タグ: 友情

  • 『さらば、夏の光よ』 遠藤周作, 1982年 感想 | 青春の淡さ、軽さ、冷たさ 

    『さらば、夏の光よ』 遠藤周作, 1982年 感想 | 青春の淡さ、軽さ、冷たさ 

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    
    二人の男と一人の女。
    小太りでモテない気の優しい青年、行動的だけど単純な親友、美しい同級生。
    
    何度も繰り返される普遍的な設定ではあるけれど、遠藤周作にかかれば、やっぱり光る。
    遠藤周作版シラノ・ド・ベルジュラックとも言える。
    青春の淡さ、軽さ、冷たさ。
    真剣で無謀で残酷で、それを一歩向こうから見ている作家本人という構成。
    
    例えば主人公はいい奴だったのか、親友はそんなにいい男だったのか。
    そこにはやはり若さ故に美化された部分があるのでは。
    優しくされればされるほど憎んでしまうという矛盾も。
    
    人間はか弱い小鳥じゃない。
    だからこそ、プライドを傷つけられるし、心はすれ違う。
    反抗し、絶望し、後悔し、残った者はその後の選択をし、そして同じことはまた繰り返される。
    四季がめぐるようにまた、その連鎖は途切れることなく学生たちは親友と愛する人の奪い合いをする。
    
    
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  • 『陰陽師 龍笛ノ巻』 夢枕獏 2005年 感想 | 新しい仲間も >>

    『陰陽師 龍笛ノ巻』 夢枕獏 2005年 感想 | 新しい仲間も >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 龍笛ノ巻
    夢枕獏, 2005
    272 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今回はまた短編集に戻っている。
    長編とは違ったリズムなので短編集だから物足りないということもないし、むしろ色々と読めて嬉しいばかり。

    今回の「首」はいつもよりホラー要素が強かった気がするが、そういう風に微妙にテイストを変えてくるのが陰陽師シリーズ。

    どうやら安倍晴明の先輩に当たる賀茂保憲が仲間に加わった感じで今後も登場しそうで、今後はダイナミックが変わるのか。

    いま家にある最後の陰陽師シリーズ本なので、また次買うまでお預けです。

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    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
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  • 『陰陽師 生成り姫』 夢枕獏, 2003年 感想 | 源博雅が主役の長編 >>

    『陰陽師 生成り姫』 夢枕獏, 2003年 感想 | 源博雅が主役の長編 >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 生成り姫
    夢枕獏, 2003
    389 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    「平安時代は、雅な闇の時代であった。
    鬼も、人も、もののけも、同じ闇の中で呼吸している」

    今回は初の長編。
    そこに、もう短編で一度語られた話「鉄輪」を掘り下げるという粋な試み。
    それでもって主人公をシリーズではバディ役の源博雅にするというファンには嬉しい試み。

    源博雅は安倍晴明に何度も何度も「お前はいい漢だ」といわせるほどいいやつで、この陰陽師シリーズに人間味があるのは間違いなくこの男のお蔭で、好きにならずにはいられないキャラ。
    今回も凄く良いのです。

    源博雅の12年前の恋、鬼になる女、全てを受け止める安倍晴明と源博雅の二人。
    じっくりと長編として描かれるので最後の感動もしっかりと高まる。
    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ第一弾 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
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  • 『オリクスとクレイク』 マーガレット・アトウッド, 2003年 感想 | アトウッドのSF >>

    『オリクスとクレイク』 マーガレット・アトウッド, 2003年 感想 | アトウッドのSF >>

    🔽 基本情報 🔽
    オリクスとクレイク
    マーガレット・アトウッド, 2003
    Oryx and Crake
    Margaret Atwood
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    SFは苦手なんです。
    たとえアトウッドであっても苦手であると確信。

    なんでこういう世界にいるのかが436ページ中250ページ位になるまで見えてこないのは私には難しかった。
    文章はすごい、描写もすごい、状況を掴めれば面白い、でもこの世界を作り上げることに時間は割かれているにも関わらず人物像を作り上げることがほぼないので、人物に魅力を感じられない点も私には難しかった。

    日本語はもう売られていないのか、アマゾンで高額で売ってあるのみのよう。

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    English review “Oryx and Crake” Margaret Atwood (2003) Review | SF from Atwood
    tag SF
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    オリクスとクレイク


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  • 『陰陽師 付喪神ノ巻』 夢枕獏, 2000 感想 | 古代日本的な包容力 >>

    『陰陽師 付喪神ノ巻』 夢枕獏, 2000 感想 | 古代日本的な包容力 >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 付喪神ノ巻
    夢枕獏, 2000
    352 ページ
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    シリーズ第三弾。
    短編集なので一つ一つのストーリーについて書くのもなんだけど、女性の恨み系が多いのはやっぱりそうなんだよね、女性の恨みはそう簡単に払えないよということなんだろう。
    ただちょっと長めの「ものや思ふと」は男の恨みでこっちだって容易く解決はしない。

    いや、そういう観点でいうと、多くのストーリーに置いて問題が解決されないのも特徴かも。
    死んでも死にきれない、死んでからも祟ってやる、そういう強い思いを主人公の陰陽師は消し去らないことだってあるのがなんとも人間らしく古代の日本人的な優しさというか暗闇もオッケーだと思う包容力。
    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
    tag 日本史
    tag 怪談
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    陰陽師 付喪神ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-5)


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  • 『陰陽師 飛天ノ巻』 夢枕獏, 1995年 感想 | 二人のいい漢ぶり >>

    『陰陽師 飛天ノ巻』 夢枕獏, 1995年 感想 | 二人のいい漢ぶり >>

    🔽 基本情報 🔽
    陰陽師 飛天ノ巻
    夢枕獏, 1995
    304 ページ
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱり面白い安倍晴明と源博雅シリーズ第二弾。
    この二人の「いい漢」ぶりはもちろん、彼ら二人の会話のテンポと結局いつも同じように「そういうことになった」と連なって出ていく様子がいい。

