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『沈黙』 遠藤周作, 1966年 レビュー | 若き司祭の視線で描く信じる強さと弱さ


沈黙 (新潮文庫)
沈黙
遠藤周作, 1966年
Silence
Shusaku Endo
320 ページ
新潮社
2016年 読了
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🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ 日本人信者の悲惨な姿を前にして沈黙を守る神
✔ キリシタンが厳しく禁止されていた日本に潜り込んできた若き司祭の視線で描く、信じる強さと自分の弱さ
✔ 日本の歴史の中の暗い部分をくり抜いて曝け出し、普遍的な問題をぶつけてくる一冊

★★★★★ 日本人信者のその拷問に耐える姿、悲惨な死を受け入れる姿を前にして神は沈黙を守る。信念を貫き死を選ぶことは正しいのか、自分の命を惜しむことは間違っているのか弱いのか。絶対的な正義を地の奥から揺さぶるような厳しい歴史小説。


🔽🔽 読書記録 🔽🔽

映画を見てから読んだのですが、借りたの本なので英語で読みました。

これは英語でも主人公がポルトガル人司祭なわけだし、まあ違和感はない。
むしろ日本のこの時代の様子を傍から見るという意味で「言葉」というカタチから入れる。

島原の乱直後、キリシタンが厳しく禁止されていた日本に潜り込んできた若き司祭。
日本人信者のその拷問に耐える姿、悲惨な死を受け入れる姿を前にして神は沈黙を守る。
ただ映画ではどうしても表現しにくい主人公の複雑な心境や微妙な心の動きは、小説のほうが丁寧に書かれている。
そしてエンディング。
原作は映画のようではないはず、と思っていたのでスッキリ。
遠藤周作自身のキリスト教徒であり日本人であるという(著者本人曰く)矛盾がこの作品の土台で日本の歴史の中の暗い部分をくり抜いて曝け出し、宗教とは、社会とは、信念とは、個人の命とは、という普遍的な問題をぶつけてくる強いメッセージを持った小説。

信念を貫き死を選ぶことは正しいのか、自分の命を惜しむことは間違っているのか弱いのか。
正座をして信念(宗教)を貫くのは正義なのか、諦めてもう心を無にして生きるのは悪なのか。
自分を常にキリストと比較している自惚れた傲慢なロドリゴ、強い理想を掲げ守られた社会でしか生きてこなかった若造が人生の不平等さ知り成長する、という部分も重要な部分。

成長するということは必ずしも強くなるということではない。
すべてを腐らせる沼である日本の中である「悟り」の域に達する主人公。

ただの弱い人間に過ぎない貴方になにができるというのか。
キリスト教の根本である絶対的な存在、絶対的な正義を地の奥から揺さぶるような恐ろしい一冊。

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