カテゴリー: 思想 人文

  • 『江戸のしきたり』 歴史の謎を探る会, 2008年 レビュー | 学校では教えてくれない雑学 

    『江戸のしきたり』 歴史の謎を探る会, 2008年 レビュー | 学校では教えてくれない雑学 


    江戸のしきたり面白すぎる博学知識
    江戸のしきたり
    面白すぎる博学知識
    歴史の謎を探る会, 2008
    221 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 楽しく読める雑学所
    ✔ 江戸時代の、学校では教えてくれないこと
    ✔ 成長物語

    ★★★★☆ 特に難しく考えずに読める雑学本。歴史の授業で習った法令が実際に市民の生活はどうか変わっていたのか。そうだったんだ、が沢山。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    特になにも難しく考えずに読める雑学本。
    歴史の授業で習った法令が実際に市民の生活はどうか変わっていたのか、とか、今も残るしきたりが江戸時代は元々どうだったかとか、なるほどね、や、そうだったんだ、が沢山。
    何かを学ぶという目的ではなく、あくまで楽しく。

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    江戸のしきたり面白すぎる博学知識
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  • 『日本語教室』 井上ひさし, 2011年 レビュー | 日本語を愛する 

    『日本語教室』 井上ひさし, 2011年 レビュー | 日本語を愛する 

    日本語教室 (新潮新書 410)
    日本語教室
    井上ひさし, 2011
    182 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 「母語は道具ではない。精神そのものである」
    ✔ 大学生へ向けての講義のまとめ
    ✔ 日本語という文化を深く分かりやすく

    ★★★★☆ 読んでいてとても心地がよい。優しさに溢れた文章のなかにも芯があって、日本語を愛する気持ちと大事にしてほしいという願い。


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    まずいちばんの印象は読んでいてとても心地のよい日本語の文章。優しさに溢れた文章のなかにも芯があって、日本語を愛する気持ちと大事にしてほしいという願い。
    大学生に向けての講義なのでわかりやすく飽きない。

    確かに言葉は生き物で時代によって変化する、けれどしっかりと深く掘り下げる姿勢、私は彼の作品をたくさん読んだわけじゃないけれどそれでもその姿勢は作品からもにじみ出ていると思う。

    私自身が高校になってすぐに日本語を使う機会がほぼなくなる生活を始めたこともあり、日本語の深さ、日本語を使う人間の精神論なんかに興味がある。
    そしてそれとは別に、読んだ後はちょっと優しい気持ちになれる。

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    日本語教室 (新潮新書 410)
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  • 『アニメ文化外交』 櫻井孝昌, 2009年 レビュー | 海外におけるアニメのポテンシャル

    『アニメ文化外交』 櫻井孝昌, 2009年 レビュー | 海外におけるアニメのポテンシャル


    アニメ文化外交
    櫻井孝昌, 2009
    192 ページ
    2018年 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ポップカルチャー研究家
    ✔ アニメの世界事情とポテンシャル
    ✔ 現在にも通じる体験談と考察


    ★★★★☆ アニメのポテンシャルを説く一冊。ただ単に外国のオタクが見るだけでしょ、と軽視するのは勿体ないし、間違っている。日本以外にいるとしっかりと肌で感じることなんです。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    アニメのポテンシャルを説く一冊。
    イタリア人やフランス人は私より断然アニメに詳しく、しかも日本では70年代に放送されていたものとか私はリアルで観ていなかったものも。
    日本に住んでいるとわからないかもしれないけれど、日本以外にいるとしっかりと肌で感じることなんです。
    
    それを、ただ単に外国のオタクが見るだけでしょ、と軽視するのは勿体ないし、間違っている。
    
    日本に住む日本人として伝統芸能が人気であってほしい(もしくは人気だと勘違いしている)と思うのも分かるけど、一般的な過半数の人間は歌舞伎とアニメどちらを身近に感じるか。
    その答えは実は日本人であろうがイタリア人であろうが同じだよ、ということです。
    
    ただ、同時に海賊版の問題をきちんと意識することも忘れてはいない。
    普及の要となる違法ダウンロードは最終的には生産者側の首を絞めクオリティが下がる。
    まずは外交の重要な一貫としてアニメを理解し活用し、正規版が普及できる様に持っていければ。
    
    
    
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    アニメ文化外交 (ちくま新書)


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  • 『女ぎらい ニッポンのミソジニー』 上野千鶴子 , 2010年 レビュー | 国をあげての家父長制 

    『女ぎらい ニッポンのミソジニー』 上野千鶴子 , 2010年 レビュー | 国をあげての家父長制 



    女ぎらい ニッポンのミソジニー
    上野千鶴子 , 2010
    392 ページ
    2018 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本を代表する女性学者、社会学者
    ✔ 本人たちには見えにくい日本の女性嫌悪と女性蔑視
    ✔ 具体的な例を出しての痛快な読み応えの一冊

    ★★★★★ 日本における女性嫌悪の形は変わっているんだろうけど根本は変わっていない。多くの人には分からないように理解させないように仕向けているシステム。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    上野先生のフェミニズム満載の一冊。

    ここ数年で日本における女性嫌悪の「形」は変わっているんだろうけど、根本は変わっていない。
    日本は国をあげて男性主義、というか家父長制を死守しようとする国。
    言われなくても空気を読む文化の国。
    でしゃばる者は打たれ、社会的弱者はその存在を無視され、女性はあくまで下級市民で、型にはまらない男性も下級、メディアの少女やアイドル崇拝を通じて女性を生身の人間と認めず、幼い女の子達にそれが日本で生きていく最適な生き方と教育する国。

    日本のイメージは残念ながらそうなんですよね。

    いまは女だって働けるというけれど、原因は働き手の不足という社会のニーズであり、女性の個人の選ぶ権利ではない。
    未だに多くの場合は女は働いて家事育児もする、というスタイルでつまりタスクが増えただけ。

    ちなみに当然のことながら、これと比例して家父長制から外れている男性の生きづらさが増えていく。
    例えば単純に子供といたい男性の生きづらさ、結婚したくない男性の生きづらさ、「男らしい」の鎖ですね。
    ここはしっかり理解しないとただの自己防衛に過ぎないと思うし、男vs女という無駄な形になる。

    この本のステートメントは少なくとも西欧では当たり前なこと。
    社会としては女性を一個人として見るのが当然だと伝える社会。
    色んな制限と妄想を込めた「女らしい」なんて時代遅れな言葉はもうマスコミ上では使えない国が多いのすらわからない、知らない。
    理解させないように仕向けているのが、日本の社会システム。

    フェミニズムという言葉が怖い?
    男性が無条件で女性を虐げるのがオッケーな社会の方が怖い。
    しかも男と女と対極にして白黒はっきりさせようということすら現実的ではない。
    人間はもっと複雑だから、その人がどんな人間でありどう生きていくかを社会の秩序のためだけに制御するのは限界に来てる、と思う。

    やっと変わってきてる気がする今日この頃だけど、それは著者のような人が声を上げ続けたからだとつくづく思うのです。
    
    
    
    
    
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    女ぎらい (朝日文庫)

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  • 『沖縄文化論』 岡本太郎, 1972年 レビュー | 芸術家による力強く美しい文章 