    それぞれの妖怪や霊のストーリー自体はもちろんユニークなのは当然。
    でもそこにある背景の草花や樹木などの豊かな自然の様子、特に晴明の庭のエピソードごと、季節ごとの描写はほんわりと静かな気持ちにさせてくれて、そうかこれほど美しい自然が身近なんだから魔物くらいでてくるよな、という不思議な感覚に陥ってしまう。
    🔽 関連ページ 🔽
    シリーズ 『陰陽師』 夢枕獏, 1988 感想 | なに本当に面白い
    tag 日本史
    tag 怪談
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    陰陽師 飛天ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-4)


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  • 『火花』 又吉直樹, 2015年 感想 | 上下関係の危うさ >>

    『火花』 又吉直樹, 2015年 感想 | 上下関係の危うさ >>

    🔽 基本情報 🔽
    火花
    又吉直樹, 2015
    192 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    誰もが知っている一冊。
    芸人でありながらも小説を書き、芥川賞を取る。
    その意外さ通りのストーリー。

    芸人としての10年を描くんだけど、それはあくまで背景であり、メインは師匠と仰ぐ男と主人公の曖昧でギリギリバランスが取れていて実は取れていない関係にある。

    そこまで尊敬できる人に会えることは羨ましいことであり、その関係が10年近く続くことも微笑ましくも見える。
    しかし尊敬できるほどに高い位置に持ち上げた人間の人間らしい弱さ、愚かさいつまで見ないようにできるか。
    関係のバランスは崩れるか。
    どこまで愛情をもって寄り添えるか。
    恋愛感情でもない、同等の立場にある友情でもない、上下関係を基礎とした関係の危うさを暖かく描く。
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    tag 友情
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    火花 (文春文庫 ま 38-1)


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  • 『殺人の門』 東野圭吾, 2003 感想 | 著者の幅の広さを感じる人間ドラマ

    『殺人の門』 東野圭吾, 2003 感想 | 著者の幅の広さを感じる人間ドラマ

    🔽 基本情報 🔽
    殺人の門
    東野圭吾, 2003
    624 ページ
    2025.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    日本語いままで読んだ東野圭吾の派手さがない。
    凄いトリックもマジカルな要素もない。
    だからその分、この本のストーリーの素晴らしさが強調されている。

    お金持ちに生まれたのに次々と続く不幸で苦しみに溢れた半生の主人公、その影にいつもいる幼馴染み。
    タイトルからも分かるように殺人がテーマでずっとその匂いだけがしているサスペンスの側面と何が起こっているんだろうと想像を巡らさせるミステリーの側面。

    昭和を感じる人間ドラマは松本清張のような面白さがあり、巧みな謎解きミステリーだけではない、東野圭吾の作家としての幅の広さ、奥の深さを確実に掴める一冊。


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    tag 東野圭吾/Keigo Higashino
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    殺人の門 (角川文庫)


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  • 『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008 感想 | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008 感想 | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    🔽 基本情報 🔽
    Sea of Poppies
    Amitav Ghosh, 2008
    (ケシの海)
    アミタヴ・ゴーシュ
    559 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    噂には聞いていたけど、やっぱり圧倒的に面白かった。

    大英帝国が治めるインド、そこで行われるケシの栽培、そしてアヘン戦争の匂いを受けて奴隷船に乗り込む人々。
    それだけでもう本を開く前から自分好みなのは一目瞭然。

    開けてみると、個性的な登場人物がどんどん出てくる。
    辛い結婚生活から逃げた主人公の女性ディーティ、フランス人ポーレットとインド人ジョドゥの兄妹愛、破綻した繊細なラジャに、秘密を持ったアメリカ人船乗りザッカリー、などなどがそれぞれの思いを胸にモーリシャス諸島へ向かう奴隷船アイビス号に乗り込む。
    その流れだけで分かるよう、壮大なストーリーがこの3部作で描かれるのです。

    女性たちの無謀さと、それについて行ってる男性たちだったり、騙されて人生が一転するラジャの変化などがエンターテインメントを込めて書かれているのでこの後どうなるのか。
    まだ最初の一冊を読んだばかり、先が気になる。

    日本ではまだ翻訳されてないので残念。
    英語はちょっと難しいです、というかインド英語やそれぞれの訛りなどもあり分かりにくい。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Sea of Poppies” Amitav Ghosh (2008) Review | Leading up to Opium War
    category 文学 インド 南アジア/Indian S. Asian Lit.
    tag インド/India
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    Sea of Poppies: Ibis Trilogy Book 1 (English Edition)

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  • 『あん』ドリアン助川, 2015 感想 | 暖かくてそっと甘い >>

    『あん』ドリアン助川, 2015 感想 | 暖かくてそっと甘い >>

    🔽 基本情報 🔽
    あん
    ドリアン助川, 2015
    260 ページ
    2025.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。
    でも幸せはいつもわかりやすいの形をしていない。

    社会の役に立つことが生きる意味だと言われることを最近よく考える。
    それは生きる意味じゃないとつくづく思う、どちらかというと意義だよね。
    生きる意味自体は「あぁ、よかった」って思えることじゃないかな、と最近は思う。

    徳江さんも、店長さんも、ワカナちゃんも、それぞれ辛い思いをしてきたなかでお互いに会えた。
    ハンセン病という病気に苦しみ完治後は偏見に苦しんだ徳江さん。
    私も療養施設が90年代まであったなんていうことも知らなかったけれど、差別をする側の無知の怖さ。

    偶然にも去年初めて自分であんこを作り、その後何度かどら焼きも作った。
    簡易レシピであったにも関わらず、もちろん乾燥小豆を前の日から水に浸し、数時間かかる。
    そして、自分で作ったちょっと固めになってしまったあんこの美味しさ。
    その時に感じたのは、間違いなく幸福感だった。
    お菓子が運んできてくれる小さな幸せ。
    時間をかけた割には一瞬で食べてしまう美味しいもの。
    そんなときにも「あぁ、よかった」と思うようだ。

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。


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    English review “Sweet Bean Paste” Durien Sukegawa (2015) Review | sweetness of life


