カテゴリー: 文学 日本

  • 『花の鎖』 湊かなえ, 2013年 感想 | 強い女性 強い繋がり 強いストーリーテリング 

    『花の鎖』 湊かなえ, 2013年 感想 | 強い女性 強い繋がり 強いストーリーテリング 

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    最初は短篇集かと思うほど、それぞれが独立してるようなんだけど、段々と繋がりが見えてくる。
    時代背景が最初は分からないので商店街の繋がりのみでは想像できないけど、後半は、なるほど、と何度も頷いてしまう。
    
    強い女性。強い繋がり。強いストーリーテリング。
    凶悪犯罪はないけど、確かにミステリー。
    そしてきっと誰もが、きんつばが食べたくなる。
    
    
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  • 『さらば、夏の光よ』 遠藤周作, 1982年 感想 | 青春の淡さ、軽さ、冷たさ 

    『さらば、夏の光よ』 遠藤周作, 1982年 感想 | 青春の淡さ、軽さ、冷たさ 

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    二人の男と一人の女。
    小太りでモテない気の優しい青年、行動的だけど単純な親友、美しい同級生。
    
    何度も繰り返される普遍的な設定ではあるけれど、遠藤周作にかかれば、やっぱり光る。
    遠藤周作版シラノ・ド・ベルジュラックとも言える。
    青春の淡さ、軽さ、冷たさ。
    真剣で無謀で残酷で、それを一歩向こうから見ている作家本人という構成。
    
    例えば主人公はいい奴だったのか、親友はそんなにいい男だったのか。
    そこにはやはり若さ故に美化された部分があるのでは。
    優しくされればされるほど憎んでしまうという矛盾も。
    
    人間はか弱い小鳥じゃない。
    だからこそ、プライドを傷つけられるし、心はすれ違う。
    反抗し、絶望し、後悔し、残った者はその後の選択をし、そして同じことはまた繰り返される。
    四季がめぐるようにまた、その連鎖は途切れることなく学生たちは親友と愛する人の奪い合いをする。
    
    
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  • 『くっすん大黒』 町田康, 1997年 感想 | パンクなんです 

    『くっすん大黒』 町田康, 1997年 感想 | パンクなんです 

    🔽 基本情報 🔽
    くっすん大黒
    町田康, 1997
    192 ページ
    2020.09 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    不思議な短編二本。
    日常の異空間。
    普通の人の普通の日々、と思っていたらちょっとずつずれていって、かなりロックなのかパンクなのか、とにかく突っ走ってる。
    
    で、後書きを読んでみると、なるほどパンク歌手という肩書きなんですね。
    笑いと恐怖は常に紙一重。
    そう、笑っていいのかわからないチャアミイや、二本目の「河原のアバラ」の遺骨の件で会う人など、面白いんだけどヤバい。
    ヤバいけど笑える。
    
    パンクなんですね。
    
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  • 『猛スピードで母は』 長嶋有, 2005年 感想 | 強さと弱さのリアルな日常 

    『猛スピードで母は』 長嶋有, 2005年 感想 | 強さと弱さのリアルな日常 

    🔽 基本情報 🔽
    猛スピードで母は
    長嶋有, 2005
    110 ページ
    2020.07 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    二本の短編。
    ふんわり系と思っていたら、違う。
    最初のストーリーには、少女の目線からの親の離婚とその愛人のことが、
    もう一つには少年から見たシングルマザー母のことが。
    ドラマチックではないし、ふんわり系でもなく、リアルな日常と人には伝えにくい心情の動きや行動がそこにはある。
    
    初めての作家で女性かと思ったら男性だった。
    なのに女の子の心の動きや強い女性のちらりと見せる弱さの背景の動きなどが心地よい。
    
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  • 『とりつくしま』 東直子, 2011年 感想 | ふんわりと包み込む

    『とりつくしま』 東直子, 2011年 感想 | ふんわりと包み込む

    🔽 基本情報 🔽
    とりつくしま
    東直子, 2011年
    224 ページ
    2020.07 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    東直子のふんわりとした包み込むような世界。
    
    とりつく、とはちょっと怖いイメージもあるけど、優しく受け入れるという表現が近いと思うというか、それでいいんだよ、という感じがいい。
    
    死んでしまってちょっと後悔はしてる。
    後悔していいんだよ。
    大切な人の元に戻って言いたいことがある、うまくは伝えられない。
    それでもいいんだよ。
    
    視点が面白くて、死者の世界だから正義とかじゃなくて、ただそこにあるのは、想い。
    
    
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  • 『きよしこ』 重松清, 2002年 感想 | 力強いメッセージ

    『きよしこ』 重松清, 2002年 感想 | 力強いメッセージ

    🔽 基本情報 🔽
    きよしこ
    重松清, 2002
    291 ページ
    2020.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    著者のどもりをテーマにした彼の経験を元にしたストーリー。
    笑い者にされ、可哀想と思われ、それでも大人になっていく。

    どもりのせいで意見を言えず殻に閉じ困ってしまう、こういうことはどもりを持つ本人じゃないと分からないし、逆に同じ境遇の人は皆感じてることだと思う。

    小さくまとまっているように見えて力強いメッセージを送っている。
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  • 『乳と卵』 川上未映子, 2008年 感想 | 女性の普通というタブー 

    『乳と卵』 川上未映子, 2008年 感想 | 女性の普通というタブー 

    🔽 基本情報 🔽
    乳と卵
    川上未映子, 2008
    144 ページ
    2020.05 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    こんな作品は他にない。

