カテゴリー: 洋書

  • 『(茶の歴史)』 ロイ・モクサム, 2003年 感想 | 情報の詰まった茶の歴史本

    『(茶の歴史)』 ロイ・モクサム, 2003年 感想 | 情報の詰まった茶の歴史本

    🔽 基本情報 🔽
    (茶の歴史
    中毒と搾取と帝国)
    ロイ・モクサム 2003
    A BRIEF HISTORY OF TEA:
    Addiction Exploitation and Empire (Brief Histories)
    Roy Moxham 2003
    2020.08 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    Brief、簡潔なという名のシリーズだけれどかなりの情報量でさらっと読むものではない。

    茶の歴史、ということで地域としてはもちろん英国、中国、インドを中心とした歴史の本で、つまりは英国がいかにシステマティックに中国のモラルを破壊し、インドを陥れたか。
    お茶が好きな誰もが忘れてはいけない植民地主義の歴史。

    現在はヨーロッパにもっと近いアフリカのケニアで安価な茶葉が作られる。
    同じような運命をたどったのはチョコレートで、同じくアフリカでかなり安く作られる。
    砂糖もそう、嗜好品の歴史はどれも苦い。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "A BRIEF HISTORY OF TEA" Roy Moxham (2003) Review | An informative history book around tea
    tag ; 食文化 植民地主義
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    A Brief History of Tea
    A Brief History of Tea: Addiction, Exploitation, and Empire (Brief Histories)


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  • 『アナーキズムについて』 ノーム・チョムスキー, 2013年 感想 | 大衆のパワーは明るい未来へと導く

    『アナーキズムについて』 ノーム・チョムスキー, 2013年 感想 | 大衆のパワーは明るい未来へと導く

    🔽 基本情報 🔽
    (アナーキズムについて)
    ノーム・チョムスキー, 2013
    On Anarchism
    Noam Chomsky
    128 ページ
    2020.07 読了
    日本未出版
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    オバマ政権時代に出版された本、当時は確かに政治的アイデアの違い、イデオロギーの違い、だった。
    でもトランプ政権の時代のアメリカは、ただの政治の違いではなく、いかに数人の金持ちがより金持ちになるかという、わがままの販促のためのゲーム。

    チョムスキーはイデオロギーを信用しているけれど、それよりも実際的であるものに重点を置いているように思える。
    大衆にとって良いことは、イデオロギーにしがみつくことか。
    いや、エリートを投げ倒すことのできる大衆のパワーは私たちを明るい未来へと導く。

    それにしても、政治学に詳しくない私にはかなり難しい本だった。
    スペイン内戦に詳しくないのでそこはさらっと読むしかなかったし、まだまだまーだ、知らないことや学ぶことが山積み。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "On Anarchism" Noam Chomsky (2013) Review | Power of collective actions
    tag ;
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    On Anarchism (Penguin Special) (English Edition)
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  • 『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 感想 | クリミア戦線の看護婦 

    『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 感想 | クリミア戦線の看護婦 

    🔽 基本情報 🔽
    (メアリ・シーコール)
    ロン・ラムディン, 2005年
    Mary Seacole
    Ron Ramdin, 2005
    2020.07 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ジャマイカ出身の混血の英国人の看護婦の伝記。
    幼少期から医療や看護に携わるも混血であること、女性であることで大きく差別を受ける。
    クリミア戦争のとき英国のボランティア看護師を志願するも、白人でないことでフローレンス・ナイチンゲールに拒否される。

    それでも自分の経験と知識は役に立つと信じ、自費でクリミアに入り、ナイチンゲールたちが後方の安全なエリアで看護をしている中、戦場にかぎりなく近い場所で看護施設を設ける。
    食堂のようなビジネスを立ち上げ資金稼ぎにするという偉業。
    戦場で兵士にとってのくつろげる場所を提供し、その売り上げを兵士の身体的な傷を癒す。