    『沖縄文化論』 岡本太郎, 1972年 レビュー | 芸術家による力強く美しい文章 


    ヴィジュアル版-沖縄文化論-忘れられた日本 (中公文庫 お 54-2)
    沖縄文化論
    忘れられた日本
    岡本太郎, 1972
    261 ページ
    2019.07 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 日本の誇る芸術家による沖縄論
    ✔ 沖縄の歴史や文化を熱く強く語る
    ✔ 日本本土と沖縄の葛藤の歴史

    ★★★★★ 一気に目が覚めるくらい沖縄への熱い眼差しと力強く美しい文章。表現が豊富で文章が美しくて、沖縄的なある意味日本の原始的な文化を深く受け止めている彼の文章は存在感がある。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    最近アイヌの事について読むことが多かったので、ふと沖縄の文化論の本あるかな、と見てたら、なんとあの岡本太郎が。
    といっても岡本太郎が普段どういう作品を作りどういう文章を作っていたかはわかってなかったです。

    単純に文化遺産とかについてかなーと思ってた、ら、一気に目が覚めるくらい沖縄への熱い眼差しと力強く美しい文章。
    私が沖縄についてもそこまで知っているわけではなかったのもあり、彼らの虐げられた歴史、特に日本からの中央集権的なコントロール、ブルドーザーのように個々の伝統や歴史、宗教や人柄を無視した制圧に怒りを覚え。
    それ以前にすでに貧しい土地で慎み深く生きていた、いやギリギリのラインで生きていた人々への岡本太郎の素直な尊敬と信愛の視線には心を打たれ。

    表現が豊富で、文章が美しくて、とにかく沖縄的なある意味日本の原始的な文化を深く受け止めている彼の文章は、テーマの対象である沖縄を切り離したとしても十分に存在感がある。
    ギュッと心に残る表現や言い回し、それが率直に生々しく開け放たれていている。

    リンクに載せた新しいビジュアル版というのが出ているようです。

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    ヴィジュアル版-沖縄文化論-忘れられた日本 (中公文庫 お 54-2)
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  • 『インド人の謎』 拓徹, 2016年 レビュー | 謎じゃないインドを知りたい人へ 

    『インド人の謎』 拓徹, 2016年 レビュー | 謎じゃないインドを知りたい人へ 


    インド人の謎
    拓徹, 2016
    253 ページ
    2020.12 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ インド研究者によるインドを謎と思わないための解説書
    ✔ 食事、カースト、宗教など各方面から
    ✔ 本当にインドを知るための一冊

    ★★★★☆ 私はどうも「謎のベールに包まれたインド」「行けば人生が変わる」というのが嫌で、著者もどうやら同感のようで希望通りの一冊。そう、謎なのはこちらの問題なのです。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    思った通り、希望どおりの本だった。
    私はどうも「謎のベールに包まれたインド」「行けば人生が変わる」というのが嫌で、著者もどうやら同感のよう。

    ただ文化や背景が違うだけで13億人が住んでいるんだから、謎なのはこちらの問題であってインドの問題ではないと思うんです。

    そういうことを文化的、歴史的背景、また具体的な例をあげて説明してくれる。
    ただやっぱりインドは複雑ではある。
    それは植民地化された辛い過去のトラウマからだったり、現代のヒッピー的なイメージつまり外国人が勝手に妄想するイメージからのストレスだったり。
    つまり外的な要素が大きい、やっぱり問題はこちらにあるのであってインドじゃない。

    階級社会とはつまり一体どういうことなのかというのも勉強になる。

    昔、地球の歩き方が言ったように、インドは人間の森なんですね、人間の全てがある。
    何千年も続く森。

    読み
    たくとおる

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    インド人の謎 (星海社新書 84)
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  • 『暮らしの哲学 やったら楽しい101題』 ロジェ ポル ドロワ, 2001年 レビュー | 全部やってたらおかしくなる

    『暮らしの哲学 やったら楽しい101題』 ロジェ ポル ドロワ, 2001年 レビュー | 全部やってたらおかしくなる


    暮らしの哲学: やったら楽しい101題 (ヴィレッジブックス N ト 1-1)
    暮らしの哲学
    やったら楽しい101題
    ロジェ=ポル・ドロワ, 2001
    101 Experiences de Philosophie Quatidiene
    Roger-Pol Droit
    213 ページ
    2020.07 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ フランス人哲学者の著書
    ✔ 具体的な行動を起こすための哲学書
    ✔ 難しいことではなくユーモラスな一冊

    ★★★☆☆ ここに書いてあることをやってみて、哲学とは、生とは、みたいなことを体感してみよう的なもの。比較的に簡単にできるのもばかりだけど、全部やってたら絶対に気が狂う。


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ここに書いてあることをやってみて、哲学とは、生とは、みたいなことを体感してみよう的なもの。

    比較的に簡単にできるのもばかりだけど、全部やってたら絶対に気が狂う。
    切り落とされた腕や脚が山積みにされた光景を浮かべる、見ず知らずの人に美しいと言う、墓地でジョギングする…確かに書いてあることが理論的にわかるけど、実践はできない、少なくとも私は。

    どこかで、この文庫版はかなり内容が削られているとか。

    さらっと読めるけど、変なあと味。
    
    
    
    
    
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    暮らしの哲学: やったら楽しい101題 (ヴィレッジブックス N ト 1-1)
    暮らしの哲学: やったら楽しい101題 (ヴィレッジブックス N ト 1-1)

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  • 『生きがい』 茂木健一郎, 2017年 レビュー | 小さな幸せ逆輸入

    『生きがい』 茂木健一郎, 2017年 レビュー | 小さな幸せ逆輸入



    生きがい
    茂木健一郎, 2017
    Ikigai
    Ken Mogi
    2020.05 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 脳科学者がイギリスで出版、その後日本語に翻訳
    ✔ 欧米人に向けての日本の生きがいの紹介
    ✔ 日本人にとっても発見のある一冊

    ★★★★☆ イギリスで出版された本を数年後日本に逆輸入。心持ち日本の宣伝になってるのは仕方ないけれど、確かに当時ロンドンではどこの本屋にもあった。Japanese books人気の先駆け。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    もともとはイギリスで出版された本なのでターゲットはイギリス人ではあるけれど、結局逆輸入されたのは面白い。

    日本人ではない人たちが、日本人の考え方の謎を解くカギになる一冊で、細かい作業を続ける職人や同じような生活をするサラリーマン、そんな日本人の裏には「生きがい」という概念がある、と。

    心持ち日本の宣伝になってるのは仕方ないけれど、今の日本現代文学ブームの前に書かれたこの本は確かにロンドンではどこの本屋にもあった。
    まだまだ日本の本が今のように流行になる前に、ひっそりと本屋の入り口に並んでいたし、直後には似たような本が日本人じゃない人が書いたり。
    もちろん茂木先生の職業などは知らない人たちが、当時はまだミステリーだった日本人のことを知るきっかけになったはず。

    日本人にとって発見があるかどうかは別ですね。
    それを逆輸入して、「見て、日本って素晴らしいでしょ」となるのは、さすが。
    イギリスにいるときに英語で読んだので★4つだけど、日本で生活してて日本語で読んだらたぶん★3つになる。

