン革命、テヘランに残る祖母と孫娘、アメリカにわたる残りの家族。「アメリカなんてママの宝石よりも短い歴史しかないのよ」高貴で傲慢でわがままで美しく愛らしい女性たち。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この月は勝手に読書テーマを女性と決めて、最初に読んだのがこれ。
    パーフェクトな選択。

    イランの英雄を祖先とする由緒正しきValiat家、70年代のイラン革命で家族は二手に分かれる。
    テヘランに残る祖母と孫娘、アメリカにわたる残りの家族。
    『ペルセポリス』のあの雰囲気があるけれど、こちらもしっかりと当時のテヘランでの状況を伝える。
    つまり、表ではちゃんと髪の毛を隠す女性も違法のクラブでは性と薬物に手を染め、でも同時に政治的な活動もする、という一筋縄ではいかない現状。
    そしてアメリカへ渡った残りの家族は今度はアメリカで贅沢な生活を続けるも、こちらも酒に薬物にゴシップにまみれた現状。
    地理的に二手に分かれているうえに、1940年代のテヘランを生きた祖母と1980年代のテヘランを生きた孫娘の環境の差も浮き出てきて、まさにダイナミックな物語。

    「アメリカなんてママの宝石よりも短い歴史しかないのよ」

    それぞれの分かれた世界で生きる3世代のイラン女性たち、高貴で傲慢でわがままで美しく愛らしい女性たち。
    彼女たちの望みは、好きなように生き、好きなように愛し、好きなように捨て、それでもお互いに向き合うこと。

    世界最古といわれる文明を持つイラン、その伝統の中できちんとしたプライドの中で生きてきたイラン人女性の葛藤。
    ずっと続いてきた欧米中心の思考から少し目をそらすと複雑で圧倒的な世界が広がっていることを、特に今のご時世では知っておくべきだと思う。

    日本語はないようですが、英語は少し難しいかも、くらいのレベルです。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Persians” Sanam Mahloudji (2025) Review | Dynamics of the women
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●
    The Persians: A Novel
    The Persians: A Novel (English Edition)


    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    The Persians【電子書籍】[ Sanam Mahloudji ]
    価格:2,135円 (2026/3/14時点)




  • 『(私のギーター)』 Devdutt Pattanaik, 2015年 レビュー | インドの聖典の解説本

    『(私のギーター)』 Devdutt Pattanaik, 2015年 レビュー | インドの聖典の解説本


    My Gita (English Edition)
    (私のギーター)
    Devdutt Pattanaik, 2015
    My Gita
    256 pages
    2020.10 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの聖典の一つバガヴァッドギーター
    ✔ 聖典の解説書
    ✔ タスクのためだけに存在する女と社会を支配する男

    ★★★★☆ インドの聖典の一つバガヴァッドギーター。本文を読んでから読む解説本。これだけでもギータの意義はだいたい分かる。アルジュナはただ戦うべき、なぜならそれがアルジュナの義務だから。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドの友人がこれならわかりやすいよ、と勧めてくれたインドの聖典の一つバガヴァッドギーターの解説本。
    確かに分かりやすいという意味は分かる、だた、ギーター自体を知らない外国人にはまずそこの前提が違っていたんですよ。
    だから本体を知らずに解説書だけを読んだ私が悪い。

    ただ、これだけでもどういう教えをギーターは伝えようとしているのかは分かる。
    ご存じの方も多いと思うけれど、社会の一員としての義務を説くのがこの聖典。
    王子アルジュナは神クリシュナにすべてを任せてただ戦うべき、なぜならそれが王子の義務だから。

    なるほどと思ったのは、人間と神の関係性。
    神は人間を愛し尊敬もする、人間が神を愛し尊敬すれば。

    ギーターそのものをちゃんと読まなければ。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “My Gita” Devdutt Pattanaik, (2015) Review | Understanding The Gita
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●
    My Gita (English Edition)
    My Gita (English Edition)


    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    My Gita【電子書籍】[ Devdutt Pattanaik ]
    価格:1,055円 (2026/3/4時点)




  • 『(茶の歴史)』 ロイ・モクサム, 2003年 レビュー | 情報の詰まった茶の歴史本

    『(茶の歴史)』 ロイ・モクサム, 2003年 レビュー | 情報の詰まった茶の歴史本


    A Brief History of Tea
    (茶の歴史 中毒と搾取と帝国)
    ロイ・モクサム 2003
    A BRIEF HISTORY OF TEA:
    Addiction Exploitation and Empire (Brief Histories)
    Roy Moxham 2003
    2020.08 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    (日本語未出版)


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 茶をめぐる英国、中国、インドの歴史
    ✔ 大英帝国の支配のシステム
    ✔ アフリカなども関わってくる現在に至るまでの流れ

    ★★★★☆ 茶の歴史、ということで地域としてはもちろん英国、中国、インドを中心とした歴史の本で、つまりは英国がいかにシステマチックに中国のモラルを破壊し、インドを陥れたか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    Brief、簡潔なという名のシリーズだけれどかなりの情報量でさらっと読むものではない。

    茶の歴史、ということで地域としてはもちろん英国、中国、インドを中心とした歴史の本で、つまりは英国がいかにシステマティックに中国のモラルを破壊し、インドを陥れたか。
    お茶が好きな誰もが忘れてはいけない植民地主義の歴史。

    現在はヨーロッパにもっと近いアフリカのケニアで安価な茶葉が作られる。
    同じような運命をたどったのはチョコレートで、同じくアフリカでかなり安く作られる。
    砂糖もそう、嗜好品の歴史はどれも苦い。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "A BRIEF HISTORY OF TEA" Roy Moxham (2003) Review | An informative history book around tea

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●
    A Brief History of Tea
    A Brief History of Tea: Addiction, Exploitation, and Empire (Brief Histories)


    ●●● 楽天 ●●●
    ーー

  • 『アナーキズムについて』 ノーム・チョムスキー, 2013年 レビュー | 大衆のパワーの政治哲学

    『アナーキズムについて』 ノーム・チョムスキー, 2013年 レビュー | 大衆のパワーの政治哲学


    On Anarchism (Penguin Special) (English Edition)
    (アナーキズムについて)
    ノーム・チョムスキー, 2013
    On Anarchism
    Noam Chomsky
    128 ページ
    2020.07 読了
    日本未出版
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アナーキズムをめぐる政治哲学
    ✔ アメリカ政治
    ✔ スペイン内戦などの具体例

    ★★★★☆ 大衆にとって良いことは、イデオロギーにしがみつくことか。いや、ごく一部のエリートを投げ倒すことのできる大衆のパワーは私たちを明るい未来へと導く。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    オバマ政権時代に出版された本、当時は確かに政治的アイデアの違い、イデオロギーの違い、だった。
    でもトランプ政権の時代のアメリカは、ただの政治の違いではなく、いかに数人の金持ちがより金持ちになるかという、わがままの販促のためのゲーム。

    チョムスキーはイデオロギーを信用しているけれど、それよりも実際的であるものに重点を置いているように思える。
    大衆にとって良いことは、イデオロギーにしがみつくことか。
    いや、エリートを投げ倒すことのできる大衆のパワーは私たちを明るい未来へと導く。

    それにしても、政治学に詳しくない私にはかなり難しい本だった。
    スペイン内戦に詳しくないのでそこはさらっと読むしかなかったし、まだまだまーだ、知らないことや学ぶことが山積み。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "On Anarchism" Noam Chomsky (2013) Review | Power of collective actions
    tag ;
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●
    On Anarchism (Penguin Special) (English Edition)
    On Anarchism (Penguin Special) (English Edition)


    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    On Anarchism【電子書籍】[ Noam Chomsky ]
    価格:970円 (2026/2/25時点)




  • 『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 レビュー | ジャマイカ生まれの看護婦の伝記 

    『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 レビュー | ジャマイカ生まれの看護婦の伝記 


    Mary Seacole
    (メアリ・シーコール)
    ロン・ラムディン, 2005年
    Mary Seacole
    Ron Ramdin, 2005
    2020.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ジャマイカ出身の看護婦の伝記
    ✔ クリミア戦争で活躍した、ナイチンゲールと同じ時期の人物
    ✔ 近年その活動が再認識されている

    ★★★★★ ジャマイカ出身の混血の看護婦。クリミア戦争で肌の色を理由に英国ナイチンゲールに拒否されるも自費で向い戦線で兵士たちの心と身体の傷を癒す。「混血版ナイチンゲール」ではない。彼女はシーコールという一人の独立した英雄である。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ジャマイカ出身の混血の英国人の看護婦の伝記。
    幼少期から医療や看護に携わるも混血であること、女性であることで大きく差別を受ける。
    クリミア戦争のとき英国のボランティア看護師を志願するも、白人でないことでフローレンス・ナイチンゲールに拒否される。

    それでも自分の経験と知識は役に立つと信じ、自費でクリミアに入り、ナイチンゲールたちが後方の安全なエリアで看護をしている中、戦場にかぎりなく近い場所で看護施設を設ける。
    食堂のようなビジネスを立ち上げ資金稼ぎにするという偉業。
    戦場で兵士にとってのくつろげる場所を提供し、その売り上げを兵士の身体的な傷を癒す。

    拒否られようが差別されようが、とにかく怯まない、自分の能力を最大限に使って人を助けるために生きる、すごい。

    英国人、白人である兵士たちを「息子たち」と呼び、彼らからも信頼され愛される存在になる、これはのちに彼女が破産したときに当時の兵士たちが助けたということでも証明されている。

    逆に神経質で有名なナイチンゲールの暗い部分を浮かび上がらせる話でもある。
    人手が足りないのに人種差別を優先したあとも、戦線で生き生きと兵士たちの心と体の看護に徹したシーコールを、兵士に酒を飲ませた、うるさい、と非難。
    そして英国という国もシーコールの偉業を100年近く闇に葬り、ナイチンゲールのみを全面的に「天使」化した。

    決して忘れてはいけないのはシーコールは「混血版ナイチンゲール」ではない。
    彼女はメアリ・シーコールという一人の独立した英雄である。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Mary Seacole” Ron Ramdin (2005) Review | Determination to help her "sons"
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●
    Mary Seacole
    Mary Seacole (Life & Times) 英語


    ●●● 楽天 ●●●
    --
  • 『Unmarriageable』 ソニア・カマル, 2019年 レビュー | パキスタン版高慢と偏見 

    『Unmarriageable』 ソニア・カマル, 2019年 レビュー | パキスタン版高慢と偏見 



    Unmarriageable
    Soniah Kamal, 2019
    ソニア・カマル
    384 ページ
    2020.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ パキスタン版の『高慢と偏見』
    ✔ 2000年ごろの英語の教師が主人公
    ✔ 元気でおしゃべりなパキスタンの女子たち

    ★★★★☆ まさにパキスタン版『高慢と偏見』リアルなパキスタンの若い人たちの様子、口うるさい年寄りにうんざりしながらも元気でおしゃべりなパキスタンの女子の様子が新鮮。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    パキスタン版『高慢と偏見』。まさに。

    (この時点では)まだジェーン・オースティンのオリジナルを読んでいなかったので似ている点については詳しくわからないけど、間違いなくエンターテイメントな一冊。

    パキスタン生まれでアメリカ人の著者の作品。
    もうパキスタンは独立はしているけれど、まだ大英帝国の影響は消え去ってはいない2000年頃の社会で英語の先生である若い女性が主人公。
    パキスタンの当時の様子、新旧の文化や食文化が次々と描かれそれだけでも楽しい。
    出版はアメリカだし、欧米を意識していた感じは否めないけど、欧米メディアを通さないリアルのパキスタンの若い人たちの様子、口うるさい年寄りにうんざりしながらも元気でおしゃべりなパキスタンの女子の様子が新鮮。
    きっとその辺はオリジナルと同じ感じなんだと思う。

    日本語版はないですが、英語はそんなに難しくないし、コミカルなパキスタンの様子なんてなかなか簡単に読めないので頑張る価値ありです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Unmarriageable” Soniah Kamal, (2019) Review | Pakistani Pride and Prejudice
    オリジナル「高慢と偏見」ジェーン•オースティン
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    Unmarriageable: Pride and Prejudice in Pakistan (English Edition)


    ●●● 楽天 ●●●



  • 『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008年 レビュー | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008年 レビュー | アヘン戦争直前の奴隷船にて