    拒否られようが差別されようが、とにかく怯まない、自分の能力を最大限に使って人を助けるために生きる、すごい。

    英国人、白人である兵士たちを「息子たち」と呼び、彼らからも信頼され愛される存在になる、これはのちに彼女が破産したときに当時の兵士たちが助けたということでも証明されている。

    逆に神経質で有名なナイチンゲールの暗い部分を浮かび上がらせる話でもある。
    人手が足りないのに人種差別を優先したあとも、戦線で生き生きと兵士たちの心と体の看護に徹したシーコールを、兵士に酒を飲ませた、うるさい、と非難。
    そして英国という国もシーコールの偉業を100年近く闇に葬り、ナイチンゲールのみを全面的に「天使」化した。

    決して忘れてはいけないのはシーコールは「混血版ナイチンゲール」ではない。
    彼女はメアリ・シーコールという一人の独立した英雄である。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Mary Seacole” Ron Ramdin (2005) Review | Determination to help her "sons"
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  • 『パパは家出中』 ハニフ・クレイシ, 2001年 感想 | ロンドン、ロックンロール 

    『パパは家出中』 ハニフ・クレイシ, 2001年 感想 | ロンドン、ロックンロール 

    🔽 基本情報 🔽
    パパは家出中
    ハニフ・クレイシ, 2001
    Gabriel's Gift
    Hanif Kureishi
    2020.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドン、ロックンロール、そしてそこで大人になっていく少年。

    『マイ・ビューティフル・ランドレット』の脚本家なのであの素敵な青春を予想していたけれど、ここはほぼ純粋にロック音楽への賛歌。

    ロックな両親の元に生まれ、両親のロックな環境で育ち、でも小さいときに双子の兄弟を失った主人公。
    そういう特殊な子供時代を少年の目で見つめる、という感じで、そういう感じが好きな人はきっと楽しめる一冊、ただ私はその辺については鈍い。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Gabriel’s Gift” Hanif Kureishi (2001) Review | Rock and London
    tag ; 音楽 ロンドン
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  • 『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス, 1966年 感想 | 救いに溢れて

    『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス, 1966年 感想 | 救いに溢れて

    🔽 基本情報 🔽
    アルジャーノンに花束を
    ダニエル・キイス, 1966
    Flowers for Algernon
    Daniel Keyes, 1966
    2026.02 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    あまりにもチャーリイの障害が身近過ぎて客観的に感動できなかったところはある。
    逆にいうと、だからこそ痛いほどよくわかるところもある。
    なんというか、感動で涙は出ないけど、ただただ痛かった。

    でもできるだけ客観的に。
    小説の感想はいつもはできるだけ内容に触れないようにしているんですが、今回は少し内容に触れているので全く何も知りたくない人は読まないでください。

    この本が問うことは「幸せとは何」というとてつもなく大きな問。

    チャーリイの手術後すぐに、同僚の子が呟いた話にヒントがあるように思う。
    神様は私たちが与えられたもの以上のものを得ようとすることを許さない。
    彼女の考えでは、賢くなることは悪いこと。
    チャーリイは果たして周りの誰よりも賢くなることで幸せになったのか、そして良いことだったのか。
    世界中にあふれている素晴らしい知識を体いっぱい吸収できて彼はきっと、いや間違いなく幸せだったはず。
    それでも超能力がなくなるように、もっと言うと年を取って誰もがそれぞれ呆けたり遅くなっていくかのように、生きていくうえで避けられないサイクルとして、何かを得ても人は必ずその何かを失う。

    知識は力、たまに力が強すぎて害を及ぼすけれど、間違いなく失うものと思えれば、その山と谷をしっかりと自分のものにすればいい。
    得て、失って。
    広い目で見れば失うことだって、不幸と一言では言えない、そんなに狭い視野の話をしていない気がする。