    女3人の3日間。
    女であること、というテーマから、具体的に性的なツールになる胸、生殖のツールになる卵子、その過程である生理、女同士を見る事、見られる事。
    男の役割はなんなのか。
    そういう実は日常茶飯事だけど、タブーになる女性の普通を、不思議な文章で表す。
    読みにくい長文と入り混じる大阪弁。

    本には実は2作品が収められていて、もうひとつの方は繰り返す日常の中で女性が抱く淡い希望について。

    二作品とも地に足がついていて、日常の真実を語っていて、テーマや物語は鋭いのに、文体は優しく温かい。さすが芥川賞。

    世界中でファンが多い著者、私もロンドンで知って日本語で読む機会を待っていました。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Breasts and Eggs" Mieko Kawakami (2008) Review | Women's normality, society's taboo
    tag 女性主体
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  • 『水銀灯が消えるまで』 東直子, 2010年 感想 | 流れに乗って

    『水銀灯が消えるまで』 東直子, 2010年 感想 | 流れに乗って

    🔽 基本情報 🔽
    水銀灯が消えるまで
    東直子, 2010
    224 ページ
    2020.05 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    短歌の人、が書いた小説。
    たしかにそういう感じ。
    事実や順番、人間関係なんかに重点を置かず、雰囲気や流れに乗って次のページへと続く。

    ある廃れた遊園地をちょっと舞台にしながら、そこに集まって行く人達のそれぞれの人生、生き方。

    ちょっとミステリアスな世界で起こる小さなストーリーたち。
    好みかと言われるとそうではないけど、一気に読んでなんとなくその世界に数時間、迷い込んでしまうようなそういう読書の時間。
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  • 『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎, 1937年 感想 | 人間は誰でもいい

    『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎, 1937年 感想 | 人間は誰でもいい

    🔽 基本情報 🔽
    猫と庄造と二人のおんな
    谷崎潤一郎, 1937年
    日本
    176 ページ
    2020.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    猫のリリーがすべての中心。

    男はリリーを愛しリリーのみを愛する。
    人間の女は福子でも品子でも母でも誰でもいい。

    谷崎らしい片思いのドラマなんだけど、溺愛の対象は猫。
    しかも清楚な名前の西洋種の雌猫。
    主人なのか召使いなのか、男の愛情には気ままにしか対応しない。「痴人の愛」のナオミを極限まで引っ張って、ここでは美しい西洋猫リリーになる。
    周りに流される庄造、庄造に捨てられた女、猫以下の女。

    庄造の幸せとはつまり、猫のためだけに全てを捧げる事だった、んですね。
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    English review
    タグ: 谷崎潤一郎

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  • 『刺青・秘密』 谷崎潤一郎, 1910年 感想 | すでに確立された谷崎文学

    『刺青・秘密』 谷崎潤一郎, 1910年 感想 | すでに確立された谷崎文学

    🔽 基本情報 🔽
    刺青・秘密
    谷崎潤一郎, 1910
    日本
    336 ページ
    2020.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    谷崎潤一郎の処女作「刺青」、すでにエロティシズム、フェティシズムはテーマとして確立されていて、でも初々しさというか生々しさがある。

    足の美しさでその女の真の姿を見出し、目覚めさせる。
    さすがとしか言いようがない。

    「秘密」の逢引と悲しさも、「少年」の無邪気で偽りのない暗い欲望も、「二人の稚児」の純粋さも、すべてがつながっている。

    解説にあった永井荷風の言葉にある通り、谷崎が他と違っていたのはその都会的な雰囲気であるわけで。田舎っぽい貧しさなど一切関係ないかのような、お坊ちゃん、お嬢さん、紳士淑女の生きる世界、その美しい世界に潜む欲望の影。
    それが谷崎文学の光。
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    English review “The Tattoo” Junichiro Tanizaki (1910) Review | Early Tanizaki
    タグ: 谷崎潤一郎
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  • 『陰陽師 龍笛ノ巻』 夢枕獏 2005年 感想 | 新しい仲間も >>

    『陰陽師 龍笛ノ巻』 夢枕獏 2005年 感想 | 新しい仲間も >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 龍笛ノ巻
    夢枕獏, 2005
    272 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今回はまた短編集に戻っている。
    長編とは違ったリズムなので短編集だから物足りないということもないし、むしろ色々と読めて嬉しいばかり。

    今回の「首」はいつもよりホラー要素が強かった気がするが、そういう風に微妙にテイストを変えてくるのが陰陽師シリーズ。

    どうやら安倍晴明の先輩に当たる賀茂保憲が仲間に加わった感じで今後も登場しそうで、今後はダイナミックが変わるのか。

    いま家にある最後の陰陽師シリーズ本なので、また次買うまでお預けです。

    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
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  • 『陰陽師 生成り姫』 夢枕獏, 2003年 感想 | 源博雅が主役の長編 >>

    『陰陽師 生成り姫』 夢枕獏, 2003年 感想 | 源博雅が主役の長編 >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 生成り姫
    夢枕獏, 2003
    389 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「平安時代は、雅な闇の時代であった。
    鬼も、人も、もののけも、同じ闇の中で呼吸している」

    今回は初の長編。
    そこに、もう短編で一度語られた話「鉄輪」を掘り下げるという粋な試み。
    それでもって主人公をシリーズではバディ役の源博雅にするというファンには嬉しい試み。

    源博雅は安倍晴明に何度も何度も「お前はいい漢だ」といわせるほどいいやつで、この陰陽師シリーズに人間味があるのは間違いなくこの男のお蔭で、好きにならずにはいられないキャラ。
    今回も凄く良いのです。