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    あん (ポプラ文庫 と 1-2)



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  • 『ロートレック荘事件』筒井康隆, 1990 感想 | このトリックあり?>>

    『ロートレック荘事件』筒井康隆, 1990 感想 | このトリックあり?>>

    🔽 基本情報 🔽
    ロートレック荘事件
    筒井康隆, 1990
    199 ページ
    2021.03 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    一見、よくあるセッティング。
    でも最初の章が大事。
    会話の不自然さは気づいていたけど、こういうことなのかというトリック。
    ずるいといえばずるいのかもしれないし、フェアかアンフェアか、といえばギリギリ。
    コンプレックスを柔らかく隠してあげるんじゃなくて曝け出す。
    守られる対象のものの自己主張。捻くれた運命。
    なるほどね、となる一冊。
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    ロートレック荘事件(新潮文庫)


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  • 『桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ, 2012 感想 | 高校という小宇宙>>

    『桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ, 2012 感想 | 高校という小宇宙>>

    🔽 基本情報 🔽
    桐島、部活やめるってよ
    朝井リョウ, 2012
    256 ページ
    2025.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    タイトルだけはずっと知ってて内容は全く知らなかったので、こういう感じとは想像もできなかった。

    高校時代、17歳のそれぞれの想い、部活を通じての人間関係や生活そのもの。
    確かに中学や高校にいる間は高校だけが宇宙で、自分のすぐ周りだけが世界。
    なにか大きな事が起こるのではない、なにかの筋の通ったストーリーがあるわけではない、ただその小宇宙で生きている不安定なまだ幼い人間たちの小さな揺れを、当時ほぼ同年代の朝井リョウが描く。
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    桐島、部活やめるってよ (集英社文庫(日本)) [ 朝井 リョウ ]
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    桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

  • 『ガール』奥田英朗, 2009 感想 | 女同士の絆>>

    『ガール』奥田英朗, 2009 感想 | 女同士の絆>>

    🔽 基本情報 🔽
    ガール
    奥田英朗, 2009
    320 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大変だなー、日本で会社勤めする女性。
    仕事の内容も大変なのに、男尊女卑もまかり通り、いつでも男よりも頑張って男より成果を出してないと同等にも見てもらえない。
    その中で迷惑をかけず自分の好きなようにしてると年相応にとか若作りとか、でしゃばってるとか。

    ここの女たちは強い。
    そして、女の味方は女だというのもいい。
    作者が男性であっても、女たちの細かい嫉妬やファッションを描いていて、女同士の絆を軸にしてるっていい。
    奥田英朗って読めば読むほど、いい。
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  • 『片想い』東野圭吾, 2001 感想 | 自分のことをわかってほしい>>

    『片想い』東野圭吾, 2001 感想 | 自分のことをわかってほしい>>

    🔽 基本情報 🔽
    片想い
    東野圭吾, 2001
    624 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    大学時代のアメフト部の仲間たち。
    当時のマネージャーが人を殺したと告白してきたので夫婦でかくまうことにした、そこまでは裏表紙にかいてあるけれど、これ以上はネタバレになるので何もいえない。

    アメフトという「男の世界」、夫婦間での愛情や信頼、男として女としての暗黙の役割や社会的立場。
    そういう所をとことん疑問視する。
    今から24年前に書かれたというのは、かなり早い時点でこの問題に向き合っていたと思う。
    今でさえ日本は男らしいとか女らしい、白黒はっきりした男女という概念が常識とされ、それに当てはまらない人間は気持ち悪いか、笑いの対象になる。
    もちろん男尊女卑は当然。
    そこに不満を持っているかどうかでこの本への気持ちの持ち方は変わると思う。

    はっきりできない部分、わからない部分、そういうところをテーマに、大学時代の友情やアメフト部のポジション関係を絡ませる。
    現実であれば、本人が懸命に隠したい部分はいくら友人でも尊重してあげればとも思うけど。

    タイトルがいい。
    なるほど、相手に自分のことをわかってほしいという気持ち、それは片想い。
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    片想い

  • 『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012 感想 | 自分を見つける巡礼の旅>>

    『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012 感想 | 自分を見つける巡礼の旅>>

    🔽 基本情報 🔽
    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful
    Gideon Lewis-Kraus, 2012
    ギデオン ルイス=クラウス
    352 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最初は普通の旅行記にもとれる。
    30歳のライターでベルリンに自由気ままに文句をたれながら暮らしていたけれど、あるきっかけからキリスト教の巡礼の地カミーノ・デ・サンティアゴでスペインへ、そして四国のお遍路四国八十八ヶ所霊場、最後はユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと次々と巡礼の地を回る。
    そしてこの旅の本当の目的は、自分の父親との関係を修復することだと気づく、といった感じ。

    世界中を回って結局自分の求めていたものはいつも出発地点にあったという典型的な旅ではあるけれど、やっぱりきつくて苦しい思いをすることでそこにたどり着くのです。
    ユダヤ教の指導者ラビであった父親が、ある日若い男の恋人を作って家を出た。
    その父親を許せるのか、許すのか、自分は父親を愛しているのか、父親は自分を愛してくれていたのか。

    そういう彼自身の葛藤を別にしても巡礼を回る旅行記としても面白い。
    宗教心もスピリチュアルな思いも全くなし、でも現代人はそういう人が多い。
    それでも巡礼をする意味はやっぱりある。
    サンティアゴは友人と(友人や恋人と巡礼する人たちは多くが分かれるらしいけど彼はなんとか友情を保ちつつ)、四国は一人きりで、そしてウクライナは弟と父親と。

    ユダヤ人らしいユーモアもちらほら見えて読み物として面白い。
    ただ足の裏がぼろぼろになり寒くて辛くて心も折れるこの旅行記を読んで自分も巡礼に行こう、とは思わないかも。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “A Sense of Direction” Gideon Lewis-Kraus, (2012) Review | Pilgrimages to yourself
    タグ: 宗教

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    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful (English Edition)