    失ったと思った友情も、いつか戻ってくるかもしれない。
    人は大きな共同体、コミュニティの中での持ち場があるということも考えさせられる。
    (特にアメリカのような超個人主義の中でそれぞれの共同体ということも)

    そして、母親の存在。
    母親は悪い人間だったのか、自分の息子が「普通」であることを望むのは悪いことか。
    道徳の授業で差別はいけませんと教えられていると、他人ごとでは簡単に言える。
    自分の息子は他の子と同じように会話したり仕事をしたりすることはないと絶望した母親には、そんな他人事は通じない。
    それでもチャーリイのことを第一に考えることができればよかったのに、彼女は自分の不幸に集中するあまり息子のことを愛することを忘れていた。

    みんな、自分が一番大切。
    でも周囲の人間を傷つける気持ちもない、ただどちらもこなすのが難しいだけ。
    許しと救いにあふれているストーリーで本当に良かった。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Flowers for Algernon” Daniel Keyes (1966) Review | Forgiveness and salvations

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  • 『生きがい』 茂木健一郎, 2017年 感想 | 小さな幸せ逆輸入

    『生きがい』 茂木健一郎, 2017年 感想 | 小さな幸せ逆輸入

    🔽 基本情報 🔽
    生きがい
    茂木健一郎, 2017
    Ikigai
    Ken Mogi
    2020.05 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    もともとはイギリスで出版された本なのでターゲットはイギリス人ではあるけれど、結局逆輸入されたのは面白い。

    日本人ではない人たちが、日本人の考え方の謎を解くカギになる一冊で、細かい作業を続ける職人や同じような生活をするサラリーマン、そんな日本人の裏には「生きがい」という概念がある、と。

    心持ち日本の宣伝になってるのは仕方ないけれど、今の日本現代文学ブームの前に書かれたこの本は確かにロンドンではどこの本屋にもあった。
    まだまだ日本の本が今のように流行になる前に、ひっそりと本屋の入り口に並んでいたし、直後には似たような本が日本人じゃない人が書いたり。
    もちろん茂木先生の職業などは知らない人たちが、当時はまだミステリーだった日本人のことを知るきっかけになったはず。

    日本人にとって発見があるかどうかは別ですね。
    それを逆輸入して、「見て、日本って素晴らしいでしょ」となるのは、さすが。
    イギリスにいるときに英語で読んだので★4つだけど、日本で生活してて日本語で読んだらたぶん★3つになる。

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    生きがい (新潮文庫)


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  • 『ティファニーで朝食を』 トルーマン カポーティ, 1958年 感想 | 彼女に恋をする

    『ティファニーで朝食を』 トルーマン カポーティ, 1958年 感想 | 彼女に恋をする

    🔽 基本情報 🔽
    ティファニーで朝食を
    トルーマン カポーティ, 1958
    Breakfast at Tiffany's
    Truman Capote
    2020.05 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    オードリーヘップバーンの映画はみんなが知ってる。
    でも映画はこんなに暗い感じだったけ?
    たぶん映画はもっと明るくしてたと思う。

    確かに、この物語に恋をする。
    主人公ホリーは自由奔放でありながらも実は繊細。
    まだ20歳の彼女は間違いを犯しながらもさっさと次へ次へと進んでいく。
    みんなが彼女を愛する、でも誰か彼女のことを大切にしてくれるだろうか。

    短編集なんだけど、日本語は村上春樹の訳とは、それは贅沢。
    🔽 関連ページ 🔽
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  • 『黒い皮膚・白い仮面』 フランツ・ファノン, 1952年 感想 | 劣等感と優越感の構造

    『黒い皮膚・白い仮面』 フランツ・ファノン, 1952年 感想 | 劣等感と優越感の構造

    🔽 基本情報 🔽
    黒い皮膚・白い仮面
    フランツ・ファノン, 1952年
    Black skin, white masks
    Peau noire, masques blancs
    Frantz Fanon, 1952
    2020.05 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ポストコロニアリズムの古典。
    黒い皮膚を持ちながら白人として生きるとはどういうことか。
    いやもっというと、白人としていきたいと思うこととは、どういうことか。

