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『ドグラ・マグラ』 夢野久作, 1935年 レビュー | 読めば精神に異常を来たす本


ドグラ・マグラ
夢野久作, 1935年
336 + 384 ページ
KADOKAWA
2026年8月 読了
アマゾンであらすじと詳細を見る


🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ 「必ず一度は精神に異常を来たす」という売り文句の悪名高きミステリー小説
✔ 精神病院で目覚めた記憶喪失の青年が自分がなぜここで目が覚めるのかを探る数日間
✔ 霧の中を迷子になり寄り道をしながら読み進めるかのような異様な読書体験

★★★★★ 読めば精神に異常をきたすといわれて、あなたは読むか読まないか。精神病院にいて記憶のない青年が主人公ということで、非常にわかりづらいし、次から次へと奇妙な話を読まされるので一回読んだくらいじゃわからない。迷子になったような異様な読書体験、でも嫌いじゃない。また迷い込みたい。

🔽🔽 読書記録 🔽🔽

読んだ人は「必ず一度は精神に異常を来たす」という売り文句の悪名高きミステリー小説。
奇妙でホラー的なものかな、だとしたら嫌だな、グロテスクってどれくらいのグロなのかな。
だから躊躇していた。
がしかし!
まず感想は「なんという壮大な寄り道」!
まるで人生そのものと言いきれる。
生まれて死ぬという一本道のはずなのに、人生では嬉しいことや嫌なことが起きたりと忙しく寄り道をしないといけない。
同じく、事件の謎解きという一本道のはずなのに、奇想天外、キテレツな寄り道をしている。
この本の中にいくつもの論文や古代中国の皇帝についた絵描きの話や一見関係のなさそうな読み物っぽいものが次から次へと出てくる。
もちろんそれらは人生の寄り道のように物語を豊かにするステキな寄り道。
ただ、お花畑を歩くような寄り道ではなく、霧の中を頭痛と腹痛と吐き気を催しながら、迷子になりながらの寄り道。
さて、目的地には無事につくのか。

一言ではストーリーは語れないので語らない。
精神病院で目覚めた記憶を失った青年が自分がなぜここで目が覚めているのかを二人の学者の言葉を頼りに探る数日間。
ここはどこ私は誰、の状態から、狂った話を聞いたり読んだり。
「話の意味が分かったか」と言われたら分からないし、たとえ何度か読んでも分からないと思う。
でもこの世界に迷い込む体験自体は嫌いではない。また迷い込みたい。
何かが分かりそうな地点まで来るとフッと霧が濃くなり、また違う道を示される。
その一つ一つが細かく説得力があるのでついまた歩き始める、するとまた霧が濃くなる。
一人の人生は完結するのか、やっぱり人類は繋がっているのか、正常な人間とは、胎児の夢とは、呪いはやはり実際にあるのか。
そして「ドグラ・マグラ」の意味とは、その言葉の持つ魔力になぜも惹き付けられるのか。

夢遊病の状態に陥ることができる推理小説。

で、果たして本当に私の精神に異常をきたしたか問題。
それは自分では判断できない。

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