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『生き残るフランス映画』 中川 洋吉, 2003年 レビュー | 仏映画産業のシステムを探る


生き残るフランス映画:
映画振興と助成制度

中川 洋吉, 2003年
299 ページ
希林館
2004年 読了
アマゾンであらすじと詳細を見る


🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ 映画助成制度を中心に、日本映画振興策のモデルとしてフランスの映画産業のシステムを探る
✔ 日本の映画が世界で認められているが日本での仕組みは持続可能なのか

★★★★☆ なぜフランス映画が負けないか、その仕組みを解説した本。2003年の本なので古いけれど、日本との根本的な差が見える。映画ビジネスを個々の会社レベルでなく産業として見る。人気の日本映画、それは持続可能なシステムなのか、国はきちんと産業を支えているのか。


🔽🔽 読書記録 🔽🔽

これはすごい。
目からうろこばかりです。
(出版の2003年の時点で)なぜフランス映画が負けないか、その仕組みを解説した本です。

Amazon.co.jpより↓
アメリカ映画が世界を席巻する中、映画大国の地位を保持し続けるフランス。その理由はなにか。映画助成制度を中心に、日本映画振興策のモデルとしてフランスの映画産業のシステムを探る。
目次
序章 フランス映画を支えるシステム
第1章 CNC(フランス国立映画センター)
第2章 テレビ局の重要性
第3章 映画の著作権とSACD(演劇的著作者作曲者協会)
第4章 フェミス・国立映画学校
第5章 映画の保存とリーガル・デポジット制度
第6章 FNCF(フランス映画館連盟)
第7章 無制限パス
第8章 アート作品


簡単に言えば、フランスは国を挙げて映画産業を支えているということ。
上記にもあるよう、
・国立映画センターやシネマテクが充実、
・新しい作品・新人監督の経済面での援助、
・古い作品の保存、
・テレビ会社は映画産業の敵ではなく援助する側であり、
・当然国立の映画学校(授業料はただに近い)があり
・何よりも大事なのは、配給・興業会社だけでなく、監督自信に多くの権利が与えられている

(追記。以下はすべて読書記録を書いた2004年時点で)
そして、もちろんチケットも日本より安いです。
1ヶ月2100円で映画見放題のパスがある、ともあるしこれは日本では考えられない。
(ロンドンも月2500円でその系列の映画館では見放題です)
テレビだってカナル・プリュスを先頭に経済的に大きく大きく貢献している。
その上、フランス映画を一定量以上放映しないといけない、と決まってる。
徹底的!
そして重要なことはフランス映画産業にいる人が「自分はこの国の産業にかかわっている」と意識していること。
労働組合っぽい感覚。
さすが社会主義が敵視されない国。
個々の会社ではなく産業として見る視線。

いま日本の映画が世界で認められているのに、それを文化として扱わないのはある意味、恥でもある。
そして海外で認められないと気づかないのも問題。
映画産業では大きなお金が動くのに、なんで企業や国は目を向けないのか。
そして、チケット代高すぎ。

(追記。日本映画もアニメもこれだけ人気があるのに報酬が見合っていない。
最近やっとネットフリックスなどのおかげで見えないところで映画に関わる人たちにもスポットライトと金銭的な報酬がある、と思いたいが実際はどうなんだろう。
そしてヒットが出た場合、それは持続可能な仕組みなんだろうか。)

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