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    生きがい (新潮文庫)


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  • 『黒い皮膚・白い仮面』 フランツ・ファノン, 1952年 レビュー | 劣等感と優越感の心理的構造

    『黒い皮膚・白い仮面』 フランツ・ファノン, 1952年 レビュー | 劣等感と優越感の心理的構造



    黒い皮膚・白い仮面
    フランツ・ファノン, 1952年
    Black skin, white masks
    Peau noire, masques blancs
    Frantz Fanon, 1952
    2020.05 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 人種差別の裏にある心理的構造と恐怖を説く
    ✔ 植民地マルティニーク出身の精神科医
    ✔ 留学中の当時のフランスにおける人種差別に向けて

    ★★★★★ 黒人は白人社会に身を置いて初めて黒人となる。その植民地主義の世界で黒人は常に自らを否認しながら生活する。複雑で解決方法がなくても、目を背けない、そのためにこの本を読む。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ポストコロニアリズムの古典。
    黒い皮膚を持ちながら白人として生きるとはどういうことか。
    いやもっというと、白人としていきたいと思うこととは、どういうことか。

    著者ファノンはフランスの植民地マルティニーク出身の精神科医。
    精神科医ということは潜在意識の専門家であり、つまり制御された欲求、つまり性的欲求、もしくは恐怖の専門家。

    黒人は、白人社会に身を置いて初めて黒人となる。
    白人社会とは植民地主義の世界であり、黒人は常に自らを否認しながら生活する必要がある。
    自己否定を避けることができても、主体的にはならない。
    逆に白人は、自分たちが勝手に作り上げた黒人像に怯えながら生活する必要がある。
    野蛮で、なにより性的に強力な黒人像。
    面白いのは、恐怖症という怯えは実は深いところにある欲求から生まれるという論点。
    つまり、差別主義者は心の奥では黒人に脅かされたいという欲求がある、と。

    もう一つ面白い点は、彼はフランスの植民地主義について語るという点で、奴隷制度の廃止はアフリカ人が戦って得たものではなく、白人のご主人様から与えられたものだという観点。

    もちろん、黒人だけでなく私自身のように白人社会で生きる白人以外の人間は常に自分の皮膚の色がもたらす余計な意味について意識しながら生活するわけで、どこにいても白人が一番優位である事実は避けられない。
    日本は植民地化されていないので、日本にいる限り自分の肌の色から生まれる原罪を意識することはほとんどない。
    むしろ日本人特有のコンプレックスでアジアにおける「黄色い皮膚・白い仮面」というちょっと違う側面もあるが、それはここではさて置き。

    あと、上記にもちょっと書いたように、もちろん映画や娯楽、アート、文化において黒い皮膚というのは悪と描かれるので、アジア人を含む共同的なイマジネーションにおいて、その歴史を知っていなくても「黒=悪」という方程式が植えつけられる。

    ファノンは、植民地主義に植民地化されたくないという。
    黒人は劣等感から解き放たれ、白人は優越感から解き放たれるべきだと。

    そして70年以上たった今。
    人種を超えたコミュニケーション、友情、恋愛関係は普通になって、人種差別をする人間は見下される世の中になった。
    でも、私たちは本当の意味で人種から自由になったのか。

    ファノンの苦悩はなくならなかった。
    例え知識人として知的な発見をしたとしても、サトウキビ畑で労働を強いられている8歳の子の生活は変わらないと。
    問題は単純に皮膚の色だけでもない。
    白人社会で生きるミドルクラスの黒人の苦しみと、その日の生活がやっとの黒人の苦しみ、二人の問題は同じものではない。
    人種の問題は多くの段階を含み、層を含み、複雑である。

    でも、それでも、たとえ複雑であっても解決方法がなくても、目を背けない、そのためにこの本を読む。
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    English review
    tag 植民地主義
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    黒い皮膚・白い仮面 【新装版】



    フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』 2021年2月 (NHK100分de名著)
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  • 『アイヌ神謡集』 知里幸恵, 1923年 レビュー | アイヌの鮮やかな世界観

    『アイヌ神謡集』 知里幸恵, 1923年 レビュー | アイヌの鮮やかな世界観



    アイヌ神謡集
    知里幸恵 編訳 1923
    224 ページ
    2020.02 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アイヌの神話の日本語訳
    ✔ 19歳で亡くなった少女が丁寧に残したカムイユカラ
    ✔ 人間と神と自然が共存していたアイヌの世界観

    ★★★★☆ アイヌの神話は歌にのせて語り(歌い)継がれてきた。それをアルファベットで書き留め日本語訳に。ひとりの少女が丁寧に残した神や動物の神が自ら歌ったとする謡で、人間と神と自然が共存していたアイヌの世界観が鮮やかに描かれる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    アイヌの神話、カムイユカラは文字ではなく歌にのせて語り(歌い)継がれてきた。
    それをアルファベットで書き留め、日本語訳したもの。

    19歳で亡くなったひとりの少女が丁寧に残したものは、神や動物の神が自ら歌ったとする謡で、人間と神と自然が共存していたアイヌの世界観のその内容ももちろん興味深いけど、それをアルファベットで正確に残すという方法の歴史的な価値。
    日本語とは全く違う言葉で、ぜひ聞いてみたいと思う。
    でも残念ながら現代日本は、というか中世から日本はアイヌを蔑み彼らの文化をとことん抹消してきた。
    少数派の文化を殺していることに気づいていない。
    悲しいことです。

    最近やっとゴールデンカムイの映画をみたんですが、これでアイヌ文化が身近になるとそれも素敵なことですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    tag 宗教/Religion
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    知里幸惠 アイヌ神謡集 (岩波文庫 赤80-1)
    
    
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  • 『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』2019年 レビュー | 人種差別と対話

    『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』2019年 レビュー | 人種差別と対話



    Why I’m No Longer Talking to White People About Race
    Reni Eddo-Lodge, 2019
    (私がなぜ人種についてもう白人に話さないのか)
    2020.01 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 英国の黒人女性が現代の人種差別へ立ち向かう
    ✔ 表紙のデザインは「白人たちに気を使う」というテーマから
    ✔ 人種差別も女性差別も無視せず声を上げる姿勢

    ★★★★★+❤ この本がなぜ今重要なのか。白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る今の社会。実際に人種差別がなくならない理由はなにか。「何が」問題なのか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とてもパワフルな一冊。 
    まずはカバーがいい。彼女の怒りや苛立ちを思う存分に表現してる。
    そして中身、今の英国にとってとても重要な内容。
    英国の歴史の中での黒人やアジア人がどうか変わってきたのかという観点から始まり、英国にシステムがいかに差別的か、またその差別が正当化されているか。
    (正確には黒い人と茶色の人という言い方でいわゆる東洋人、黄色人種ではない)
    何が人種差別を生むのか。そこで人々が抱える恐怖とは。
    フェミニズムと人種、階級と人種、と続く。