    Sea of Poppies
    Amitav Ghosh, 2008
    (ケシの海)
    アミタヴ・ゴーシュ
    559 ページ
    2025.12 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アヘン戦争へ向かう時代のインドが舞台の歴史小説3部作
    ✔ 人種も階級も超えて奴隷船の上でつながる登場人物たち
    ✔ 植民地主義をテーマにするアメリカ在住の英語インド人作家

    ★★★★ 大英帝国が治めるインド、そこで行われるケシの栽培、そしてアヘン戦争の匂いを受けて奴隷船に乗り込む人々。それだけでもう本を開く前から自分好みなのは一目瞭然。3部作、先が気になる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    噂には聞いていたけど、やっぱり圧倒的に面白かった。

    大英帝国が治めるインド、そこで行われるケシの栽培、そしてアヘン戦争の匂いを受けて奴隷船に乗り込む人々。
    それだけでもう本を開く前から自分好みなのは一目瞭然。

    開けてみると、個性的な登場人物がどんどん出てくる。
    辛い結婚生活から逃げた主人公の女性ディーティ、フランス人ポーレットとインド人ジョドゥの兄妹愛、破綻した繊細なラジャに、秘密を持ったアメリカ人船乗りザッカリー、などなどがそれぞれの思いを胸にモーリシャス諸島へ向かう奴隷船アイビス号に乗り込む。
    その流れだけで分かるよう、壮大なストーリーがこの3部作で描かれるのです。

    女性たちの無謀さと、それについて行ってる男性たちだったり、騙されて人生が一転するラジャの変化などがエンターテインメントを込めて書かれているのでこの後どうなるのか。
    まだ最初の一冊を読んだばかり、先が気になる。

    日本ではまだ翻訳されてないので残念。
    英語はちょっと難しいです、というかインド英語やそれぞれの訛りなどもあり分かりにくい。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Sea of Poppies” Amitav Ghosh (2008) Review | Leading up to Opium War
    category 文学 インド 南アジア/Indian S. Asian Lit.
    tag インド/India
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    Sea of Poppies: Ibis Trilogy Book 1 (English Edition)

    ●●● 楽天 ●●●

  • 『ゴータマ・ブッダ』 2011年 レビュー | ブッダの人生を知る入門書

    『ゴータマ・ブッダ』 2011年 レビュー | ブッダの人生を知る入門書



    Gautama Buddha
    The Life and Teachings of The Awakened One
    Vishvapani Blomfield, 2011
    (ゴータマ・ブッダ)
    416 ページ
    2020.02 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ブッダの個人としてのバイオグラフィー
    ✔ 経典や教えというよりもその生き様の入門書
    ✔ 当時のインドの様子や周囲の人間の環境も

    ★★★★☆ 飾らずミステリアスにならないように書かれたブッダの伝記。経典ではなく個人としてのブッダの人生を知る入門書であり、そしてなぜあの時代のインドで仏教がスタートしたかがよく分かる一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    できるだけ飾らずミステリアスにならないように書かれたブッダの伝記。

    なんといっても2500年前なので順序よく語るのが難しいはずだけど、ブッダの人生を忠実に追い、当時のインドの様子もきちんと描写されている。(といってもこれまた大昔なので現実ではありえないことになる場合もある)

    経典ではなく個人としてのブッダの人生を知る入門書であり、そしてなぜあの時代のインドで仏教がスタートしたか、なぜ現代においても多くの人を魅了するのかということ、ということがよく分かる一冊。
    ただ読むのは難しかった。だって今もだけどこの時代のインドの人の名前はとても長くてしかも色んな人が出てきて誰が誰かわからなくなる。
    なので英語自体はちょっと上級者向き。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Gautama Buddha” Vishvapani Blomfield (2011) Review | Intro to Buddha’s own life
    tag 仏教
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    Gautama Buddha: The Life and Teachings of The Awakened One (English Edition)


    ●●● 楽天 ●●●
    --




  • 『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』2019年 レビュー | 人種差別と対話

    『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』2019年 レビュー | 人種差別と対話



    Why I’m No Longer Talking to White People About Race
    Reni Eddo-Lodge, 2019
    (私がなぜ人種についてもう白人に話さないのか)
    2020.01 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 英国の黒人女性が現代の人種差別へ立ち向かう
    ✔ 表紙のデザインは「白人たちに気を使う」というテーマから
    ✔ 人種差別も女性差別も無視せず声を上げる姿勢

    ★★★★★+❤ この本がなぜ今重要なのか。白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る今の社会。実際に人種差別がなくならない理由はなにか。「何が」問題なのか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とてもパワフルな一冊。 
    まずはカバーがいい。彼女の怒りや苛立ちを思う存分に表現してる。
    そして中身、今の英国にとってとても重要な内容。
    英国の歴史の中での黒人やアジア人がどうか変わってきたのかという観点から始まり、英国にシステムがいかに差別的か、またその差別が正当化されているか。
    (正確には黒い人と茶色の人という言い方でいわゆる東洋人、黄色人種ではない)
    何が人種差別を生むのか。そこで人々が抱える恐怖とは。
    フェミニズムと人種、階級と人種、と続く。

    この本が、なぜ今、重要なのかは英国に住んでいれば分かる。
    つまりここ5年ほどで、人種差別は正当化されているから。(当時2020年)
    白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る社会。
    そして今まで、英国に特化した人種差別を問う本や議論の場というのは数えるほどしかなく、ほとんどはアメリカから輸入されたものであったという事実。
    つまりそれだけタブーであるということ。

    フェミニストでもある著者は、フェミニズムの土俵で、人種のことに触れると突き放されるという。
    別の場所でやってくれ、と。
    まるでフェミニズムは比較的裕福な白人女性のためだけの場であるかのように。
    多くのメインストリームの場で女性の権利は支持されるのに、人種差別に反対することは、理論的なレベルで支持されても、日常レベルでは見て見ぬふりをされる。
    しかも「これは人種差別じゃないから」と開き直って。

    実際に人種差別がなくならない理由はなにか。
    「何が」問題なのか。
    明らかに白人主義に問題がある、もちろん。
    どうやって白人のセンチメンタリズムを傷つけずに、白人を優位な立場から引きずり降ろさずに議論するか。
    怖い黒人女性と決めつけられずに意見を主張する方法があるのか。
    そういった葛藤の中で、彼女は、もう白人に人種の話はしない、と宣言したわけです。
    もちろんこれは、さらに数年前のブログのタイトルで、そこから彼女はやっぱり言わなければいけない、ということでこの本を書いているわけですが
    沈黙は自分を守ってくれない。黙っていても自分の立場は良くならない。

    挑発的なこの本は、まさに多くのセンチメンタルな白人を追い詰めて、彼らを罪悪感に浸らせてしまった。
    どうしていいかわからないと頼ってくる白人たち。
    イベントのQ&Aでモノローグを始め勝手に泣き崩れる白人。
    でも彼女は言う。
    罪悪感を感じる余裕があれば、自分の行動範囲内で声をあげてみればいい。
    一人ひとりが行動をし、一つのムーブメントとなる。

    日本にいればたしかにこの感覚は分かりづらい。
    でも、やっと外国人が日常で増えてきて対岸の火事ではなくなった。

    それでもこれはやっぱり重要な本である。
    英国人歌手のStormzyが言ったように、英国には例えばイタリアのようなあからさまな人種差別はないかもしれない。
    でも確実に存在していて、差別主義者は今まで陰口を言っていただけだけど、今日の英国で大声で言える権利を得たと勘違いしている。
    そしてそれはとっても恐ろしいことだ、と。

    この若い英国人黒人女性によって書かれた本がベストセラーになっていることは、間違いなく英国各地で議論のきっかけになった。
    ちょっと希望が持てる気もしてくる。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Why I’m No Longer Talking to White People About Race” Reni Eddo-Lodge (2019) Review | silence won’t protect us

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    
    ●●● アマゾン ●●●
    
    Why I’m No Longer Talking to White People About Race: The #1 Sunday Times Bestseller
    
    ●●● 楽天 ●●●
    --
    
  • 『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024年 レビュー | ダークでリアルなロンドン

    『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024年 レビュー | ダークでリアルなロンドン



    Caledonian Road
    Andrew O’Hagan, 2024
    カレドニアンロード
    アンドリュー・オヘイガン
    657 ページ
    2025.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 現在の金持ちの遊び場と化したロンドンを風刺する
    ✔ 富豪政治家やロシア人、インフルエンサーなどとの絡み
    ✔ 金と権力の渦に巻き込まれる美術史の専門家の苦悩

    ★★★★☆ 完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。未だに階級の問題は根強く残っているし、加えてロシアの富裕層や貧しい移民の問題もある。金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンって住むにはどんなところ?と聞かれたら、とりあえずこれを読んでと言う。
    完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。

    人々はより良い生活を求めてロンドンに行くけれど、すぐにそんなものは存在しないと気づかされる。
    ここ数年で特に急激にお金がないとマシな生活はできない街となった。
    未だに階級の問題は根強く残っているし、桁違いの金持ちの生き方は一般人からは見えないほどにきっぱりと区別されている。
    (もちろん旅行者に見えることは絶対にない)
    金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    仲間と敵、それは政治上あったり利益であったり郊外に住むギャングであったり。

    主人公の美術史の歴史家兼教授である生徒との関係がメインだけど、貴族階級の伝統的な富裕層、ロシアの富裕層、その子どもたち、犯罪も厭わない若者ギャングなどの視点からも描かれていてまるでロンドンの街の生活そのままの複雑なサスペンス。

    このエリアは実は私は合計10年近く住んでいたので、知ってる道の名前が出てきて嬉しい。
    この辺は貧しい通りと裕福な通りが本当に隣り合わせ。

    英語レベルで言うとロンドンのスラングなども入ってくるのでちょっと難しめ。
    しかもみっちり657ページ。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Caledonian Road” Andrew O’Hagan (2024) Review | Dark reality of London today
    tag ロンドン

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    
    ●●● アマゾン ●●●
    
    
    Caledonian Road: The Sunday Times bestseller (English Edition)
    
    ●●● 楽天 ●●●
    

  • 『(眼の中の砂)』タゴール, 1903年 レビュー | 不幸の未亡人を描くインドの傑作

    『(眼の中の砂)』タゴール, 1903年 レビュー | 不幸の未亡人を描くインドの傑作

    🔽 基本情報 🔽

    Chokher Bali
    Rabindranath Tagore, 1903
    (眼の中の砂、やっかいもの)
    ラビンドラナート・タゴール
    298 ページ
    2022.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの偉大な詩人タゴールによる小説
    ✔ 不幸を運ぶといわれる未亡人となった女性の半生
    ✔ 伝統的な社会の中で生きる悲しさ

    ★★★★☆ Chokher Bali、眼の中の砂、やっかい者。知り合いの家に預けられる才色兼備の未亡人、彼女はそれでも自由になりたかった。眼の中の砂は触るものすべてを乱して、いつの間にかいなくなる。不幸をテーマにした強く悲しいインドの傑作。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    初めて読んだタゴールの本はこの小説。
    インドでは有名でテレビや映画になっていて、特に最近のアイシュワリヤー・ラーイ主演のは見てみたい。

    Chokher Bali、眼の中の砂、やっかい者。
    美しい未亡人が、知り合いの家に預けられ、その家の嫁と仲良くなる。
    お互いをBaliと呼びあう仲だったけれど、才色兼備の未亡人(美しさが頂点のアイシュワリヤー・ラーイが演じる)は運命に反してでも自由になりたかった、そしてどんな手を使ってでも。

    日本人には馴染のある夫婦間、母と息子、嫁と姑、という繊細な家族の揺れ。
    そこに突如、悲しみを身にまとった美貌の未亡人がやってくるんだから、それぞれが沸々と狂っていく。
    眼の中の砂は触るものすべてを乱して、いつの間にかいなくなる。
    この身分をわきまえずに愛情も幸せも追求した悪に根元(インドでは未亡人は不吉な存在)。

    不幸をテーマにした強く悲しいインドの傑作。

    (原語はベンガル語、日本語訳は見つけられませんでした)
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Chokher Bali” Rabindranath Tagore, (1903) Review | Tragedy from India
    tag インド
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    
    ●●● アマゾン ●●●
    
    Chokher Bali (English Edition) 
    
    ●●● 楽天 ●●●
    --
    
    
  • 『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022年 レビュー | インド好きのためのミステリー

