カテゴリー: 2020-2029

  • 『謎の九州王権』 岩井敏明, 2021年 レビュー | 卑弥呼の時代前後に栄えた九州の歴史 

    『謎の九州王権』 岩井敏明, 2021年 レビュー | 卑弥呼の時代前後に栄えた九州の歴史 


    謎の九州王権 (祥伝社新書)
    謎の九州王権
    岩井敏明, 2021年
    224 ページ
    2026.04 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 卑弥呼の時代前後の九州の歴史
    ✔ 大陸に近かった九州から東へと広がる文化の移り変わり
    ✔ 地名の由来へ動きというローカルな情報も面白い

    ★★★★☆ 邪馬台国は九州にあった説の周辺の話。この時代は証拠になるものが少なく逆にロマンがある部分が大きい。大陸に近く早い時期から栄えたのは間違いない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    初めて九州国立博物館に行ったときに思わず買った一冊。
    前回の縄文の本に続き、基本的な古代の日本史の知識がない私には難しかった。
    
    
    西暦0年から500年辺りの九州の歴史をピンポイントで追う一冊。
    この頃のことは資料も少ないし、基本的には古事記と日本書紀と、かの有名な魏志倭人伝に頼ったりで、あとは、掘り出されたものからの想像というかはっきりとしたことが言えないのは仕方がない。
    
    それでも知ってる地名が出てきてしかも現在の地名とは少し違うというのが面白かった。
    的(いくは)という場所は浮羽、現在の福岡県うきは市。
    ヒナモリというのは役職で現在は夷守(ひなもり)という地名が九州にある。
    あと、九州と関西で同じ地名があるのは、元々は九州から出た王権が関西でヤマト王権となったからで、例えば大阪の有名な住吉神社は元は福岡の住吉神社が最古だという。
    
    あと地理的にもちろん大陸と繋りがあった九州、その辺りも興味深いし、つくづく国境というのは普遍的でないし、ごく最近のものだと思い知らされる。
    
    
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    謎の九州王権 (祥伝社新書)
    謎の九州王権 (祥伝社新書)


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  • 『(テヘランの女獅子たち)』 Marjan Kamali, 2024年 レビュー | 戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語

    『(テヘランの女獅子たち)』 Marjan Kamali, 2024年 レビュー | 戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語

    The Lion Women of Tehran: The life-affirming BBC Radio 2 Book Club pick (English Edition)
    (テヘランの女獅子たち)
    Marjan Kamali, 2024年
    The Lion Women of Tehran
    333 ページ
    2026.03 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ テヘランに住む環境の違う二人の女の子の友情
    ✔ 大きくなったら全力で働く女性を夢見た少女たちの現実
    ✔ イランの情勢の移り変わりと、立ち向かい続ける女性たち

    ★★★★★ テヘランで戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語。大きくなったらイランの社会の役に立つのだと勉強に励む二人の少女。古い伝統と不平等な社会の間にいながら決してあきらめない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    古く強い伝統を持つペルシアの都、テヘラン。
    そこで戦い続ける女性たちへ捧ぐ物語。

    この少し前にもイランの女性の小説を読んだばかり。
    こちらの方が少女の友情やその後を描いていて読みやすい内容ではあるけれど、やはりパワフル。
    1950年のテヘランで出会った二人の少女の友情。
    大きくなったらライオンの心を持つ女性となってイランの社会の役に立つのだと勉強に励む。

    しかしテヘラン大学に入学後にイランの社会は怒涛の時代に入り、彼女たちの生活は急変し夢は断たれる。
    スラム街に住むホマは活動家となり危険な人生を選び、裕福なエリーは主婦となりアメリカへ去る。
    ホマはどんなに酷い仕打ちを受けても戦い続ける、なぜか。
    彼女は、そしてイランの多くの人は希望を捨てていないからだとしか思えない。

    エリーと母親の関係も面白い。
    伝統の中で世間体の中で、でも娘のためだけに生きてきた母親と新しい世代であるエリー。
    でも伝統が悪いということではなく、どちらでも選ぶ権利があるということ。

    立て続けに読んだイランの女性を主人公とする小説、どちらも強い。
    どの道を選んでも強い心を持ち続けるのは、彼女たちは希望とイランへの愛国心を捨てていないからだと思う。
    そして小説は常に全くのでっちあげでなく現実の鏡、実際にイランには同じように戦い続ける女性と男性が今もいる。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Lion Women of Tehran" Marjan Kamali (2024) Review | Powerful story about friendship of 2 girls
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    The Lion Women of Tehran: The life-affirming BBC Radio 2 Book Club pick (English Edition)
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  • 『(ペルシャ人一家)』Sanam Mahloudji 2025年 レビュー | 誇り高きイラン人女性の物語 

    『(ペルシャ人一家)』Sanam Mahloudji 2025年 レビュー | 誇り高きイラン人女性の物語 


    The Persians: A Novel
    (ペルシャ人一家)
    Sanam Mahloudji, 2025
    The Persians
    384 ページ
    2016.02 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 3代にわたるイラン人女性を描くデビュー作
    ✔ イラン革命前と後、アメリカ移住後のそれぞれの世界
    ✔ プライドの高い彼女たちと家族のつながり

    ★★★★★ イラン革命、テヘランに残る祖母と孫娘、アメリカにわたる残りの家族。「アメリカなんてママの宝石よりも短い歴史しかないのよ」高貴で傲慢でわがままで美しく愛らしい女性たち。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この月は勝手に読書テーマを女性と決めて、最初に読んだのがこれ。
    パーフェクトな選択。

    イランの英雄を祖先とする由緒正しきValiat家、70年代のイラン革命で家族は二手に分かれる。
    テヘランに残る祖母と孫娘、アメリカにわたる残りの家族。
    『ペルセポリス』のあの雰囲気があるけれど、こちらもしっかりと当時のテヘランでの状況を伝える。
    つまり、表ではちゃんと髪の毛を隠す女性も違法のクラブでは性と薬物に手を染め、でも同時に政治的な活動もする、という一筋縄ではいかない現状。
    そしてアメリカへ渡った残りの家族は今度はアメリカで贅沢な生活を続けるも、こちらも酒に薬物にゴシップにまみれた現状。
    地理的に二手に分かれているうえに、1940年代のテヘランを生きた祖母と1980年代のテヘランを生きた孫娘の環境の差も浮き出てきて、まさにダイナミックな物語。

    「アメリカなんてママの宝石よりも短い歴史しかないのよ」

    それぞれの分かれた世界で生きる3世代のイラン女性たち、高貴で傲慢でわがままで美しく愛らしい女性たち。
    彼女たちの望みは、好きなように生き、好きなように愛し、好きなように捨て、それでもお互いに向き合うこと。

    世界最古といわれる文明を持つイラン、その伝統の中できちんとしたプライドの中で生きてきたイラン人女性の葛藤。
    ずっと続いてきた欧米中心の思考から少し目をそらすと複雑で圧倒的な世界が広がっていることを、特に今のご時世では知っておくべきだと思う。

    日本語はないようですが、英語は少し難しいかも、くらいのレベルです。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Persians” Sanam Mahloudji (2025) Review | Dynamics of the women
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    The Persians: A Novel
    The Persians: A Novel (English Edition)


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    The Persians【電子書籍】[ Sanam Mahloudji ]
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  • 『無敵の読解力』 池上彰 佐藤優 2021年 レビュー | 最強コンビが説く読書パワー

    『無敵の読解力』 池上彰 佐藤優 2021年 レビュー | 最強コンビが説く読書パワー



    無敵の読解力
    池上彰 佐藤優, 2021
    256 ページ
    2026.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 最強のコンビの共著
    ✔ 現代を生き抜くための方法としての読書
    ✔ 参考書のリストも豊富

    ★★★★★ 情報処理能力を問われる今の社会で生き抜くにはまずは本を読めと。そんなこの本自体、語られる一つ一つの事柄が常にフル回転。個人的には日本人論についてが特に興味深かった。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    おお、情報量が多い上に全て興味深い。

    この本のテーマが、情報処理能力を問われる今の社会で生き抜くにはまずは本を読め、とあるので、つまりこの本は初っぱなから、テーマからして重要な情報がつまってる。

    もし大事な箇所を線引きしようと思ったら全ページに線を引くことになるって言うくらい、中国やアメリカの現状、共産主義と本家のマルクス、マキャベリ推しの菅元総理の危うさ、読書をしない日本の政治家、などなど語られる一つ一つの事柄が常にフル回転。

    個人的には最後の、外国人による日本人論についてが特に興味深かった。いやそんな控えめでなく、そうなんですよ!と叫びたかった。
    戦時中や戦後直後の日本人論は、未だに的を得ている点が多い、天才であっても個性は邪魔にされるなどなど。
    でも意外でありつつ納得したのは、日本における子供や若者間でのシステマティックないじめを指摘されていること。
    これをなくしさえすれば日本は改善されると。
    そしてもちろんこれは約80年たっても教育の場で放置されている。
    明治維新が自分達の独立したイデオロギーによるものでないというの話も、心のモヤモヤ取り払ってくれた感じ。
    「菊の刀」も積読してるので読まなきゃ。

    そして一時期、日本人は凄いという本が「日本で」売れ、そういう本を外国人が誰も書かなくなったら自分達で日本は素晴らしい、特殊であると誉め始めた。痛い。
    さらにこの本が出版された数年後の今、外国人旅行者が円安の日本を安く消費している、というこれも痛い現実。

    参考書としておすすめの本リストがたっぷりあるので、ほしい本リストがまた長くなりました。
    🔽 関連ページ 🔽
    共著 「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」池上彰 佐藤優, 2015
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    無敵の読解力 (文春新書 1341)


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    無敵の読解力 (文春新書) [ 池上 彰 ]
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  • 『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017年 レビュー | 韓国から日本へ渡る女性のストーリー

    『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017年 レビュー | 韓国から日本へ渡る女性のストーリー