    源博雅の12年前の恋、鬼になる女、全てを受け止める安倍晴明と源博雅の二人。
    じっくりと長編として描かれるので最後の感動もしっかりと高まる。
    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ第一弾 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
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  • 『陰陽師 鳳凰ノ巻』 夢枕獏, 2002年 感想 | シリーズ第四弾 >>

    『陰陽師 鳳凰ノ巻』 夢枕獏, 2002年 感想 | シリーズ第四弾 >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 鳳凰ノ巻
    夢枕獏, 2002
    272 ページ
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    シリーズ第4弾。
    短編で4冊目なのに、ダラダラとならずリズムもキープする。
    それはもうダイアモンドの原石である二人組を産み出したからノリに乗った状態が続くからだろう。
    もちろんスタイルを変えずに話を変えるという型で4冊目に来たわけだけど、なんと最後の短編でスタイルを変えてくる。
    今までは誰かに頼まれて、博雅と飲んでいた酒の杯を置き、ゆこう、と妖しい存在に向かっていっていたのが、今回はライバルと腕比べとは。

    やっぱり読み続けるしかないね。
    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
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  • 『わたしが・棄てた・女』 遠藤周作, 1972年 感想 | 彼女の信じる愛

    『わたしが・棄てた・女』 遠藤周作, 1972年 感想 | 彼女の信じる愛

    🔽 基本情報 🔽
    わたしが・棄てた・女
    遠藤周作, 1972年
    352 ページ
    2020.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    辛いだろうとおもって読んだけどやっぱり辛い。
    これも作者の永遠のテーマ、宗教が入り込んでくるけれど、健気を通り越して正直言って頭が鈍い女の子の徹底した一筋の博愛というか、言ってみればそれが宗教というか。

    簡単に言えば他人の苦しみがわかるということだけど、自分を切り離して他人を苦しみから解き放そうとする彼女の宗教、彼女の愛。

    一時的な衝動、男の方もだけど、女の方も騙されたとは言え可哀想という衝動で、二人は別の人生を歩みつつも正に運命によって嫌でも繋がっている。

    そして、最後。

    鈍くて可愛くもない棄てられた田舎娘は、純粋に他人のためだけに、彼女の信じる愛のためだけに、短い人生を生き抜く。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Girl I Left Behind” Shusaku Endo (1972) Review | The love she believes in
    タグ: 恋愛
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  • 『疑惑』 松本清張, 1982年 感想 | 人間社会って怖い

    『疑惑』 松本清張, 1982年 感想 | 人間社会って怖い

    🔽 基本情報 🔽
    疑惑
    松本清張, 1982年
    212 ページ
    2020.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「疑惑」「不運な名前」の二本立て。

    「疑惑」の方は起こってしまった事件について、鬼嫁が殺したのかしてないのか、というミステリー。
    と思っていると、段々とこのタイトル「疑惑」の本当の意味がわかってくる。

    「不運な名前」は歴史上のとある偽札事件の謎を解く、ちょっと細かい所では小難しい作品。

    どちらも、実は不運な名前から生まれた世間一般の思い込みからどう深く知りしていくかというのが鍵。
    人間社会って怖い。
    🔽 関連ページ 🔽
    tag 松本清張
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  • 『コンビニ人間』 村田沙耶香, 2016年 感想 | 平凡にも狂気あり

    『コンビニ人間』 村田沙耶香, 2016年 感想 | 平凡にも狂気あり

    🔽 基本情報 🔽
    コンビニ人間
    村田沙耶香, 2016
    176 ページ
    2020.03 読了
    アマゾンで見る
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンの本屋でずっと売り上げ上位で並んでるのを見てて、やっと。
    でも例によって全く予備知識ないままだったのでちょっとびっくり。いい意味で。

    ただ単にコンビニ店員の恋愛ものと思ったら、確かにそれじゃあイギリスでバカ売れしない。

    平凡であり狂気に満ちている。

    結婚もせず、まともな就職もせず、子供も生まず、恋愛もせず。
    誰もが足を踏み入れそうになる、もしくは踏み入れてしまう「あちら側」の世界。
    彼女の前に正真正銘ダメ男が現れて、マニュアルを取り上げられてやっとわかる。
    そうだ、わたしはコンビニ人間であって、コンビニ人間でないとダメなんだ。

    全てがどうでもいい古倉さんのテンポが気持ちいい。
    切り返しが早く、ダメ男のダラダラな理論とのコントラストが明確で、次のページの展開が予測不可能。

    短いのでさっぱりスッキリ読める。私にとってはハッピーエンド。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Convenience Store Woman” Sayaka Murata (2016) Review | Ordinary yet mad
    tag 女性主体
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  • 『ダイイング・アイ』 東野圭吾, 2007年 感想 | ちょっと怖い東野圭吾 >>

    『ダイイング・アイ』 東野圭吾, 2007年 感想 | ちょっと怖い東野圭吾 >>

    🔽 基本情報 🔽
    ダイイング・アイ
    東野圭吾, 2007
    416 ページ
    2020.02 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ちょっとホラーな感じ。
    ホラーと言えば「人魚の住む家」のようなちょっとサイエンスフィクションで、じわじわとした狂気に溢れている。

    一部の記憶がなくなった主人公が今自分の身に起きている秘密と過去の秘密を同時に謎解きしていくというストーリーで、バーやカクテル、高級マンションなど、ハードボイルドなキーワードもたくさん。
    エンターテイメント性も忘れずに入れてくれる。