  • 『透明な螺旋』東野圭吾, 2021 感想 | ガリレオの真実>>

    『透明な螺旋』東野圭吾, 2021 感想 | ガリレオの真実>>

    🔽 基本情報 🔽
    透明な螺旋
    東野圭吾, 2021
    368 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズ最新作。
    宣伝通りです、「今、明かされるガリレオの真実」。

    面白いのはもう当然というか、読者はみんな異常に期待してるのに、新しさを入れながらクオリティをキープしてるすごさ。
    表紙からも分かるように子供や家族がテーマ、それ以上はネタバレなのでいえないけど、やっぱり捻ってきてくれるのが東野圭吾。

    登場人物も歳を重ねていくわけで、でもその度にさすがとしか言いようがないテーマや背景が出てきて。
    すごいなあ。
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    透明な螺旋 (文春文庫 ひ 13-14)

  • 『ランチのアッコちゃん』柚木麻子, 2013 感想 | 心を満たすランチパワー>>

    『ランチのアッコちゃん』柚木麻子, 2013 感想 | 心を満たすランチパワー>>

    🔽 基本情報 🔽
    ランチのアッコちゃん
    柚木麻子, 2013
    (Akko-chan and the lunch)
    Asako Yuzuki
    200 ページ
    2025.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱり元気をもらえた!
    アッコちゃんの周りで起きる短編集で、食べ物を取り囲んで冷えきった東京の生活を暖めてくれる物語たち。

    お腹と心を満たすご飯の力なめるな、笑顔で突き進む女の力なめるな。

    先輩のアッコちゃんから元気をもらう美智子、でも実は持ちつ持たれつでお互いは支えあってる、そしてその和がひろがる。
    日本の会社員の生活を知らないので大変そうだなと思うばかりだけど、絶対にこういう人はいる。
    目を凝らせばそっと手を差しのべている人が。
    そこに気付くことができれば、昨日よりちょっと幸せになれる。
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  • 『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    🔽 基本情報 🔽
    正欲
    朝井リョウ, 2021
    528 ページ
    2025.10 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    確かにズシンと重みがあって、後味も悪い一冊。
    なぜかと考えると。
    やっぱり最大の理由はこの本にずばりと「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。
    「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」
    「あんたも都合のいい多様性だけには寛容なんでしょ」
    「あんたも本当は人に言えないことあるでしょ」

    多様性、言うは易し。
    外国で暮らすと当然のことながら自分の価値観はマイノリティになる。
    (価値観どころか自分の存在自体がマイノリティになるし、酷ければ虐げられるけど)
    でも実は国境を越えなくても、じゃあ同じ町で生まれた人はみな同じ感覚か、教室ではみな分かち合えるのか、きょうだい間では。
    そうつまり、理解してもらうことは超レア。
    でも学校では日本は特に正しい答えを復唱することだけを教えられてきて、表面だけではみんな正常で安心して同じ製品として大きくなっていく。
    人は自分と違うという意識がないので想像力が培われない。
    ただし、根本的な欲望が人と違う人間の場合は別。
    人と違う不良品と思い込んで生きていくしかない状況に陥りやすくなる。

    結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。
    主人公たちが実際に出会えた幸せというのは、本当は図りきれない奇跡。

    人それぞれに興奮する対象が違うというのは当たり前で、人に言えないことがあるのも、程度や頻度は違ってももうここで人生終わりたいと思うことも当たり前。
    人生で知らないことばかりなのも、ほとんどの場面で自分が間違っているのも当たり前。
    つまりみんな正解のない中で生きているんだな、と分かれば自分も他人も楽になるのでは。

    多様性は大事。
    多様性のない社会は滅びます。
    たぶんずっと正しい答えは見つからず、しかも現在正しいとされていても時代が変われば正義も変わるし、永久に議論は続くと思う。
    でも議論ができるというのは違う意見が立場が存在するからで、社会はすこーしずつ良くなる。
    つまり、たまには大声を出しあってでも議論が永久に続くことが少なくとも私たちができる最良な選択でもあるのでは。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “(Ab)Normal Desire” Ryo Asai (2021) Review | You, too
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  • 『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 感想 | ヌーベルバーグ

    『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 感想 | ヌーベルバーグ

    🔽 基本情報 🔽
    Les Enfants Terribles
    Jean Cocteau, 1929
    恐るべき子供たち
    ジャン・コクトー
    144 pages
    2025.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    大学の教科書でも何度も出てくる一冊をやっと。
    フランスの詩人コクトーの小説。

    とても詩的、とてもコクトー、とてもフランスで、とてもヌーヴェル・ヴァーグ。
    退廃的な少年少女のストーリーで最後の瞬間にすべてが完璧となる。
    パリが好きな人がパリを想うとき、こういう芸術的で自己破滅的で退廃的な風景を想う。
    当時はもちろん社会にショックを与えた一冊だっただろうし、現在においても何度も何度も戻って来る地点がここにある。
    それだけ影響力があるストーリーで、概念としての現代フランス芸術が詰まっている。

    映画もいつか見なきゃ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Les Enfants Terribles” Jean Cocteau (1929) Review | very Nouvelle Vague

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  • 『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん, 2018年 感想 | 現代版細雪

    『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん, 2018年 感想 | 現代版細雪

    ★★★★☆  同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」。正しい家族はない。家族は普遍的ではない。みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。本物の女の絆ほど強いものはない。
    🔽 基本情報 🔽
    あの家に暮らす四人の女
    三浦しをん 2018
    Shion Miura
    368 pages
    2025.9 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」
    なるほど、谷崎潤一郎の細雪をベースにしたものなのか。

    最近は家族という概念についてよく考える。
    どうも家族というのは揺るぎないもので理想の形があってみんな同じような「家族」を作り上げるべきで、そうじゃない人たちが変わってる、と思いがちなことについて。
    みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。
    正しい家族はない。家族は普遍的ではない。
    血が繋がってたらもちろんいいよね、でもそれは一つの要因。
    第一そんなことにこだわっていられるほど人生は長くない。
    なんとなく手に取ったこの本も、前に読んだ「汝、星のごとく」もそうで、いわゆる理想じゃない家族の形を肯定する。
    きっと今の日本は特にそう言ってくれるものが必要なのかもしれない。
    社会が定めた理想なんて、もう無理。