    著者ファノンはフランスの植民地マルティニーク出身の精神科医。
    精神科医ということは潜在意識の専門家であり、つまり制御された欲求、つまり性的欲求、もしくは恐怖の専門家。

    黒人は、白人社会に身を置いて初めて黒人となる。
    白人社会とは植民地主義の世界であり、黒人は常に自らを否認しながら生活する必要がある。
    自己否定を避けることができても、主体的にはならない。
    逆に白人は、自分たちが勝手に作り上げた黒人像に怯えながら生活する必要がある。
    野蛮で、なにより性的に強力な黒人像。
    面白いのは、恐怖症という怯えは実は深いところにある欲求から生まれるという論点。
    つまり、差別主義者は心の奥では黒人に脅かされたいという欲求がある、と。

    もう一つ面白い点は、彼はフランスの植民地主義について語るという点で、奴隷制度の廃止はアフリカ人が戦って得たものではなく、白人のご主人様から与えられたものだという観点。

    もちろん、黒人だけでなく私自身のように白人社会で生きる白人以外の人間は常に自分の皮膚の色がもたらす余計な意味について意識しながら生活するわけで、どこにいても白人が一番優位である事実は避けられない。
    日本は植民地化されていないので、日本にいる限り自分の肌の色から生まれる原罪を意識することはほとんどない。
    むしろ日本人特有のコンプレックスでアジアにおける「黄色い皮膚・白い仮面」というちょっと違う側面もあるが、それはここではさて置き。

    あと、上記にもちょっと書いたように、もちろん映画や娯楽、アート、文化において黒い皮膚というのは悪と描かれるので、アジア人を含む共同的なイマジネーションにおいて、その歴史を知っていなくても「黒=悪」という方程式が植えつけられる。

    ファノンは、植民地主義に植民地化されたくないという。
    黒人は劣等感から解き放たれ、白人は優越感から解き放たれるべきだと。

    そして70年以上たった今。
    人種を超えたコミュニケーション、友情、恋愛関係は普通になって、人種差別をする人間は見下される世の中になった。
    でも、私たちは本当の意味で人種から自由になったのか。

    ファノンの苦悩はなくならなかった。
    例え知識人として知的な発見をしたとしても、サトウキビ畑で労働を強いられている8歳の子の生活は変わらないと。
    問題は単純に皮膚の色だけでもない。
    白人社会で生きるミドルクラスの黒人の苦しみと、その日の生活がやっとの黒人の苦しみ、二人の問題は同じものではない。
    人種の問題は多くの段階を含み、層を含み、複雑である。

    でも、それでも、たとえ複雑であっても解決方法がなくても、目を背けない、そのためにこの本を読む。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    tag 植民地主義
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    フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』 2021年2月 (NHK100分de名著)
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  • 『オリクスとクレイク』 マーガレット・アトウッド, 2003年 感想 | アトウッドのSF >>

    『オリクスとクレイク』 マーガレット・アトウッド, 2003年 感想 | アトウッドのSF >>

    🔽 基本情報 🔽
    オリクスとクレイク
    マーガレット・アトウッド, 2003
    Oryx and Crake
    Margaret Atwood
    2026.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    SFは苦手なんです。
    たとえアトウッドであっても苦手であると確信。

    なんでこういう世界にいるのかが436ページ中250ページ位になるまで見えてこないのは私には難しかった。
    文章はすごい、描写もすごい、状況を掴めれば面白い、でもこの世界を作り上げることに時間は割かれているにも関わらず人物像を作り上げることがほぼないので、人物に魅力を感じられない点も私には難しかった。

    日本語はもう売られていないのか、アマゾンで高額で売ってあるのみのよう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Oryx and Crake” Margaret Atwood (2003) Review | SF from Atwood
    tag SF
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    オリクスとクレイク


