★★★★★+♥グルカ運動が過激化するインド東北部カリンポン。人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、和解、夢、そんなものは存在するのか。自分よりも圧倒的に強いパワー。コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。
🔽 基本情報 🔽
The Inheritance of Loss
Kiran Desai, 2006
喪失の響き
キラン・デサイ
384 ページ
2022.01 読了
🔽🔽 読書記録 🔽🔽
友人に進められるままに買ったので、私がいつも気になっている東ヒマラヤのカリンポンの街が舞台とは知らなかった。
裕福な家庭の女の子が孤児になり、インド料理もナイフとフォークで食べるような厳格な祖父と暮らすことになる。
そのころ激しくなっていくグルカ運動(ネパール系独立運動)に生活と人生を翻弄される人々。
少女の想像と妄想と、そして現実。
祖父と召使いだけの大きな家で、彼女はある貧しい青年に恋をする。
同じ頃、召使いのニューヨークに住む自慢の息子は実は底辺を這うような生活をしていた。
一見繋がりのないそれぞれの人生、でもグルカ運動が過激化するごとに確実に狂っていく。
人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、わかり合い、夢、そんなものは存在するのか。
激しく変化する生活の中で唯一変わらないもの、ヒマラヤ山脈。
春には淡い希望を運んできて、雨季にはすべてを腐らせる湿気を運んでくる神の宿る山のもとで、その流れに身を任せる。
日本の表紙のように明るく可愛いストーリーではないです。
そういう感覚はインドではかなり身に沁みるというか、自分よりも圧倒的に強いパワーというものが現実にあるインド。
コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。
🔽 関連ページ 🔽
English review
"The Inheritance of Loss" Kiran Desai (2006) Review | Peace, understanding, dream, no such things here
🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
●●● 楽天 ●●●
●●●
アマゾン ●●●

喪失の響き (ハヤカワepiブック・プラネット)