    Pachinko
    Min Jin Lee, 2017
    パチンコ
    ミン・ジン・リー
    512 ページ
    2021.10 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 1910年の韓国から日本に渡った主人公
    ✔ 家族を抱えて貧困も戦争も生き延びる母の姿
    ✔ 韓国と日本の関係と歴史が一人の女性を通じて見えてくる

    ★★★★★ 韓国から日本に渡った一人の女性、彼女の人生で絶えることなく続く苦労と小さな幸せと愛。人生はパチンコの如く。負けると決まっている勝負、なのに続けてしまう。力強いエピック。


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1910年の韓国から日本に渡った一人の女性、彼女の人生で耐えることなく続く苦労と小さな幸せ。

    一人の女性の焦点を当てることで、より戦時中のリアルな苦しみが浮かび上がり、かえって普遍的なストーリーとなっていく。
    在日コリアンの歴史、日本と韓国の歴史、もしくは日本人と韓国人の歴史といったほうが正しいのか、その関係は簡単には概要を掴めない、というのも今日もまだ続き変わり続けているから。
    戦争は間違いなく関係悪化の要素の一つだけれどそれだけでもない。

    この本はいかに一瞬の不運やタイミングの違いでその後の人生が大きく揺らされるかを豊かな表現で描く。
    アジア人でないと分かりにくいところはあると思うけれど、アメリカ出版で世界中でベストセラー(むしろ日本の反応が遅くて鈍かった)

    韓国はドラマもそうだけどストーリーテリングが上手。
    ドラマチックな流れで、でも実際に戦時中や戦後はこんなスピードで人生は流れていったんだろう。

    フェデリコ•フェリーニは、人生は祭りだというけれど、この本は、「いや、人生はパチンコだ」といっている。
    フェアじゃない。負けると決まっている勝負。それでも続けてしまう。

    AppleTVのシリーズも観てみたい。



    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Pachinko” Min Jin Lee (2017) Review | Korean-Japanese epic
    tag 日本史
    tag 植民地主義
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    パチンコ 上 (文春文庫 り 7-1)
    
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  • 『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024年 レビュー | ダークでリアルなロンドン

    『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024年 レビュー | ダークでリアルなロンドン



    Caledonian Road
    Andrew O’Hagan, 2024
    カレドニアンロード
    アンドリュー・オヘイガン
    657 ページ
    2025.11 読了
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    日本語未出版



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 現在の金持ちの遊び場と化したロンドンを風刺する
    ✔ 富豪政治家やロシア人、インフルエンサーなどとの絡み
    ✔ 金と権力の渦に巻き込まれる美術史の専門家の苦悩

    ★★★★☆ 完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。未だに階級の問題は根強く残っているし、加えてロシアの富裕層や貧しい移民の問題もある。金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンって住むにはどんなところ?と聞かれたら、とりあえずこれを読んでと言う。
    完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。

    人々はより良い生活を求めてロンドンに行くけれど、すぐにそんなものは存在しないと気づかされる。
    ここ数年で特に急激にお金がないとマシな生活はできない街となった。
    未だに階級の問題は根強く残っているし、桁違いの金持ちの生き方は一般人からは見えないほどにきっぱりと区別されている。
    (もちろん旅行者に見えることは絶対にない)
    金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    仲間と敵、それは政治上あったり利益であったり郊外に住むギャングであったり。

    主人公の美術史の歴史家兼教授である生徒との関係がメインだけど、貴族階級の伝統的な富裕層、ロシアの富裕層、その子どもたち、犯罪も厭わない若者ギャングなどの視点からも描かれていてまるでロンドンの街の生活そのままの複雑なサスペンス。

    このエリアは実は私は合計10年近く住んでいたので、知ってる道の名前が出てきて嬉しい。
    この辺は貧しい通りと裕福な通りが本当に隣り合わせ。

    英語レベルで言うとロンドンのスラングなども入ってくるのでちょっと難しめ。
    しかもみっちり657ページ。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Caledonian Road” Andrew O’Hagan (2024) Review | Dark reality of London today
    tag ロンドン

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    Caledonian Road: The Sunday Times bestseller (English Edition)
    
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  • 『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022年 レビュー | インド好きのためのミステリー

    『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022年 レビュー | インド好きのためのミステリー


    The Bangalore Detective Club
    Harini Nagendra, 2022
    (バンガロール探偵クラブ)
    ハリニ・ナジェンドラ
    292 ページ
    2022.12 読了
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    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ シリーズ第一弾
    ✔ 1920年の南インドを舞台に若い主婦が犯罪に立ち向かう
    ✔ 当時のカルチャーや南インド料理の描写も魅力

    ★★★★☆ 1920年代の南インド、新米の主婦がベンガルールの街で起こる犯罪を推理する、という可愛い感じの推理小説。街の有名スポットが色々出てきて予習になったし美味しそうな料理も出てくる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1920年代のインド、医者と結婚したばかりで主婦として静かな生活を送るはずの主人公が南インドのベンガルール(バンガロール)の街で起こる犯罪を推理する、という可愛い感じの推理小説。
    シリーズ物の第一弾。
    主人公Kaveriが好奇心旺盛で強くて、そうなのインドの都会の女の子ってこんな感じっていう楽しさと、権力を持つイギリス人との衝突もあったり。
    若い奥さん、主婦であっても、白い目で見られても趣味の水泳はやめないし、好きに外を歩き回る。

    著者が実は生態学者という変わった経歴なのも面白いので続編も読んでみる。

    ベンガルールの街のスポットが色々出てきて旅行予習になったし美味しそうな料理も出てくる。
    インド好きな人が軽く楽しく読める。

    英語も比較的簡単なので英語の勉強にも。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Bangalore Detective Club” Harini Nagendra (2022) Review | Nice mystery for India lovers
    tag インド
    tag 女性主体

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    The Bangalore Detectives Club (The Bangalore Detectives Club Series) (English Edition)


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  • 『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012年 レビュー | 自分を見つける巡礼の旅

    『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012年 レビュー | 自分を見つける巡礼の旅



    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful
    Gideon Lewis-Kraus, 2012
    ギデオン ルイス=クラウス
    352 ページ
    2025.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ カミーノ、四国、ウクライナをめぐる巡礼の旅
    ✔ 30歳のライターの若い男性と家出した父親との葛藤
    ✔ スピリチュアルじゃなくかなりリアルな大変な旅行記

    ★★★★☆ 30歳のライターがスペインのカミーノ・デ・サンティアゴ、四国のお遍路、ユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと回る旅行記。旅の本当の目的は家族を捨て若い彼氏と暮らす父親との関係を修復することだと気づく。父を許せるのか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最初は普通の旅行記にもとれる。
    30歳のライターでベルリンに自由気ままに文句をたれながら暮らしていたけれど、あるきっかけからキリスト教の巡礼の地カミーノ・デ・サンティアゴでスペインへ、そして四国のお遍路四国八十八ヶ所霊場、最後はユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと次々と巡礼の地を回る。
    そしてこの旅の本当の目的は、自分の父親との関係を修復することだと気づく、といった感じ。

    世界中を回って結局自分の求めていたものはいつも出発地点にあったという典型的な旅ではあるけれど、やっぱりきつくて苦しい思いをすることでそこにたどり着くのです。
    ユダヤ教の指導者ラビであった父親が、ある日若い男の恋人を作って家を出た。
    その父親を許せるのか、許すのか、自分は父親を愛しているのか、父親は自分を愛してくれていたのか。

    そういう彼自身の葛藤を別にしても巡礼を回る旅行記としても面白い。
    宗教心もスピリチュアルな思いも全くなし、でも現代人はそういう人が多い。
    それでも巡礼をする意味はやっぱりある。
    サンティアゴは友人と(友人や恋人と巡礼する人たちは多くが分かれるらしいけど彼はなんとか友情を保ちつつ)、四国は一人きりで、そしてウクライナは弟と父親と。

    ユダヤ人らしいユーモアもちらほら見えて読み物として面白い。
    ただ足の裏がぼろぼろになり寒くて辛くて心も折れるこの旅行記を読んで自分も巡礼に行こう、とは思わないかも。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “A Sense of Direction” Gideon Lewis-Kraus, (2012) Review | Pilgrimages to yourself
    タグ: 宗教

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    A Sense of Direction Pilgrimage for the ...
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    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful (English Edition)

  • 『透明な螺旋』東野圭吾, 2021年 レビュー | ガリレオの真実

    『透明な螺旋』東野圭吾, 2021年 レビュー | ガリレオの真実



    透明な螺旋
    東野圭吾, 2021
    368 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ガリレオシリーズ、湯川の過去をめぐる
    ✔ 湯川も関わる、子供や家族がテーマの今作
    ✔ 彼も年を重ねそれなりの問題も出てくるというリアルさ

    ★★★★☆ 宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。すごいなあ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズ最新作。
    宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。

    面白いのはもう当然というか、読者はみんな異常に期待してるのに、新しさを入れながらクオリティをキープしてるすごさ。
    表紙からも分かるように子供や家族がテーマ、それ以上はネタバレなのでいえないけど、やっぱり捻ってきてくれるのが東野圭吾。

    登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。
    すごいなあ。
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    透明な螺旋 (文春文庫) [ 東野 圭吾 ]
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    透明な螺旋 (文春文庫 ひ 13-14)

  • 『女が死ぬ』 松田青子, 2021年 レビュー | 屈しない女性像

    『女が死ぬ』 松田青子, 2021年 レビュー | 屈しない女性像



    女が死ぬ
    松田青子, 2021
    224 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 短編より短い五十三の掌篇集で描く屈しない女性像
    ✔ 「女らしさ」や「女性像」に対抗するパワフルさ
    ✔ 日本の新しいフェミニズム