    この本が、なぜ今、重要なのかは英国に住んでいれば分かる。
    つまりここ5年ほどで、人種差別は正当化されているから。(当時2020年)
    白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る社会。
    そして今まで、英国に特化した人種差別を問う本や議論の場というのは数えるほどしかなく、ほとんどはアメリカから輸入されたものであったという事実。
    つまりそれだけタブーであるということ。

    フェミニストでもある著者は、フェミニズムの土俵で、人種のことに触れると突き放されるという。
    別の場所でやってくれ、と。
    まるでフェミニズムは比較的裕福な白人女性のためだけの場であるかのように。
    多くのメインストリームの場で女性の権利は支持されるのに、人種差別に反対することは、理論的なレベルで支持されても、日常レベルでは見て見ぬふりをされる。
    しかも「これは人種差別じゃないから」と開き直って。

    実際に人種差別がなくならない理由はなにか。
    「何が」問題なのか。
    明らかに白人主義に問題がある、もちろん。
    どうやって白人のセンチメンタリズムを傷つけずに、白人を優位な立場から引きずり降ろさずに議論するか。
    怖い黒人女性と決めつけられずに意見を主張する方法があるのか。
    そういった葛藤の中で、彼女は、もう白人に人種の話はしない、と宣言したわけです。
    もちろんこれは、さらに数年前のブログのタイトルで、そこから彼女はやっぱり言わなければいけない、ということでこの本を書いているわけですが
    沈黙は自分を守ってくれない。黙っていても自分の立場は良くならない。

    挑発的なこの本は、まさに多くのセンチメンタルな白人を追い詰めて、彼らを罪悪感に浸らせてしまった。
    どうしていいかわからないと頼ってくる白人たち。
    イベントのQ&Aでモノローグを始め勝手に泣き崩れる白人。
    でも彼女は言う。
    罪悪感を感じる余裕があれば、自分の行動範囲内で声をあげてみればいい。
    一人ひとりが行動をし、一つのムーブメントとなる。

    日本にいればたしかにこの感覚は分かりづらい。
    でも、やっと外国人が日常で増えてきて対岸の火事ではなくなった。

    それでもこれはやっぱり重要な本である。
    英国人歌手のStormzyが言ったように、英国には例えばイタリアのようなあからさまな人種差別はないかもしれない。
    でも確実に存在していて、差別主義者は今まで陰口を言っていただけだけど、今日の英国で大声で言える権利を得たと勘違いしている。
    そしてそれはとっても恐ろしいことだ、と。

    この若い英国人黒人女性によって書かれた本がベストセラーになっていることは、間違いなく英国各地で議論のきっかけになった。
    ちょっと希望が持てる気もしてくる。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Why I’m No Longer Talking to White People About Race” Reni Eddo-Lodge (2019) Review | silence won’t protect us

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    --
    
  • 『考えない練習』 小池龍之介, 2012年 レビュー | 実践的な練習方法

    『考えない練習』 小池龍之介, 2012年 レビュー | 実践的な練習方法



    考えない練習, 2012
    小池龍之介
    272 ページ
    2025.10 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 僧侶による仏教をベースに生きづらさを回避する方法
    ✔ 嫌な気分にさせるものを消すのではなくその気分から離れる
    ✔ 自分でできる限られたことに集中する仏教的なメタ認知

    ★★★★☆ 嫌な感じの理由や根元や何だろうと考えるんじゃなくて、そこに集中しないように意識をずらそうという話。実践的で具体的な練習方法があり面白い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    また変わり者のお坊さんの本。
    前に読んだ「こだわらない練習」と同じよう、実践的で具体的な練習方法があり面白い。
    仏教となると精神論かな、と構えてしまうけど、その逆というか、嫌な感じの理由や根元や何だろうと考えるんじゃなくて、そこに集中しないように意識をずらそうという話。

    例えば、嫌な音に嫌悪感を感じるのではなく、その音から意識をずらす。
    そのためには練習として普段からわずかな音にも注意を向ける。
    頭の中で考えるだけでなく、耳を使い、目を使い、考えるのでなく五感を駆使する。

    個人的には親切の話が面白かった。
    まさに、小さな親切大きなお世話。
    最後の脳研究者との対談も、仏教の自己を見つめるという観念と脳からの命令を見つめるということも、興味深い。

    結局回りを変えることも自分の脳をコントロールすることもできないんだから、集中する点を変えるしかない、自分のために。
    そしてそれは普段から練習できる。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    “The Practice of Not Thinking” Ryunosuke Koike (2012) Review | Practical advices
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  • 『読書力』齋藤孝, 2002年 レビュー | 鍛えことができる読書力

    『読書力』齋藤孝, 2002年 レビュー | 鍛えことができる読書力


    読書力
    齋藤孝, 2002
    Takashi Saito
    224 pages
    2023.06 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る



    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 読書力はスポーツのように鍛えることができるという一冊
    ✔ 難しい本を読むための訓練が必要、など

    ★★★★☆ 我々にとって本を読むこと自体は自然な行為ではない。でも読書をするという行為をスポーツのように捉えて鍛えることができるよ、ということで現代に生きる私たちにもわかりやすい。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    人気の本なので何となく気になっていて、そしてさすが話題なだけあって当然面白い。

    なるほど、つまりは読書をするという行為をスポーツのように捉えて、鍛えることができるよ、ということで、現代に生きる私たちにもわかりやすい。

    昔は読書をするということ自体が文化で、学生である=本を読んでいるはず、だった。
    本を読むことで自然と、生きていくことそして対人関係の準備をしていた。
    しかし、本を読むこと自体は自然な行為ではない。
    特に軽くはない本となると、むしろ、訓練がいる行為だ、スポーツのように。

    読書会なんかができると楽しそう。
    まあ環境的に無理だけど、一生のうちにいつかは参加できれば。

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  • 『(フェラーリを売り払った僧侶)』 ロビン・シャーマ, 1996年 レビュー | 悟りへの近道的な自己啓発書

    『(フェラーリを売り払った僧侶)』 ロビン・シャーマ, 1996年 レビュー | 悟りへの近道的な自己啓発書



    The monk who sold his Ferrari
    Robin Sharma, 1996
    (フェラーリを売り払った僧侶)
    ロビン・シャーマ
    198 pages
    2025.03 読了
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    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 物語仕立ての自己啓発書
    ✔ 仕事一筋の生活をしていた男のもとに変な人物がやってくる
    ✔ インスタントに悟るための近道的な話

    ★★★☆☆ 何が大事かを悟るために、本当の夢や運命を追いかけるためにどういうことをすればいいか、を非常に分かりやすく具体的に説いた本で、すぐに行動に移せる本。ただ私はターゲット層ではない。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドに行ったときに勧められて買った本。

    仕事一筋でお金が重要な生活をしていた男性のもとに、人生とは何かを告げる変な男がやってきた。

    何が大事かを悟るために、本当の夢や運命を追いかけるためにどういうことをすればいいか、ということを非常に分かりやすく具体的に説いた本で(例えば、瞑想が難しいのなら部屋にある一つの置物の表面の一点に集中して、とか)、読んだあとその瞬間にすぐに行動に移せる本。

    ただ、面白いかといえば面白いわけではない。
    まあ自己啓発本だからストーリーが面白いことが目的ではないんだけど、それはいいとしても、「古代インドでは」とか「神秘的な共同体にいたとき」とか「アジアの伝説によると」とか、どうみても欧米の一般人が好きそうな表現が多い。
    まあそれもターゲット層がそうなんだから仕方がないんだと思うしかない。
    いずれにしろ、もし欧米の白人の層に属しているのなら自己啓発としては優れているのは間違いない。
    そうでない人にとってはズレていると思う。

    あ、もし欧米人に瞑想とは悟りとは何かとかを説明する必要があれば訳には立つ!