    細雪は大昔に読んだので記憶が定かじゃないけど、こんな感じで女たちが忙しそうにうろうろしてる話だった。
    本物の女の絆ほど強いものはない。
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  • 『爆破 モンキーレンチギャング』エドワード・アビー, 1975 感想 | コミカルに爆破

    『爆破 モンキーレンチギャング』エドワード・アビー, 1975 感想 | コミカルに爆破

    🔽 基本情報 🔽
    The Monkey Wrench Gang
    Edward Abbey, 1975
    爆破 モンキーレンチギャング
    エドワード・アビー
    480 pages
    2024.11 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    70年代のヒッピーなアメリカ人たちが西部劇並みの壮大な景色を背景に、環境保護の名の下、コミカルにあちこちを爆破する。

    ご想像通りの内容で、多分私の好みじゃないと知っててもきっと真面目に読み続けると思いつつ、やっぱり読み続けた一冊。

    3人の男と1人の女、他人同士だったけれどギャングを組んで、環境を破壊する橋やダムを破壊する、となると、今たまにテレビで見るgen Zの若者が美術館の絵画にペンキを書けるようなものか。
    いや、でも今どきのいたずらは命がけじゃないのでちゃんと真似できてない。
    ギャングにはお金持ちのおじさんがいるけれど、自分で走って汗かいて命もかける。

    この本に戻ると。
    やっぱり自分向けじゃないなと思うのは、やたらトラックや銃の細かいことが並べてあって、キーワードはベトナム戦争だし、ちょっと自分とは離れすぎていた。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Monkey Wrench Gang” Edward Abbey (1975) Review | Comically explosive
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    爆破: モンキーレンチギャング



    The Monkey Wrench Gang (English Edition)

    🔽 日本語情報 (「BOOKS」より引用) 🔽
    著:エドワード・アビー
    訳:片岡 夏実
    出版社:築地書館
    ISBN:9784806712220
    出版社:築地書館
    判型:4-6
    ページ数:416ページ


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  • 『国宝』 吉田修一, 2018年 感想 | 国家の宝の美

    『国宝』 吉田修一, 2018年 感想 | 国家の宝の美

    🔽 基本情報 🔽
    国宝 上下
    吉田修一, 2018
    日本
    840 pages (408 + 432)
    2025.9 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    映画はここでは観れそうもないのでとにかく原作をと思って。
    そしてもう読む前からわかっている、国宝は凄いはず。

    さて、当然期待は最高峰クラスに高かった、なのにそれ以上だった。
    極道と花道という背景も興奮を煽る設定だし、血筋というのもそう、兄弟同然で生涯の友でライバルというのもそう、全てが面白くないわけがない設定。

    でもその凄さは喜久雄の成長物語の描き方。

    血筋のない一人の人間が運命の気まぐれで底辺に突き落とされ、または拾われて崇められて、堕ちて、を繰り返す中で彼は、その巨大な波に流される人生の中で後ろ楯もplan B代替案がない人生の中で生き延びる最後の砦としての歌舞伎と自らの天才的才能。
    人は大事なものを失うごとに成長する、そこで本来の自分を見つける。
    ひねくれものなので、やっぱり物語は上がって落ちて、堕ちるところまで堕ちるストーリーが圧倒的に面白い。
    でも彼は美そのもの、芸術そのものなのでもう本人の意思は重要ではない。
    国宝という究極の人間の人生を小説を通じて私たちが垣間見れる凄い体験。

    歌舞伎のことを知らない自分が残念、知っていたら更にもっと堪能できたはず。
    芸に生きる、まさに芸を生き抜いた人間の一生。
    一気に読んで一気に疲れる。

    映画でもいつか観てみたいなー、きっと美しさに圧倒されるんだろうなー。
    もちろん吉沢亮と横浜流星の美しさも見たいけど、なによりも素晴らしいであろう田中泯さんの仕草が見たい!
    動画を見てると音楽もいいし、いつかちゃんと劇場でみたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Kokuho (National Treasure)" Shuichi Yoshida (2018) Review | National Treasure himself
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    国宝 (上) 青春篇 (朝日文庫)
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    国宝 (下) 花道篇 (朝日文庫)
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  • 『汝、星のごとく』 凪良ゆう, 2022 感想 | 純粋にまっすぐ、強く生きる

    『汝、星のごとく』 凪良ゆう, 2022 感想 | 純粋にまっすぐ、強く生きる

    ★★★★☆ 純粋にまっすぐ、強く生きる。若い人が例えば読書を好きになるきっかけになる素敵な綺麗なストーリー。話題作なはず。良いですね。
    🔽 基本情報 🔽
    汝、星のごとく
    凪良ゆう 2022
    Yu Nagira
    348 pages
    2025.09
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    話題作。
    前はいつも自分好みの作家ばかり選んでいたので、意識的に話題作もちゃんと読んでる。
    これも本屋大賞を獲る作家、凪良ゆう (といっても名前も聞いたことがあるくらいだったけど、それは私が日本にいないという地理的な問題。)

    タイトルや表紙からもわかる綺麗なラブストーリー。
    自分勝手な親に振り回される高校生の恋から、ぐるぐると回る環境に巻かれ、するりと大人になってしまう二人の物語。

    純粋にまっすぐ、強く生きる。

    意地を張りながら、仕方がないと思いながら、打ちのめされながら、忘れずに自由を望みながら、愛と生をしっかり抱えながら。
    若いって素晴らしいとは言わない。そんなに人生は楽じゃないし、環境や境遇はそう簡単には変えられないし変わらない。

    続編があるそうで、ということはちゃんと他のも読まないと大きな事は言えないけど、若い人が例えば読書を好きになるきっかけになる素敵な綺麗なストーリー、それに尽きると思う。
    私のツボから離れているのは、私がターゲット層じゃないからでストーリーは素敵、おすすめできる。
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  • 『(屋根の上の部屋)』 ラスキン・ボンド, 1956年 感想 | 繊細な少年時代

