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『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 レビュー | シッキム王国の壮絶な歴史と最後

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何年も探した結果やっとデジタル本で友人に送ってもらった。
結局紙媒体の本はインド政府に出版停止された本なので、探してもない。
いやというか発売禁止にすると余計に盛り上がるから、印刷停止命令を出したそう。結果は同じこと。
(追記;アマゾンで今年2025年から電子書籍として入手できます。リンクは↓)

別のシッキムについての本で完全に魅了され2023年にシッキムまで行きました。
あの辺は本当に不思議。ヒンドゥー教徒が過半数なのに(ヒンドゥー教のネパール系は80%以上)、寺院は仏教のお寺が多い。

インド政府が出版後にすぐ停止させた理由は良くわかる。
これは絶対に読んでもらいたくない。

チョギャル(チベット系シッキム国王)を個人的に知っていたジャーナリストが書いたいわゆる暴露本で、彼が聞いたこと、見たこと、交わした会話、肌で感じたこと、当時の新聞記事など、この数年間の様子がこと細かく記録されている。

シッキム王国の歴史の基本的な知識がないとこの本は難しい。
その歴史自体についてちょっと簡単にいうと。
シッキムはインドの北東部、ネパール、チベット、そしてダージリンのあるインド西ベンガル州、ブータンと各国に囲まれている、すごい立地。ヒマラヤ山脈の麓で冬は厳しいけれど豊かな地。
長い間チベット系をトップに現地民レプチャ族と静かに暮らしていたけど、英国の紅茶産業がダージリンで始まり、18世紀に働き手としてものすごい数のネパール人が流れ込んできて、上流階級が少数民族となり、大半を占めるネパール系が差別されるという不思議な形に。(これはいまでもグルカ運動が続いていて解決されていない問題)
1947年インド独立時にダージリンやカリンポンなどはインド西ベンガル州になるが、シッキムはそのままシッキム王国を維持。
チョギャルが若いアメリカ人女性と再婚し東洋のグレース・ケリーと話題になったことで知られているかも。

シッキム王国がインド、シッキム州になったのは1975年。
インドは英国の植民地主義に苦しみ、独立を勝ち取って30年もしないうちに、インド自らがシッキム王国を植民地化したわけで、この史実は非常に都合が悪い。
嘘、マインドコントロール、偽りの約束、賄賂にフェイクニュースになんでもあれ。
そして圧倒的で一方的な暴力。
Smash=ぶち壊して、grab=奪え。
道徳的にまずいことは全部あった。
インドはメディアをコントロールしてシッキム国王を悪者に仕立て上げ、増え続けるネパール系と権力を持つチベット系の社会問題を悪用し、慎んだ生活をしていた人々を騙して、インド側は見事に嘘に嘘を重ね、反対派を暴力で押さえつける。
最後はインドが軍隊を送り込み、あっという間に王国はなくなった。
少数の外国人が強すぎる権力を振りかざす、まさに帝国主義。
インドの政治は複雑で私は勉強不足の部分も多かったけど、それでもあからさま。
それでも、インドはシッキム王国のあの立地が欲しかった。
どんな手を使ってでも確実にインドのものにしたかった。
このインドの暗い現代史を今のインド人はどこまで知っていて、どう思っているのか。
多分知らない。
シッキム国民たちは自らの意思で正当な方法で素晴らしい国インドの一部になれた、と教えられているから。


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English review
"Smash and Grab" Sunanda K. Datta-Ray (1984) Review | A dynamic history of Sikkim
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SMASH AND GRAB:ANNEXATION OF SIKKIM (English Edition)
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