    『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022年 レビュー | インド好きのためのミステリー


    The Bangalore Detective Club
    Harini Nagendra, 2022
    (バンガロール探偵クラブ)
    ハリニ・ナジェンドラ
    292 ページ
    2022.12 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ シリーズ第一弾
    ✔ 1920年の南インドを舞台に若い主婦が犯罪に立ち向かう
    ✔ 当時のカルチャーや南インド料理の描写も魅力

    ★★★★☆ 1920年代の南インド、新米の主婦がベンガルールの街で起こる犯罪を推理する、という可愛い感じの推理小説。街の有名スポットが色々出てきて予習になったし美味しそうな料理も出てくる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1920年代のインド、医者と結婚したばかりで主婦として静かな生活を送るはずの主人公が南インドのベンガルール(バンガロール)の街で起こる犯罪を推理する、という可愛い感じの推理小説。
    シリーズ物の第一弾。
    主人公Kaveriが好奇心旺盛で強くて、そうなのインドの都会の女の子ってこんな感じっていう楽しさと、権力を持つイギリス人との衝突もあったり。
    若い奥さん、主婦であっても、白い目で見られても趣味の水泳はやめないし、好きに外を歩き回る。

    著者が実は生態学者という変わった経歴なのも面白いので続編も読んでみる。

    ベンガルールの街のスポットが色々出てきて旅行予習になったし美味しそうな料理も出てくる。
    インド好きな人が軽く楽しく読める。

    英語も比較的簡単なので英語の勉強にも。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Bangalore Detective Club” Harini Nagendra (2022) Review | Nice mystery for India lovers
    tag インド
    tag 女性主体

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    The Bangalore Detectives Club (The Bangalore Detectives Club Series) (English Edition)


    ●●● 楽天 ●●●


  • 『(ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)』サラ・ベスキー, 2014年 レビュー | 高級茶ダージリンの現実

    『(ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)』サラ・ベスキー, 2014年 レビュー | 高級茶ダージリンの現実


    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India (California Studies in Food and Culture Book 47)
    Sarah Besky, 2014
    (ダージリン ディスティンクション; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)
    サラ・ベスキー
    258 ページ
    2022.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    まさに探していたトピックの本。
    ダージリンのお茶と産業と労働者の関係。

    ダージリンは世界で一番高級な茶であり、世界中で知られていてステータスもある、なのになぜダージリンの労働者は貧しいのか。
    ダージリンのお茶一杯の値段はお茶を摘む仕事の女性の一日の給料より圧倒的に高い。
    高級感を売り物にするダージリンの現実は静かに隠されている。

    ダージリンやシッキム州のいわゆる広い意味でダージリン茶を作るエリアは実は最近まではインドではなかったし、18世紀に英国人が周辺の発達のためにネパールから大量の労働者を連れてきたので、人種的にもほとんどがインド人ではない。
    90年代に盛んだったグルカ運動はいまも消えたわけではないけれど、これだけ商品価値のある商品を作るダージリン、インドは、西ベンガル州は何があっても手放さない。
    グルカもネパール系の人々は何代もの間この産業を支えているのに実質的に何も所有できない、他の道も少ない、自分たちの歴史さえ曖昧になっている。
    フェアトレードの観点から言うと、フェアトレードを押し付けられるせいで現地の人間の生活はより厳しくなったとも。

    高級茶の代名詞のダージリンは現地の人々からの搾取によって支えられている。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Darjeeling Distinction” Sarah Besky (2014) Review | Dark side of the posh tea
    tag 東ヒマラヤ

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India


    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    The Darjeeling Distinction Labor and Jus...
    価格:3,901円 (2025/12/1時点)





  • 『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012年 レビュー | 自分を見つける巡礼の旅

    『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012年 レビュー | 自分を見つける巡礼の旅



    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful
    Gideon Lewis-Kraus, 2012
    ギデオン ルイス=クラウス
    352 ページ
    2025.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ カミーノ、四国、ウクライナをめぐる巡礼の旅
    ✔ 30歳のライターの若い男性と家出した父親との葛藤
    ✔ スピリチュアルじゃなくかなりリアルな大変な旅行記

    ★★★★☆ 30歳のライターがスペインのカミーノ・デ・サンティアゴ、四国のお遍路、ユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと回る旅行記。旅の本当の目的は家族を捨て若い彼氏と暮らす父親との関係を修復することだと気づく。父を許せるのか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最初は普通の旅行記にもとれる。
    30歳のライターでベルリンに自由気ままに文句をたれながら暮らしていたけれど、あるきっかけからキリスト教の巡礼の地カミーノ・デ・サンティアゴでスペインへ、そして四国のお遍路四国八十八ヶ所霊場、最後はユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと次々と巡礼の地を回る。
    そしてこの旅の本当の目的は、自分の父親との関係を修復することだと気づく、といった感じ。

    世界中を回って結局自分の求めていたものはいつも出発地点にあったという典型的な旅ではあるけれど、やっぱりきつくて苦しい思いをすることでそこにたどり着くのです。
    ユダヤ教の指導者ラビであった父親が、ある日若い男の恋人を作って家を出た。
    その父親を許せるのか、許すのか、自分は父親を愛しているのか、父親は自分を愛してくれていたのか。

    そういう彼自身の葛藤を別にしても巡礼を回る旅行記としても面白い。
    宗教心もスピリチュアルな思いも全くなし、でも現代人はそういう人が多い。
    それでも巡礼をする意味はやっぱりある。
    サンティアゴは友人と(友人や恋人と巡礼する人たちは多くが分かれるらしいけど彼はなんとか友情を保ちつつ)、四国は一人きりで、そしてウクライナは弟と父親と。

    ユダヤ人らしいユーモアもちらほら見えて読み物として面白い。
    ただ足の裏がぼろぼろになり寒くて辛くて心も折れるこの旅行記を読んで自分も巡礼に行こう、とは思わないかも。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “A Sense of Direction” Gideon Lewis-Kraus, (2012) Review | Pilgrimages to yourself
    タグ: 宗教

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    A Sense of Direction Pilgrimage for the ...
    価格:1,280円 (2025/11/26時点)




    ●●● アマゾン ●●●

    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful (English Edition)

  • 『(ダージリン 世界最高の茶)』Jeff Koehler, 2015年 レビュー | 植民地主義と高級茶

    『(ダージリン 世界最高の茶)』Jeff Koehler, 2015年 レビュー | 植民地主義と高級茶



    Darjeeling: A History of the World’s Greatest Tea
    Jeff Koehler, 2015
    (ダージリン 世界最高の茶)
    286 ページ
    2022.04 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ダージリン茶をめぐる歴史書
    ✔ 現在も続く植民地主義的な搾取の仕組み
    ✔ 労働者の日給はダージリン茶一杯以下という現状

    ★★★★★ お茶を摘む作業を担う女性の一日の給料は、一杯のダージリンの値段以下。世界有数の飲み物でありながら、つくり手の問題や生活環境は厳しく、いまだに植民地的な搾取によって生産されている。ダージリン茶に関するすべての背景をかなり掘り下げた一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ダージリン茶に関するすべての背景、なぜダージリンに茶が植えられたか、どういった植民地的な歴史を抱えているのかなどをかなり掘り下げた一冊。
    英国人が始めインド人経営者が受け継いだ茶園、そこに住み働く代々慎ましい生活をする人々の様子など人にまつわることも。

    多くの人にとってダージリンのお茶の風味はユニークな優雅さだったり高級感を象徴するけれど、ダージリンの抱える問題は別のユニークさがある。
    世界有数の高級な飲み物でありながら、つくり手の問題や生活環境は厳しく、いまだに植民地的な搾取によって生産されている。
    お茶を摘む作業を担う人間の一日の給料は、一杯のダージリンの値段以下。

    同じく世界有数の飲み物であるシャンパーニュやウィスキー、抹茶などと違い現地の国民、インド人は口にしないダージリンティー。
    数え切れない問題を抱えるダージリン茶産業、今後も人々はダージリンを飲み続けるのか、そして作り続けることはできるのか。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Darjeeling: A History of the World’s Greatest Tea” Jeff Koehler (2015) Review | Colonial history and Darjeeling
    tag
    tag 東ヒマラヤ
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    Darjeeling: The Colorful History and Precarious Fate of the World's Greatest Tea


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(歴史上の100人の邪悪な女たち)』 Hannah Jewell, 2019年 レビュー | 構わず偉業を残した女性たち

    『(歴史上の100人の邪悪な女たち)』 Hannah Jewell, 2019年 レビュー | 構わず偉業を残した女性たち



    100 Nasty Women of History:
    Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know
    Hannah Jewell, 2019
    (歴史上の100人の邪悪な女たち)
    376 ページ
    2022.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ほとんど知られていない100人の女性の偉人たち
    ✔ きちんと成果を残した彼女たちの紹介
    ✔ タイトルも内容もジョークや口の悪さを残し家父長制に挑む

    ★★★★☆ 歴史上の100人のやり手な女性を集めた本。男性と同じ様に成果を残しても男性ほど大事ではないという世の中で、構わず偉業を残した女性たち。著者ごとく、まずは私達は彼女たちが間違いなく存在したという事実をきちんと受け止めるべき。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    100人の女性の伝記コレクション。
    トランプ大統領がナンシー・ペロシ史をnasty と呼びいつものように低俗なあだ名で呼んでいたのにかけて、歴史上の100人のやり手な女性を集めた本。

    著者ごとく、彼女たちについて深く読んでいく前に私達は彼女たちが間違いなく存在したという事実をきちんと受け止めるべきだと。
    歴史のホコリにまみれて人の目のつかない場所に追いやられた女性たち。
    男性と同じ様に成果を残しても、女性は常に男性より以下。男性の偉業ほど大事ではない。
    もし仮に、女性が何かを成し遂げたとしてもそれはただの偶然で、女性は英雄ではなく男社会にとってただnastyなだけ、邪悪なだけ。

    カテゴリー別に分かれていてそれぞれは短くて読みやすく、ジョークや口の悪い文章が連なるけれど、やりすぎずちょうどいい。
    ここからそれぞれの女性について読みすすめるガイドブック的な本。

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    ●●● 楽天 ●●●
    --


    ●●● アマゾン ●●●

    100 Nasty Women of History: Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know (English Edition)

  • 『(ダージリンにまっすぐな道はない)』 Parimal Bhattacharya, 2017年 レビュー | ヒマラヤを見上げる回想録

    『(ダージリンにまっすぐな道はない)』 Parimal Bhattacharya, 2017年 レビュー | ヒマラヤを見上げる回想録



    (ダージリンにまっすぐな道はない)
    No path in Darjeeling is straight
    Memories of a Hill Town
    Parimal Bhattacharya, 2017
    200 ページ
    2022.02 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 1990年代にダージリンで教師として働いた著者の回想録
    ✔ 当時のグルカ運動、独立運動、地元の人々の生活と貧しさ
    ✔ この手の個人的な本は珍しい

    ★★★★☆ 1990年代にダージリン地区で勤務していたベンガル人教師の回想録。一応は同じ「西ベンガル州」になるけれど、ダージリンやあの辺りの山の人間と、ベンガル人は習慣も言葉も歴史も違う。ダージリン住民の政治や生き様をしっかりと見つめる一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    1990年代にダージリン地区で勤務していたベンガル人教師の回想録。
    一応は同じ「西ベンガル州」になるけれど、ダージリンやあの辺りの山の人間と、ベンガル人は習慣も原語も歴史も違う。
    ダージリンのあたりの歴史などの本はよく読むけれど、これは個人的な回想録なので違った面白さがある。
    外部の人間として、その複雑なダージリンの問題、政治、生き様をしっかりと見つめる一冊。

    日本語版しかないけど、この辺りに興味がある人はぜひ。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “No path in Darjeeling is straight” Parimal Bhattacharya (2017) Review | Complicated history
    タグ: 東ヒマラヤ
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● アマゾン ●●●

    No Path in Darjeeling Is Straight: Memories of a Hill Town (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(大英帝国とグルカの関係)』 GL・ライジムダー, 2007年 レビュー | 大英帝国とインドの間のネパール史

    『(大英帝国とグルカの関係)』 GL・ライジムダー, 2007年 レビュー | 大英帝国とインドの間のネパール史


    Anglo-Gurkha Relations: Historical Account of how the Gurkhas Bestowed upon Queen Victoria the Gift of Indian Empire
    GL Rai-Zimmdar, 2007
    (大英帝国とグルカの関係)
    211 ページ
    2023.12 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    自主出版だと思うけれど、大英帝国とインドの側で歴史を紡いてきたネパールに関する独自の見解で興味深い。