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  • 『Unmarriageable』 ソニア・カマル, 2019年 感想 | パキスタン版高慢と偏見 

    『Unmarriageable』 ソニア・カマル, 2019年 感想 | パキスタン版高慢と偏見 

    🔽 基本情報 🔽
    Unmarriageable
    Soniah Kamal, 2019
    ソニア・カマル
    384 ページ
    2020.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    パキスタン版「高慢と偏見」。まさに。

    (この時点では)まだジェーン・オースティンのオリジナルを読んでいなかったので似ている点については詳しくわからないけど、あ違いなくエンターテイメントな一冊。

    パキスタン生まれでアメリカ人の著者の作品。
    もうパキスタンは独立はしているけれど、まだ大英帝国の影響は消え去ってはいない2000年頃の社会で英語の先生である若い女性が主人公。
    パキスタンの当時の様子、新旧の文化や食文化が次々と描かれそれだけでも楽しい。
    出版はアメリカだし、欧米を意識していた感じは否めないけど、欧米メディアを通さないリアルのパキスタンの若い人たちの様子、口うるさい年寄りにうんざりしながらも元気でおしゃべりなパキスタンの女子の様子が新鮮。
    きっとその辺はオリジナルと同じ感じなんだと思う。

    日本語版はないですが、英語はそんなに難しくないし、コミカルなパキスタンの様子なんてなかなか簡単に読めないので頑張る価値ありです。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Unmarriageable” Soniah Kamal, (2019) Review | Pakistani Pride and Prejudice
    オリジナル「高慢と偏見」ジェーン•オースティン
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    Unmarriageable: Pride and Prejudice in Pakistan (English Edition)


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  • 『ジェーン・エア』 シャーロット・ブロンテ, 1847年 感想 | ノーという女性 >>

    『ジェーン・エア』 シャーロット・ブロンテ, 1847年 感想 | ノーという女性 >>

    🔽 基本情報 🔽
    ジェーン•エア
    シャーロット・ブロンテ,  1847
    Jane Eyre
    Charlotte Bronte
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    古典って避けてしまう傾向にあるけど、実はエンターテイメント性が高いものが多いんですよね。
    まあ、だからこそ何世紀も愛されるわけですが。

    この本もそう。
    ドロドロのメロドラマもあればロマンスもある。
    強い女性像のイメージがあったのでロマンス要素に関しては想像以上だった。
    一人の女性の惨めな子供時代を経て自らの手で這い上がる成長物語であり、フェミニズム満載であり、宗教の問題も、ちょっと怖めのゴシックでもあり、階級社会、人種、植民地主義などなど当時のイギリスにとっての社会的なテーマが盛り沢山。

    そして当時の批判は目に浮かぶよう。
    家父長制に服従しない女?男にノーという女?地位もなく地味な見た目のくせに?なんということでしょう。

    もちろん今日の社会では見方は変わる(といってもいまだに女のくせにという意見は無きにしも非ず)。
    彼女は男性にただ単に宝石やきれいな服を浴びるように与えられる人生は送りたくない。
    自分も対等に貢献できると確信できる日まで彼女は愛する人をも拒否し続ける。

    あと「屋根裏部屋の狂気の女」もとっても興味深い。
    当時の差別主義が隠さずに描かれており、混血の人間、黒人であるこの女は理性がなく暴力的で、高貴な白人の文明から遠ざけなければいけない。
    そしてジェーン本人はあまり怖がっても憎んでもいないというところも気になる。
    この辺りは本が出ているそうなので、いつか。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Jane Eyre” Charlotte Bronte (1847) Review | A woman who says no
    tag 女性主体
    tag フェミニズム
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    ジェーン・エア(上) (新潮文庫)


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  • 『密やかな炎』 セレステ•イング, 2017年 感想 | 女たちの内側の怒り >>