    🔽 関連ページ 🔽
    “The monk who sold his Ferrari” Robin Sharma (1996) Review | A quick way
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  • 『人間的な、あまりに人間的な』フリードリヒ・ニーチェ 1878年 レビュー | 意外と楽しく読める初期のニーチェ

    『人間的な、あまりに人間的な』フリードリヒ・ニーチェ 1878年 レビュー | 意外と楽しく読める初期のニーチェ



    Human, All Too Human: A Book for Free Spirits
    Friedrich Nietzsche, 1878
    Menschliches, Allzumenschliches: Ein Buch für freie Geister
    人間的な、あまりに人間的な
    フリードリヒ・ニーチェ
    304 pages
    2025.10 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ニーチェの30代での638個の格言集
    ✔ 難しいものも、一行だけのものもある組み合わせ
    ✔ 意外と面白く笑ってしまうようなものもあり

    ★★★★★ ニーチェの30代でのアフォリズム、格言集。間違いなく難しい。でもどちらかというと楽しく読めた。ほんと。いくつか面白かったのをここにピックアップしたので読んで、ぜひ挑戦してみて。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ちょっと頑張りすぎたかもしれない。
    哲学の基礎もなく、ただ単にちょっと前に読んだこの本の抜粋バージョンが面白かったからと、これに手を付けてしまった。
    間違いなく難しい。
    でもどちらかというと楽しく読めた。ほんと。
    いくつか面白かったのをピックアップしたので読んでみて、ぜひ挑戦してみて。

    ニーチェがまだ30代だった頃に書かれたアフォリズム、格言集なので、後期のような「確立された」雰囲気ではない、んだそう。後期を知らないからなんとも言えないけど。
    いいニュースとしては、格言集なので一つ一つは短くて中には一行のものだってある。
    悪いニュースは、638個のアフォリズムがあり、中にはかなり深入りしていくものもあって、何度か読み返してなんとなく分かってきたら、さっさと次に進んでいってしまう。
    当時は彼は色々と絶望していたようでショーペンハウアーを目の敵にしているのかな、というくらい批判しているけど、ニーチェの前の時代の哲学の流れが分かってないと何を批判しているのかが掴みにくい。

    でもこういう難しい本は本編に入る前の専門家の解説をきちんと真面目に読んでいるので、今回もおかげで必死で付いていくことはできた、と思う。
    自由な人間であるということは、自分の意志をきちんと持ち、宗教やそれまでの固定観念から飛び立った存在で、そのへんのことをついてる。

    特に面白い箇所は書き出したりしてゆっくりと読み進めたので時間はかかったけど良い読書体験です。

    この時代だから仕方ないといえど、彼は女性を非常に見下していたのでそのあたりがイマイチ説得力がない部分ではある。
    意外と楽しめるのは、たまにジョークのような文章が出てきたり、滑稽なおかしさがあったりするので、ああ彼も苦しんでるんだな、となんかしみじみしてくる。

    結局は、この本のタイトルの通り、私達はあまりにも人間的なんですね。




    さて。
    メモした中のいくつかの短い文章をピックアップしました
    和訳は私(プロでない私がさっとまとめた訳なので変な表現でもお許しを。日本語を読んでいないのですが絶対に出版された方の訳がまともですよ)、元の英語訳はPenguin Classics版から。
    面白いことを言ってるので、ぜひこの機会に


    58
    言動を約束することはできても、感情は約束できない。感情は自分の意志通りにはならないから。

    61
    情熱は待ってくれない

    68
    その昔キリスト教がギリシャ哲学に勝利したのは、つまりは荒々しく暴力的なものがスピリチュアルで繊細なものに勝利したということに過ぎない

    105
    「賢い人間は、人が悪いことをしたから罰するのではない、そうすることで今後悪い行いをしないように罰するのだ」

    120
    その信念が人を喜ばせないのなら、それを人は信じない。

    265
    ヨーロッパ人がアジア人よりも優れているのは、我々は自らの信念に理論的になれる能力があるからだ。アジア人には不可能である。彼らは真実と詩の区別だってついていない。

    303
    誰かの意見に反論するとき、実はその意見に反対するのではなく、意見を発するその人のトーンに反対している事が多い。

    335
    我々が近隣の人の気分を伺うのは、その人の気分が何らかの形で私達の秘密を暴くかもしれないと恐れているからだ。

    388
    自分の女が攫われたといって嘆く男は少ない。ほとんどの男は、なぜ誰も自分の女を攫ってくれなかったんだと嘆く。

    472
    政府がその市民の苦しみや辛さに対し成すすべがないとき、宗教が大衆を落ち着かせ忍耐強くさせる。

    494
    多くの人は自分の選ぶ道に頑固になるが、その先の目的地にはこだわっていない。

    499
    おもいやりではなく、共有できる楽しみが友情を生む

    508
    我々は自然に身を任せるのが好きである。自然は我々に対しなんの意見も持たないから。

    523
    愛してくれと要求することは最大の傲慢だ。

    563
    もし過去はすべて憎むべきものと考えることができれば、人は後悔で苦しむことはなくなる。

    589
    朝一番にできる最も素晴らしいこと、それはどうすれば今日一日に少なくとも一人の人を喜ばせることができるかと考えることだ。宗教的な祈りの習慣の代わりにそう考えることできっと多くの人に利益をもたらすことができるだろう。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Human, All Too Human" Friedrich Nietzsche (1878) Review | Surprisingly entertaining

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    人間的な、あまりに人間的な 完全版


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  • 『だれでも書ける最高の読書感想文』 齋藤孝, 2012年 レビュー | 中高生へ読書感想文の書き方

    『だれでも書ける最高の読書感想文』 齋藤孝, 2012年 レビュー | 中高生へ読書感想文の書き方

    
    だれでも書ける最高の読書感想文
    齋藤孝 2012
    256 pages 
    2025.9 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ 中学生、高校生向けの読書感想文の書き方
    ✔ コンクールの審査員もする著者からのコツやアドバイス
    
    ★★★★☆  中高生向きの本。コンクール審査員などもする著者からのコツやアドバイス。自由に書けと強制する日本だけど頑張れ学生、実は世界は広い。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    中高生向きの読書感想文の書き方。
    読書感想文なんて書かされて面倒だよね、嫌だよね、と柔らかい口調(文調か)で、でもこうすれば楽しくなるし自分の最高な文が書けるよ、という本。

    確かに小学生の頃から何かあるごとに読書感想文を書かされる日本の学校。
    自由に書けと言いつつ自由にさせてくれない。
    コンクールの審査員なんかもする著者、そこを理解した上でのアドバイス。
    こういう風に先生が話したら読書感想文を苦にする子は減るのかも。