    でも、何故、という部分の解決がされてない箇所もあるような。

    とにかく事故は怖い。
    交通違反の取り締まりなどに読ませれば効果あるかも。
    🔽 関連ページ 🔽
    タグ: 東野圭吾
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  • 『陰陽師 付喪神ノ巻』 夢枕獏, 2000 感想 | 古代日本的な包容力 >>

    『陰陽師 付喪神ノ巻』 夢枕獏, 2000 感想 | 古代日本的な包容力 >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 付喪神ノ巻
    夢枕獏, 2000
    352 ページ
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    シリーズ第三弾。
    短編集なので一つ一つのストーリーについて書くのもなんだけど、女性の恨み系が多いのはやっぱりそうなんだよね、女性の恨みはそう簡単に払えないよということなんだろう。
    ただちょっと長めの「ものや思ふと」は男の恨みでこっちだって容易く解決はしない。

    いや、そういう観点でいうと、多くのストーリーに置いて問題が解決されないのも特徴かも。
    死んでも死にきれない、死んでからも祟ってやる、そういう強い思いを主人公の陰陽師は消し去らないことだってあるのがなんとも人間らしく古代の日本人的な優しさというか暗闇もオッケーだと思う包容力。
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    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
    tag 日本史
    tag 怪談
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  • 『陰陽師 飛天ノ巻』 夢枕獏, 1995年 感想 | 二人のいい漢ぶり >>

    『陰陽師 飛天ノ巻』 夢枕獏, 1995年 感想 | 二人のいい漢ぶり >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 飛天ノ巻
    夢枕獏, 1995
    304 ページ
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱり面白い安倍晴明と源博雅シリーズ第二弾。
    この二人の「いい漢」ぶりはもちろん、彼ら二人の会話のテンポと結局いつも同じように「そういうことになった」と連なって出ていく様子がいい。

    それぞれの妖怪や霊のストーリー自体はもちろんユニークなのは当然。
    でもそこにある背景の草花や樹木などの豊かな自然の様子、特に晴明の庭のエピソードごと、季節ごとの描写はほんわりと静かな気持ちにさせてくれて、そうかこれほど美しい自然が身近なんだから魔物くらいでてくるよな、という不思議な感覚に陥ってしまう。
    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
    tag 日本史
    tag 怪談
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  • 『火花』 又吉直樹, 2015年 感想 | 上下関係の危うさ >>

    『火花』 又吉直樹, 2015年 感想 | 上下関係の危うさ >>

    🔽 基本情報 🔽
    火花
    又吉直樹, 2015
    192 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    誰もが知っている一冊。
    芸人でありながらも小説を書き、芥川賞を取る。
    その意外さ通りのストーリー。

    芸人としての10年を描くんだけど、それはあくまで背景であり、メインは師匠と仰ぐ男と主人公の曖昧でギリギリバランスが取れていて実は取れていない関係にある。

    そこまで尊敬できる人に会えることは羨ましいことであり、その関係が10年近く続くことも微笑ましくも見える。
    しかし尊敬できるほどに高い位置に持ち上げた人間の人間らしい弱さ、愚かさいつまで見ないようにできるか。
    関係のバランスは崩れるか。
    どこまで愛情をもって寄り添えるか。
    恋愛感情でもない、同等の立場にある友情でもない、上下関係を基礎とした関係の危うさを暖かく描く。
    🔽 関連ページ 🔽
    tag 友情
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  • 『霧の旗』 松本清張, 1961 感想 | 男のプライドの悲劇 >>

    『霧の旗』 松本清張, 1961 感想 | 男のプライドの悲劇 >>

    🔽 基本情報 🔽
    霧の旗
    松本清張, 1961
    368 ページ
    2020.02 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    イタリア語のタイトル、La ragazza del Kyushuに惹かれて。

    九州からの少女(ragazza) 、桐子は兄の無罪を弁護してもらおうと東京の日本有数の弁護士を頼るが、お金がないことを理由に断られる、という、ひとつの歯車のズレからストーリーがどんどんと展開していく。

    さすが松本清張、桐子の執着というテーマに直接関係ないことはさらっとしてて、執着というより静かな狂気とも言える彼女の振る舞い言動は、ミステリアスに沸々と描く。

    余計なことをしなけりゃいいのに男のプライドのせいでどんどん深くはまっていく。

    悪人は社会的な罰を与えられ、したたかな人間は生き延びる、清張の作品の人間たち、ここにも。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Pro Bono” Seicho Matsumoto (1961) Review | A girl just wanna have a revenge
    tag 松本清張/Seicho Matsumoto
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    霧の旗 (新潮文庫)


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  • 『殺人の門』 東野圭吾, 2003 感想 | 著者の幅の広さを感じる人間ドラマ

    『殺人の門』 東野圭吾, 2003 感想 | 著者の幅の広さを感じる人間ドラマ

    🔽 基本情報 🔽
    殺人の門
    東野圭吾, 2003
    624 ページ
    2025.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    日本語いままで読んだ東野圭吾の派手さがない。
    凄いトリックもマジカルな要素もない。
    だからその分、この本のストーリーの素晴らしさが強調されている。

    お金持ちに生まれたのに次々と続く不幸で苦しみに溢れた半生の主人公、その影にいつもいる幼馴染み。
    タイトルからも分かるように殺人がテーマでずっとその匂いだけがしているサスペンスの側面と何が起こっているんだろうと想像を巡らさせるミステリーの側面。