    ★★★★★ おお、なんかすごいのを読んでしまった。はじめての松田青子、噂からもタイトルからも怒りに溢れている。屈しない。周りが何を言おうが、現代のティンカーベルのように自分の好きな方に飛んでいく。好き勝手にトイレに吐き出す。ステキ。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    おお、なんかすごいのを読んでしまった。
    はじめての松田青子、噂からもタイトルからも女が強そうでしたが、ただそうじゃない、怒りに溢れている。
    でも爆発する怒りじゃなく、沸々とする怒り。
    「あなたの好きな少女が嫌い」「男性ならではの感性」のように性懲りもなく突きつけてくる男性中心視線の社会に怒り、「女が死ぬ」をまたは「ミソジニー解体ショー」をしちゃいそうな怒り。
    日本ぐらいですよ、「女性ならでは」とか公で言うの。
    広告や雑誌で普通に「女性ならではの感性」なんて恐ろしい言い方して男も女も納得してるの。

    屈しない。
    周りが何を言おうが、現代のティンカーベルのように自分の好きな方に飛んでいく。
    好き勝手にトイレに吐き出す。
    ステキ。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “BUTTER” Asako Yuzuki (2017) Review | Her life her food her body
    tag フェミニズム/Feminism
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    女が死ぬ (中公文庫 ま51-2) [ 松田 青子 ]
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    女が死ぬ (中公文庫, ま51-2)



  • 『インド ミニアチュール幻想』 山田和, 2009年 レビュー | 宇宙と神々と人の営みが詰まっているインドの芸術

    『インド ミニアチュール幻想』 山田和, 2009年 レビュー | 宇宙と神々と人の営みが詰まっているインドの芸術



    インド ミニアチュール幻想
    山田和, 2009
    511 ページ
    2025.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの細密画をめぐる旅行記、歴史、エッセイ
    ✔ 細密画は作者の個人という枠も時間も空間も超える
    ✔ インド好きや美術史好きへ

    ★★★★★ 細密画のなかには宇宙と神々と共同体としての人の営みが詰まっている。個人という枠を軽々と越え、時間と空間の壁を越え、宇宙と神と一体になるという感覚。音や絵を通じてしか伝えられない古代から続く感覚。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    細密画のなかには宇宙と神々と共同体としての人の営みが詰まっている。
    そしてこの本はそれを我々に伝えようとする。

    細密画を通じてインドを旅行するような本。
    ただここでは、街から街へという移動ではなく、インドという空間と歴史を移動する感じ。
    16世紀から18世紀に渡り栄えたインドの細密画文化はラジャスタンを中心としたヒンドゥー教色の濃いラジプート派と、ムガール帝国時代の華やかな文化を象徴した、ムガール細密画と大きき二つあるよう。

    そして有名なのは筆。
    私が聞いたのはリスを毛を、一匹からは毛一本しか抜かない、というものだったけれど、ここではバサッとハサミで切るそう。
    それでも、一匹からは筆一本しかつくらない。
    もちろんそのリスには危害を加えないように細心の注意を払いつつ。

    そういう全体的なミニアチュールに関する章もあるし、画家個人を追った章、または蒐集家を追った章もある。
    細密画コレクターの友人でありライバルと、骨董屋から安く買い取るやり取りの様子も、蒐集に取り憑かれて犯罪や詐欺にに手を染める男たちもと、とにかく幅広い内容でどんどんよ読み進めてしまう面白さ。
    そして最後の方にはインド思想という壮大な時空の中にある細密画の位置付けと意義とでもいうのか、細密画に見る美の存在自体を追求する。
    最後に参考文献がたくさん並んでいるので、できる限り揃えたい。

    芸術であり宗教的であり、作者一人の人生を越えたもの。
    だから描いた人のサインはされない。
    画家はもちろん画家のカーストに生まれたから、父から祖母から受け継いだ精神で自らの人生全てで細密画に向かう。

    個人という枠を軽々と越え、時間と空間の壁を越え、宇宙と神と一体になるという感覚。
    音や絵を通じてしか伝えられない古代から続く感覚。
    この前読んだのNine Livesに通じるものもあるけれど、同じようにその感覚が近代化のなかでなくなりつつあるという危機感も持ってしまう。
    日本だって音楽や芸術を通じて自然と繋がる感覚がなくなっているように。

    やっぱりラジャスタンいかなきゃなー。
    最近どのインドの本みても、ラジャスタン州が出てくる。
    超観光地だから前回ためらったけど、毎日移動に車で8、9時間という現実を受け入れればまだ近代化してないインドに会えるんだろうなー


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  • 『(ハイヒールを履いた僧侶) 』西村宏堂, 2022 感想 | メイクアップと仏教という使命 >>

    『(ハイヒールを履いた僧侶) 』西村宏堂, 2022 感想 | メイクアップと仏教という使命 >>

    🔽 基本情報 🔽
    This Monk Wears Heels: Be Who You Are
    Kodo Nishimura, 2022
    (ハイヒールを履いた僧侶)
    西村宏堂
    224 ページ
    2022.09 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    お坊さんでありながらメイクアップアーティストであるユニークな人物。
    ユニークで強い使命感を持った人物。

    若い人にとって大きな励みになる自己啓発の本、ゲイであろうがなかろうが、根本的なメッセージは変わらない。
    自分に自信を持って、誇りを持って。

    メイクアップは自分の美をより強めるものであり、その裏に隠れるためのものではない。
    そして仏教は真実を追求するものである。
    そういう見方で考えると、一見無関係な2つのことが同じ目的を持っていて、それこそが彼の目的、ミッション。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “This Monk Wears Heels” Kodo Nishimura (2022) Review | Make-up and Buddhism
    tag 仏教
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  • 『(ダージリン 世界最高の茶)』Jeff Koehler, 2015年 レビュー | 植民地主義と高級茶

    『(ダージリン 世界最高の茶)』Jeff Koehler, 2015年 レビュー | 植民地主義と高級茶



    Darjeeling: A History of the World’s Greatest Tea
    Jeff Koehler, 2015
    (ダージリン 世界最高の茶)
    286 ページ
    2022.04 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ダージリン茶をめぐる歴史書
    ✔ 現在も続く植民地主義的な搾取の仕組み
    ✔ 労働者の日給はダージリン茶一杯以下という現状

    ★★★★★ お茶を摘む作業を担う女性の一日の給料は、一杯のダージリンの値段以下。世界有数の飲み物でありながら、つくり手の問題や生活環境は厳しく、いまだに植民地的な搾取によって生産されている。ダージリン茶に関するすべての背景をかなり掘り下げた一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ダージリン茶に関するすべての背景、なぜダージリンに茶が植えられたか、どういった植民地的な歴史を抱えているのかなどをかなり掘り下げた一冊。
    英国人が始めインド人経営者が受け継いだ茶園、そこに住み働く代々慎ましい生活をする人々の様子など人にまつわることも。

    多くの人にとってダージリンのお茶の風味はユニークな優雅さだったり高級感を象徴するけれど、ダージリンの抱える問題は別のユニークさがある。
    世界有数の高級な飲み物でありながら、つくり手の問題や生活環境は厳しく、いまだに植民地的な搾取によって生産されている。
    お茶を摘む作業を担う人間の一日の給料は、一杯のダージリンの値段以下。

    同じく世界有数の飲み物であるシャンパーニュやウィスキー、抹茶などと違い現地の国民、インド人は口にしないダージリンティー。
    数え切れない問題を抱えるダージリン茶産業、今後も人々はダージリンを飲み続けるのか、そして作り続けることはできるのか。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Darjeeling: A History of the World’s Greatest Tea” Jeff Koehler (2015) Review | Colonial history and Darjeeling
    tag
    tag 東ヒマラヤ
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    Darjeeling: The Colorful History and Precarious Fate of the World's Greatest Tea


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  • 『マスカレード•ゲーム』 東野圭吾, 2022年 レビュー | ファンのためのエンターテイメント

    『マスカレード•ゲーム』 東野圭吾, 2022年 レビュー | ファンのためのエンターテイメント



    マスカレード•ゲーム
    東野圭吾, 2022
    Keigo Higashino
    416 ページ
    2025.05 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ マスカレードシリーズ第4弾
    ✔ 主人公二人に新しい相棒も加わる
    ✔ 解決できない三つの犯罪のミステリー

    ★★★★★ 人間ドラマがちゃんとあり、さすが東野圭吾はファンを分かってくれていて、期待の上を回るものを提供してくれる。今回の相棒の嫌なやつな雰囲気もいい。期待を裏切らない、極上のエンターテイメント。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    期待を裏切らない、極上のエンターテイメント。
    シリーズ最新作(5月当時)でしかもいつもの顔ぶれも皆さん久しぶりにホテルに集まるということで同窓会っぽい雰囲気もあり楽しい。
    新しい相棒の若い女性刑事も嫌なやつな雰囲気がいい。

    どうしても解決ができない三つの殺人。
    ストーリーの方もしっかりしていて人間ドラマがちゃんとあり、さすが東野圭吾はファンを分かってくれていて、期待の上を回るものを提供してくれる。
    さすがです。


    🔽 関連ページ 🔽
    タグ: 東野圭吾
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  • 『老子道徳経』 老子 レビュー | 中国思想の圧倒的なすごさ

    『老子道徳経』 老子 レビュー | 中国思想の圧倒的なすごさ



    Tao Te Ching
    Laozi
    老子道徳経
    老子
    78 ページ
    2023.11 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 中国春秋時代の思想家、老子による道家思想の根本経典
    ✔ 伝説化されているけれど中国思想のベースであることは確か
    ✔ 正しいことをするという普遍性

    ★★★★☆ 道教のメインの書物。これは英訳と、それぞれの章のあとにコメンタリーがついているもの。なるほど仏教が中国思想のフィルターを通って日本にたどり着いた、というのはこういうこと。ちゃんと勉強して何度も読み返すべき本。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    道教のメインの書物。
    老子が書いたとされるけれど、いや怪しいとか、老子自体が存在したかとか言う点も議論になるらしい。
    これは英訳と、それぞれの章のあとにコメンタリーがついているものだったけれど、もちろん出版社や時期によって全然変わってくると思う。
    なにも予習せずにいきなりメインの書を読んでも分かりづらいというのが正直な感想で私のせい。