    でも読書「感想文」ってなんなんでしょう。
    高校生にもなるときちんとクリティカルな視線で書くべきだし書けるだろうに、なぜ「感想文」で留まるのか。
    いっそのこと、もっと書評っぽく書くノウハウを教えればいいのに。
    自由に書けと強制する、というのがまさに日本の教育らしい。

    頑張れ日本の学生、卒業すれば世界は広い。

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  • 『(比較文学)』 ベン・ハッチンソン, 2018年 レビュー | つかみどころのない学問

    『(比較文学)』 ベン・ハッチンソン, 2018年 レビュー | つかみどころのない学問

    🔽 基本情報 🔽

    Comparative Literature
    A very short introduction
    Oxford University Press
    Ben Hutchinson, 2018
    (比較文学)
    ベン・ハッチンソン
    160 pages
    2025.9 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ オックスフォード大学出版の出すシリーズ
    ✔ 岳ものとしての比較文学とは何かを説く

    ★★★★☆ なるほど比較文学って私のやった映画学と同じ感じだ。勉強する分野は気の遠くなるほど広い。そういう掴みどころのない学問のことを、簡潔に説明してくれる一冊。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    比較文学って掴みどころのない学問だったけど、ちょっとわかった。
    つまり私のやった映画学と同じ感じだ。

    勉強する分野は気の遠くなるほど広い。歴史、言語、技術、コロニアリズム、ショー者リズム、フェミニズム、コンシューマリズム、西洋、東洋、思い浮かぶものすべてを駆使。
    いろんな「イズム」が生まれる度にまたそれを拾う。

    あと、比較文学が分かりづらかったもう一つの原因は私がアングロサクソン系の国に生まれなかったから、にも関わらずアングロサクソン系の社会で高校から教育を受けたので、比較することはあまりにも普通で、わざわざ強調することがピンとこなかったからだ。
    そうじゃなくても日本は常に文化の違う中国や欧米を比べることが当たり前なのもある。
    それは、似たような文化の西欧が一番と思って暮らす人々とは感覚として違う。

    そういう掴みどころのない学問のことを、簡潔に説明してくれる一冊。

    人間は、比べる生き物。
    何かを知ると、他の何かと比べてしまう、非常にシンプルな思考。
    で、それで?
    今からの比較文学に求められているものは、比較することで何が生まれ、何を得るのか。
    そして、どこまで比較の対象となるのか。
    ちょっと昔はインターネットの時代と言われ、今はもうAIの時代。
    比較文化、映画学、また同じような一般教養、リベラルアーツの未来はどうなっていくんだろう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Comparative Literature” Ben Hutchinson (2018) Review | Comp. Lit.
    🔽 買えるところ 🔽

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    Comparative Literature: A Very Short Introduction (Very Short Introductions) (English Edition)


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  • 『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 レビュー | パレスチナ二国家解決

    『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 レビュー | パレスチナ二国家解決



    Power, Politics and Culture
    Interviews with Edward W. Said, 2001
    権力、政治、文化
    エドワード・W・サイード発言集成
    アメリカ
    512 ページ
    2024.11 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ パレスチナ系アメリカ人評論家サイード氏とのインタビュー集
    ✔ 前半は文化評論全般について、後半は政治的な言論
    ✔ 平和を訴え続けたサイード教授の言葉は常に心に刺さる

    ★★★★★ パレスチナ系アメリカ人評論家サイード教授。世界中の多くの人間は彼の情熱的なヒューマニズムに心を打たれた。後半は政治的なもの。パレスチナ二国家解決以外はありえない、我々は共存できる。この本に詰まった人間味の溢れた知識人の声はもう届かないのだろうか。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    エドワード・サイード教授とのインタビューや彼の発言を集めたもの。
    第一部は文化的な分野、つまり文学、音楽、芸術などに焦点を置いたもので、第二部は政治的な内容の2つのセクション。
    私にはそういうクラシックな教養がないので前半はわかりにくかったというのが正直な感想。
    でも後半は違う。パレスチナ、ガザで起きていることを知らない人はいない。
    彼が何十年も訴え続けたパレスチナの二国家解決は利己的な権力者に継続的に否定され、いま現在、常識的にありえないはずのパレスチナ人のジェノサイドが私達の目の前で起こっている。

    彼自身は自分を救いようのない楽観主義者と呼んでいた。
    一部の人間は彼を敵とみなしテロリストとも呼んでいた。
    しかし世界中の多くの人間は彼の情熱的なヒューマニズムに心を打たれた。
    イスラム教を崇めるわけでもなくユダヤ教を否定するわけでもない。
    彼がとても人間らしいのは、人間は矛盾していることを理解し、それでも互いに寄り添うことを目指したということ。

    キリスト教徒パレスチナ人。
    典型的なアラブの植民地主義的なクラシックな教育を受け、長年コロンビア大学で英文学と比較文学を教えていたサイード教授。
    世界中で何らかのリベラルアーツ、一般教養を学んだ人間には、彼の唱えたオリエンタリズムはあまりにも有名。
    教育の場以外でも生涯をかけてイスラエルとパレスチナの共存を訴え続けた。
    二国家解決以外はありえない、もう誰も覚えていない歴史や神話に執着せず、今現在その土地に住んでいる人の暮らしを尊重するしか道はない、そうすれば共存はできる、と。

    アメリカの問題は、その昔誤ってアラブを野蛮なテロリストだと位置付けしたあと、その間違いを認めずに野蛮人として描写することに意地になっていることだと。
    そしてもちろん、イスラエルがガザを侵略することによって膨大な利益を受けていることも知らない人はいない。

    サイード教授が亡くなって20年ちょっと。
    憎み合うことが当然という社会で生きてきた人々にとっても彼は大切な灯火であり、憎しみを利用する政治家にとって彼は敵だった。
    それでも訴え続けた人生のまっすぐな言葉がこの本に詰まっている。

    「イスラエルだってパレスチナ人を永遠に邪険に扱い、その存在を永遠に否定し続けることは不可能だ。パレスチナ人を完全に抹殺することはありえないんだから」
    世界中が見ているなかで正にそのありえないことが起きている。
    彼のような人間味の溢れた知識人の声はもう届かないのだろうか。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Power, Politics and Culture, Interviews with Edward W. Said" (2001) Review | Coexist
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    権力、政治、文化(上) エドワード・W・サイード発言集成


    権力、政治、文化(下) エドワード・W・サイード発言集成


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  • 『君主論』ニッコロ・マキャベリ, 1532年 レビュー | 残酷であれ、卑怯であれ

    『君主論』ニッコロ・マキャベリ, 1532年 レビュー | 残酷であれ、卑怯であれ



    The Prince
    Niccolò Machiavelli, 1532
    Il principe
    君主論
    ニッコロ・マキャベリ
    128 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ルネッサンス時代の君主になる男たちへの教科書
    ✔ 自己防衛のために残酷であれ卑怯であれという当時の感覚
    ✔ イタリアの歴史を知っていないと難しいところも

    ★★★☆☆ ルネッサンスの男マキャベリ。1500年のヨーロッパにおいての、正しい君主になるにはというガイドブック。残酷であれ、卑怯であれ。これが未だに民主主義国家の政治家に愛読されているというのは怖い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ただの古典でなく何世紀も幅広く影響力があった古典、君主論。