    いままでの大英帝国とグルカ、ネパールの関係や歴史を語る本は間違えている、というところから出発しているので、この本のミッションとしてはそれを正すことのよう。
    なので大英帝国とグルカの関係自体について学ぶ本ではないのが私の希望から外れていた。
    ただ、英国とインドという巨大な渦のせいでネパールの存在が軽視されてきたという点には納得。
    なので、私はまずはオーソドックスにネパールの歴史を学ぶべきです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Anglo-Gurkha Relations” GL Rai-Zimmdar (2007) Review | Britain and Nepal
    タグ: 東ヒマラヤ
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    ●●● 楽天 ●●●
    --


    ●●● アマゾン ●●●

    Anglo-Gurkha Relations: Historical Account of how the Gurkhas Bestowed upon Queen Victoria the Gift of Indian Empire


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 レビュー | 軍事国家へ走る日本への警告

    『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 レビュー | 軍事国家へ走る日本への警告



    The Spirit of Japan
    Rabindranath Tagore, 1916
    日本の精神
    ラビンドラナート・タゴール
    ロビンドロナト・タゴール
    22 ページ
    2023.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細見る
    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本の芸術家と親交のあったインドの偉大な詩人タゴール
    ✔ 慶大でのこの講演で日本の軍事国家化を批判
    ✔ 東洋の内なる力を信じるタゴールの最後の懇願

    ★★★★★ 何度も訪日し日本の文化や芸術を愛したインドの詩聖タゴール。慶大でのこの講演は軍事国家へと変化し始めた当時の日本に対する厳しい批判と警告に溢れている。しかし彼は強く輝く東洋の力を信じていた。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    タゴールが日本滞在の最後に、1916年に慶應義塾大学で行った講演。
    何度も訪日し、日本の文化や芸術また日常の中にある芸術を愛したインドの詩聖タゴール。
    しかしこの講演は急激に西洋化しナショナリズムへ走り軍事国家へと変化し始めた日本に対する厳しい批判と警告に溢れていた。

    彼の祖国を支配していた大英帝国の醜さを目の当たりにしているタゴールは、誇り高き文化を誇る日本が西洋の猿真似をしている、と強く批判。
    しかし彼の批判、警告は普遍的なものでもある。
    近代化という道は自己を破滅させる、憎しみを他者に押し付けても必ず自分に戻って来る。
    アジア初のノーベル賞を受賞した彼は東洋の力を信じていた。
    東洋の力とは、西洋のような技術的なモノを使う力ではなく、東洋哲学という力、和を愛する力。
    曇りの日でも太陽はずっとそこにあるように、東洋の力は強く輝き続けると。

    日本語では見つけれれなかったけど100年以上前のものだしネットではどこかで読めるかも?
    英語でも難しくはないです。
    短い文章ではあるけれど非常に率直で意味のある一冊。

    (講演だけどエッセイのカテゴリーに)


    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Spirit of Japan” Rabindranath Tagore (1916) Review | Short but meaningful
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● 楽天 ●●●


    ●●● アマゾン ●●●


    The Spirit of Japan a Lecture (Classic Reprint)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(おばあちゃんのツイート)』 Geeta Gopalakrishnan, 2018年 レビュー | 南インドの女性たち

    『(おばあちゃんのツイート)』 Geeta Gopalakrishnan, 2018年 レビュー | 南インドの女性たち

    🔽 基本情報 🔽

    My grandmother's tweets
    Geeta Gopalakrishnan, 2018
    (おばあちゃんのツイート)
    ジータ・ゴパラクリシュナン
    340 pages
    2023.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ おばあちゃんの知恵袋的な話が詰まった本
    ✔ 12世紀から南インドの女性が語り継いできた逸話と格言集
    ✔ 古代インドの賢さと暖かさ

    ★★★★☆ 南インド、タミルの12世紀の女性の詩人の言葉を、女性がずっと繋げてきた逸話、格言集。古代インドの賢さと暖かさ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドでもらった本の一つ。
    日本で言うところのおばあちゃんの知恵袋みたいなものだけど、実用的というより逸話や伝説から学ぼう的な感じ。
    Avvaiyarという南インド、タミルの12世紀の女性の詩人の言葉を、女性がずっと繋げてきた逸話、格言集。

    一気に読むというより、たまに一つ一つ読んだり、思い出したときに開けて読むようなもの。
    古代インドの賢さと暖かさ。

    🔽 関連ページ 🔽
    “My grandmother’s tweets” Geeta Gopalakrishnan (2018) Review |Female wisdom from Tamil
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    My Grandmother's Tweets Stories Inspired...
    価格:1,692円 (2025/10/20時点)



    ●●● アマゾン ●●●

    My Grandmother's Tweets: Stories Inspired by Avvaiyar's Ancient Wisdom (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(また恋におちる) 』ラスキン・ボンド 2013年 レビュー | まるで夢だったように

    『(また恋におちる) 』ラスキン・ボンド 2013年 レビュー | まるで夢だったように



    Falling in love again
    Ruskin Bond, 2013
    (また恋におちる)
    ラスキン・ボンド
    197 pages
    2023.04 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 現在90歳を超えるインドでも最も重要な作家のひとり
    ✔ 17歳から書き続ける著者の恋愛に関する短編集
    ✔ 彼の物語には繰り返し表される表現や風景がある

    ★★★★☆ インドでも最も重要な作家の一人。ショートストーリー集。違う時代に書かれていても彼の物語には繰り返し表される表現や風景がある。ほろ苦い、まるで夢だったかのように彼が恋をした女の子はふっと消えていく。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インド生まれ、インド育ち、でもイギリス系白人の作家、ラスキン・ボンド氏。
    2025年の今年91歳になったインドでも最も重要な作家の一人。
    人種なんか関係ないというのは簡単だけど、運命はそう安易ではない。

    さてこの本は恋愛に関するショートストーリーを集めたもので、彼は17歳の頃から書いているけれど、いろんな時期に書かれたものが集められていて興味深い。
    ただ単に違う時代に書かれたから違う雰囲気、というわけではなく、彼の物語には繰り返し表される表現や風景がある。
    主人公の名前が著者と同じラスキンやラスキーだったり、ロケーションも彼の故郷ヒマチャルプラデシュであることが多いので、彼の少年時代や思い出とは切っても切り離されないはず。
    それだけじゃなく、同じセリフが出てきたり、同じ列車の路線に乗っていたり、違う女の子に同じ名前が繰り返されたり。

    ストーリー自体はみなほろ苦いストーリーが多く、恋愛とはまだ言えない段階であったり、何かが始まる前に失恋したり、まるで夢だったかのように、彼が恋をした女の子はふっと消えていく。

    日本ではあまり作品が出ていないのが残念ですがぜひ探してみてください。
    でも彼の本は子どもにも読まれるように書いてあるので、英語でも比較的簡単な表現で書かれています。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Falling in love again” Ruskin Bond (2013) Review | Maybe it was a dream

    彼が17歳で書いた作品The Room on the Roofはこちら
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● 楽天 ●●●


    (彼の作品は日本ではこれが手に取りやすいようです)

    ●●● アマゾン ●●●

    Falling in Love Again: Stories of Love and Romance (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(フェラーリを売り払った僧侶)』 ロビン・シャーマ, 1996年 レビュー | 悟りへの近道的な自己啓発書

    『(フェラーリを売り払った僧侶)』 ロビン・シャーマ, 1996年 レビュー | 悟りへの近道的な自己啓発書



    The monk who sold his Ferrari
    Robin Sharma, 1996
    (フェラーリを売り払った僧侶)
    ロビン・シャーマ
    198 pages
    2025.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 物語仕立ての自己啓発書
    ✔ 仕事一筋の生活をしていた男のもとに変な人物がやってくる
    ✔ インスタントに悟るための近道的な話

    ★★★☆☆ 何が大事かを悟るために、本当の夢や運命を追いかけるためにどういうことをすればいいか、を非常に分かりやすく具体的に説いた本で、すぐに行動に移せる本。ただ私はターゲット層ではない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドに行ったときに勧められて買った本。

    仕事一筋でお金が重要な生活をしていた男性のもとに、人生とは何かを告げる変な男がやってきた。

    何が大事かを悟るために、本当の夢や運命を追いかけるためにどういうことをすればいいか、ということを非常に分かりやすく具体的に説いた本で(例えば、瞑想が難しいのなら部屋にある一つの置物の表面の一点に集中して、とか)、読んだあとその瞬間にすぐに行動に移せる本。

    ただ、面白いかといえば面白いわけではない。
    まあ自己啓発本だからストーリーが面白いことが目的ではないんだけど、それはいいとしても、「古代インドでは」とか「神秘的な共同体にいたとき」とか「アジアの伝説によると」とか、どうみても欧米の一般人が好きそうな表現が多い。
    まあそれもターゲット層がそうなんだから仕方がないんだと思うしかない。
    いずれにしろ、もし欧米の白人の層に属しているのなら自己啓発としては優れているのは間違いない。
    そうでない人にとってはズレていると思う。

    あ、もし欧米人に瞑想とは悟りとは何かとかを説明する必要があれば訳には立つ!


    🔽 関連ページ 🔽
    “The monk who sold his Ferrari” Robin Sharma (1996) Review | A quick way
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    The Monk Who Sold His Ferrari: A Remarka...
    価格:903円 (2025/10/14時点)



    ●●● アマゾン ●●●

    The Monk Who Sold his Ferrari: The inspiring tale from international bestselling author, Robin Sharma (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(地獄の外食記) 』ジェイ・レイナー 2012年 レビュー | 正直で意地悪なレストランレビュー

    『(地獄の外食記) 』ジェイ・レイナー 2012年 レビュー | 正直で意地悪なレストランレビュー



    My dining hell
    Twenty ways to have a lousy night out
    Jay Rayner, 2012
    マイ・ダイニング・ヘル (地獄の外食記)
    ジェイ・レイナー
    76 pages
    2023.01 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 英国一の評論家のレストランレビュー
    ✔ 悪いレビューのみを集めた意地悪な一冊

    ★★★★☆ 著者はイギリスで有名な、特に口が悪いことではいちばん有名な料理 レストラン評論家。当時新聞に載せられていたものの中で悪い評価のレストランの批評文だけを厳選した意地悪な一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    著者はイギリスでいちばん有名な料理、レストラン評論家。
    少なくとも一番口が悪いことではかなりダントツで有名。
    彼はずっとObserverという新聞にレストランの批評を載せていて、この本はその中でも悪い評価のレストランの記事を集めたもの。面白くないわけがない。

    辛口と言われているけれど、この本に集められた記事を見る限りではレストランが悪いとしか言いようがない。
    料理がまずい、レストラン自体が悪い、さらにどちらも悪いとなると救いようがないし、その上でぼったくりとなると悪いけど全国版で叩かれても仕方がない。

    1999年から2012年の間の批評なので、確かに一番悪い時期ではあったのかもしれない。
    イギリスは別としてロンドンの料理は不味くないよ、と言われだして、レストラン業界がカッコだけつけた料理をどんどん出していた時期。
    さらには物価もどんどん上がり、シンプルでそこそこ美味しい料理を出せていたレストランは撤退していった。

    私がロンドンが好きな理由は料理にしろ文化一般的にも、ごちゃまぜ感があったから。
    超高級なものもあるし、びっくりするほど安いものもある。
    誰も知らない立地でひっそりと美味しい料理を出していた店もあった。
    でも今は高級料理のテーマパークと化したロンドン。
    いつかこの無駄な高級志向時代が終わることを願って。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "My dining hell" Jay Rayner (2012) Review | Honest but brutal reviews
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    My Dining Hell Twenty Ways to Have a Lou...
    価格:948円 (2025/10/11時点)



    ●●● アマゾン ●●●

    My Dining Hell: Twenty Ways To Have a Lousy Night Out (Penguin Specials) (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️



  • 『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 レビュー | シッキム王国の歴史と魅力

    『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 レビュー | シッキム王国の歴史と魅力



    Sikkim
    Requiem for a Himalayan Kingdom
    Andrew Duff, 2015
    (シッキム ヒマラヤ王国へのレクイエム)
    アンドリュー・ダフ
    320 pages
    2023.01 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 現インド北東部のシッキム州が王国だった時代の歴史書
    ✔ 吸収される数十年前の様子を詳しく描く
    ✔ チベット系の王チョギャルの統治とインド、英国の関与