    『密やかな炎』 セレステ•イング, 2017年 感想 | 女たちの内側の怒り >>

    🔽 基本情報 🔽
    密やかな炎
    セレステ•イング, 2017
    Little Fires Everywhere
    Celeste Ng, 2017
    2020.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この映像化プロジェクトに関わったので同僚から借りた本。

    静かにゆっくりと始まる、まさにこの原題のように小さな炎があちらこちらで生まれていく。
    二つの家族、二つの逆の生き方、異なる母親像に、異なる娘像、そして異なる運命。


    登場人物はほの女性で彼女たちの内側の怒りを描くんだけど、ここで重要なのは女性と言っても一つの存在ではなく、社会的地位と貧富の差が女性を分け隔てるということ。
    フェミニズムを語るときに重要なことは、そこには常に人種や貧富の差、社会的地位、イデオロギーの違いなどが確実に存在しているという事実。
    フェミニズムの一言でまとめられる問題じゃない。

    女性同士の問題を、なんというか心持ち分かりやすくしすぎている気がしてそこがちょっと気になるけど、でも私のいつもの屁理屈なだと思う。

    もうちょっと壊れていく感じを出していたら私の好みにもっと近づくのではと密かに思う。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Little Fires Everywhere” Celeste Ng (2017) Review | Women’s inner anger
    tag フェミニズム
    tag 女性主体
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  • 『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008 感想 | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008 感想 | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    🔽 基本情報 🔽
    Sea of Poppies
    Amitav Ghosh, 2008
    (ケシの海)
    アミタヴ・ゴーシュ
    559 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    噂には聞いていたけど、やっぱり圧倒的に面白かった。

    大英帝国が治めるインド、そこで行われるケシの栽培、そしてアヘン戦争の匂いを受けて奴隷船に乗り込む人々。
    それだけでもう本を開く前から自分好みなのは一目瞭然。

    開けてみると、個性的な登場人物がどんどん出てくる。
    辛い結婚生活から逃げた主人公の女性ディーティ、フランス人ポーレットとインド人ジョドゥの兄妹愛、破綻した繊細なラジャに、秘密を持ったアメリカ人船乗りザッカリー、などなどがそれぞれの思いを胸にモーリシャス諸島へ向かう奴隷船アイビス号に乗り込む。
    その流れだけで分かるよう、壮大なストーリーがこの3部作で描かれるのです。

    女性たちの無謀さと、それについて行ってる男性たちだったり、騙されて人生が一転するラジャの変化などがエンターテインメントを込めて書かれているのでこの後どうなるのか。
    まだ最初の一冊を読んだばかり、先が気になる。

    日本ではまだ翻訳されてないので残念。
    英語はちょっと難しいです、というかインド英語やそれぞれの訛りなどもあり分かりにくい。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Sea of Poppies” Amitav Ghosh (2008) Review | Leading up to Opium War
    category 文学 インド 南アジア/Indian S. Asian Lit.
    tag インド/India
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    Sea of Poppies: Ibis Trilogy Book 1 (English Edition)

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  • 『ゴータマ・ブッダ』 2011 感想 | ブッダの人生を知る入門書>>

    『ゴータマ・ブッダ』 2011 感想 | ブッダの人生を知る入門書>>

    🔽 基本情報 🔽
    Gautama Buddha
    The Life and Teachings of The Awakened One
    Vishvapani Blomfield, 2011
    (ゴータマ・ブッダ)
    416 ページ
    2020.02 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    できるだけ飾らずミステリアスにならないように書かれたブッダの伝記。

    なんといっても2500年前なので順序よく語るのが難しいはずだけど、ブッダの人生を忠実に追い、当時のインドの様子もきちんと描写されている。(といってもこれまた大昔なので現実ではありえないことになる場合もある)