    1500年のヨーロッパにおいての、正しい君主になるにはというガイドブックで、マキャベリズムというと残酷なイメージがあるけど、紛争の耐えない時代において仕方ない部分はあるが、これが未だに民主主義国家の政治家に愛読されているというのは怖い。

    自分の家族や領土を守るという目的達成のためには残酷だっていい、それが良い君主。
    メッセージは明瞭で当時のヨーロッパだけでなくローマ帝国時代にも細かくくれながら、具体的なアドバイスをする。
    当時から500年も言われているけど確かに、典型的なルネッサンスの産物。

    私のようにローマ時代から16世紀の歴史に詳しくない場合は注意書きが多い本を選ぶのがおすすめです。いろんな歴史上の人物が出てくるのでややこしい。
    🔽 買えるところ 🔽
    English review
    “The Prince” Niccolò Machiavelli (1532) Review | Focus, be cruel, rule

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    君主論 (岩波文庫 白 3-1)



     
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  • 『(中年の危機への哲学的な対応)』キーラン・セティア, 2017年 レビュー | もっと良い人生だったかもは幻想

    『(中年の危機への哲学的な対応)』キーラン・セティア, 2017年 レビュー | もっと良い人生だったかもは幻想



    Midlife
    A philosophical guide
    Kieran Setiya, 2017
    (中年の危機への哲学的な対応)
    キーラン・セティア
    186 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 中年の危機を平和に過ごすサバイバル本
    ✔ 哲学的な答えを見つけるという楽ではない解決法
    ✔ 中年になる前に読んでおくのもアリ


    ★★★★☆ 「中年の危機への哲学的な対応」。もっと良い人生を送れたかもしれないは幻想であり、実際は今あなたが手にしている人生より良くなる可能性はなかった。だから今を楽しもう、楽な自己啓発ではないけど面白い。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「中年の危機への哲学的な対応」という意味で、そういう内容。
    いわゆる普通の自己啓発本ではない、哲学的な考えを身につけることでほぼ誰もが陥る中年の危機を生き抜くと。いうことで楽な解決法は教えてくれない。

    大体において「もっと良い人生を送れたかもしれない」は幻想であり、実際は今あなたが手にしている人生より良くなる可能性はなかったと考えれること。
    結果に左右されず、今自分が行っている行動に重点を置き、その行動自体を楽しもう、と。

    40代の中年に入る前に読むのも心の準備になるのかも。
    ミッドライフ・クライシスの危機に面している主人公の本をいろいろ紹介してるのもよかった。
    で、最後はやっぱり仏教と瞑想で終わる。


    🔽 関連ページ 🔽

    English review
    "Midlife" Kieran Setiya (2017) Review | Could it have been better? Probably not.
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  • 『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 レビュー | 共有できる価値観を見つめる

    『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 レビュー | 共有できる価値観を見つめる



    (人類学者のように考える)
    Think Like an Anthropologist
    Matthew Engelke 2017
    マシュー・エンゲルケ
    368 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ 現地に向かうタイプの人類学者の著書
    ✔ 人類学とは何か、人類学者として大事な態度や思考方法
    ✔ 良い悪いでなく人間として共有できる価値観を見つめる

    ★★★★★ 私の興味が人類学に広がったのは人間として共有できる価値観を見つめる学問だから。違うのに、やっぱり同じ。このペリカンのシリーズ好き。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    昔からアンソロポロジー人類学に興味があったけど、まさにこのこと。
    人類学とは、その土地の現地の人の視点から世界を見る学問。
    我々はみんな違う。
    ヨーロッパの都市に住む人とポリネシアの小さな島に住む人は、違う。
    でもそれは生物学的に違うとか、能力の点から違うとかそういうことじゃない。
    そして決して「未開発」であったりとか「野蛮」ではない。
    むしろ植民地主義の奴らのほうが野蛮で人として未開発。

    抑えきれない好奇心から始まり、居ても立ってもいられずに現地へ向かい、そこの現地人、地元の人と共に過ごし、彼らのように考え彼らのように物事を正当化する。Critical Thinking批判的思考は忘れずに。

    私の興味が心理学から人類学に広がったのは人類学は人間が共有できる価値観を見つめる学問だから。
    その価値観は古臭いかもしれない、でもそれなしでは生活できない共同体としての価値。わたしたちはそんなに新しいタイプの人類ではないはず。

    ペリカンのこのシリーズもっと集めたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Think Like an Anthropologist" Matthew Engelke (2017) Review | We are all different yet not that different

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    Think Like an Anthropologist (Pelican Books) (English Edition)




  • “The interrogative mood” Padgett Powell, 2009年 レビュー | 疑問だらけ

    “The interrogative mood” Padgett Powell, 2009年 レビュー | 疑問だらけ

    
    The interrogative mood
    Padgett Powell, 2009
    パジェット・パウェル
    165 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る
    日本語未出版
    
    
    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
    
    ✔ 文字通り、疑問だらけの一冊
    
    ★☆☆☆☆ 直後の感想はひとこと、やっと終わった。ただそれだけ。
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    直後の感想はひとこと、やっと終わった…
    
    160ページにわたる、永遠と続く疑問を文字通り投げつけてくる本。
    頭のいい人たちにはきっと刺激的で興味深いんだろうけど、催眠術にかけられたかの様な後味。
    私の感想はただただ、やっと終わった。
    
    
    
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    The Interrogative Mood (English Edition)






  • 『人間的な、あまりに人間的な』より抜粋 フリードリヒ・ニーチェ, 1878年 レビュー | 意外にもユーモラス

    『人間的な、あまりに人間的な』より抜粋 フリードリヒ・ニーチェ, 1878年 レビュー | 意外にもユーモラス


    aphorism
    Aphorisms of love and hate
    (Extract from “Human, All Too Human”)
    By Frederick Nietzsche, 1878
    (愛と憎しみに関する格言、「人間的な、あまりに人間的な」より抜粋)
    フリードリヒ・ニーチェ
    55 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ニーチェの「人間的な、あまりに人間的な」の抜粋
    ✔ 愛情や憎しみ、結婚や復讐心といった人間関係の格言
    ✔ まずは初めて読むニーチェとして

    ★★★★★ ニーチェの「人間的な、あまりに人間的な」の抜粋。人間関係についてぎっしりと詰まっている。復讐心、哀れみ、結婚、愛、憎しみ。私達が心の何処かで抱きつつも言葉に表せない気持ち。そして意外にもユーモラス。いつか本編を読みます。


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ペンギン・クラシックスの80周年の記念のLittle Black Classicsの一つで「人間的な、あまりに人間的な」の抜粋。
    本編も読んでみたいけど、まずはこれで短く読めたのは良かった。
    短いエッセイ、たまには一行だけで人間関係についてぎっしりと詰まっている。復讐心、哀れみ、結婚、愛、憎しみ。そして意外にもユーモアたっぷりで面白い。

    ここに書かれていることは私達が心の何処かで抱きつつも言葉に表せない気持ち。
    「愛は学ぶものであり、憎しみもまた学ぶものである」とか「結婚はうまくいくもの、一緒に住まなければ」「同じ喜びを分かち合えるのが友情だ」とか、重要箇所を選ぼうと思えばこの本すべて蛍光マーカーでいっぱいになる。