    ★★★★★+♥️ シッキム、知れば知るほど面白くて仕方がないのです。シッキム王国がインドに吸収される前の数十年を詳しく書いたシッキムの歴史の本であり、その最後の王様のストーリー。これを読んだら絶対に行きたくなる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    シッキム王国がインドに吸収される前の数十年を詳しく書いたシッキムの歴史の本でありながらも、その最後のチョギャル(王様)であるトンドゥプ・ナムゲルのストーリー。

    シッキム、現インド シッキム州はネパール、ブータン、チベットなどに囲まれたヒマラヤ山脈の東に位置するエリア。
    地形的に厳しいエリアでありながらも重要な国々に囲まれた特殊な地理もあり、17世紀からはチベット系の王チョギャルが治めていて、1975年にインドに吸収される。

    知れば知るほど面白くて仕方がないのです。
    この本のスコットランド人著者は、幼い頃に祖父が語ってくれたシッキムに憧れ、ついにその地を訪れる。
    ペリンの町の外れにあるペマヤンツェ寺院で、ちょっと変わったに僧に出会い、お前はシッキムの何を知っているんだ、と言われ、ある本を渡された。
    そこから彼の本格的な研究が始まる。
    その僧こそ、当時国王の側近であった人物であり、その本が最近私もやっと読めた本Smash and Grabなんですね。

    ヒマラヤの文化が集中しているシッキム、元は現地民が住んでいたけれど、チベット系の王ができたことで文化的に仏教中心になっていって、でも19世紀ごろからは大英帝国も入り込んできて、農業改革を行うに当たり、歴史的にも敵対していたネパール人をシッキムに移住させる。
    チベットや中国が権利を主張するもイギリスの保護国となったシッキム、インド独立後はその権利を引き継いだインドの保護下になるも、最後のチョギャル、トンドゥプ・ナムゲルの方針はシッキム独立であったため、ネパール系に多かった親インド派と国内で対立が続き、親インド派を手懐けたインドの後押しで王政は崩壊、あっというまにインド軍に囲まれ、アメリカに亡命。
    と、簡単な歴史はこんな感じで、この本は最後のチョギャルに焦点を置いたものでありながら、前後の流れもわかりやすい。
    インド、中国、イギリスと巨大な権力がこの小さな王国の上で渦巻いている。
    自分の王としての権利にしがみつき、若いアメリカ人の王妃(東洋のグレース・ケリー)に操られているんだ、出来損ないの政治家だ、と色んな意見はあるけれど、結局のところシッキム王国に何ができたか。
    インドの手下となったネパール系の反対派との動きの詳しい本はこちら。
    “Smash and Grab” Sunanda K. Datta-Ray 1984 >>

    インドとなった現在もインドからシッキム州に行くには検問を通ります。
    私は2023年に行ったけど、外国人は要ビザ。
    シッキム州でシッキム人以外が不動産を買ったりビジネスを始めるのはかなり困難。
    面白いのは、18世紀から圧倒的にネパール系が多いのに、観光地も含め主要な寺院はチベット仏教系。
    自然が豊かなので次回行くときはぜひもっと北部に、それこそこの著者が訪れたペリンに。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Sikkim, Requiem for a Himalayan Kingdom” Andrew Duff (2015) Review | Fell in love with Sikkim
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Sikkim Requiem for a Himalayan Kingdom【電...
    価格:2,080円 (2025/10/10時点)



    ●●● アマゾン ●●●

    Sikkim: Requiem for a Himalayan Kingdom (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(比較文学)』 ベン・ハッチンソン, 2018年 レビュー | つかみどころのない学問

    『(比較文学)』 ベン・ハッチンソン, 2018年 レビュー | つかみどころのない学問

    🔽 基本情報 🔽

    Comparative Literature
    A very short introduction
    Oxford University Press
    Ben Hutchinson, 2018
    (比較文学)
    ベン・ハッチンソン
    160 pages
    2025.9 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ オックスフォード大学出版の出すシリーズ
    ✔ 岳ものとしての比較文学とは何かを説く

    ★★★★☆ なるほど比較文学って私のやった映画学と同じ感じだ。勉強する分野は気の遠くなるほど広い。そういう掴みどころのない学問のことを、簡潔に説明してくれる一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    比較文学って掴みどころのない学問だったけど、ちょっとわかった。
    つまり私のやった映画学と同じ感じだ。

    勉強する分野は気の遠くなるほど広い。歴史、言語、技術、コロニアリズム、ショー者リズム、フェミニズム、コンシューマリズム、西洋、東洋、思い浮かぶものすべてを駆使。
    いろんな「イズム」が生まれる度にまたそれを拾う。

    あと、比較文学が分かりづらかったもう一つの原因は私がアングロサクソン系の国に生まれなかったから、にも関わらずアングロサクソン系の社会で高校から教育を受けたので、比較することはあまりにも普通で、わざわざ強調することがピンとこなかったからだ。
    そうじゃなくても日本は常に文化の違う中国や欧米を比べることが当たり前なのもある。
    それは、似たような文化の西欧が一番と思って暮らす人々とは感覚として違う。

    そういう掴みどころのない学問のことを、簡潔に説明してくれる一冊。

    人間は、比べる生き物。
    何かを知ると、他の何かと比べてしまう、非常にシンプルな思考。
    で、それで?
    今からの比較文学に求められているものは、比較することで何が生まれ、何を得るのか。
    そして、どこまで比較の対象となるのか。
    ちょっと昔はインターネットの時代と言われ、今はもうAIの時代。
    比較文化、映画学、また同じような一般教養、リベラルアーツの未来はどうなっていくんだろう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Comparative Literature” Ben Hutchinson (2018) Review | Comp. Lit.
    🔽 買えるところ 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Comparative Literature A Very Short Intr...
    価格:663円 (2025/10/7時点)


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Comparative Literature: A Very Short Introduction (Very Short Introductions) (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『 (アカバドーラ) 』ミケラ・ムルジア 2009年 レビュー | サルデーニャで終止符を打つ女性

    『 (アカバドーラ) 』ミケラ・ムルジア 2009年 レビュー | サルデーニャで終止符を打つ女性



    Accabadora
    Michela Murgia, 2009
    (アカバドーラ)
    ミケラ・ムルジア
    208 pages
    2024.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ イタリア、サルデーニャ州の伝統「終止符を打つ女性」
    ✔ 保守的な社会における女性の立場や魔力
    ✔ サルデーニャを代表する作家の有名な小説

    ★★★★★ イタリア、サルデーニャで末期患者やその親族の苦しみに終止符を打つ女性のこと。善か悪か、天使か悪魔か死神か、それはもう問題ではない。圧倒的な威厳を持った一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    小説「アカバドーラ」現代サルデーニャ文学の最高峰。
    アカバドーラとは、末期患者やその親族の苦しみに終止符を打つ女性のこと、そう、その町で暗黙の了解の中、患者に安楽死をもたらす役目を背負った女性。

    とてもサルデーニャ的でとても地中海文化的。
    土埃の立つ乾いた家の壁、バールに座っている男たち、一日中家事に追われる女たち。
    草原に緑はなく茶色に乾いた草がいつこの地を炎に包もうかと小さな火花を待つ。

    生を与える助産婦が女性なら、生を終わらせるのも女性。
    少女マリアを引き取ってくれた独り身の女性は時折真夜中に黒尽くめの服を着て静かに家を出る。そして翌朝何もなかったかのように帰って来る。

    善か悪か、天使か悪魔か死神か、それはもう問題ではない。
    いま行われるべきか否か。

    サルデーニャでは実際に存在していたと考えられている。
    窒息という方法か、もっと有名なのは槌を使用する方法。
    現在も安楽死の問題は解決しないし、間違いなく客観的に100%正しいという答えは出てこないかもしれない。

    伝統に縛られた厳格な小さな町で、その大きく揺れる心境を圧倒的な力強さと威厳を持って描く一冊。
    日本語もいつか出るといいですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Accabadora" Michela Murgia, (2009) Review | A woman who ends life
    🔽 買えるところ 🔽

     ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Accabadora【電子書籍】[ Michela Murgia ]
    価格:1,500円 (2025/10/7時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Accabadora (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

    ★★★★★ Accabadora, a woman in Sardinia who ends the suffering of very ill and their families. Is she an angel or a devil? That’s not the point any more to them. A book with an unusual dignity.

  • 『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 レビュー | 5つのアジア分離独立の悲劇

    『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 レビュー | 5つのアジア分離独立の悲劇



    Shattered Lands
    Five Partitions and the Making of Modern Asia
    Sam Dalrymple, 2025
    (シャタード・ランド
    5つの分離独立と現代アジアの誕生)
    サム・ダルリンプル
    528 pages
    2025.09 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 大英帝国の支配下にあったインド帝国の分離の歴史
    ✔ 当時の世界の人口25%の人間の移動と略奪と悲劇
    ✔ 20代の若き歴史家のヒューマニズムにあふれる一冊

    ★★★★★  今日のアジアを造り上げた分離独立。現在のイエメンからミャンマーに広がっていたインド帝国で民族や宗教の枠を超えてコスモポリタンな社会に生きていた人々の生活が命が粉々に引き裂かれた。現在も続く、誰も知らない誰も語らない暗い歴史を丁寧に書いた、今後の歴史に残る一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    現代アジアを造り上げた分離独立、パーティション。
    その背景は日本人だけでなく、当事者のインド周辺の現地の人にも、英国人にも世界中でも知られていない。
    バングラデシュ、ミャンマー、カシミヤ、そういうニュースで見る地域の問題は、自然発生したものではなく、もちろん現地の人が単純に暴力的だからでもない。
    何事にも理由がある。

    日本での第二次世界大戦の終戦日のぴったり2年後、インド帝国が英国から独立。
    それは有名だけれど、そのインド帝国、つまり現在のイエメンからミャンマーまでの壮大なエリアがその前後にどう分けられていったかはあまり知られていない。
    というか、イエメンからミャンマーまで、その間に現在のカタール、アラブ首長国連邦、ブータン、など無数の藩王国があったのすら知られていない。
    5つの分離、つまりミャンマーの独立、アラビア半島の独立、インド・パキスタン分離独立、印パによる500ほどの藩王国の吸収、バングラデッシュの独立。

    「知られていない」と繰り返し書いているけれど本当にそうなのだから仕方がない。
    英国はインド帝国の利益によって支えられていたけれど、大英帝国の人口は当時の世界の人口の25%!
    戦争により経済が崩れた英国は取り急ぎ十分な準備もなく独立を進める。
    大英帝国といえば、どこにいっても嘘をつき続け、右に左に騙し続け、最後は自分の手は汚さずさっさと逃げ出す、いつも同じパターン。

    Shattered Lands、粉々になった土地、というタイトルの通り。
    戦時中にまずミャンマーが分離。(しかも当時ミャンマーの現ヤンゴンが世界で人の出入りが激しい港、つまりニューヨークなんか追い越した大都会だったと。なんと。)
    当時人口の16%いたインド系の人間はミャンマー人じゃない、と追い出される。
    この本は5つの独立分離について非常に詳しく描かれているけれど、5つとも現地の人々の反応、待遇、対応、残酷さはすべて似ている。
    民族や宗教の枠を超えてコスモポリタンな社会に生きていた人々。
    何百万という人間が新しく引かれた国境を超え、もちろん多くは難民となり、少なくない数の人が虐待、強姦、そして殺された。

    粉々になった土地、ばらばらに引き裂かれた人々。
    カシミア紛争を含むインド・パキスタン情勢、ロヒンギャ難民問題などその多くは解決していない。
    他のところで聞いたことだけど(彼のお父さんのポッドキャストで)、この時代を生きた人は、それこそ戦争に駆り出された日本のおじいちゃんたちもそうかも知れないけれど、多くを語りたがらない。
    彼らはその恐怖と過ちと恥を墓まで持っていくつもりで口は開かない。
    その子どももなんとなく聞きづらくて追求しない。
    でも今、孫の代になって初めて真相が明らかになっているという現象が起きているらしい。

    細かく言うと色々とあるんだけど、それはいつかきっとこの本が日本語に訳され日本でも多くの人の手にわたることを願い省くとして(ミャンマーには日本もかなり関わってきます)、全体として印象深かったのは、分離独立前は各々の地域によって生活習慣も違っていたのに、セキュラ―な社会、非宗教的な社会だったということ。
    完全に平和かといえばそうじゃなかったにしてもギリギリのバランスは保たれていた。
    それが突如、超宗教的で、国民主義的、ナショナリズムに走ったはっきりいって差別的で軍事的で暴力的な社会を次々と生み出してしまった。
    英国の下で植民地化された社会が良いとは言えないけれど、じゃあ紛争のないアジアを目指したとき、人々はセキュラ―であることを目指し宗教や伝統を蔑ろにしたほうがいいのか。
    共同体が与えてくれる安心感は過去の産物になるのか。
    伝統は狂暴なのか。