    興味深いのはもちろんだけど、なるほど仏教が日本にたどり着いたときはもうインドの仏教とはぜんぜん違うものだったのもよくわかる。
    中国の思想はとても強いので、このフィルターを通したことでそうなったんですね。

    ちゃんと勉強して何度も読み返すべき本。
    そしてできれば詳しい解説付きで…

    (年代カテゴリーに紀元前はないので、1-1699年のカテゴリーに)
    (日本語でも色々出てますが、2つランダムにピックアップ)
    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “Tao Te Ching” Laozi Review | Absolute greatness of Chinese Thought
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  • 『星月夜』李琴峰, 2023年 レビュー | 外国籍の二人の女性の東京物語

    『星月夜』李琴峰, 2023年 レビュー | 外国籍の二人の女性の東京物語



    星月夜
    李琴峰, 2023
    Li Kotomi
    192 ページ
    2025.10 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 東京に住むウイグルと台湾の女性の恋愛
    ✔ 外国人としての生活、故郷への想い
    ✔ 東京を舞台とした次の世代の恋愛小説

    ★★★★☆ 外国籍の二人の女性の東京物語。外国人という生きづらさ、宗教やセクシュアリティという葛藤、また他文化に抑圧される故郷への想い、その上に自分の未来への希望や不安を、ひんやりと描く。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    外国籍の二人の女性の東京物語。
    静かにひんやりとした、新鮮さがある。

    ウイグルから来た学生と台湾からきた日本語教師。
    その設定も絶妙でいわゆる狭い意味での中国に対しネガティブなイメージを持って育った二人が日本という外国で、中国語(Mandarin)で会話する。
    端から見るとそれで心は通じ合えると見えるが実はそうでもないし、あまりにも故郷の環境が違う。
    それぞれ自由になるために日本に来た、その代償は小さくない。

    彼女らの日本での生活の物語だけど、それは完全なフィクションではない。
    日本のように外国人に対し厳しい社会では、外国人であることはまず圧倒的に不利であり、しかも白人でないとなると日本人より優れた才能や能力があるぐらいでは対等にすらなれない。
    いろんな側面の言葉の問題が何度も出てくるのが面白い、よく分かる。
    その一人が言う通りで日本語が話せてもわずかな発音で差別される悔しさは、差別される側の人間しか分からない。
    そしてその悔しさも差別も一日に何十回もある。

    外国人という生きづらさを背景に、宗教やセクシュアリティという個人レベルの葛藤、また他文化に抑圧される故郷への想い、そういったものの上に、自分の未来への希望や不安を、ひんやりと描く。

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  • 『クスノキの番人』 東野圭吾, 2020年 レビュー | 大きな木の不思議な力のファンタジー

    『クスノキの番人』 東野圭吾, 2020年 レビュー | 大きな木の不思議な力のファンタジー



    クスノキの番人
    東野圭吾, 2020
    456 ページ
    2023.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ナミキ雑貨店系のドラマの感動作
    ✔ 人生をあきらめや下野理になっていた主人公の再生
    ✔ 犯罪ミステリーだけじゃない東野圭吾の才能の広さ

    ★★★★☆ 東野圭吾のちょっとファンタスティックな感動系。大きな木というのはきっと不思議な力を持っていると誰もが思っているほど普遍的な力がある。そういう安心感が本から滲み出てる。ストーリーからも本自体からも。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    東野圭吾の、ちょっとファンタスティックな感動系。
    とにかく彼の本は面白い。
    エンターテイメント、読みごたえ、というか、ふわふわしていないストーリー性がありどんなときでも読みたくなるし、読んでいて面白いし嬉しいというか。

    これもナミキ雑貨店系のドラマで、最後にガツンと感動させられる。
    大きな木というのはきっと不思議な力を持っていると誰もが思っているほど普遍的な力がある。
    そういう安心感が本から滲み出てる。ストーリーからも本自体からも。

    小難しくせずひたすら面白さを追求する、ある意味職人的な小説家。
    いや難しくないわけじゃないんだけど、それでもエンターテインメントの要素をきちんと考えてくれている。

    今回もやっぱり、やられた。
    お、映画化もするんだ、楽しみ。

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  • 『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い


    正欲
    朝井リョウ, 2021
    528 ページ
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 多様性という言葉を安っぽく乱用する日本社会の風刺
    ✔ 理解できるという安全エリアを超えたものに対する嫌悪
    ✔ 稀な性癖の二人が出会えた幸せとその生活を続けるつらさ

    ★★★★★ 確かにズシンと重みがあって後味も悪い一冊。「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」と言われているからだ。多様性、言うは易し。もし不特定多数の想像を超える欲望だったら?

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    確かにズシンと重みがあって、後味も悪い一冊。
    なぜかと考えると。
    やっぱり最大の理由はこの本にずばりと「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。
    「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」
    「あんたも都合のいい多様性だけには寛容なんでしょ」
    「あんたも本当は人に言えないことあるでしょ」

    多様性、言うは易し。
    外国で暮らすと当然のことながら自分の価値観はマイノリティになる。
    (価値観どころか自分の存在自体がマイノリティになるし、酷ければ虐げられるけど)
    でも実は国境を越えなくても、じゃあ同じ町で生まれた人はみな同じ感覚か、教室ではみな分かち合えるのか、きょうだい間では。
    そうつまり、理解してもらうことは超レア。
    でも学校では日本は特に正しい答えを復唱することだけを教えられてきて、表面だけではみんな正常で安心して同じ製品として大きくなっていく。
    人は自分と違うという意識がないので想像力が培われない。
    ただし、根本的な欲望が人と違う人間の場合は別。
    人と違う不良品と思い込んで生きていくしかない状況に陥りやすくなる。

    結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。
    主人公たちが実際に出会えた幸せというのは、本当は図りきれない奇跡。

    人それぞれに興奮する対象が違うというのは当たり前で、人に言えないことがあるのも、程度や頻度は違ってももうここで人生終わりたいと思うことも当たり前。
    人生で知らないことばかりなのも、ほとんどの場面で自分が間違っているのも当たり前。
    つまりみんな正解のない中で生きているんだな、と分かれば自分も他人も楽になるのでは。

    多様性は大事。
    多様性のない社会は滅びます。
    たぶんずっと正しい答えは見つからず、しかも現在正しいとされていても時代が変われば正義も変わるし、永久に議論は続くと思う。
    でも議論ができるというのは違う意見が立場が存在するからで、社会はすこーしずつ良くなる。
    つまり、たまには大声を出しあってでも議論が永久に続くことが少なくとも私たちができる最良な選択でもあるのでは。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “(Ab)Normal Desire” Ryo Asai (2021) Review | You, too
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    正欲 (新潮文庫 あ 78-3)


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  • 『ババヤガの夜』 王谷晶, 2020年 レビュー | 新しいバイオレンス、シスターフッド

    『ババヤガの夜』 王谷晶, 2020年 レビュー | 新しいバイオレンス、シスターフッド



    ババヤガの夜
    王谷晶, 2020
    208 pages
    2025.10 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 痛快なアクションとバイオレンスにあふれたミステリー
    ✔ 女性主人公を女性として描く新しいカタチ
    ✔ ジェンダーを超えるシスターフッド

    ★★★★★ バイオレンス爆発、アクション爆発、シスターフッド爆発。非常に暴力的なでありながら、きちんと堂々と一人の女性であるということがすてき。エンターテイメントに徹していながら新しい世界に踏み込んでいく、大事な一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    噂通りにバイオレンス爆発、アクション爆発、シスターフッド爆発。

    女性が主人公でここまでスッキリと細かく暴力的なのは他に読んだことない。
    ヤクザものもどうしても女性は弱い立場か、悪女か、トラウマがあるか(つまり可哀想にこの女はだから暴力に走ったんだね、という言い訳つき)、または無駄に男っぽいかになる。そう、典型的な「女嫌い」男尊女卑になってしまうところを、これは違う。
    依子は非常に暴力的なでありながら、きちんと堂々と一人の女性であるということがすてき。

    女性は揃いも揃って弱い女、もしくは悪い女、男性目線でよしよし、とされるそんな小説も物語ももういらない。
    女同士の強い絆、シスターフッド sisterhood。
    主人公が自分の足で、腕で、憧れの存在に近づくかっこよさ。

    いやー、これをただのバイオレンス小説と読まないで、もったいない。
    エンターテイメントに徹していながら新しい世界に踏み込んでいく、大事な一冊。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Night of Baba Yaga" Akira Otani (2020) Review | Sisterhood and violence
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    ババヤガの夜 (河出文庫) [ 王谷 晶 ]
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    『ババヤガの夜』日本人初受賞 世界最高峰のミステリー文学賞 英国推理作家協会賞(ダガー賞) (河出文庫 お 46-1)


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  • 『YouTube大全』 小山竜央, 2023年 レビュー | 本気な人はまずはこれが必読書

    『YouTube大全』 小山竜央, 2023年 レビュー | 本気な人はまずはこれが必読書



    【超完全版】YouTube大全
    6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法
    小山竜央 2023
    Tatsuo Koyama
    400 pages
    2025.7 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 本気でYouTubeを始めたい人のための教科書
    ✔ ユーチューバーとしてではなく自社の顧客増加にフォーカス
    ✔ これを実践する気力がないといけないと実感

    ★★★★☆  しっかりとした内容で実践的な方法の記載。YouTubeで自社の顧客と増やすというのが目的でありYouTuberとしての収益ということではない。私は自分には根気が足りないと再確認。本気で初めたい人はまず読んで。非常に役に立つ一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    本というか教科書。
    しっかりとした内容で曖昧なことじゃなくて実践的な方法の記載。

    ビジネス相手でYouTubeで自社の顧客というかファンを増やしたい、というのが目的で、YouTubeの収益ということではない。
    リサーチして真似して自分色を足す、面白おかしく話す、というのが原則で、やっぱりそこができないとYouTubeは絶対できない。

