『自閉症の脳を読み解く』 テンプル・グランディン, 2013年 レビュー | 当事者視点の科学者の必読書


自閉症の脳を読み解く
自閉症の脳を読み解く
テンプル・グランディン, リチャード・パネク , 2013年
The Autistic Brain: Helping Different Kinds of Minds Succeed
Temple Grandin, Richard Panek
293 ページ
2026.03 読了
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🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ 自身も自閉症者である科学者による著作
✔ 更新し続ける続ける研究において最新技術を使い自ら脳を分析
✔ 自閉症者の当事者視点の問題提議や実践的なアドバイスも

★★★★★
自閉症者である科学者による著作。自身の脳スキャンからその違いや働きを観察、生理学的な視点から説く。自らの経験からの問題提議やその解決法もあり、当事者や周囲の人の必読書。

🔽🔽 読書記録 🔽🔽

すべての章において発見がある一冊。
私が自閉症スペクトラム障害ASDに興味があり彼女の本を始めて読んだんですが、内容としては脳の働き自体にフォーカスしていて、さすが科学者の著者、自ら進んで脳スキャンをしていわゆる定型発達者の脳と比べたりと、障害という枠ではなく、生理学的な視点から観察している。

そしてやっぱり、人間はかなり脳に支配されてるなーと実感。
自閉症「らしい」言動は脳のスキャンで目に見える形となるものが多いのも、なるほどとうなずいてしまうことばかり。
自閉症という言葉自体もここ何十年かで定義も変わっているし、取り巻く環境はものすごいスピードで変化している。
著者が言及しているけれど、フロイト曰く、今自分がやっている精神分析はいつかきっと生理学的な問題として解明されるだろう、ということがすごい。
そう、単におかしいとか、障害とかいう「不明な」ものではなく、脳の働きによることが多いという新しくわかってきている事実。

どうしても研究対象はコミュニケーションをとりやすい高機能なタイプの人になるのでその制限は彼女本人も理解しているけれど、今後きっと研究対象はもっと不自由な生活をしている人にも広がり、科学や研究は彼らの役に立つと科学の未来に期待をしている。

後半は、社会と自閉症のあり方で、例えば自閉症の人は繰り返す作業が好きなんだからそういう仕事を担当すればいい、社会のいろんな人の得意不得意と掛け合わせてチームとして働くことができる、と語る。
まったく同感。
すべての人が同じような能力を持っているわけでないのに、無理矢理に同じようなことを身につけさせて型にはめ込むやり方は限界がきている。

自閉症者だからこその視点や問題提議、生きづらさと解決方法も多く、当事者や家族、周囲の人の必読書だと言える。


英語で読んだので日本語は分かりませんが、印象に残った個所。


P43
If you can think of five ways for the brain to do something, it does it in all ten. The five ways you've thought of, and the five ways you haven't thought of yet.

P68
Freud... always argued that his psychoanalytic concepts were place holders until science could do better. ... to replace the psychological terms by physiological or chemical ones.
🔽 関連ページ 🔽
English review
"The Autistic Brain" Temple Grandin (2013) Review | To know the differences physiologically
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