    昭和を感じる人間ドラマは松本清張のような面白さがあり、巧みな謎解きミステリーだけではない、東野圭吾の作家としての幅の広さ、奥の深さを確実に掴める一冊。


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    tag 東野圭吾/Keigo Higashino
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    殺人の門 (角川文庫)


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  • 『最高のオバハン』 林真理子, 2017 感想 | 自由な女性像 >>

    『最高のオバハン』 林真理子, 2017 感想 | 自由な女性像 >>

    🔽 基本情報 🔽
    最高のオバハン
    中島ハルコの恋愛相談室
    林真理子, 2017
    240 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    風邪だし、軽めのをどんどん読む。

    前に読んだエッセイ「運命はこうして変えなさい」がいまいちだったけど、こっちはフィクションなので林真理子節がぶっ飛んでる。

    楽しいしエンターテイメントなので深く考えずに一緒に笑う読書の仕方で。
    まあ何はなくとも、女性が自由になるにはダメ男から離れて生きるしかない。
    そのためには経済力。

    ただ率直にいうと、いや卑屈なこと言うと、日本では蔑んで自分をオバサン、オジサンと呼んだり(もちろん愛嬌とは違うレベルで)年齢を気にしすぎるし、それで笑いを誘うという感覚がどうしても気になる。
    ニュースとかでも無駄に一般人の年齢が公表されたり。そんなに他人の年齢が気になるのか。
    いやでも、それ自体はこの本とは関係ないんですよ、本は面白い。

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    最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室 (文春文庫)
    
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  • 『父と暮らせば』井上ひさし, 1998 感想 | 戦争で残された人々の痛み

    『父と暮らせば』井上ひさし, 1998 感想 | 戦争で残された人々の痛み

    🔽 基本情報 🔽
    父と暮らせば
    井上ひさし, 1998
    128 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    前書きで著者はずっと命の限り広島と長崎のことを書いていくという強い意思を示している。
    絶対に絶やしてはいけないことだから。

    その思いで書かれたこの作品。

    ここにじんわりと写された苦しみと痛さと、自分なんかが幸せになってはいけないという葛藤。
    父の生と死を越えた愛情と、娘の方からも深い愛情があり、原爆で命を奪われた人と「死ねなかった人」の次元を越える慈悲に溢れていて、短いながらもその深さに、読む人の心にずっと残るものになる。

    ユーモアに溢れていて、広島弁でゆっくりと進んでいく物語。
    私はまだ原爆の巨大な被害にあった人の話を直接聞けた世代。
    その次に続く高度成長期のあとの明るい未来を知らない世代。

    忘れないための大切な一冊。

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    tag 戦争/War 
    
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  • 『深い河』遠藤周作, 1996 感想 | 生と死を受け止める

    『深い河』遠藤周作, 1996 感想 | 生と死を受け止める

    🔽 基本情報 🔽
    深い河
    遠藤周作, 1993
    400 ページ
    2020.02 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    宗教関係、宗教にまつわる積読をまとめて読む読書月間を勝手に開催した。

    当時70歳のカトリックの著者遠藤周作による、登場人物たちがインドへ向かう一冊。
    偶然一緒の仏跡訪問ツアーになった数人の日本人それぞれが後悔や喪失の中の淡い期待を胸にインド、ガンジス川へ。
    ベナレス(バラナシ、ヴァラナシ)は聖地でありガンジスに向かうことは死に向かうこと。
    彼らがそれぞれの過去を胸に、生と死が共存するベナレスで想うこととは。

    神という大きな力の信じ、ことごとく生活を否定されても、信念強く生きる青年の背負うものとは。
    色々なストーリーが、母なるガンジスに向かい、生と死を含むその母性が全ての人を隔たりなく抱き抱える。
    遠藤周作らしい、壮大であり静粛な一冊。

    70歳という年齢を迎え、きっと本人も死を意識しながら生きていく上で、彼の永遠のテーマである「日本人でありキリスト教信者であること」をもう一度振り返ってみたんだと思う。
    そしてその答えは、インドの深い河であった。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Deep River” Shusaku Endo (1996) Review | Embracing life and death >>
    tag 宗教/Religion
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  • 『白い人・黄色い人』 遠藤周作, 1955 感想 | 人種と宗教の境界線 >>

    『白い人・黄色い人』 遠藤周作, 1955 感想 | 人種と宗教の境界線 >>

    🔽 基本情報 🔽
    白い人・黄色い人
    遠藤周作, 1955
    208 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    キリスト教と人間の悪。

    「白い人」
    自らの醜さを理解し、親の教育をすり抜け、劣等感を超えての空想の優越感を覚える。
    悪は普遍的であり、政治的であり、相手を潰す力を持つ。
    ついに運命の時がやってくる。
    級友を踏みにじることは全ての偽善者を踏みにじることであり、そしてこの娘を汚すのは全ての処女を汚すこと。
    これは絶対的な神を持つ文化で生きる白人の道徳の中に沸き出す悪だという事だろう。
    それを信じて耐える人間になるか信じずに悪に酔う人間になるか。


    「黄色い人」
    これは、ある意味もっと辛い。
    著者本人の一番のテーマである「日本人のくせにキリスト教信者」の矛盾がもたらす醜さ。
    戦争を生きる信者の青年は全てに疲れきっていた。
    私たち黄色い人間には、貴方達のような白い人間が恐れる神を本当は信じられない。
    私たち黄色い人間には、原罪はない、罪を背負って生きない、どうせ聖母マリアはこの国にいない。
    今日は疲れた、明日行こう。
    神を裏切った元神父はやっとこの国に住む黄色い人のその疲れた目に宿る真実に気づく。
    生も死も恐れない、罪もない、一つの神を信じない彼らの世界では罪人もそのまま救われる。
    自分たち白い手を持つ人間はこの黄色い人に近づくことができるのか。