    全体的に読んでやっぱり、ここまでしっかり根気強くできるかどうかはわからない(というか今のところその必要もない)。
    でも本気で初めたい人には非常に役に立つし、私も必要になればこの本のとおりに実践します。
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  • 『遺伝学者、レイシストに反論する』アダム・ラザフォード, 2020年 レビュー | 人種差別を事実で論破する

    『遺伝学者、レイシストに反論する』アダム・ラザフォード, 2020年 レビュー | 人種差別を事実で論破する



    How to argue with a racist
    Adam Rutherford, 2020
    遺伝学者、レイシストに反論する
    差別と偏見を止めるために知っておきたい人種のこと
    アダム・ラザフォード
    224 pages
    2023.01 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 人種差別主義者のロジカルでない思考を論破
    ✔ 遺伝子や歴史の史実に基づいた論理
    ✔ 嘘の情報を与えられている人に淡々と事実を語る方法

    ★★★★★ 人種差別の理論がいかに科学的でないか。根拠のない誤った論理にしがみついている差別主義者たちを事実を用いて論破する方法。事実は事実であるわけです。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    人種差別の理論がいかに科学的でないか、という本。

    著者の専門は遺伝子で、一般的に「人種」ということで、肌の色の違いで人類がさらにカテゴリー別に存在するように思われがちだけど、遺伝子という観点でもそうではないということを分野別にきちんと説明している一冊。

    人種差別主義者、レイシストは「人種的に」黒人はああだ、中国人はどうだ、という言い方をする。
    そして100年、200年前に奴隷制度や白人至上主義を肯定するためなんかに言われていた古い考えを何度も繰り返したり、また根拠のない理論を用いる。

    DNAや遺伝子、歴史、古代史など難しくなりがちなものを分かりやすく、興味深くかいている。

    ほんと、よくあることだけど彼らの主張は自分に都合の良い言葉にしがみついて、自分が気分が良くなるためだけのものであり、そういう人に事実を語っても無駄と思ってしまうことは多い。
    でも、だからといっても事実は事実であり、根拠のない差別的な発言はつまりは嘘。
    そこを知らされない人(差別は無知から)に対して、でも言っても無駄だから、そんなの常識だからわかるはず、と放っておいた結果がまたトランプが大統領になった大きな理由だったりするわけで。

    事実を淡々と伝え、嘘の中で生きる差別主義者を言い負かせ、その事実を受け入れてもらえるようにする、やっぱり一般教育は大事なんですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “How to argue with a racist” Adam Rutherford (2020) Review | Facts are facts
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    遺伝学者、レイシストに反論する [ アダム・ラザフォード ]
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    遺伝学者、レイシストに反論する 差別と偏見を止めるために知っておきたい人種のこと


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  • 『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 レビュー | 5つのアジア分離独立の悲劇

    『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 レビュー | 5つのアジア分離独立の悲劇



    Shattered Lands
    Five Partitions and the Making of Modern Asia
    Sam Dalrymple, 2025
    (シャタード・ランド
    5つの分離独立と現代アジアの誕生)
    サム・ダルリンプル
    528 pages
    2025.09 読了
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    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 大英帝国の支配下にあったインド帝国の分離の歴史
    ✔ 当時の世界の人口25%の人間の移動と略奪と悲劇
    ✔ 20代の若き歴史家のヒューマニズムにあふれる一冊

    ★★★★★  今日のアジアを造り上げた分離独立。現在のイエメンからミャンマーに広がっていたインド帝国で民族や宗教の枠を超えてコスモポリタンな社会に生きていた人々の生活が命が粉々に引き裂かれた。現在も続く、誰も知らない誰も語らない暗い歴史を丁寧に書いた、今後の歴史に残る一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    現代アジアを造り上げた分離独立、パーティション。
    その背景は日本人だけでなく、当事者のインド周辺の現地の人にも、英国人にも世界中でも知られていない。
    バングラデシュ、ミャンマー、カシミヤ、そういうニュースで見る地域の問題は、自然発生したものではなく、もちろん現地の人が単純に暴力的だからでもない。
    何事にも理由がある。

    日本での第二次世界大戦の終戦日のぴったり2年後、インド帝国が英国から独立。
    それは有名だけれど、そのインド帝国、つまり現在のイエメンからミャンマーまでの壮大なエリアがその前後にどう分けられていったかはあまり知られていない。
    というか、イエメンからミャンマーまで、その間に現在のカタール、アラブ首長国連邦、ブータン、など無数の藩王国があったのすら知られていない。
    5つの分離、つまりミャンマーの独立、アラビア半島の独立、インド・パキスタン分離独立、印パによる500ほどの藩王国の吸収、バングラデッシュの独立。

    「知られていない」と繰り返し書いているけれど本当にそうなのだから仕方がない。
    英国はインド帝国の利益によって支えられていたけれど、大英帝国の人口は当時の世界の人口の25%!
    戦争により経済が崩れた英国は取り急ぎ十分な準備もなく独立を進める。
    大英帝国といえば、どこにいっても嘘をつき続け、右に左に騙し続け、最後は自分の手は汚さずさっさと逃げ出す、いつも同じパターン。

    Shattered Lands、粉々になった土地、というタイトルの通り。
    戦時中にまずミャンマーが分離。(しかも当時ミャンマーの現ヤンゴンが世界で人の出入りが激しい港、つまりニューヨークなんか追い越した大都会だったと。なんと。)
    当時人口の16%いたインド系の人間はミャンマー人じゃない、と追い出される。
    この本は5つの独立分離について非常に詳しく描かれているけれど、5つとも現地の人々の反応、待遇、対応、残酷さはすべて似ている。
    民族や宗教の枠を超えてコスモポリタンな社会に生きていた人々。
    何百万という人間が新しく引かれた国境を超え、もちろん多くは難民となり、少なくない数の人が虐待、強姦、そして殺された。

    粉々になった土地、ばらばらに引き裂かれた人々。
    カシミア紛争を含むインド・パキスタン情勢、ロヒンギャ難民問題などその多くは解決していない。
    他のところで聞いたことだけど(彼のお父さんのポッドキャストで)、この時代を生きた人は、それこそ戦争に駆り出された日本のおじいちゃんたちもそうかも知れないけれど、多くを語りたがらない。
    彼らはその恐怖と過ちと恥を墓まで持っていくつもりで口は開かない。
    その子どももなんとなく聞きづらくて追求しない。
    でも今、孫の代になって初めて真相が明らかになっているという現象が起きているらしい。

    細かく言うと色々とあるんだけど、それはいつかきっとこの本が日本語に訳され日本でも多くの人の手にわたることを願い省くとして(ミャンマーには日本もかなり関わってきます)、全体として印象深かったのは、分離独立前は各々の地域によって生活習慣も違っていたのに、セキュラ―な社会、非宗教的な社会だったということ。
    完全に平和かといえばそうじゃなかったにしてもギリギリのバランスは保たれていた。
    それが突如、超宗教的で、国民主義的、ナショナリズムに走ったはっきりいって差別的で軍事的で暴力的な社会を次々と生み出してしまった。
    英国の下で植民地化された社会が良いとは言えないけれど、じゃあ紛争のないアジアを目指したとき、人々はセキュラ―であることを目指し宗教や伝統を蔑ろにしたほうがいいのか。
    共同体が与えてくれる安心感は過去の産物になるのか。
    伝統は狂暴なのか。

    この本には毎ページに驚きが隠されている。
    素晴らしい歴史本は大概まるで物語を読んでいるように感じるけれど、この本もそう。
    28歳の著者サム・ダルリンプル氏はヒューマニズムに溢れ人間的で、情熱を持った人物だと言うのが手に取るようにわかる。
    これだけ残酷な歴史を語る本の中にも、それでも宗教の違う友人が命をかけて助け合った話をきちんと残してくれるし、彼自身も独立分離によって故郷に帰れない人の代わりに国境を超えて代理で会いに行くという活動もしている。

    もちろん父親がウィリアム・ダルリンプルということはプラスに働いているけれど、彼は20代にして初出版にして、もう自分の足で立っている歴史家の一人。
    インドでもダルリンプル親子がベストセラーのチャートにずっと上ってたし、インド史周辺はなかなか面白いことになりそう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Shattered Lands" Sam Dalrymple(2025) Review | Making of new Asia
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  • 『汝、星のごとく』 凪良ゆう, 2022年 レビュー | 純粋にまっすぐ、強く生きる

    『汝、星のごとく』 凪良ゆう, 2022年 レビュー | 純粋にまっすぐ、強く生きる



    汝、星のごとく
    凪良ゆう 2022
    Yu Nagira
    348 pages
    2025.09
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 高校生のころから運命を共にしてきた二人の恋愛
    ✔ 急激に変化する環境の中でまっすぐに生きる
    ✔ 悲しいながらもきれいなラブストーリー

    ★★★★☆ 純粋にまっすぐ、強く生きる。若い人が例えば読書を好きになるきっかけになる素敵な綺麗なストーリー。話題作なはず。良いですね。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    話題作。
    前はいつも自分好みの作家ばかり選んでいたので、意識的に話題作もちゃんと読んでる。
    これも本屋大賞を獲る作家、凪良ゆう (といっても名前も聞いたことがあるくらいだったけど、それは私が日本にいないという地理的な問題。)

    タイトルや表紙からもわかる綺麗なラブストーリー。
    自分勝手な親に振り回される高校生の恋から、ぐるぐると回る環境に巻かれ、するりと大人になってしまう二人の物語。

    純粋にまっすぐ、強く生きる。

    意地を張りながら、仕方がないと思いながら、打ちのめされながら、忘れずに自由を望みながら、愛と生をしっかり抱えながら。
    若いって素晴らしいとは言わない。そんなに人生は楽じゃないし、環境や境遇はそう簡単には変えられないし変わらない。

    続編があるそうで、ということはちゃんと他のも読まないと大きな事は言えないけど、若い人が例えば読書を好きになるきっかけになる素敵な綺麗なストーリー、それに尽きると思う。
    私のツボから離れているのは、私がターゲット層じゃないからでストーリーは素敵、おすすめできる。
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  • 『マーリ・アルメイダの七つの月』シェハン・カルナティラカ, 2022年 レビュー | 挑発的にスリランカのリアルを描く

