赤パンの本棚 akapan's bookshelf

読書記録 Book reviews

メインのタグ Main Tags ↓

2025年読了 2026年読了 English reviews ENG_About_Japan ENG_Family ENG_Female_led ENG_History ENG_India ENG_Japanese fiction ★★★★★ インド ミステリー 世界史 友情 女性主体 宗教 家族 帝国主義 恋愛 成長物語 戦争 日本史 日本未出版 日本社会 東野圭吾


カテゴリー別 By Category ↓

『鱈: 世界を変えた魚の歴史』マーク・カーランスキー, 1997年 レビュー | 鱈が人間の醜い姿を曝け出す



鱈: 世界を変えた魚の歴史
マーク・カーランスキー, 1997
Cod: A Biography of the Fish that Changed the World
Mark Kurlansky
2025年3月読了
アマゾンであらすじと詳細を見る


🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ 大西洋の偉大なる魚、タラをめぐる世界史
✔ 保存食として重宝した鱈をめぐり何度も戦争が起きる
✔ サステイナブルではない底引き網漁がもたらす危機

★★★★★ 近代化が進み永遠に続くと思われた資源のタラが激減、この魚を巡って戦争が起き。我々人間の醜い姿を曝け出されてしまうことにも。タラに。

🔽🔽 読書記録 🔽🔽

なんと日本語訳もあるみたい。
「鱈: 世界を変えた魚の歴史」
ヨーロッパに住んでるけど日本人としてタラという魚はよく分からなかった。フィッシュ・アンド・チップスの魚でヨーロッパの北部の寒い海でとれるらしい、でも昔からイタリアやスペインなどヨーロッパの南部でその乾燥は各地の郷土料理になっている。なぜ。

その、なぜ、の部分がまさにこの当たり障りの無さそうな魚を取り巻く怒涛の歴史の真相。近代化が進み永遠に続くと思われた資源が急激に減っていき(ここではまさにタラの量が激減し)、当時の太平洋の発展を担うこの魚を巡って戦争が起き、失業者は増え、外国人に敵対心を抱き、と我々人間の醜い姿をさらけ出されてしまう。タラに。

タラがヨーロッパの南部で愛され、新大陸でも重宝され、残りの安い部分は奴隷たちやその子孫をも満たしたという史実。凄い魚としか言いようがない。こんなに人類にとって大事な魚は他にない。

1997年出版当時よりも私たちの環境に対する危機感は高まり、トロール漁、底引き網漁はサステイナブルではないという意識はある。
売れない必要のない魚まで根こそぎ取ってしまい、しかもプラスチックごみをかなり出す漁。プラスチックストローなんて比べ物にならない量のごみがトローリングで排出されそのまま海に残る。幼魚も根こそぎ取られて捨てられるので育たない、けれど都合が悪いから誰も語らない。

いつものことながら、生活のために働く漁師さんは私たちの敵ではない。敵は常に、利益しか考えない大企業という国に保護されたモンスター。そんなところまで発展していく地味に壮大な一冊。
🔽 関連ページ 🔽
English review
"Cod A biography of the fish that changed the world" Mark Kurlansky (1997) Review | Our ugly selves exposed by, cod

🔽 買えるところ / あらすじ、情報 🔽

●●●●●アマゾン●●●●●

鱈: 世界を変えた魚の歴史




Cod: A Biography of the Fish that Changed the World (English Edition)
(電子書籍)