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『風立ちぬ 美しい村』 堀辰雄, 1938年 レビュー | ぼくらは生きようとしなければいけない



風立ちぬ 美しい村
堀辰雄 1938
(Kaze tachinu / The wind rises)
Tatsuo Hori
288 pages
2024年6月 読了
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🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ ジブリ映画にもなった作品を含む短編集
✔ 軽井沢、サナトリウム、という異空間での静かな恋愛
✔ 静かな時間の中で静かに愛する二人の物語

★★★★ 軽井沢という異次元で流れる静かな時間のなかで登場人物は静かに人を愛する。「風が立つ。ぼくらは生きようとしなければいけない」ゆっくりとひんやりした時間に浸れる一冊

🔽🔽 読書記録 🔽🔽

ジブリの風立ちぬの基になったストーリー。
堀辰雄を始めて読んだけど、詩的でか弱くて美しい。
自身が病弱なのもあり、軽井沢という人間臭い生活感もない異次元が舞台で、そこで流れる静かな時間のなかで登場人物は静かに人を愛する。

サナトリウムという、そのなかでもさらに生活感から離れた空間を何度も登場させる。
風立ちぬ、Il vent se lève, il faut tenter di vivre- 風が立つ。ぼくらは生きようとしなければいけない。
そういうタイトルでありながら、主人公の愛する人はもう死の間際にいる。
それをしんと見つめるかのように季節は流れ、木々にはつぼみが溢れ、落ち葉は深くなる。
そして二人は、もう死を待つのみの透き通った空間のなかで互いを静かに愛し、時空を越えた二人だけの泡のなかに生き、そして彼女のその静かな死後も彼はその泡のなかで生きる。
ゆっくりとひんやりと流れる時間に浸れる一冊。

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