    『マーリ・アルメイダの七つの月』シェハン・カルナティラカ, 2022年 レビュー | 挑発的にスリランカのリアルを描く



    The Seven Moons of Maali Almeida
    Shehan Karunatilaka, 2022
    マーリ・アルメイダの七つの月
    シェハン・カルナティラカ
    368 pages
    2024.09 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ スリランカの歴史と文化を背景とした挑発的なファンタジー
    ✔ 死んだ戦場カメラマンの主人公が自分の死因を探し求める
    ✔ モンスターあり、幽霊ありの型にはまらない一冊

    ★★★★★ 挑発的でファンタジーでありながらスリランカのリアルを描く、何でもありの型にはまらないぶっ飛んだ一冊。ロック音楽が大音量でかかっているかのような読書体験。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ずっと気になっていたけど、できるだけ前情報無しで読んだ本。
    なので、もし何も知りたくなかったら、この本は型にはまらない自由でぶっ飛んだ本ということだけ知ってもらって、あとはこの文章は読まないでください。
    こんな私の文章を読んだところで本の方は想像を絶するわけですが。

    まず死んだところからスタートする、さて誰が俺を殺したかのストーリー。
    幽霊ありモンスターあり、ミステリーで、現代スリランカの複雑な戦争、ということがキーワードだけど、だからといってこのストーリーが想像できるわけではない。
    スリランカの現代史を全く知らないと少しだけ出遅れるけれど、どうせぶっ飛んでいるし、徐々に物語の中に引きずり込まれていく。

    主人公は二人称youで書かれていて、何も分かっていない主人公と一緒に発見していくのがさらに良い。
    ただそのyouはテキトーな戦場カメラマンで、浮気症のゲイで、ギャンブル依存。
    絵に書いたアンチヒーローに徹しているのに一緒に7つの月の時間を過ごしていくとそんなに悪いやつじゃない気がしてくる。

    挑発的でファンタジーでありながらスリランカのリアルを描くという、型にはまらないマジカルリアルズムの一冊。
    ロック音楽かパンクが大音量でかかっているかのような読書体験。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Seven Moons of Maali Almeida" Shehan Karunatilaka (2022) Review | Provocative and real
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    The Seven Moons of Maali Almeida: Winner of the Booker Prize 2022 (English Edition)


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  • 『ことばが遅い自閉症児のおうち療育』 今川ホルン, 2024年 レビュー | 楽しく脳を育てる

    『ことばが遅い自閉症児のおうち療育』 今川ホルン, 2024年 レビュー | 楽しく脳を育てる



    ことばが遅い自閉症児のおうち療育
    今川ホルン 2024
    Horn Imakawa
    252 ページ
    2024.08読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 言葉を話さない自閉症児という絞られたテーマ
    ✔ 癇癪を起こす子供への心構えなどのアドバイスも
    ✔ 入門書としてわかりやすく自宅でも実践しやすい

    ★★★★★ 自閉症児の子育てのなかでも絞られたテーマ。子供の脳に楽しいこととして伝え、脳を育てて言葉を引き出すというメソッドの入門書。実践的。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    偶然インスタグラムで見つけて。
    専門書は一杯あるけど、この本は入門書レベルで就学する前後の言葉が出にくい子へのアプローチなので、正にストライクなテーマ。

    癇癪を起こす子が多いのは仕方ないようで、なんとか仕方なくなくなる方法がある。
    我が家の場合は落ち着いてる方だけど、やっぱりどこの本も専門家も無視しましょうとある。

    子供の脳に楽しいこととして伝え、脳を育てるというメソッド、この本は入門書としてはぴったりで深堀はしないので、今後はもうちょっとその方面の専門書を読んでみたい。
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    脳を育てれば会話力がみるみる伸びる! ことばが遅い自閉症児のおうち療育



  • 『(自閉症、することとすべきでないこと)』 Marco Pontis, 2021年 レビュー | 普通校の先生のための本

    『(自閉症、することとすべきでないこと)』 Marco Pontis, 2021年 レビュー | 普通校の先生のための本

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    続けて今度はイタリア語の自閉症関連。
    この本は、学校の先生のために書かれた本。
    日本では見つけられなかったのでリンクなし。

    特にここから学ぶものは特にないけれど、自閉症の子の対応を何も知らない先生が、クラスルームのなかですぐに実践的に使えるものばかりで、ぜひそういう立場の人には読んでもらいたい。
    強いていえば、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、と大体同じことを言ってるのでそれを確認したことがよかった。日本は多くの障害のある子は別の学校に行くので一般的に先生もこういうことを知る必要はないんだろうけど、イタリアは支援学校はないので、一般の学校であってもどんな障害がある子でも勉強し生活する環境が必要。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Autismo Cosa fare (e non)” Marco Pontis (2021) Review | For teachers
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    なし



  • 『一次元の挿し木』 松下龍之介, 2025年 レビュー | 壮大でありえないのに面白い

    『一次元の挿し木』 松下龍之介, 2025年 レビュー | 壮大でありえないのに面白い


    一次元の挿し木
    松下龍之介 2025
    256 pages
    2025.08
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インドの古代骨と妹のDNAが一致したというミステリー
    ✔ 失踪した妹を追う兄とその前に立ちはばかる巨大な力
    ✔ ありえない話なのに引き込まれてしまう

    ★★★★★ 何が面白いかって、ありえないよね、と分かっているのにストーリーが面白くてテンポが良くてあっという間に読んでしまうこと。エンターテイメント性たっぷりで壮大なあらすじなのに全然空回りしない。そう、面白い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    公募小説新人賞の作品とは知らなかった。しかも大賞じゃない。
    なのに安定感があって面白い。

    上から目線はここまでにして、何が面白いかって、ありえないよね、と分かっているのにストーリーが面白くてテンポが良くてあっという間に読んでしまうこと。
    つまり面白いと現実味があるはイコールではない。

    貧乏ポスドクの小ネタに始まり、笑わない美青年という設定、健気な美少女、暇な主婦にギリシャ神話と、エンターテイメント性たっぷり。
    その上であらすじが「インドの古人骨と失踪した妹のDNAが一致」という壮大なことになってる。それが全然空回りしない。

    まだ若いのできっとこれから熟していくんでしょう。
    東野圭吾のように理系で人間味があってしかもどんどん書いてくれれば、楽しみが増えるわ。
    誰でも惹き付けられるミステリー。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "(Labyrinth of Hortensia and Minotaur)" Ryunosuke Matsushita (2025) Review | Exciting and entertaining, most loved mystery

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    一次元の挿し木 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)



  • 『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 レビュー | 暴力な世界の中の美しい物語

    『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 レビュー | 暴力な世界の中の美しい物語



    Afterlives
    Abdulrazak Gurnah, 2020
    アブドゥルラザク・グルナ
    288 pages
    2024年7月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 欧米の戦争に巻き込まれる植民地アフリカの人々
    ✔ 残酷で暴力の中でも自分たちの小さな幸せを握りしめる
    ✔ 踏みにじられる人生のわずかな美しさを描く物語

    ★★★★★ 戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。2021年ノーベル賞受賞作家。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。

    人々の生活や愛情は、戦争という外部の環境によってボロボロに破壊されるということを忘れてはいけない。
    アフリカの人々の人生は、ヨーロッパ人が勝手に始めた戦争、つまりアフリカに住む人々とは全く関係のない殺し合いビジネスによって左右される。
    それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。
    そんな狂暴な環境でも、植民地主義上の植民者と先住民でありながらも少しマジカルなでも一人間同士の関係も描かれていて少し希望を持つこともできる。

    2021年ノーベル賞受賞


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Afterlives" Abdulrazak Gurnah (2020) Review | A beautiful story told in a cruel and violent environment
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  • 『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 レビュー | カリンポンの歴史とキリスト教

    『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 レビュー | カリンポンの歴史とキリスト教



    Chasing a blazing fire in the Himalayas
    A brief sketch of the (un)noticed Kalimpong Pentecostal revival
    Anmol Mukhia, 2020
    146 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インド北東部の街カリンポンとキリスト教の歴史
    ✔ 特にペンテコステ派とカリンポンの繋がりについて
    ✔ 途中から良いキリスト教になるとはと内容は変わる

    ★★☆☆☆ インド北東部ダージリン近くの街カリンポンとキリスト教のつながりについて書いてある、最初は。途中から良いキリスト教になるにはという関係のない話になるので、前半に星をあげるという意味で。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    雰囲気で買ってしまったけど、前半は良かった。
    カリンポンはインド北東部の西ベンガル州の北部、ダージリン近くの街。
    ここは英国人が紅茶栽培で住み着いて以来キリスト教布教が盛んで、当時はインド全土にいた英国人が子どもをカリンポンやダージリンのキリスト教系の学校に送っていた。
    なのでそこまでは知っていたけれど、この本は特にペンテコステ派とカリンポンの繋がりについて詳しく書いてある。
    そう、前半は。
    最後の方になると、トーンが変わって良いキリスト教徒になるには、という結論で終わる。
    タイトルともカリンポンの街とも関係ない説教で終わるので、かなり飛ばしながら読んだけど、最初が面白かっただけに残念。
    
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    English review
    "Chasing a blazing fire in the Himalayas" Anmol Mukhia, 2020 Review | History of Kalimpong's Christianity
    
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    Chasing A Blazing Fire In The Himalayas (English Edition)



  • 『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 レビュー | 下山事件に取り憑かれます

    『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 レビュー | 下山事件に取り憑かれます



    Tokyo Redux
    David Peace, 2021
    下山迷宮
    デイヴィッド・ピース
    480 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アメリカ占領下の東京が背景のレトロなハードボイルド
    ✔ 実際に起きた未解決の殺人事件を扱うミステリー
    ✔ 「下山事件」という病気に取りつかれる

