
薔薇の名前
ウンベルト・エーコ, 1980年
The Name of the Rose
Il nome della rosa
Umberto Eco, 1980
東京創元社
2007年 読了
アマゾンであらすじと詳細を見る
🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽
✔ ウンベルトエーコのデビュー作にして世界的ベストセラー
✔ ミステリアスな図書館を持つ修道院で起こる殺人事件と絶対に守り通すべきキリスト教の秘密
✔ 知識がなくても十分面白いが知識があれば何倍も面白い、という何重にもなる醍醐味
★★★★★ ストーリーの軸は殺人事件の謎解きではあるが、一つ一つの細部まで華やかで、そして賢さがページからにじみ出ている、とてつもない小説。英訳であってもラテン語が多い容赦ない一冊で、中世やキリスト教の理解があればあるほど面白くなる。意外にもエンターテインメント性が高くて驚き。
イタリア, ミステリー, ユーモア, ★★★★★, 友情, 古典, 哲学, 宗教, 政治, 本のこと, 歴史小説, 世界史
🔽🔽 読書記録 🔽🔽
初めてのUmberto Eco作品。
イタリア人なら誰もが知っている本、そして多くが「よくこんなの読めるね」と言う本。
というか世界中で知ってる人は多いはず、なんといっても世界で歴史上最も売れた本の一つなのだから。
それだけ古典的(と言ってもそんなに昔に書かれた本じゃない)でありしかも世界的に人気な一冊。
あまり深く考えず、大学の授業でも触れた記号学学者であるウンベルト・エーコの本なのでなんとなく買ったら、びっくりするぐらい面白い!
一つ一つの細部まで華やかで、そして賢さがページからにじみ出ている、とてつもない小説。
14世紀、人里離れた土地にあるベネディクト会のミステリアスな図書館を持つ豪華な修道院で起こる殺人事件を、フランシスコ会のウィリアムとその弟子ベネディクト会のアドソが解き明かす、というミステリー小説。
しかし彼らが立ち向かうのは修道士たちの謎の死だけではなく、キリスト教それ自体の謎。
私は英訳を読んだけれど、原本のイタリア語でも、外国語であるフランス語やドイツ語、そしてかなりのラテン語がそのまま訳されずに使われているので、ラテン語が1%くらいしか分からない私は実は決定的な会話を逃したかも、と思ってるけど、うん多分逃してる。
そして当然、キリスト教をかなり理解していないと面白さは半減。
キリスト教もなんとなくしか知らない私は十分は把握できなかったけど、その代わりキリスト教の歴史をしっかりと勉強したくなる。
キリスト教をかなり批判しているのでだから問題作を言われ続けているわけで、中でも「キリストは貧しかったのか」という、この物語でも何度も出てくる問題は永遠に解けない謎なのかも。
特に「魔女狩り」や、「異端者の拷問」、「キリストのユーモア」など、キリスト教には暗い秘密がいっぱい。
そしてこの物語の謎解きの鍵となるのも、キリスト教におけるその暗い秘密に…
アドソと村の貧しい少女の切なく短い恋愛に心を打たれたり、ウィリアムの「常識はずれの」英国人っぽさからにじみ出て来る態度に笑ってしまったり、権力者に対して攻撃的な言動にびっくりしたり、意外にもエンターテインメント性が高くて驚き。
確かにこの本を完全にわかったかと聞かれたら、当然わからなかった。
まず第一にラテン語が読めないと英訳のこの本すら理解云々以前に、読めない。
中世のヨーロッパを知らないと登場人物もしくは著者が会話内で何を参考にしているのかわからない。
でもこういう本は一回目は分からなくても、何年か経ってそれなりに知識が増えて理解も深まるという何重にもなった面白さがある。
だから分からなくてもそのレベルの中で最高に楽しめて、また数年後にそれを超えた最高の楽しさを味わえるという将来への期待みたいなのもセットで与えてくれる。
どうやら映画もあるそうなので見てみたい。
追記。日本語では2025年末にリンクに載せてる完全版というのが出ているらしい。
🔽 関連ページ 🔽
English review
関連タグ イタリア, ミステリー, ユーモア, ★★★★★, 友情, 古典, 哲学, 宗教, 政治, 本のこと, 歴史小説, 世界史
🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
●●● アマゾン ●●●

薔薇の名前[完全版] 上 (海外文学セレクション)
●●● 楽天 ●●●