    「黄色い人」は信じるか信じないかの二択から解き放たれた人たちのただただ疲れた瞳、諦め、そして罪のない身軽さを描く。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review “White Man, Yellow Man” Shusaku Endo (1955) Review | Between the races >>
    tag 宗教/Religion

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    白い人・黄色い人 (新潮文庫)


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  • 『インドへ』 横尾忠則, 1977 感想 | カルチャーとしてのインドへ>>

    『インドへ』 横尾忠則, 1977 感想 | カルチャーとしてのインドへ>>

    🔽 基本情報 🔽
    インドへ
    横尾忠則, 1977
    203 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽


    インドの旅行記というのは星の数だけある。
    で、これはグラフィックデザイナー、画家の横尾氏の彼の内側のインドへの旅行記。

    インドという彼が抱いた幻想の世界への旅、むしろ彼の意識の中のインドへの旅というか、本物のインドは背景に過ぎない。
    そして彼の作品を見たことがあれば何故彼がインドにこだわるか一目瞭然。
    つまり彼は意識、また無意識の中で常にインドを求めていた。

    ニューヨークでのドラッグによる「インスタント悟り」に始まり、ビートルズを通り、ヒッピー、禅宗を通り、三島由紀夫の死によって、インドへ導かれる。

    この本ではメインはカシミール地方へ行ったときのことがメイン。
    最初にインドに行った強烈な印象を乗り越え、今回は星を眺め、宇宙と一体になってる時間のほうが長かったんじゃと思うくらい、宇宙やUFOが頻繁に出てくる。
    人間が自然と一体化するインドで、瞑想の中で自らが自然と一体化する。
    でもそこにはとてつもない貧困があり、差別があり、直球で遠慮のない死の世界もある。

    この本自体と同じくらい印象深い三島由紀夫の著者への言葉「インドへは行ける者と行けないものがあり、さらにその時期は運命的なカルマが決定する」

    著者はインドそのものでなくインドが象徴するもの、例えば死が限りなく身近にあることなど、もっと言えばアメリカのフィルターを通したカルチャーとしてのインドに惹かれ、それを求めた。

    私も親のおかげで小さい頃からインド亜大陸の写真を見ていて、いつか行くときが来ると漠然には思っていたけれど、別にヒッピーではないし、人生を変えようとも悟りを開こうともヨガを極めようとも思ってはない。
    でもこういう本を読むのは面白い。70年代まっしぐら。
    日本人がインドに対して抱く憧れは、こういう正直な文学により磨かれ保護され、永遠に消えないとおもう。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “(To India)” Tadanori Yokoo (1977) Review | India as fantasy
    tag インド
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    インドへ (文春文庫 よ 2-1)
    
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  • 『聞かなかった場所』 松本清張, 1970 感想 | 不幸の連鎖と復讐劇 >>

    『聞かなかった場所』 松本清張, 1970 感想 | 不幸の連鎖と復讐劇 >>

    🔽 基本情報 🔽
    聞かなかった場所
    松本清張, 1970
    Seicho Matsumoto
    256 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    有名どころではないけど、松本清張らしいドロドロの人情味のある復讐劇。
    若い後妻が突如死んでしまう、そこから始まる不幸の連鎖。

    といっても、主人公も何度も、妻をそこまで愛しているわけではないと言い切るし、どちらかというと自分のプライドを傷付かれたから復讐に血走りさらには小心者だから墓穴を掘るという、悲劇的な喜劇とも取れる。

    こういうのもいい。

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    聞かなかった場所 (角川文庫)


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  • 『沈黙のパレード』 東野圭吾, 2018 感想 | 沈黙は究極の守り>>

    『沈黙のパレード』 東野圭吾, 2018 感想 | 沈黙は究極の守り>>

    🔽 基本情報 🔽
    沈黙のパレード
    東野圭吾, 2018
    496 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズですから、やっぱり面白い。
    湯川、草薙コンビと内海さんその他の警察関係者と、町の人々というシリーズの人間関係の型にきれいにはまっていて、今回もトリックとちょっとドラマチックな展開、そしてぴったりすぎるタイトル。 

    相変わらず寝ずにあっという間に読める。
    今回のキーワードは「沈黙」。黙っていれば罪に問われないという究極の守り。
    あと、「世代の差」。世代によって感覚が違う。
    復讐のためにだけに生きる人、何年も苦しみを背負って生きる人、友のために全てを賭けて行動する人、さらっと諦める人、あと少し我慢して待ってあげられなかった人。
    わたしたち。
    (抽象的だけど、ネタバレ防止対策です)

    どこかに書いてたけど、どこから見ても著者がまた福山雅治に主演してほしいと猛アタックしてるしか思えないシーンがたっぷりだとか。
    映画もドラマもみたことないけれど、なるほど、そういう風に映画とも絡ませている感じが高度な遊びで嬉しくなる。

    徹底的なエンターテイメントミステリー。
    さすが、ガリレオシリーズ。

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    English review “Silent Parade” Keigo Higashino (2018) Review | Stay silent
    tag 東野圭吾
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  • 『葡萄が目に染みる』林真理子, 1984 感想 | 現実に近い青春>>