    ★★★★☆ 英国人の描く戦後ゴタゴタの東京で実際に起きた未解決殺人事件が土台のアメリカンなハードボイルド。あなたも下山事件に取り憑かれます

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    トーキョー三部作なのに三部作目から読んでしまった。
    でも大丈夫、面白かった。
    戦後のゴタゴタの中にある男のロマンっぽい雰囲気がどのページにも漂っていて、あの活気と勢いとアメリカニズムの中で、未解決の国鉄総裁殺人の実際の事件を扱ったミステリー。
    英国人が描く、アメリカ占領下の東京というミステリアスでノスタルジックな街を舞台に、アメリカ風のハードボイルドな物語。
    逆に日本人じゃないからこそ描けるトーキョー。

    作品の中で言われるように私も「下山病にかかるよ」、つまりこの未解決事件の魔力に取り憑かれたのかも。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Tokyo Redux" David Peace, (2021) Review | Catching "Shimoyama disease"
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    TOKYO REDUX 下山迷宮


    Tokyo Redux: A novel (Tokyo Trilogy Book 3) (English Edition)





  • 『クララとお日さま』カズオ・イシグロ, 2021年 レビュー | 人工友達は友達か

    『クララとお日さま』カズオ・イシグロ, 2021年 レビュー | 人工友達は友達か



    Klara and the sun
    Kazuo Ishiguro, 2021
    クララとお日さま
    カズオ・イシグロ
    307 pages
    2024年5月 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 病気がちの少女に買い与えられたAF(人工親友)のクララ
    ✔ AFは友達か、ペットか、ロボット、おもちゃか
    ✔ 切ないディストピア

    ★★★★★ やっぱりちょっと哀しい。AF(人工親友)はどれだけ知能、経験、感情を学んでも所詮はモノ。少女を幸せにするというミッションのために、AFクララは学び迷い懸命に存在する。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    発売当時の特別版カバー。
    カズオ・イシグロ作品はいつもちょっと哀しい。劇的な悲しさというより小さな寂しさ。
    AF(人工親友)は感覚で言えば未来のペットのような。子供の友達になるようなわんちゃん、でも違いは、AFはどれだけ知能、経験、感情を学んでも所詮はモノ。

    AFクララを購入する少女の家族のことや周りの状況が、純粋なモノであるクララの目からのみ描かれる。
    この家族は利己的なのか。いや多分そういうことじゃない。彼らはただ単にこういう世界で生きていて、これがもう普通であり、悪気なんてない。

    AFには子どもたちを幸せにする義務、ミッションがあり、そのために学び、迷い、存在する、そして最終目的のためには手段を選ばないという選択だってする。
    じゃあAFクララは我々にとって脅威か。
    でも人間より誰よりも純粋なのはクララしかいないのに。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Klara and the Sun" Kazuo Ishiguro (2021) Review | Artificial Friends, are they friends?
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    クララとお日さま (ハヤカワepi文庫)



    Klara and the Sun: The Times and Sunday Times Book of the Year (English Edition)



  • 『インド文化入門』 辛島昇, 2020年 レビュー | 数あるインドはそれぞれが存在する

    『インド文化入門』 辛島昇, 2020年 レビュー | 数あるインドはそれぞれが存在する



    インド文化入門
    辛島昇 2020
    Noboru Terashima
    288 pages
    2024年4月 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ある程度インドを知ってから読む入門書
    ✔ 歴史、言語、宗教、映画、カースト制、女性など幅広いテーマ
    ✔ 厳しい歴史から生まれる豊かで複雑な文化

    ★★★★☆ インドのことをある程度は知ってから読む本。
    古代からその時代その土地で必要とされるラーマ物語ができるように、数あるインドはそれぞれが存在しつつ、なおかつひとつのインドというのも存在する。素敵な矛盾。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    2000年に放送大学の映像のお供のテキストとして書かれたものの文庫化。
    入門と言いつつ実は超入門書ではないし、テーマごとなのでインドのことをある程度は知っておかないと話についていけない。

    歴史、逸話、言語、宗教、映画、タゴール、カースト制、女性の二極化、ガンジー。
    厳しさに包まれたその歴史、そこから生まれた古く豊かで複雑に入り込んだ文化、保守的な社会。

    でも彼の伝えたいことは、最初の章にしっかりと書いてある。
    それは、インドが誇るラーマ物語の存在に象徴される。
    時代や土地が変わるにつれラーマ物語も少しずつ姿を変え、その土地で必要とされるラーマ物語ができる。
    同じようにそれぞれが存在しつつ、なおかつひとつのインドがある。

    いや、かつてはあった。
    20年たったいま、インドはどこへ向かうのか。
    
    
    
    
    
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    インド文化入門 (ちくま学芸文庫)




  • 『傲慢と善良』 辻村深月, 2019年 レビュー | 社会が突きつけてくる物差し

    『傲慢と善良』 辻村深月, 2019年 レビュー | 社会が突きつけてくる物差し


    gouman
    傲慢と善良
    辻村深月 2019年
    Mizuki Tsujimura
    504ページ
    2025年7月 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 傲慢と偏見の現代日本版
    ✔ 結婚を「するべき」といわれる年代の人へ
    ✔ 社会の物差しを通しての恋愛、そしてその先

    ★★★★★ 社会が突きつけてくる物差し。これを読んで心が痛まないわけはない。恋愛小説でありながらミステリー風。つまり読みごたえがある。結婚を「するべき年齢」といわれる誰もが痛く感じさせられる現実。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    人気の小説というのは知っていたけど、実は読んだことない作者だし、第一、日本の現代文学は自分の好みではないと決めつけている私がいて。
    それじゃいけないと読む幅を広げるという意味で手にした本。
    自分の固定観念に挑戦した結果、この本が読めた。
    でかした、自分。

    社会という暗い大きな闇が突きつけてくる物差し。
    いい子は誉められます、きちんと親のいうことを聞いて、嘘をつかずに、でしゃばらずに。
    それが今のこの日本社会で子供のときから受ける教育。
    一昔前はそうだったんだから、あなたもそうしなさいという上の世代からの教育。

    私自身はさっさと国外に出たので自分の境遇とは違う、だけど、だからといってこれを読んで心が痛まないわけはない。

    恋愛小説でありながら、突如いなくなる婚約者、真実(まみ)のあとを追うミステリー風でもある。つまり読みごたえがある。
    ちょっとずつ彼女の過去や思考の霧が晴れていく中で、これはいま結婚を「するべき年齢」といわれる日本の若者誰もが痛く感じさせられる現実であると思い知らされる。
    家族ぐるみのお見合いではない、自分が定めた数ある基準から相手の点数を見定める婚活。
    そこで見定められるものは本当は何なのか。

    ヨーロッパでは親からの結婚の期待はあるのはあるけど、私の自由です放っておいて、と突き放すもしくは宥めることの方が多い。
    しかし日本では自分の意見も主張できず家族の提供する安心感も浅い中でプレッシャーと疲労感だけが高まる孤独な活動となる。

    でも、それでも、ネタバレ阻止で詳しくは言えないけど、彼女は確実にいわゆる大人の階段を上る。
    遅いか早いかは、周りから見れば遅いかもしれない。しかし遅すぎることはない。

    まだ間に合う、まだ失敗しても大丈夫、人生はいつだって方向転換ができる、まだここが終わりじゃない。よかった。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "(Arrogance and Virtue)" Mizuki Tsujimura (2019) Review | Not so comical "Pride and Prejudice" in Japan
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  • 『動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ』福岡伸一, 2023年 感想 | やわやわの鎧で生き延びる

    『動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ』福岡伸一, 2023年 感想 | やわやわの鎧で生き延びる



    動的平衡3
    チャンスは準備された心にのみ降り立つ
    福岡伸一 2023
    2024年1月読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 福岡伸一教授が説く、生物は常に変化する様子
    ✔ 生き抜くために生まれた時から身についている体の不思議
    ✔ わかりやすく楽しく学べる

    ★★★★★やっぱり面白い。副題もいい。
    物はいつかボロくなる、命も同じ。我々はその運命を生き抜くために、できるだけ対応するために、やわやわの鎧で立ち向かう


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    どうもシリーズらしい。
    多分母ががうちにおいていった本。
    福岡教授って日本ではテレビに出たりもするんですね。いいなあ。

    やっぱり福岡教授の本は面白い。すごく難しいことが書いてあるはずなのに、易しく書かれているので、なんかわかった気になる。
    このシリーズは、メインの研究テーマである、生き物は常に動いて変化しつつ生き延びている、というもの。

    物はいつかボロくなる、命も同じ。ただ、我々はその運命を生き抜くために、できるだけ対応するために、やわやわの鎧で立ち向かう。
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  • 『Piglet』 ロッティ・ハゼル, 2024年 感想 | 頑張って作り上げた自分像を壊すか

    『Piglet』 ロッティ・ハゼル, 2024年 感想 | 頑張って作り上げた自分像を壊すか

    🔽 ログ 🔽
    Piglet
    Lottie Hazell 2024
    ロッティ・ハゼル
    282 pages
    2025年7月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    現代女性の怒りのストーリー。頑張りすぎて、人の意見や期待に合わせてばかりな彼女。そして食、食べることについて。

    結婚2週間前のテンションマックスのピグレットというあだ名の女性は相手の男性から裏切りの告白を受ける。頑張って作り上げた自分像をこの期に及んで壊すか、それとも頑張り続けるか、嫌いだった実家に戻るか。

    いや、高級スーパーで買い物するわたしを見て。おしゃれな料理を作るわたしを認めて。

    今の働く女性、頑張ってる女性、期待に応えようと走り続ける女性はやっぱり共感してしまう。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Piglet" Lottie Hazell (2024) Review | Will you break the perfect life?
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    Piglet: ‘If I owned a bookstore, I’d hand-sell Piglet to everyone’ New York Times Book Review (English Edition)