    この本には毎ページに驚きが隠されている。
    素晴らしい歴史本は大概まるで物語を読んでいるように感じるけれど、この本もそう。
    28歳の著者サム・ダルリンプル氏はヒューマニズムに溢れ人間的で、情熱を持った人物だと言うのが手に取るようにわかる。
    これだけ残酷な歴史を語る本の中にも、それでも宗教の違う友人が命をかけて助け合った話をきちんと残してくれるし、彼自身も独立分離によって故郷に帰れない人の代わりに国境を超えて代理で会いに行くという活動もしている。

    もちろん父親がウィリアム・ダルリンプルということはプラスに働いているけれど、彼は20代にして初出版にして、もう自分の足で立っている歴史家の一人。
    インドでもダルリンプル親子がベストセラーのチャートにずっと上ってたし、インド史周辺はなかなか面白いことになりそう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Shattered Lands" Sam Dalrymple(2025) Review | Making of new Asia
    🔽 買えるところ 🔽

      ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Shattered Lands: Five Partitions and the...
    価格:3,430円 (2025/10/5時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Shattered Lands: INTERNATIONALLY BESTSELLING AND PRIZE SHORTLISTED NEW HISTORY OF FIVE PARTITIONS AND THE RESHAPING OF MODERN ASIA (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(グルカの娘)』Prajwal Parajuly, 2013年 レビュー | ネパールとディアスポラ

    『(グルカの娘)』Prajwal Parajuly, 2013年 レビュー | ネパールとディアスポラ



    (グルカの娘)
    The Gurkha’s daughter
    Prajwal Parajuly, 2013
    280 pages
    2024.09 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ネパール人のディアスポラを描いた短編集
    ✔ 遠くなっていく伝統と強くなっていく故郷への想い
    ✔ ネパールの貧困をベースにした現象の個人的なストーリーたち

    ★★★★☆ ネパールは貧しさや紛争により昔から外に出ていく人が多くディアスポラの問題が後を絶たない。遠くなっていく伝統としきたり、強くなっていく故郷への思いという避けようのない物語を彼らは背負っている。じんわりと心に残る短編集。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ネパール人またはネパールに関わる人々のストーリーの短編集。

    ネパールは貧しさや紛争により昔から外に出ていく人が多くディアスポラの問題が後を絶たない。
    自分の住んでいる土地に、生まれた土地に属している感覚がないという問題。
    インドのダージリンはネパール系が過半数で彼らの故郷の意識は統一されていない。
    ブータンに住む故郷ネパールから追い出された難民。
    カリンポンに住むビハール出身のムスリムの商人。
    ニューヨークにすむネパールに行ったことがない移民の子。

    彼らの物語は辛くて悲しい、でもドラマチックには描かれない。
    だって彼らの人生はリアルで、大袈裟なドラマではない。
    遠くなっていく伝統としきたり、強くなっていく故郷への思いという避けようのない物語を背負っている。

    日本にも多くのネパール人が住んでいるということも忘れてはいけない。

    じんわりと心に残る短編集。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Gurkha’s daughter” Prajwal Parajuly (2013) Review | Nepal and Diaspora
    🔽 買えるところ 🔽

      ●●●●●楽天●●●●●

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    The Gurkha's Daughter shortlisted for th...
    価格:1,692円 (2025/10/5時点)


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    The Gurkha's Daughter: shortlisted for the Dylan Thomas prize (English Edition)


    ⏩️ Amazonプライム★対象のアニメ・映画・ドラマがぜんぶ見放題 ⏪️

  • 『(黒水仙)』ルーマー・ゴッデン, 1939年 レビュー | じんわりと崩れる修道女たち

    『(黒水仙)』ルーマー・ゴッデン, 1939年 レビュー | じんわりと崩れる修道女たち



    Black Narcissus
    Rumer Godden, 1939
    (黒水仙)
    ルーマー・ゴッデン
    258 pages
    2024.08 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    (日本未出版、日本では映画のみ)


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ヒマラヤの山奥に建てられた寂しい修道院での生活
    ✔ 現地の人間と修道女たちの葛藤、修道女同士の葛藤
    ✔ モラルが崩壊後は予想通りのドロドロなドラマに

    ★★★★★ 大好きなドロドロドラマ。イギリス領ダージリン近辺の山の中にある元ハーレムの孤独な修道院。慎ましい生活のはずだった。修道女として人間として女としてのモラルがじんわり崩れていき読んでいてそわそわする。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    イギリス領ダージリン近辺の山の中、元ハーレムだった建物が孤独な修道院に改築され、そこへ移ってきた修道女たちのストーリー。
    それだけでもうヒステリックでダークな展開が想像できるけど、その通り、彼女たちの慎ましい生活は少しずつ狂っていく。

    地元の人はだれも望んでないのに、勝手にやってきて勝手にキリストの教えを説くというおこがましさは当時どこでも見た風景だけど、誰からも反対されるそんな空気の中で貞節の誓いを立て清く正しく生きるという決意はいいんだけど、長く続くはずはなかった。当然。

    地元の将軍の言う通り「神様であるカンチェンジュンガの山に近づきすぎると精神を崩しますよ」

    ダークで性的な緊張感や白人至上主義とキリスト教の博愛主義の葛藤、さらには大英帝国帝国の崩壊、モラルの崩壊、など確かにベストセラーになるにはダークすぎる。
    でも人間として、女としてのネガティブな部分がじんわりと滲み出ていて、どんどん落ちていく彼女たちのモラルに、読んでいてドキドキ、ハラハラ、そわそわする。
    インド独立の年のタイミングで映画化までされたようで、すごい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Black Narcissus" Rumer Godden (1939) Review | Nuns slowly go mad
    🔽 買えるところ 🔽

      ●●●●●楽天●●●●●

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Black Narcissus【電子書籍】[ Rumer Godden ]
    価格:1,823円 (2025/10/5時点)


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Black Narcissus (Virago Modern Classics)



  • 『 (自閉症の子供のための早めのスタート)』 Sally J Rogers, 2012年 レビュー | 2,3歳くらいの子の家族

    『 (自閉症の子供のための早めのスタート)』 Sally J Rogers, 2012年 レビュー | 2,3歳くらいの子の家族



    An Early Start for Your Child with Autism: Using Everyday Activities to Help Kids Connect, Communicate, and Learn
    (自閉症の子供のための早めのスタート)
    Sally J Rogers, etc, 2012
    342 pages
    2024.07 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アメリカの2,3歳の自閉症の子の家族のための本

    ★★★★☆ 2、3歳の自閉症の子の家族のための本。でも本自体はとても良いので、裏付けの理論をきちんと読めたのは良かった。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    間違いなく読むの遅すぎた。この本は2、3歳の自閉症の子の家族のための本。
    うちの子はもう6歳。

    それでもまあ、セラピーの先生がこの方法を選んだのかとか、この段階はこれだ、などの裏付けの理論をきちんと読めたのは良かった。

    自閉症と診断されたばかりの、まだ就学前の子の家族におすすめです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “An early start for your child with Autism” Sally J Rogers (2012) Review | For toddlers
    🔽 買えるところ 🔽

      ●●●●●楽天●●●●●

    An Early Start for Your Child with Autism Using Everyday Activities to Help Kids Connect, Communicate, and Learn【電子書籍】[ Sally J. Rogers, PhD ]


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    An Early Start for Your Child with Autism: Using Everyday Activities to Help Kids Connect, Communicate, and Learn (English Edition)



  • 『(ロンドンイズリントン区の犯罪史)』 Islington Archeology & History Society, 1989年 レビュー | 犯罪、警備、刑務所の記録

    『(ロンドンイズリントン区の犯罪史)』 Islington Archeology & History Society, 1989年 レビュー | 犯罪、警備、刑務所の記録

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドン北東部と言いつつほぼ中心にあるイズリントン区のヴィクトリア朝における犯罪、警備、刑務所の歴史エッセイ集。

    ロンドンの中心地は現在の金融街シティで、そのすぐ北にあるイズリントン区は今も昔も悪名高きエリア。まさにオリバー・ツイストの世界を今でも垣間見ることができる。
    興味深かったのは、当時シティ以外には警察や警備の組織が存在しなかったという点、そしてその当時から、窃盗などの軽犯罪は貧困からくるものなので住宅問題に取り組んだという点。
    もちろん、イズリントン区内だけでも5つもあったという刑務所システムも街の掃除に貢献した。

    当時は大英帝国の最盛期、英国は世界の四分の一を牛耳っていたのに、蓋を開けてみると首都ロンドンの市民の大半は貧困に苦しんでいたという皮肉な現実。

    ロンドンに住んでいた10年以上ほとんどをこのイズリントン区で過ごしたので、この狭いエリアの歴史は、誇れるものではないけれど奥深い。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Criminal Islington" Islington Archeology & History Society, (1989) Review | Crimes, policing and prisons
    🔽 買えるところ 🔽

    なし



  • 『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 レビュー | 暴力な世界の中の美しい物語

    『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 レビュー | 暴力な世界の中の美しい物語



    Afterlives
    Abdulrazak Gurnah, 2020
    アブドゥルラザク・グルナ
    288 pages
    2024年7月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 欧米の戦争に巻き込まれる植民地アフリカの人々
    ✔ 残酷で暴力の中でも自分たちの小さな幸せを握りしめる
    ✔ 踏みにじられる人生のわずかな美しさを描く物語

    ★★★★★ 戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。2021年ノーベル賞受賞作家。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。

    人々の生活や愛情は、戦争という外部の環境によってボロボロに破壊されるということを忘れてはいけない。
    アフリカの人々の人生は、ヨーロッパ人が勝手に始めた戦争、つまりアフリカに住む人々とは全く関係のない殺し合いビジネスによって左右される。
    それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。
    そんな狂暴な環境でも、植民地主義上の植民者と先住民でありながらも少しマジカルなでも一人間同士の関係も描かれていて少し希望を持つこともできる。

    2021年ノーベル賞受賞


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Afterlives" Abdulrazak Gurnah (2020) Review | A beautiful story told in a cruel and violent environment
    🔽 買えるところ 🔽

      ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    AFTERLIVES(B) [ ABDULRAZAK GURNAH ]
    価格:2,341円(税込、送料無料) (2025/10/4時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●


    Afterlives: By the winner of the Nobel Prize in Literature 2021



  • 『(中年の危機への哲学的な対応)』キーラン・セティア, 2017年 レビュー | もっと良い人生だったかもは幻想

    『(中年の危機への哲学的な対応)』キーラン・セティア, 2017年 レビュー | もっと良い人生だったかもは幻想



    Midlife
    A philosophical guide
    Kieran Setiya, 2017
    (中年の危機への哲学的な対応)
    キーラン・セティア
    186 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 中年の危機を平和に過ごすサバイバル本
    ✔ 哲学的な答えを見つけるという楽ではない解決法
    ✔ 中年になる前に読んでおくのもアリ


    ★★★★☆ 「中年の危機への哲学的な対応」。もっと良い人生を送れたかもしれないは幻想であり、実際は今あなたが手にしている人生より良くなる可能性はなかった。だから今を楽しもう、楽な自己啓発ではないけど面白い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「中年の危機への哲学的な対応」という意味で、そういう内容。
    いわゆる普通の自己啓発本ではない、哲学的な考えを身につけることでほぼ誰もが陥る中年の危機を生き抜くと。いうことで楽な解決法は教えてくれない。

    大体において「もっと良い人生を送れたかもしれない」は幻想であり、実際は今あなたが手にしている人生より良くなる可能性はなかったと考えれること。
    結果に左右されず、今自分が行っている行動に重点を置き、その行動自体を楽しもう、と。

    40代の中年に入る前に読むのも心の準備になるのかも。
    ミッドライフ・クライシスの危機に面している主人公の本をいろいろ紹介してるのもよかった。
    で、最後はやっぱり仏教と瞑想で終わる。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    "Midlife" Kieran Setiya (2017) Review | Could it have been better? Probably not.
    🔽 買えるところ 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Midlife: A Philosophical Guide (English Edition)



