『おはん』 宇野千代, 1957年 レビュー | ねっとりとした語り口の美しい文章


おはん (新潮文庫)
おはん
宇野千代, 1957年
128 ページ
2017 読了
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🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ 優柔不断な男と、両極端な女二人
✔ 情けない男のねっとりとした語り口で作り上げる世界観
✔ 二人の女の態度や雨の音、人の足音、すべてが物語になる

★★★★★ ねっとりと美しい。優柔不断で女二人に調子よく付き合ってるつもりの、周りにとことん迷惑をかける男の情けなさ。みるみるうちにこの世界観にはまってしまう。
🔽🔽 読書記録 🔽🔽

ねっとりと美しい。
その一言につきる作品。

まず、京都弁のようなあの語り口。
(私は京都弁と思っていたら、この方言は関西~山口の訛りを組み合わせた実在しない方言だとか)

優柔不断で女二人に調子よく付き合ってるつもりの、周りにとことん迷惑をかける男の情けなさ、ナレーターであるこの彼の訛りで6割方の世界観が出来上がっている。
そこに、両極端な女二人の態度、降り続く雨の音や、道行く人の足音、ぼんやり明るい灯の赤が加わり、みるみるうちに「おはん」の世界にどっぷりとはまる。

ある意味「雪国」にも似た、目を閉じればパッと浮かびあがる情景が影の主人公であるかのように。
その中で、全くもって自己中心的な身勝手な、読んでて呆れるくらいアホなやつが主人公なんですね。
分かりやすいのダメ男なのに、嫌悪感を抱かせないのは、彼の訛りと、その文章の美しさゆえ。
ダメ男の告白という形でストーリーは進んでいくんですが、展開が早く、そして比較的に短いので、よいテンポで読み終わってしまう。

ドラマ化や映画化もされたそうで、映画化は1984年で市川崑監督、吉永小百合主演!見たい。

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