    『(屋根の上の部屋)』 ラスキン・ボンド, 1956年 感想 | 繊細な少年時代

    🔽 基本情報 🔽
    The Room on the Roof
    Ruskin Bond, 1956
    (屋根の上の部屋)
    ラスキン・ボンド
    184 pages
    2024.08 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ラスキン・ボンド、日本ではあまり知られてないんですね。
    インド生まれ、インド育ちのイギリス系白人の彼はインドではその優しい文章と切ないノスタルジアに包まれたストーリーで人気。その彼が17歳の時に書いたデビュー作。

    彼自身の少年時代を描いたような小説で、イギリス系インド人の主人公の少年の英国人の保護者やインド人の友人との生活、なんだけど、典型的白人主義の家庭には馴染めず、かといって明らかに見た目も階級も違う自分は地元の友だちと同じ生活ができない。

    少年時代というのは誰もが「ここに馴染めない」と思うんだけど、彼の場合はその悩みはリアルで明確で、どれだけ彼自身が望んでも変えることはできない。

    いつかきっとと思っていた願いは非現実的に見えた。
    著者本人はイギリスに移住するも結局インドに帰ってくる。
    彼の愛する故郷はインドしかない。

    繊細な少年時代を描く一冊。

    日本では下記の作品集に含まれています

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Room on the Roof" Ruskin Bond (1956) Review | Sense of belonging
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    小学館世界J文学館 青い傘ほか ラスキン・ボンド作品集

    この作品集に含まれています


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  • 『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川恵海, 2015年 | 辞めても人生終わらない

    『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川恵海, 2015年 | 辞めても人生終わらない

    ★★★★☆  軽くさらっと読めるかと思ったら、ちょっとミステリーっぽくなるわ、ゴーストものなのかと思いきや、泣けてくるし、想像以上にグッとくる。ほんと、仕事辞めたって人生は終わらない。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    ちょっと今から仕事やめてくる
    北川恵海 2015
    258 pages
    2024.07
    アマゾンで見る
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    軽くさらっと読めるかと思ったら、ちょっとミステリーっぽくなるわ、ゴーストものなのかと思いきや、泣けてくるし、想像以上にグッと来る。

    つまり、みんな仕事がきつい。
    ひどい環境にいる人を探せばキリがなくて、絶望の縁にいる人は特に日本では多い。
    真面目に無理して頑張ることが偉くて、その悪循環にはまってしまうと全てが悪になり自分自身を責める。
    つくづく日本の会社員にはなれないと思うけど、日本の若い人が読むとスッキリするはず。
    でも最近のgen zなら大丈夫かも。仕事辞めたって人生は終わらない。
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    ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)



  • 『ホワイト・ティース』ゼイディー・スミス, 2000年 感想 | 混沌としたロンドンへのラブレター

    『ホワイト・ティース』ゼイディー・スミス, 2000年 感想 | 混沌としたロンドンへのラブレター

    🔽 基本情報 🔽
    White Teeth
    Zadie Smith, 2000
    ホワイト・ティース
    ゼイディー・スミス 
    464 pages
    2024年7月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ロンドンに初めて行ったときからずーっと話題の本、を20年経ってやっと読んだ。
    なんとなく難しくて移民の厳しい生活の話と勘違いしていたけど、読んでみると心温まるコメディーっぽくてちょっとびっくり。
    まさに当時まだ残っていたロンドンがこの本にはある、ごちゃごちゃした混沌としたロンドン。
    ロンドンではイズリントン区というどちらかというとトルコ人エリアにほとんどずっと住んでいたのでこの本の人物と人種的には違うけど、当時は階級も人種も入り混じっていることが自然だった。
    段々とロンドンは設備され、汚いものは「カーペットの下に隠されて」いまではお金がないと生活できない街になってしまった。

    みんな違う意見を持ち、肌の色、年齢、世代、伝統、教育、宗教、過去、経験、すべてが違うなかで、ひとつの共同体として呼吸をするということ。
    まとめることも同化することも必要ない、そういう共同体での生活は確かに苦労をするんだけど、その苦労こそがコミュニティの意義であり強みであるとこの本は語っているよう。

    日本人を含む世界のイメージの中のロンドンは現実離れしてびっくりするけど、まあ実はロンドンはそういう幻想を売りにすることで観光業を盛り上げているので、この本で、20年前まであった本当のロンドンに出会ってください。
    汚くて大げさで下品です。いや、でした。過去形。今はこういうコミュニティーは市内から弾かれているのが残念でならない。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "White Teeth" Zadie Smith, (2000) Review | Love letter to London


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  • 『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 感想 | 暴力な世界の中の美しい物語

    『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 感想 | 暴力な世界の中の美しい物語

    🔽 基本情報 🔽
    Afterlives
    Abdulrazak Gurnah, 2020
    アブドゥルラザク・グルナ
    288 pages
    2024年7月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。

    人々の生活や愛情は、戦争という外部の環境によってボロボロに破壊されるということを忘れてはいけない。
    アフリカの人々の人生は、ヨーロッパ人が勝手に始めた戦争、つまりアフリカに住む人々とは全く関係のない殺し合いビジネスによって左右される。
    それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。
    そんな狂暴な環境でも、植民地主義上の植民者と先住民でありながらも少しマジカルなでも一人間同士の関係も描かれていて少し希望を持つこともできる。

    2021年ノーベル賞受賞


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Afterlives" Abdulrazak Gurnah (2020) Review | A beautiful story told in a cruel and violent environment
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    Afterlives: By the winner of the Nobel Prize in Literature 2021



  • 『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006 感想 | 大迫力の復讐劇

    『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006 感想 | 大迫力の復讐劇

    🔽 基本情報 🔽
    ワイルド•ソウル
    垣根涼介 2006
    Ryosuke Kakine
    1040 pages (512 + 528)
    2024年6月 読了
    アマゾンで見る