    本編のレビューはこちらから


    🔽 関連ページ 🔽

    本編
    人間的な、あまりに人間的な

    English review
    "Aphorisms of love and hate" Frederick Nietzsche (1878) Review | Something we'd all recognise
    
    
    
    
    
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    本編

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    aphorism
    Aphorisms on Love and Hate (Penguin Little Black Classics) (English Edition)




  • 『(Gramsci’s Political Thoughts)』 Carlos Nelson Coutinho, 2012年 レビュー | グラムシの思想と半生

    『(Gramsci’s Political Thoughts)』 Carlos Nelson Coutinho, 2012年 レビュー | グラムシの思想と半生

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    まずはアントニオ•グラムシについて、彼の人生のアウトラインだけでも驚愕。

    イタリア、サルデーニャ州の田舎に生まれ、生後すぐに身体に障害を負う。父を亡くし貧しいながらも苦学し奨学金でトリノ大学に入学。当時から政治の世界に入り、産業都市トリノで労働運動に参加。
    その後はイタリア共産党の結成に関わりロシア滞在中に当時のムッソリーニ政権から逮捕状を出され帰国不能に、その後議員に選出され無事に帰国するが再度逮捕状を出され、そのまま半生を牢獄で過ごす。獄中、多くの手紙や手記を残す。最後は障害を持ち病弱であるにも関わらず治療を拒否され虐待受け、獄中で死ぬと困るからと投げ出されるかたちで釈放された直後に死亡。
    その逮捕の理由も有名で「この男の頭脳を20年間ストップさせなければならない」というファシズム政権の目論見から。

    残念なことに私がグラムシについてもマルクス主義にもそんなに詳しくないので、ついていけない所も多かったけど、この本は彼の生涯においての思想の成熟の過程を追う感じで進んでいく。

    46歳で亡くなる彼の徹底したマルクス主義、反ファシズムは世界中に強い影響を与える。この本の著者もブラジルのマルクス主義者。日本でも彼の思想は戦後からずっと根強い人気。

    次はヘゲモニー論についてちゃんと読みたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Gramsci's Political Thoughts" Carlos Nelson Coutinho, (2012) Review | Fascist government couldn't stop him
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    買えるところはなさそうです。



    ★★★★☆ “We must prevent this brain from working for twenty years” but even after arrested by Fascist government, he didn’t stop writing. A book about his life, from poverty in Sardinia, student life in Turin, exile in Russia, prison and death.

    🔽 log 🔽
    Gramsci’s Political Thoughts
    Carlos Nelson Coutinho, 2012
    198 pages
    Read 2024.4


  • 『インド文化入門』 辛島昇, 2020年 レビュー | 数あるインドはそれぞれが存在する

    『インド文化入門』 辛島昇, 2020年 レビュー | 数あるインドはそれぞれが存在する



    インド文化入門
    辛島昇 2020
    Noboru Terashima
    288 pages
    2024年4月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ ある程度インドを知ってから読む入門書
    ✔ 歴史、言語、宗教、映画、カースト制、女性など幅広いテーマ
    ✔ 厳しい歴史から生まれる豊かで複雑な文化

    ★★★★☆ インドのことをある程度は知ってから読む本。
    古代からその時代その土地で必要とされるラーマ物語ができるように、数あるインドはそれぞれが存在しつつ、なおかつひとつのインドというのも存在する。素敵な矛盾。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    2000年に放送大学の映像のお供のテキストとして書かれたものの文庫化。
    入門と言いつつ実は超入門書ではないし、テーマごとなのでインドのことをある程度は知っておかないと話についていけない。

    歴史、逸話、言語、宗教、映画、タゴール、カースト制、女性の二極化、ガンジー。
    厳しさに包まれたその歴史、そこから生まれた古く豊かで複雑に入り込んだ文化、保守的な社会。

    でも彼の伝えたいことは、最初の章にしっかりと書いてある。
    それは、インドが誇るラーマ物語の存在に象徴される。
    時代や土地が変わるにつれラーマ物語も少しずつ姿を変え、その土地で必要とされるラーマ物語ができる。
    同じようにそれぞれが存在しつつ、なおかつひとつのインドがある。

    いや、かつてはあった。
    20年たったいま、インドはどこへ向かうのか。
    
    
    
    
    
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  • 『サイコパス 秘められた能力』 ケビン・ダットン 2012年 レビュー | 魅力的で決断力がある

    『サイコパス 秘められた能力』 ケビン・ダットン 2012年 レビュー | 魅力的で決断力がある



    サイコパス 秘められた能力
    ケビン・ダットン 2012
    The Wisdom of Psychopaths
    What saints, spies, and serial killers can teach us about success
    Kevin Dutton
    2025年2月 読了
    アマゾンであらすじと詳細を見る


    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ イギリスの心理学者の著書
    ✔ サイコパスの施行の仕組みやインタビューなど
    ✔ 脳の一部を刺激し一時的にサイコパスになる実験も

    ★★★★☆ 魅力的で決断力がある。ただそこに暴力が加われば凶悪犯罪者、そこを自らコントロールできれば社会的成功者。そしてそう、サイコパスは作れる。

    🔽🔽読書記録🔽🔽

    なんで持ってるかは覚えてない一冊。

    内容はサイコパスという、普通に思い浮かべると連続殺人犯とかやばい人たちを思うけど、単純にそういうことではなく、サイコパスは私たちの暮らす社会のリーダー的存在として健在している、ということ。

    魅力的で決断力があり、結果重視、冒険好き、他人の意見なんて無視。
    ただそこに、暴力が加われば凶悪犯罪者、そこを自らコントロールできれば、社会的成功者になれる。例えば利益に集中できて社員を軽く解雇する冷たい成功者に。

    神経の働きについても書かれていて、うまく刺激すればその人を一時的にサイコパスに変身させることもできる、という実験も。
    そう、サイコパスは作れる。

    聖人というのもサイコパスに適した職業とあるけど、悟りを開いた聖人はサイコパスと同じ素質を持っている、と。
    後先考えず、いまここ、にのみ集中して雑念を軽々と無視できる。たしかに、瞑想や修行の目的になにもせずに辿り着いている。

    サイコパスがどういう思考によってサイコな行動をとるのか。社会にとって決して悪いことばかりではないということだけど、でも頭のいい彼らが能力を悪用しようとする時は、怖い。
    この本は、サイコパスになる方法を説くわけではないけど、サイコパスのように考えることが出きれば、いわゆる成功者になれるよ、とは言う。
    うん、納得いく。でもなりたくはないかも。

    やっぱりこういうのは英語で読んだ方が分かりやすい。
    しかもきっともっとシンプル。
    英単語がどうこうというわけではなく、日本語の言い回しは小難しい。ただでさえ難しいの内容をわかりにくくしている感じが否めない。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Wisdom of Psychopaths" Kevin Dutton (2012) Review | Attractive and decisive


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    サイコパス秘められた能力 [ ケヴィン・ダットン ]
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    サイコパス 秘められた能力