『小さきものたちの神』 アルンダティ ロイ, 1997年 レビュー | 感動が迫ってくるインド人作家の非線形の語り


小さきものたちの神
小さきものたちの神
アルンダティ ロイ, 1997
The God of Small Things
Arundhati Roy, 1997
2019.12 読了
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🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ インドの作家、活動家の非線形の語り口のデビュー作
✔ 南インドを舞台とした伝統的な文化や家庭のあり方への問
✔ ブッカー賞受賞

★★★★★ 少し少なめに愛されていると認識する子供時代と少しずつ少しずつ壊れていく日常。その繊細な美しさに驚き憑りつかれ、読み終わって本を閉じた時にじんわりと感動が迫ってくる。

🔽🔽 読書記録 🔽🔽

インドの作家で、同僚にオススメしてもらったもの。
なので全く予備知識もなく読んで、その繊細な美しさに驚いて、読み終わって本を閉じた時に、じんわりと感動が迫ってきた。

たしかに読みづらい。
それは事件を明確にしないまま時系列的にあちこちに飛んでいくという点と、インドの文化を知らないとついていけない部分があるという点で。
分からない単語やコンセプトも多く、調べながらの読書。
まさにトラウマを抱える人が、一番重要な事件を記憶の先頭に立たせるのに、その他の事についてぐるぐると思い起こすかにように話はあちらこちらへ飛んでいく。

これがインド人(インド系でなく、インド人)女性によって書かれたという意義。
アジア人、インド人の女性としての感覚、視点、描写は、西洋の中で生まれ育ってしまうと光ってこない。
「不可触民」がいるという生活、母であり、女であり、邪魔者であるという生活。
少し少なめに愛されていると認識する子供たち(双子) 、コンプレックス、差別、トラウマ、嫉妬、愛情、繋がり、禁断の愛、無。
少しずつ少しずつ壊れていく。

「子供たちが昼間慕う男性、母が夜に愛するその男性」という表現を含め、時に美しく時に冷たく、時に率直な表現が散りばめられていて、それを追うのが困難でもあり、この本の楽しみでもあり、取りつかれたように次のページに進んでしまう。
さすがブッカー賞。

これを読んで、ケーララ州に行きたくなって、実際に行ってカタカリという古典舞踊も一応見てきましたよ。

背景がすでに日本の日常からかけ離れているので、詩的なこの本の美しさを訳すのは大変そう。
オンラインでは日本語での定価がなさそうなので古本で探してみてください。
イギリスではいまだに売れている本だけどやっぱり日本にはなじみがなかったのかな。
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English review
"The God of Small Things" Arundhati Roy (1997) Review | Haunting, emotional, beautiful
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