  • 『The French art of tea』 Mariage Frères, 2006年 レビュー | マリアージュフレールの歴史とカタログ

    『The French art of tea』 Mariage Frères, 2006年 レビュー | マリアージュフレールの歴史とカタログ



    The French art of tea
    Mariage Frères, 2006
    L’Art Français du Thé
    104 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ パリの老舗マリアージフレールのお茶の本、兼カタログ
    ✔ フランス人の茶に対する価値や態度を学べる
    ✔ 茶の歴史書としては偏っている、自社カタログ箇所は豊富

    ★★★☆☆ マリアージュフレールが出している本、兼カタログ。前半の歴史のその内容の正確さは曖昧でも、フランス人がお茶、紅茶の価値をどう思っているかがわかる。植民地時代の華やかな歴史、オリエンタリズム全開。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    マリアージュフレールという日本にも支店のある創業1854年のパリのお茶屋さんが出している本、兼カタログ。

    前半は簡単にだけど歴史や伝統、お茶の地理などがある。
    例えば日本では鉄瓶でお茶を淹れるとか、たまに内容は怪しいけど(急須だよねー)その内容の正確さは当てにならなくても、フランス人がお茶、紅茶の価値をどう思っているかがわかる。
    つまり、フランス人にとっての茶は植民地時代の華やかな歴史を物語るものであり、その東洋のエキゾチックさというのが魅力であるわけで、書いてある文章の向う側にあるものが面白い。
    「道は狭く急だったので茶の箱は現地民の青年が担いで運んだ」ことが恰もそのお茶の価値であるかのような、オリエンタリズム全開で100年前に書かれたのかなと思うほど。
    後半はカタログと製品説明。
    紅茶はよく買うのですが、まあそういう視点が売りなので仕方ないのかと。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The French art of tea" Mariage Frères (2006) Review | History and catalogue

    🔽 買えるところ 🔽

    ●●●●●アマゾン●●●●●

    The French Art of Tea



  • 『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 レビュー | カリンポンの歴史とキリスト教

    『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 レビュー | カリンポンの歴史とキリスト教



    Chasing a blazing fire in the Himalayas
    A brief sketch of the (un)noticed Kalimpong Pentecostal revival
    Anmol Mukhia, 2020
    146 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インド北東部の街カリンポンとキリスト教の歴史
    ✔ 特にペンテコステ派とカリンポンの繋がりについて
    ✔ 途中から良いキリスト教になるとはと内容は変わる

    ★★☆☆☆ インド北東部ダージリン近くの街カリンポンとキリスト教のつながりについて書いてある、最初は。途中から良いキリスト教になるにはという関係のない話になるので、前半に星をあげるという意味で。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    雰囲気で買ってしまったけど、前半は良かった。
    カリンポンはインド北東部の西ベンガル州の北部、ダージリン近くの街。
    ここは英国人が紅茶栽培で住み着いて以来キリスト教布教が盛んで、当時はインド全土にいた英国人が子どもをカリンポンやダージリンのキリスト教系の学校に送っていた。
    なのでそこまでは知っていたけれど、この本は特にペンテコステ派とカリンポンの繋がりについて詳しく書いてある。
    そう、前半は。
    最後の方になると、トーンが変わって良いキリスト教徒になるには、という結論で終わる。
    タイトルともカリンポンの街とも関係ない説教で終わるので、かなり飛ばしながら読んだけど、最初が面白かっただけに残念。
    
    🔽 買えるところ 🔽
    English review
    "Chasing a blazing fire in the Himalayas" Anmol Mukhia, 2020 Review | History of Kalimpong's Christianity
    
    🔽 買えるところ 🔽

    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Chasing A Blazing Fire In The Himalayas (English Edition)



  • 『(Otherwise Pandemonium)』 ニック・ホーンビィ, 2005年 レビュー | 初めてのホーンビィ

    『(Otherwise Pandemonium)』 ニック・ホーンビィ, 2005年 レビュー | 初めてのホーンビィ



    Otherwise pandemonium
    Nick Hornby 2005
    ニック・ホーンビィ
    64 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ サラッと読めるショート二本立て


    ★★★★☆ サラッと読めるショート二本立て。全然感じが違ってるけど、二本目の息子の秘密を見つけるお母さんのコメディーのほうが好き。初めてのホーンビィ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ショート2本立ての短い本。多分、初のニック・ホーンビィ。
    最初のSFっぽいショートもいいけど、二本目のNot a Starのほうが好きだった。
    お母さんが自分の息子の秘密の仕事を知るんだけど、でもまあいいや、的ないいお話。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Otherwise Pandemonium" Nick Hornby (2005) Review | My first Hornby
    🔽 買えるところ 🔽

    ●●アマゾン●●

    Otherwise Pandemonium (Pocket Penguins)




  • 『(Spectacles a memoir)』 スー•パーキンス, 2015年 レビュー | ドキュメンタリーでは無茶しっぱなし

    『(Spectacles a memoir)』 スー•パーキンス, 2015年 レビュー | ドキュメンタリーでは無茶しっぱなし



    Spectacles a memoir
    Sue Perkins, 2015
    377 pages
    2024年4月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ イギリス人のBBCをベースに活躍するコメディアン
    ✔ コンテスト番組で有名、辺境へ向かうドキュメンタリーも

    ★★★★☆ スー•パーキンスはイギリスのお茶の間で一番好きな人、BBCの中では最高峰。ドキュメンタリーでは無茶しっぱなし。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    スー•パーキンスはイギリスのお茶の間で一番好きな人、BBCの中では最高峰。

    当時トークショーに行って並んでサインももらったけど、そこで満足して読んでないことを8年ほど忘れていたという。

    頭の回転が早く面白い、でもオチャメな感じで、ばか正直な所もあって、ドキュメンタリーでは無茶しっぱなしで、何よりも人間味がある。
    つまり素敵な人間。彼女のドキュメンタリーは全部面白い。
    イギリスの料理コンテスト番組,ブリティッシュ・ベイクオフ(Great British Bake Off)で最初のシーズンで司会者の一人となったことで超有名に。

    この本もハチャメチャな愛に溢れている。
    レズビアンなのはみんな知ってるけど、大きな病気をしていたのは知らなかった。
    でもこの本でびっくりしたのは彼女は思ったよりも上の年齢だったこと。
    かなり身体的にきつそうなドキュメンタリやってたけど…
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Spectacles a memoir" Sue Perkins (2015) Review | My fave TV personality
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Spectacles【電子書籍】[ Sue Perkins ]
    価格:1,428円 (2025/10/2時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Spectacles (English Edition) Kindle版





  • 『(茶:世界を変えた飲み物) 』ジョン・グリフィス, 2007年 レビュー | 生真面目さのお陰で詳しい本

    『(茶:世界を変えた飲み物) 』ジョン・グリフィス, 2007年 レビュー | 生真面目さのお陰で詳しい本



    Tea, the drink that changed the world
    (Tea: A History of the Drink That Changed the World)
    By John Griffiths, 2007
    373 pages
    2024年2月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 茶農園のオーナを父に持つ政治家の著作
    ✔ 内部事情に詳しいので細かい数字や政治的意図も
    ✔ 漠然とした歴史ではなくカテゴライズされた詳細からの広い視点

    ★★★★☆ 英国人の心とプライドの近くにいるもの、茶。ワイン学でも英国人が強いのと同じでここでも政治的な面や数字的な要素も豊富でその生真面目さのお陰で詳しい本になっている

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    お茶の本というのはとりあえず買う、というのが私の方針です。これはダージリンの街の中心の本屋で買った思い出の本。
    どの紅茶が美味しいとか分類とかそういうことじゃなく(日本はそういう本が多い)、お茶のその興味深く残酷な歴史の本もたくさんある。でもこれは少し違う。

    「世界を変えた飲み物」まさに。欧州人は東アジアのお茶に憧れ、南アジアを人工的に産地にし、中国を滅ぼし今はアフリカでもっと安く作っている、お茶。

    お茶、紅茶について、その全てが書かれている本。
    著者はお茶の農園をやっていた英国人の息子で政治家ということもあり、内部事情にかなり詳しいし何よりも政治的な面やきちんと数字に表すという面が特徴的。
    どの時代にお茶が何トン売れたか、値段の変動は、とか。

    お茶の文化や大変な歴史、そして当時の英国の政情、ここではそういったのも含め観点、テーマごとにまとめられている。
    本の中でその分類の仕方が分かりにくいところもあったけど、それだけ広い視点から書かれているということ。

    ワイン学なんかでも英国人が強いのと同じでここでもその生真面目な英国人さが出ている。でもワインよりももっと英国人の心とプライドの近くにいるもの、それがお茶。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Tea, the drink that changed the world" John Griffiths (2007) Review | Tea, very close to the hearts and pride of British
    🔽 買えるところ 🔽

    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Tea: The Drink That Changed the World




  • 『(世界を変えるのに若すぎるということはない) 』グレタ・トゥーンベリ, 2019年 レビュー | そして世界を変えた少女

    『(世界を変えるのに若すぎるということはない) 』グレタ・トゥーンベリ, 2019年 レビュー | そして世界を変えた少女


    nooneis
    (世界を変えるのに若すぎるということはない)
    No one is too small to make a difference
    Greta Thunberg, 2019
    グレタ・トゥーンベリ
    68 pages
    2024年1月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ グレタのスピーチをまとめたもの
    ✔ 文字に起こし彼女の主張にぶれがないことがよくわかる
    ✔ 実際に政界を変えた当時16歳のパワー

    ★★★★☆ 「世界を変えるのに若すぎるということはない」
    グレタのスピーチが文字になっていることで彼女の主張がいかに明確でブレがなく芯が通っているかがわかる。若者は自分たちには社会に変化を与える力があると気付かされた。

    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「世界を変えるのに若すぎるということはない」
    グレタのスピーチを書き起こしたもの。文字になっていることで彼女の主張がいかに明確でブレがなく芯が通っているかがわかる。

    彼女は実際に世界を変えてしまった。
    若者は自分の周りの問題に意識を向けるようになり、自分たちには社会に変化を与える力があると気付かされた。そしてアスペルガー症候群や自閉症の人々が持つパワーも世界に見せつけた。

    そして同時に当時16歳だった彼女を目の敵にして、個人的に名指しで攻撃し、彼女の主張でなく外見を貶しいじめる大の大人がいることも明らかになった。
    それでも、どんなに権力や財力のある大人が騒ごうと密かに彼女を怖がろうと、彼女の目的や言動はコンスタントで未だに辞める様子もない。頼もしい。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "No one is too small to make a difference" Greta Thunberg (2019) Review | And she made a difference

    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    No One Is Too Small to Make a Difference...
    価格:1,900円(税込、送料無料) (2025/10/1時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●
    nooneis
    No One Is Too Small to Make a Difference (English Edition) Kindle版
    
    
    
    
    

  • 『Piglet』 ロッティ・ハゼル, 2024年 感想 | 頑張って作り上げた自分像を壊すか

    『Piglet』 ロッティ・ハゼル, 2024年 感想 | 頑張って作り上げた自分像を壊すか

    🔽 ログ 🔽
    Piglet
    Lottie Hazell 2024
    ロッティ・ハゼル
    282 pages
    2025年7月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    現代女性の怒りのストーリー。頑張りすぎて、人の意見や期待に合わせてばかりな彼女。そして食、食べることについて。

    結婚2週間前のテンションマックスのピグレットというあだ名の女性は相手の男性から裏切りの告白を受ける。頑張って作り上げた自分像をこの期に及んで壊すか、それとも頑張り続けるか、嫌いだった実家に戻るか。

    いや、高級スーパーで買い物するわたしを見て。おしゃれな料理を作るわたしを認めて。

    今の働く女性、頑張ってる女性、期待に応えようと走り続ける女性はやっぱり共感してしまう。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Piglet" Lottie Hazell (2024) Review | Will you break the perfect life?
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Piglet: ‘If I owned a bookstore, I’d hand-sell Piglet to everyone’ New York Times Book Review (English Edition)





  • 『(古代世界のバイセクシュアリティ』エヴァ・カンタレラ , 1988年 レビュー |  ローマとギリシャのセクシュアリティ

    『(古代世界のバイセクシュアリティ』エヴァ・カンタレラ , 1988年 レビュー | ローマとギリシャのセクシュアリティ



    Bisexuality in the Ancient World
    Eva Cantarella, 1988
    Secondo natura
    (古代世界のバイセクシュアリティ)
    エヴァ・カンタレラ
    286 pages
    2025年6月読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ミラノ大学のローマ法、ギリシャ法の教授の著書
    ✔ ヨーロッパ古代文明におけるバイセクシュアリティの真実
    ✔ アカデミックな内容で古代文明の知識の基礎が必要