  • 『(イエローフェイス)』R. F. クァン, 2023年 レビュー | 真実は大事じゃない現代へ

    『(イエローフェイス)』R. F. クァン, 2023年 レビュー | 真実は大事じゃない現代へ



    Yellowface
    Rebecca F Kuang, 2023
    イエローフェイス
    R. F. クァン
    319 pages
    2025年6月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 才能あるアジア人の友人を持つ平凡な白人女性の嘘
    ✔ 真実を捻じ曲げても売れるためには何でもする
    ✔ やってはいけない、バレるかもしれない、のハラハラ感

    ★★★★★ すごい人気があるのは知ってたけど、確かに圧倒的に面白かった。真実は大事じゃなくて私たちが住むこの世の中の鏡のよう。いけないものを見るかのような心境でやめられない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    すごい人気があるのは知ってたけど、確かに圧倒的に面白かった。

    最初はAthena視線の人種差別的な話かなと思ってたら、そうじゃなくてJuneの話だった。
    ジューンという平凡な白人の女の子が、綺麗で才能豊かなアジア人アテナにちょっと異常なまでに執着、嫉妬してしまった。

    ネタバレせずにいるには、面白い、と漠然に言うことしかできない。
    どういうジャンルとか枠組みかとかが難しいストーリーだけど、つまりは今のこの世の中そのもので、正にそう!と言いたくなって、そしてまるで週刊紙を読むかのように、いけないものを見るかのような心境でページをめくることをやめられない。

    皆が皆で皆を貶して陥れようとして利用して、SNSが一番大事で真実はそう大事じゃなくて、つまり私たちが住むのこの世の中の鏡のような、で、どうせ流行はどうぜどんどん入れ替わっていく。

    著者Kuangの新作も出たばかり。
    読まなきゃー


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Yellowface" Rebecca F Kuang (2023) Review | Facts are not important
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  • 『教養としての茶道』竹田理絵, 2021年 レビュー | 海外のエリート層と対話するという前提で

    『教養としての茶道』竹田理絵, 2021年 レビュー | 海外のエリート層と対話するという前提で



    教養としての茶道
    竹田理絵 2021
    211 ページ
    2025年5月読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本のビジネスマンが世間話のために知っておくべき茶道
    ✔ エリート層はお茶に興味を持っているのでマナーとして
    ✔ 丸暗記で会話になる


    ★★★☆☆ タイトルの通り日本のビジネスマンが知っておくべきものとしての茶道。ただしエリート層と対話するという前提が重要。
    これらを覚えれば茶道について日本好きエリート外国とも安心して会話ができる

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    世界のビジネスエリートが知っている、というサブタイトルとメインタイトルの通り、日本のビジネスマンが知っておくべきものとしての茶道。
    ただし、エリート層と対話するという前提が重要。

    海外の人はこんなにも日本に憧れているんだから日本人として知っておきましょうという雰囲気はちょっと古い気もするけど、実際にそうなんだから仕方がない。エリート層でない場合は日本をディズニーランドのような夢の国と思ってるのも事実。
    いずれにしろ、海外に出るときは自国の事は知っておくべき。

    この本は少し古いので触れていないけれど、今の世界の抹茶ブームはヨロシクナイくらいに盛り上がってるので、matchaというものは「甘みたっぷりの抹茶ラテ。しかも日本産は高いから別の国の抹茶、多分しかも臼で引いていない偽物をベースに、しかも牛乳じゃないミルクで飲むドリンク」が抹茶だという認識が主流ということも忘れずに。
    私はそのレベルからの話を何百回と繰り返す人生です。

    日本の茶道に憧れてお茶というアジアの文化に近寄ってきたヨーロッパ人、何百年も前から変わらずと茶道は憧れてあり、超ニッポンな、どニッポンな文化。
    実際にここに書いてあることを覚えれば茶道についてエリート外国人とも安心して会話できる。
    
    
    
    
    
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  • 『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 レビュー | 騒然とした南ロンドンの愛情にあふれたストーリー

    『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 レビュー | 騒然とした南ロンドンの愛情にあふれたストーリー



    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今人気の最近の小説をまとめてロンドンで買った中の1つ、なので相変わらず内容も知らないまま購入。でもそれがよかった。

    とても詩的。パッと表紙を見ただけでは予想できない雰囲気。
    表紙のエッジーな雰囲気は背景で、移民、黒人文化、南ロンドン、音楽、そういうものからは暴力的で騒がしいものを連想するけど、でもこれはそういう社会の渦の中にある、彼らの住む小さなスモールワールド。
    愛情に溢れ、優しさに包まれ、自由、家族、夢や悲しみの小さな世界。

    主人公は幼馴染みをひたすら想い続け、保守的な父親との関係に苦しむ、つまり誰もが共感できる誰もが住んでいる各々のスモールワールド。

    背景に聞こえるリズムと静かで深い愛、読み終わったあともその柔らかい気持ちが長く続く。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Small Worlds" Caleb Azumah Nelson (2023) Review | Tender feeling of understanding and belonging
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  • 『オードリー•タン 自由への手紙』オードリー・タン クーリエ・ジャポン, 2020年 レビュー | 温故知新の精神を持つ台湾のヒーロー

    『オードリー•タン 自由への手紙』オードリー・タン クーリエ・ジャポン, 2020年 レビュー | 温故知新の精神を持つ台湾のヒーロー

    
    オードリー•タン 自由への手紙
    オードリー・タン
    クーリエ・ジャポン編集チーム, 2020
    Audrey Tang, Courier Japon
    2025年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ ITやAIを駆使しすべての人が自由で幸福になる目的を持つ政治家
    ✔ 新しい技術と台湾の伝統的な精神を備え持つ
    ✔ タンの半生やLGBTQ+の側面のことも
    
    ★★★★☆ タンの戦いには自由であり幸福であることを全ての人にという目的がある
    内側も外側もきちんと深く見つめ、温故知新の精神が知識に繋がり自由に繋がる。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    クーリエ・ジャポンのインタビューの書籍化。
    世界で一番、自由と平等を国をあげて目標とする国、台湾の若き天才、若きLGBTQ+政治家、という肩書きの人物。台湾ファンの私としてもこの人はとても気になる。

    オードリー•タンの戦いは人間の希望の基準にあるものを全ての人へという願いから生まれる、つまり、自由であり幸福であることを全ての人に。
    ITやAIはそのためのものであり、また政治家はオープンであることに徹底すべきという姿勢。

    自身も男に生まれ、若いうちから女として生き、今は男にも女にも縛られない、自分はどちらも経験したことによりどちらも共感できると言う。そう多様性は強みでしかない。
    これは台湾であったから称えられ活躍できる、羨ましいこと。
    天才であるからもう学校で学ぶことはない、じゃあどうするか。台湾の原住民俗を訪ねる。欧米に行くんじゃなくて、国内の台湾の深さを学ぶという行動力。

    でもそれも彼女は幼いときのヨーロッパの体験が影響しているというし、やっぱり内側も外側もきちんと深く見つめ、温故知新の精神であることが知識に繋がり自由に繋がる。

    残念ながら日本ではあり得ない。男尊女卑が今日も普通の考え方で、古い頭を守るために新しいものを受け入れない日本。
    やっぱり台湾はリードする。

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  • 『Hunted』 アビール・ムカジー, 2024年 レビュー | 追いかけ追いかけられてのスリル

    『Hunted』 アビール・ムカジー, 2024年 レビュー | 追いかけ追いかけられてのスリル


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    アクション映画のような本。
    イスラムのテロリズムが軸になってるとは知らなかった。

    英国地方都市で静かに暮らしていたムスリム男性の娘にテロリスト容疑がかかり彼の世界が一転。そこに遠く離れたアメリカから白人女性がやって来て一緒に子供を救おうと言い放つ。
    警察が捕まえる前にテロリスト容疑の子供たちを見つける、無謀だけれどそれが親というもの。
    そしてその警察の組織から外れたある警察官も彼女自身の問題を抱えてあとを追う。

    じっくり考えるストーリーではないけれど、アドレナリン大放出でどんどんとページをめくれる。
    あと一歩、また逃げられた。すれ違った。
    テロリスト行為がいかに宗教とは関係が薄く、誰かの利益のためだけに多くを犠牲にする行為かを訴えている雰囲気もある。
    唯一ちゃんとキャラ設定がしっかりしているのはそのお父さんSajid。
    ムスリムのお父さん、今までの価値観をぶっ壊されて、娘のために走ります。

    長距離フライト用に選んだけど、読んだり寝たりにピッタリだった、良い選択。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Hunted" Abir Mukherjee (2024) Review | Keep reading keep chasing
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  • 『The Dream-Pedlars Parade』 マーク・バウシャー, 2025年 レビュー | ダークな雰囲気のYA

    『The Dream-Pedlars Parade』 マーク・バウシャー, 2025年 レビュー | ダークな雰囲気のYA



    🔽🔽読書記録🔽🔽

    ロンドンの友人の本、Myrthaliシリーズ第2作目。
    最初のも良かったけどこの続編もいい。

    作者曰く、もっとダークな雰囲気とのことで確かにそう。前回から成長した主人公、1作目はもっと体力的にきつい冒険だったのが今度は精神的きつい冒険に。対面する人物や挑戦に対し、そして自分に対し不安や疑問を抱く。真夜中の世界で夢の中での自分の弱さとの戦い。

    このYA(ヤングアダルト、ティーン向け)の本が好きな理由はもうひとつ、いわゆる典型的な人物像に静かに挑戦していること。主人公はインド系イギリス人の少年だったり、パッと見分からない障害をもっていたり、ジェンダー、年齢、能力など、読者が勝手にステレオタイプを想定している要素に反抗している。でも決してそれ自体はストーリーに無関係であくまでバックグラウンドとして。

    珍しくe bookで読んだ一冊、500ページ越えの長編だけど面白いのでどんどん進める。シリーズ第3作も楽しみ
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Dream-Pedlars Parade" Mark Bowsher (2025) Review | Darker sequel
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  • 『ゴールデン・ロード』ウィリアム・ダルリンプル, 2024年 レビュー | 途方に暮れるほどの驚きの内容

    『ゴールデン・ロード』ウィリアム・ダルリンプル, 2024年 レビュー | 途方に暮れるほどの驚きの内容


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