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    上下二巻の壮大なストーリー。
    戦後の日本からブラジルへ渡った4万人のアマゾンでの壮絶な生活、そこから逃げ出した人々の底辺を這うような生活。

    そして下巻へ。
    現在の日本、東京。三人の日系人の男たちの日本政府に対する復讐劇が始まる。

    読んでいる方としてはアマゾンでの大変な生活を知っているから、もちろん完全に三人の男の肩を持つ。彼らの計画は次へ次へと進んでいく。

    この本での何度も出てくる通り、大きな自然を前にして人ひとりなんてちっぽけで、そのちっぽけななかで、一生かけて後悔をしたり、人を愛したりする。
    そういうところも滲み出ていて、全体像でとても面白い。
    アクションもドラマもたっぷりで一気に読める傑作。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Wild Soul" Ryosuke Kakine, (2006) Review | Let the revenge begin from Brazil
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  • 『アムステルダム』イアン・マキューアン, 1998年 感想 | イギリスらしく、暗い

    『アムステルダム』イアン・マキューアン, 1998年 感想 | イギリスらしく、暗い

    🔽 基本情報 🔽
    アムステルダム
    Amsterdam 
    Ian McEwan, 1998
    イアン・マキューアン
    224 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    誰かにもらった本。で、日本語訳なので直接の面白さは欠けるのでちょっと残念ではあるが、さっと読める短編。
    同じ女性を愛したという接点のある中年の男二人の小難しい友情、もしそれが友情と呼べるのならだけど。
    小難しく、イギリスらしく、暗い。
    でも他のも読んでみたい。
    やっぱりオリジナルがせっかく英語なら英語じゃないと。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Amsterdam" Ian McEwan (1998) Review | So dark so English
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    アムステルダム (新潮文庫)



  • 『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー, 1719年 感想 | 主人公がとってもイギリス人

    『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー, 1719年 感想 | 主人公がとってもイギリス人

    🔽 基本情報 🔽
    Robinson Crusoe
    The Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoe
    Daniel Defoe, 1719
    ロビンソン・クルーソー
    ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険
    ダニエル・デフォー
    384 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    古典を読んでいた時期に、旅行記の古典といえば。
    この主人公がとってもイギリス人なのが面白い。
    整理整頓を心がけ、この野蛮な地を絶対に(イギリス的な)我が家にしてやる、と奮闘し誇りに思っている。

    あたかも本当の自伝と思わせるように、口語的な英語でしかも語り口は一人称で「本人自筆」とまで書いてある。
    もちろんフィクションだけど当時はこの手法でかなり売れたよう。

    この時代の小説なので植民地主義的、人種差別的な内容は避けられないけれど、良いキリスト教徒としてクルーソーはそれなりに現地人フライデーと打ち解けているのも忘れてはいけない。
    今振り返って良い悪いはあるにしても、300年前に書かれた素晴らしいストーリーであることは否定できない。
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    English review
    "Robinson Crusoe" Daniel Defoe (1719) Review | Classic of classics
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  • 『若きウェルテルの悩み』ゲーテ, 1774年 感想 | 悲劇のヒロインぶり

    『若きウェルテルの悩み』ゲーテ, 1774年 感想 | 悲劇のヒロインぶり

    🔽 基本情報 🔽
    The Sorrows of Young Werther
    Johann Wolfgang von Goethe, 1774
    Die Leiden des jungen Werthers
    若きウェルテルの悩み
    ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
    144 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    誰もが聞いたことのある古典。というのを読むことにしたのがこの時期。
    想像よりももっと大変なお話だった。
    青年の悲しみや苦しみはそうなんだけど、それよりも彼の自己憐憫、悲劇のヒロインぶりがすごい。

    大人になって恋だの愛だのを経験して読むんじゃなくて、現在進行形で全身で恋愛をしている若い人が読んだら感動が違うだろうし、さらに18世紀に読んだらもっと違うんだろう。
    タイトルにちゃんと、「若き」ヴェルテルとなってるのがみそ。
    ここは多くの若き人々が通る道。

    青年は恋に落ちた。相手の女性の友情を自分への愛情だと勘違いし、苦しみ、そしてその苦しんでる自分にも酔ってしまう。
    自分自身への酔いこそが絶望の源となり、自分では制御できないモンスターになる。
    その悲劇の恋愛の原型のような、これ以降に書かれる報われない恋の物語の原型のような、250年たっても未だに共感する純粋な青年の苦悩。

    🔽 読書記録 🔽
    English review
    "The Sorrows of Young Werther" J W von Goethe, (1774) Review | Self pity is full on
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  • 『デミアン』ヘルマン・ヘッセ, 1919年 感想 | 普遍的な物語

    『デミアン』ヘルマン・ヘッセ, 1919年 感想 | 普遍的な物語

    🔽 ログ 🔽
    Demian
    By Hermann Hesse, 1919
    デミアン
    ヘルマン・ヘッセ
    135 pages
    2024年4月 読了

    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    「デミアン」はある少年シンクレールSinclairが友人デミアンを通じて、安全を保証された親元その光りに包まれた生活を離れ、悪意や暗闇を知りおとなになる物語。

    最初からリアルな生活が描かれるんだけど、徐々に決定的なリアル、戦争の中での生活となる。
    でも大丈夫、シンクレールは友情を通じて自分を見つけ出すことができていたから。友情がもたらす影響力、そしてまたその影響下を離れて彼は自分を確立していった。

    子供の頃は善と悪と二手に分かれていただけだった。でもこの世は実はどちらでもあり、そして自分の居場所もその中にある、確実に。

    本としては短いけれど、シンクレールが少年から青年となる成長をじっくりと追っていく。急がない、成長するのに急ぐ必要はない。だからこれは普遍的で出版から100年経っても未だに心を打たれる。

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    English review
    "Demian" Hermann Hesse, (1919) Review | Growing up, so universal


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  • 『哀愁の町に霧が降るのだ 上下』椎名誠, 1981年 感想 | 楽しくて切なくて、突っ走る