    ★★★★★ 男性は社会的義務として女性と結婚しつつギリシャでは教育として、ローマでは強さの象徴として、青年と関係を持つ。そしてマッチョ社会に疲れる



    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    こんなにアカデミックな内容とは知らず、ミラノ大学のローマ法、ギリシャ法の教授の本。
    日本では出ていないのでここでは内容もかなり触れます。

    ここでいうバイセクシャリティの定義は今の一般的な定義とは違う。
    古代ローマ、古代ギリシャでは男性は社会義務として女性と結婚をし、ギリシャでは教育として、ローマでは強さの象徴として青年と関係を持つ。
    男性と女性を同じように愛するというものではない。

    この本は古代ローマ、ギリシャの事について知識がある想定でバイセクシャル文化が語られるので、全然予習が足りなかった。
    ギリシャでは行為を通じて年上の男性が青年を教育する。ローマでは男性ローマ市民の強さを示すために青年、女性、奴隷を性的にも支配下に置く。

    いずれの場合も極端に女性蔑視で超マッチョイズム(machismo)。そして当時(男性によって作られ広げられた)キリスト教がやってくる。
    女性蔑視の強い宗教ではあるけれど観点が代わり「男性優位の社会を守るために、子供をたくさん産む女性と結婚して繁殖だけに重点を置きましょう」となった。
    そして現在に続く。

    でも著者が言うには、キリスト教が人々の考えを変えたのではなく、実はみんなマッチョに構えるのに疲れていたときに都合がいい思想が広がったから、キリスト教を利用しただけ、と。

    時代は変わり考え方も変わる。
    でも何千年たっても、なんとか男性優位の社会を維持しようという基本はあまり変わらないようです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Bisexuality in the Ancient World" Eva Cantarella (1988) Review | Then suffer from machismo
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Bisexuality in the Ancient World: Second Edition (Yale Nota Bene)

  • 『(イエローフェイス)』R. F. クァン, 2023年 レビュー | 真実は大事じゃない現代へ

    『(イエローフェイス)』R. F. クァン, 2023年 レビュー | 真実は大事じゃない現代へ



    Yellowface
    Rebecca F Kuang, 2023
    イエローフェイス
    R. F. クァン
    319 pages
    2025年6月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 才能あるアジア人の友人を持つ平凡な白人女性の嘘
    ✔ 真実を捻じ曲げても売れるためには何でもする
    ✔ やってはいけない、バレるかもしれない、のハラハラ感

    ★★★★★ すごい人気があるのは知ってたけど、確かに圧倒的に面白かった。真実は大事じゃなくて私たちが住むこの世の中の鏡のよう。いけないものを見るかのような心境でやめられない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    すごい人気があるのは知ってたけど、確かに圧倒的に面白かった。

    最初はAthena視線の人種差別的な話かなと思ってたら、そうじゃなくてJuneの話だった。
    ジューンという平凡な白人の女の子が、綺麗で才能豊かなアジア人アテナにちょっと異常なまでに執着、嫉妬してしまった。

    ネタバレせずにいるには、面白い、と漠然に言うことしかできない。
    どういうジャンルとか枠組みかとかが難しいストーリーだけど、つまりは今のこの世の中そのもので、正にそう!と言いたくなって、そしてまるで週刊紙を読むかのように、いけないものを見るかのような心境でページをめくることをやめられない。

    皆が皆で皆を貶して陥れようとして利用して、SNSが一番大事で真実はそう大事じゃなくて、つまり私たちが住むのこの世の中の鏡のような、で、どうせ流行はどうぜどんどん入れ替わっていく。

    著者Kuangの新作も出たばかり。
    読まなきゃー


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Yellowface" Rebecca F Kuang (2023) Review | Facts are not important
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    Yellowface【電子書籍】[ Rebecca F Kuang ]
    価格:2,057円 (2025/10/1時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Yellowface: The instant #1 Sunday Times bestseller and Reese Witherspoon Book Club pick from author R.F. Kuang (English Edition)


  • 『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 レビュー | 騒然とした南ロンドンの愛情にあふれたストーリー

    『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 レビュー | 騒然とした南ロンドンの愛情にあふれたストーリー



    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今人気の最近の小説をまとめてロンドンで買った中の1つ、なので相変わらず内容も知らないまま購入。でもそれがよかった。

    とても詩的。パッと表紙を見ただけでは予想できない雰囲気。
    表紙のエッジーな雰囲気は背景で、移民、黒人文化、南ロンドン、音楽、そういうものからは暴力的で騒がしいものを連想するけど、でもこれはそういう社会の渦の中にある、彼らの住む小さなスモールワールド。
    愛情に溢れ、優しさに包まれ、自由、家族、夢や悲しみの小さな世界。

    主人公は幼馴染みをひたすら想い続け、保守的な父親との関係に苦しむ、つまり誰もが共感できる誰もが住んでいる各々のスモールワールド。

    背景に聞こえるリズムと静かで深い愛、読み終わったあともその柔らかい気持ちが長く続く。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Small Worlds" Caleb Azumah Nelson (2023) Review | Tender feeling of understanding and belonging
    🔽 買えるところ / あらすじ、情報 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Small Worlds

  • 『Hunted』 アビール・ムカジー, 2024年 レビュー | 追いかけ追いかけられてのスリル

    『Hunted』 アビール・ムカジー, 2024年 レビュー | 追いかけ追いかけられてのスリル


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    アクション映画のような本。
    イスラムのテロリズムが軸になってるとは知らなかった。

    英国地方都市で静かに暮らしていたムスリム男性の娘にテロリスト容疑がかかり彼の世界が一転。そこに遠く離れたアメリカから白人女性がやって来て一緒に子供を救おうと言い放つ。
    警察が捕まえる前にテロリスト容疑の子供たちを見つける、無謀だけれどそれが親というもの。
    そしてその警察の組織から外れたある警察官も彼女自身の問題を抱えてあとを追う。

    じっくり考えるストーリーではないけれど、アドレナリン大放出でどんどんとページをめくれる。
    あと一歩、また逃げられた。すれ違った。
    テロリスト行為がいかに宗教とは関係が薄く、誰かの利益のためだけに多くを犠牲にする行為かを訴えている雰囲気もある。
    唯一ちゃんとキャラ設定がしっかりしているのはそのお父さんSajid。
    ムスリムのお父さん、今までの価値観をぶっ壊されて、娘のために走ります。

    長距離フライト用に選んだけど、読んだり寝たりにピッタリだった、良い選択。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Hunted" Abir Mukherjee (2024) Review | Keep reading keep chasing
    🔽 買えるところ / あらすじ、情報 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●

    Hunted Discover the new pulse-pounding, twist-packed thriller【電子書籍】[ Abir Mukherjee ]


    ●●●●●アマゾン●●●●●

    Hunted: Discover the new pulse-pounding, twist-packed thriller (English Edition)



  • 『The Dream-Pedlars Parade』 マーク・バウシャー, 2025年 レビュー | ダークな雰囲気のYA

    『The Dream-Pedlars Parade』 マーク・バウシャー, 2025年 レビュー | ダークな雰囲気のYA



    🔽🔽読書記録🔽🔽

    ロンドンの友人の本、Myrthaliシリーズ第2作目。
    最初のも良かったけどこの続編もいい。

    作者曰く、もっとダークな雰囲気とのことで確かにそう。前回から成長した主人公、1作目はもっと体力的にきつい冒険だったのが今度は精神的きつい冒険に。対面する人物や挑戦に対し、そして自分に対し不安や疑問を抱く。真夜中の世界で夢の中での自分の弱さとの戦い。

    このYA(ヤングアダルト、ティーン向け)の本が好きな理由はもうひとつ、いわゆる典型的な人物像に静かに挑戦していること。主人公はインド系イギリス人の少年だったり、パッと見分からない障害をもっていたり、ジェンダー、年齢、能力など、読者が勝手にステレオタイプを想定している要素に反抗している。でも決してそれ自体はストーリーに無関係であくまでバックグラウンドとして。

    珍しくe bookで読んだ一冊、500ページ越えの長編だけど面白いのでどんどん進める。シリーズ第3作も楽しみ
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Dream-Pedlars Parade" Mark Bowsher (2025) Review | Darker sequel
    🔽 買えるところ / あらすじ、情報 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●

    The Dream-Pedlars' Parade Book 2 in the exhilarating Myrthali series【電子書籍】[ Mark Bowsher ]




    ●●●●●アマゾン●●●●●

    The Dream-Pedlars' Parade: Book 2 in the exhilarating Myrthali series (English Edition)
    (電子書籍)



  • 『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 レビュー | シッキム王国の壮絶な歴史と最後

    『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 レビュー | シッキム王国の壮絶な歴史と最後

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    何年も探した結果やっとデジタル本で友人に送ってもらった。
    結局紙媒体の本はインド政府に出版停止された本なので、探してもない。
    いやというか発売禁止にすると余計に盛り上がるから、印刷停止命令を出したそう。結果は同じこと。
    (追記;アマゾンで今年2025年から電子書籍として入手できます。リンクは↓)

    別のシッキムについての本で完全に魅了され2023年にシッキムまで行きました。
    あの辺は本当に不思議。ヒンドゥー教徒が過半数なのに(ヒンドゥー教のネパール系は80%以上)、寺院は仏教のお寺が多い。

    インド政府が出版後にすぐ停止させた理由は良くわかる。
    これは絶対に読んでもらいたくない。

    チョギャル(チベット系シッキム国王)を個人的に知っていたジャーナリストが書いたいわゆる暴露本で、彼が聞いたこと、見たこと、交わした会話、肌で感じたこと、当時の新聞記事など、この数年間の様子がこと細かく記録されている。

    シッキム王国の歴史の基本的な知識がないとこの本は難しい。
    その歴史自体についてちょっと簡単にいうと。
    シッキムはインドの北東部、ネパール、チベット、そしてダージリンのあるインド西ベンガル州、ブータンと各国に囲まれている、すごい立地。ヒマラヤ山脈の麓で冬は厳しいけれど豊かな地。
    長い間チベット系をトップに現地民レプチャ族と静かに暮らしていたけど、英国の紅茶産業がダージリンで始まり、18世紀に働き手としてものすごい数のネパール人が流れ込んできて、上流階級が少数民族となり、大半を占めるネパール系が差別されるという不思議な形に。(これはいまでもグルカ運動が続いていて解決されていない問題)
    1947年インド独立時にダージリンやカリンポンなどはインド西ベンガル州になるが、シッキムはそのままシッキム王国を維持。
    チョギャルが若いアメリカ人女性と再婚し東洋のグレース・ケリーと話題になったことで知られているかも。

    シッキム王国がインド、シッキム州になったのは1975年。
    インドは英国の植民地主義に苦しみ、独立を勝ち取って30年もしないうちに、インド自らがシッキム王国を植民地化したわけで、この史実は非常に都合が悪い。
    嘘、マインドコントロール、偽りの約束、賄賂にフェイクニュースになんでもあれ。
    そして圧倒的で一方的な暴力。
    Smash=ぶち壊して、grab=奪え。
    道徳的にまずいことは全部あった。
    インドはメディアをコントロールしてシッキム国王を悪者に仕立て上げ、増え続けるネパール系と権力を持つチベット系の社会問題を悪用し、慎んだ生活をしていた人々を騙して、インド側は見事に嘘に嘘を重ね、反対派を暴力で押さえつける。
    最後はインドが軍隊を送り込み、あっという間に王国はなくなった。
    少数の外国人が強すぎる権力を振りかざす、まさに帝国主義。
    インドの政治は複雑で私は勉強不足の部分も多かったけど、それでもあからさま。
    それでも、インドはシッキム王国のあの立地が欲しかった。
    どんな手を使ってでも確実にインドのものにしたかった。
    このインドの暗い現代史を今のインド人はどこまで知っていて、どう思っているのか。
    多分知らない。
    シッキム国民たちは自らの意思で正当な方法で素晴らしい国インドの一部になれた、と教えられているから。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Smash and Grab" Sunanda K. Datta-Ray (1984) Review | A dynamic history of Sikkim
    🔽 買えるところ 🔽

    ●アマゾン●
    SMASH AND GRAB:ANNEXATION OF SIKKIM (English Edition)
    SMASH AND GRAB:ANNEXATION OF SIKKIM (English Edition)