    『葡萄が目に染みる』林真理子, 1984 感想 | 現実に近い青春>>

    🔽 基本情報 🔽
    葡萄が目に染みる
    林真理子, 1984
    240 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    キラキラしない青春の物語。

    片田舎の地味な女の子。
    できるだけ存在を隠すようにしたり、好きでもない子と親友になったり、そして圧倒的なスターと言える学生を全校生徒と共に見つめる、という学生生活。
    それは小説や漫画にあるなにか起こりそうな雰囲気ではなく、多くの人が傍観する限りなく現実に近い空気。

    そんな高校生活にある、ちょっとしたざわめき、周囲のちょっとしたセコさ、自分のセコさを細かく描いている。
    片田舎の学生生活は過ぎ去ったあとに懐かしさと共にちょっと切なくなったりする。

    出版から40年以上、作者が自分をかなり重ねたんだろうとも分かるけど、でも個人的だからこそ、やっぱり今読んでも読者には通じるものがある。
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    葡萄が目にしみる (角川文庫 緑 579-8)


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  • 『あん』ドリアン助川, 2015 感想 | 暖かくてそっと甘い >>

    『あん』ドリアン助川, 2015 感想 | 暖かくてそっと甘い >>

    🔽 基本情報 🔽
    あん
    ドリアン助川, 2015
    260 ページ
    2025.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。
    でも幸せはいつもわかりやすいの形をしていない。

    社会の役に立つことが生きる意味だと言われることを最近よく考える。
    それは生きる意味じゃないとつくづく思う、どちらかというと意義だよね。
    生きる意味自体は「あぁ、よかった」って思えることじゃないかな、と最近は思う。

    徳江さんも、店長さんも、ワカナちゃんも、それぞれ辛い思いをしてきたなかでお互いに会えた。
    ハンセン病という病気に苦しみ完治後は偏見に苦しんだ徳江さん。
    私も療養施設が90年代まであったなんていうことも知らなかったけれど、差別をする側の無知の怖さ。

    偶然にも去年初めて自分であんこを作り、その後何度かどら焼きも作った。
    簡易レシピであったにも関わらず、もちろん乾燥小豆を前の日から水に浸し、数時間かかる。
    そして、自分で作ったちょっと固めになってしまったあんこの美味しさ。
    その時に感じたのは、間違いなく幸福感だった。
    お菓子が運んできてくれる小さな幸せ。
    時間をかけた割には一瞬で食べてしまう美味しいもの。
    そんなときにも「あぁ、よかった」と思うようだ。

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。


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    English review “Sweet Bean Paste” Durien Sukegawa (2015) Review | sweetness of life


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    あん (ポプラ文庫 と 1-2)



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  • 『野火』大岡昇平, 1952 感想 | なぜ納得してしまうのか >>

    『野火』大岡昇平, 1952 感想 | なぜ納得してしまうのか >>

    🔽 基本情報 🔽
    野火
    大岡昇平, 1952
    224 ページ
    2021.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    読みたくても読みたくなくて、やっと読んだときは、早く読んでしまって記憶から消したい、それが率直な感想。

    人間、生か死かという極限でどう生き延びるか。
    信じるか、信じないか。
    その信頼の対象は自分であったり他人であったり。

    現実にその極限を生き延びた人は今どうなるのか。
    もうその時代の人は少しずつ亡くなって行くけれど、帰還して平和な生活を送れたのか。その後の世代は同じ過ちをしないのか。

    これほどにも読んで悪い気分になるものはそうない。
    それは、ただその事実がショッキングだというわけではない。
    私を含め多くの人は決して似たような経験はないはずなのに、納得してしまうからである。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Fires on the plain” Shohei Ooka (1952) Review | Crossing the line as a human
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    野火(のび) 
    
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  • 『岳物語』椎名誠, 1989 感想 | 息子と父の物語>>

    『岳物語』椎名誠, 1989 感想 | 息子と父の物語>>

    🔽 基本情報 🔽
    岳物語
    椎名誠, 1989
    Makoto Shiina
    272 ページ
    2025.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    小説というか、ほぼエッセイというのか。
    でも小説ということらしい。
    父親の愛情に溢れた一冊で、しかも思春期の難しい時期に入るまでの息子と父の物語。

    自分に息子がいるとよくわかる。
    こうでした。
    私は母親だしプロセス技もかけないけれど、長男はは家庭内だけでなく社会で育つべきと思っていたし、家族でない人との交流をさせてもらえることがありがたくてしょうがない。
    13歳のときに長い夏休みに日本の私の実家に3ヶ月送り込んだときと、作中におとう(椎名誠)が3ヶ月半の海外での仕事から帰宅した時とが重なる。
    少年として送り出したのに帰ってきたときは青年になっていた。
    単純に身長も抜かれたし、何よりも親がいない、知らない時間を経験をした、ということ。
    普段は学校は片道バスで2時間の街にあるから部活もスポーツも何もしないのに家ではご飯食べて寝るだけ、いよいよ息子との接点もなくなる。
    子供が自分を越えていく、それが子育ての成功した証だと思う。

    岳さんは椎名誠よりシーナ的とも言われてこの本のイメージが強すぎてそれが迷惑な時期もあったそうだけど、家族ってそれぞれで、そんなものなんですね。
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  • 『ロートレック荘事件』筒井康隆, 1990 感想 | このトリックあり?>>