    『哀愁の町に霧が降るのだ 上下』椎名誠, 1981年 感想 | 楽しくて切なくて、突っ走る

    ★★★★☆ 椎名誠は面白い、それにつきる。
    彼の青年時代の話が中心だけど、やっぱりこの時代は活気があった。楽しくて切なくて、突っ走る。風邪でダウンしていたので軽く読める本として。
    実際、上下一日で読んでしまう

    🔽 ログ 🔽
    哀愁の町に霧が降るのだ 上下
    椎名誠 1981年
    Makoto Shiina
    416 + 400 pages
    2024年1月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    椎名誠は面白い、それにつきる。
    彼の青年時代の話が中心だけど、やっぱりこの時代は活気があった。楽しくて切なくて、突っ走る。
    でもそういう外界の影響と言うのもあるだろうけど、やっぱり彼の回りにいた人間が面白いやつだった、そして現在も友人関係が続いていると言う羨ましい話。

    まあ残念なことに風邪と熱で、しっかり読んだわけでもないし、大した読書感想文も書けない。
    言えるのは、ただ純粋に面白かった。
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  • 『わたしたちが孤児だったころ』カズオ・イシグロ, 2000年 感想 | 事実は本当に事実なのか

    『わたしたちが孤児だったころ』カズオ・イシグロ, 2000年 感想 | 事実は本当に事実なのか

    🔽 ログ 🔽
    When We Were Orphans
    Kazuo Ishiguro, 2000
    わたしたちが孤児だったころ
    カズオ•イシグロ
    2025年7月 読了
    🔽 こんな人、ときにおすすめ 🔽
    ミステリー好き、そしてカズオイシグロは切ないけど優しい気持ちになれる
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    カズオ•イシグロ作品ということは文体が美しい、というのは期待どおり。彼の作品はいつもノスタルジアが漂っているけどこの本はノスタルジアこそが大きなテーマ。
    主人公クリストファーは上海での少年時代いつも友人のアキラと遊んでいた。楽しい優しい思い出。
    その後イングランドで有名な探偵となった彼はやっとあるミッションのために上海へ戻る。両親を見つけるために。

    作者はきちんと順序追っては説明してくれない。どこまでが事実でどこからが想像か。
    クリストファーは上海の街を目隠し状態で動き回る。
    固く信じている事実は本当に事実なのか。
    さすがカズオ•イシグロ。

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    English review
    "When We Were Orphans" Kazuo Ishiguro (2000) Review | Tender memories, are they?
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  • 『遠い山なみの光』 カズオ•イシグロ, 1982年 感想 | 普通の人の嫌味や僅かな悪意

    『遠い山なみの光』 カズオ•イシグロ, 1982年 感想 | 普通の人の嫌味や僅かな悪意

    🔽ログ🔽
    A Pale View of Hills
    Kazuo Ishiguro, 1982
    カズオ•イシグロ
    遠い山なみの光
    183 pages
    2025年2月読了
    
    🔽🔽読書記録🔽🔽
    カズオ•イシグロの最初の長編小説。読んだのは2月だけどここを更新する7月にはちょうど日本の映画が公開されたばかり。

    彼の物語の特徴である、すごく日本的でありながらもすごく英国的という点がよく出ていて、やっぱり彼のようにすごく上手に二つのセンチメントを操る人はいない。

    イシグロ作品にはいつもちょっと普通の人の嫌みや僅かな悪意という隠し味がある。それって人間的でいたって当たり前。ここではサチコと娘の些細な狂気が常に漂っていて、そして周囲のお行儀の良い人たちの自分勝手さなんかがそう。

    戦時中、戦後の空しさと苦しみ。過去と未来。女たちと後悔。女たちと終わるべき過去。
    エツコは何度も自分の記憶の頼りなさをつぶやく。年老いて十分に苦労した自分をもう傷つけないために、思い出が曖昧になる。でもそれの何が悪いのか、彼女は十分に自分を苦しめた、ちょっと位曖昧にしたって、いい。

    やっぱりイシグロ作品は面白い。静かでありながらしっかりと人間の内面をしぼりだしている。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "A Pale View of Hills" Kazuo Ishiguro (1982) Review | slight malice of "normal" kind people
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  • 『螢川 泥の河』 宮本輝, 1977 感想 | 底辺でも強く生きる

    『螢川 泥の河』 宮本輝, 1977 感想 | 底辺でも強く生きる

    🔽ログ🔽
    螢川・泥の川
    宮本輝 1977年
    208 pages
    読了=2025年1月
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    螢川・泥の河 (新潮文庫 みー12-9 新潮文庫) [ 宮本 輝 ]


    🔽🔽読書記録🔽🔽
    泥の河は太宰治賞、螢川は芥川賞。
    泥の河は戦後の大阪でのを描く。質素な生活をする少年の、泥の川に浮かぶ船で生活する姉と弟と、身体を売って生活をしのぐ彼らの母との短い思い出。
    貧しいということ、戦後を生きるということ、底辺でも強く生きるということ、その中にも潜む淡い正直な大人への目覚め。ドラマチックじゃないけど心にすんっと入ってくる。

    螢川はそれより少し上の思春期の少年時代。はっきりと性に目覚めた主人公、羽振りがよかった事業に失敗した高年の父への嫌悪感に平行するかのように同じ女の子を好きな友人への嫉妬というか一目おいてしまう感じのなかで、ふとどちらも失ってしまう。そんなときに出会うごちゃごちゃとしたあの頃の人情を胸に、初恋の子と見る蛍の群れ、そしてラストシーンのビジュアル。
    いろんな感情が積み重なり、最後に花開くという感じ。
    なにが際立っているかというとその情景の描写。まるでその情景を一緒に体感しているような一体感を産み出す文章。だから読者もなんだか懐かしいような気持ちになる。
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    English review
    "Hotarugawa, Doro no Kawa" Teru Miyamoto (1977) Review | To live in post war Japan
    
    
    
    
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    螢川・泥の河 (新潮文庫 みー12-9 新潮文庫) [ 宮本 輝 ]

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