    『ロートレック荘事件』筒井康隆, 1990 感想 | このトリックあり?>>

    🔽 基本情報 🔽
    ロートレック荘事件
    筒井康隆, 1990
    199 ページ
    2021.03 読了
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    一見、よくあるセッティング。
    でも最初の章が大事。
    会話の不自然さは気づいていたけど、こういうことなのかというトリック。
    ずるいといえばずるいのかもしれないし、フェアかアンフェアか、といえばギリギリ。
    コンプレックスを柔らかく隠してあげるんじゃなくて曝け出す。
    守られる対象のものの自己主張。捻くれた運命。
    なるほどね、となる一冊。
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  • 『夫婦茶碗』町田康, 1998 感想 | パンク小説>>

    『夫婦茶碗』町田康, 1998 感想 | パンク小説>>

    🔽 基本情報 🔽
    夫婦茶碗
    町田康, 1998
    Ko Machida
    221 ページ
    2022.02 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    夫婦茶碗と、人間の屑という二本立て。
    どちらも、コロコロと人生を転がり落ちるような男の話。

    どうしようもないクズ、反省をするのは頭の中で一瞬で、それだけで自分に浸って、次から次へと悪化し、やっぱり転がり続ける。

    パンク小説なんだけど、ここまでくるとね。
    面白くない、よくない、というわけではなく、私向けではない本だった、ということでした。
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  • 『桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ, 2012 感想 | 高校という小宇宙>>

    『桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ, 2012 感想 | 高校という小宇宙>>

    🔽 基本情報 🔽
    桐島、部活やめるってよ
    朝井リョウ, 2012
    256 ページ
    2025.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    タイトルだけはずっと知ってて内容は全く知らなかったので、こういう感じとは想像もできなかった。

    高校時代、17歳のそれぞれの想い、部活を通じての人間関係や生活そのもの。
    確かに中学や高校にいる間は高校だけが宇宙で、自分のすぐ周りだけが世界。
    なにか大きな事が起こるのではない、なにかの筋の通ったストーリーがあるわけではない、ただその小宇宙で生きている不安定なまだ幼い人間たちの小さな揺れを、当時ほぼ同年代の朝井リョウが描く。
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  • 『ガール』奥田英朗, 2009 感想 | 女同士の絆>>

    『ガール』奥田英朗, 2009 感想 | 女同士の絆>>

    🔽 基本情報 🔽
    ガール
    奥田英朗, 2009
    320 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大変だなー、日本で会社勤めする女性。
    仕事の内容も大変なのに、男尊女卑もまかり通り、いつでも男よりも頑張って男より成果を出してないと同等にも見てもらえない。
    その中で迷惑をかけず自分の好きなようにしてると年相応にとか若作りとか、でしゃばってるとか。

    ここの女たちは強い。
    そして、女の味方は女だというのもいい。
    作者が男性であっても、女たちの細かい嫉妬やファッションを描いていて、女同士の絆を軸にしてるっていい。
    奥田英朗って読めば読むほど、いい。
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  • 『片想い』東野圭吾, 2001 感想 | 自分のことをわかってほしい>>

    『片想い』東野圭吾, 2001 感想 | 自分のことをわかってほしい>>

    🔽 基本情報 🔽
    片想い
    東野圭吾, 2001
    624 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大学時代のアメフト部の仲間たち。
    当時のマネージャーが人を殺したと告白してきたので夫婦でかくまうことにした、そこまでは裏表紙にかいてあるけれど、これ以上はネタバレになるので何もいえない。

    アメフトという「男の世界」、夫婦間での愛情や信頼、男として女としての暗黙の役割や社会的立場。
    そういう所をとことん疑問視する。
    今から24年前に書かれたというのは、かなり早い時点でこの問題に向き合っていたと思う。
    今でさえ日本は男らしいとか女らしい、白黒はっきりした男女という概念が常識とされ、それに当てはまらない人間は気持ち悪いか、笑いの対象になる。
    もちろん男尊女卑は当然。
    そこに不満を持っているかどうかでこの本への気持ちの持ち方は変わると思う。

    はっきりできない部分、わからない部分、そういうところをテーマに、大学時代の友情やアメフト部のポジション関係を絡ませる。
    現実であれば、本人が懸命に隠したい部分はいくら友人でも尊重してあげればとも思うけど。

    タイトルがいい。
    なるほど、相手に自分のことをわかってほしいという気持ち、それは片想い。
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  • 『猫と女たち』群ようこ, 2009 感想 | みんな自由>>

    『猫と女たち』群ようこ, 2009 感想 | みんな自由>>

    🔽 基本情報 🔽
    猫と女たち
    群ようこ, 2009
    223 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    前半は猫と犬のエッセイで、後半は自由な女たちの短編集。
    つまりみんな自由。

    自由に生きるペットや野良猫たちは可愛くて、私どもにぜひお世話をさせてください、とこちらからお願いしたくなる。
    そして女たちのほうもそう、勝手で好きなことしてるのに、ちょっと可愛げがあるので放っておけない。
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  • 『透明な螺旋』東野圭吾, 2021 感想 | ガリレオの真実>>

    『透明な螺旋』東野圭吾, 2021 感想 | ガリレオの真実>>

    🔽 基本情報 🔽
    透明な螺旋
    東野圭吾, 2021
    368 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズ最新作。
    宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。

    面白いのはもう当然というか、読者はみんな異常に期待してるのに、新しさを入れながらクオリティをキープしてるすごさ。
    表紙からも分かるように子供や家族がテーマ、それ以上はネタバレなのでいえないけど、やっぱり捻ってきてくれるのが東野圭吾。

    登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。
    すごいなあ。
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