    経典ではなく個人としてのブッダの人生を知る入門書であり、そしてなぜあの時代のインドで仏教がスタートしたか、なぜ現代においても多くの人を魅了するのかということ、ということがよく分かる一冊。
    ただ読むのは難しかった。だって今もだけどこの時代のインドの人の名前はとても長くてしかも色んな人が出てきて誰が誰かわからなくなる。
    なので英語自体はちょっと上級者向き。

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    English review “Gautama Buddha” Vishvapani Blomfield (2011) Review | Intro to Buddha’s own life
    tag 仏教
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  • 『インドへ』 横尾忠則, 1977 感想 | カルチャーとしてのインドへ>>

    『インドへ』 横尾忠則, 1977 感想 | カルチャーとしてのインドへ>>

    🔽 基本情報 🔽
    インドへ
    横尾忠則, 1977
    203 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽


    インドの旅行記というのは星の数だけある。
    で、これはグラフィックデザイナー、画家の横尾氏の彼の内側のインドへの旅行記。

    インドという彼が抱いた幻想の世界への旅、むしろ彼の意識の中のインドへの旅というか、本物のインドは背景に過ぎない。
    そして彼の作品を見たことがあれば何故彼がインドにこだわるか一目瞭然。
    つまり彼は意識、また無意識の中で常にインドを求めていた。

    ニューヨークでのドラッグによる「インスタント悟り」に始まり、ビートルズを通り、ヒッピー、禅宗を通り、三島由紀夫の死によって、インドへ導かれる。

    この本ではメインはカシミール地方へ行ったときのことがメイン。
    最初にインドに行った強烈な印象を乗り越え、今回は星を眺め、宇宙と一体になってる時間のほうが長かったんじゃと思うくらい、宇宙やUFOが頻繁に出てくる。
    人間が自然と一体化するインドで、瞑想の中で自らが自然と一体化する。
    でもそこにはとてつもない貧困があり、差別があり、直球で遠慮のない死の世界もある。

    この本自体と同じくらい印象深い三島由紀夫の著者への言葉「インドへは行ける者と行けないものがあり、さらにその時期は運命的なカルマが決定する」

    著者はインドそのものでなくインドが象徴するもの、例えば死が限りなく身近にあることなど、もっと言えばアメリカのフィルターを通したカルチャーとしてのインドに惹かれ、それを求めた。

    私も親のおかげで小さい頃からインド亜大陸の写真を見ていて、いつか行くときが来ると漠然には思っていたけれど、別にヒッピーではないし、人生を変えようとも悟りを開こうともヨガを極めようとも思ってはない。
    でもこういう本を読むのは面白い。70年代まっしぐら。
    日本人がインドに対して抱く憧れは、こういう正直な文学により磨かれ保護され、永遠に消えないとおもう。
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    English review “(To India)” Tadanori Yokoo (1977) Review | India as fantasy
    tag インド
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  • 『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』 感想 | 人種差別と対話, 2019 >>

    『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』 感想 | 人種差別と対話, 2019 >>

    🔽 基本情報 🔽
    Why I’m No Longer Talking to White People About Race
    Reni Eddo-Lodge, 2019
    (私がなぜ人種についてもう白人に話さないのか)
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とてもパワフルな一冊。 
    まずはカバーがいい。彼女の怒りや苛立ちを思う存分に表現してる。
    そして中身、今の英国にとってとても重要な内容。
    英国の歴史の中での黒人やアジア人がどうか変わってきたのかという観点から始まり、英国にシステムがいかに差別的か、またその差別が正当化されているか。
    (正確には黒い人と茶色の人という言い方でいわゆる東洋人、黄色人種ではない)
    何が人種差別を生むのか。そこで人々が抱える恐怖とは。
    フェミニズムと人種、階級と人種、と続く。

    この本が、なぜ今、重要なのかは英国に住んでいれば分かる。
    つまりここ5年ほどで、人種差別は正当化されているから。(当時2020年)
    白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る社会。
    そして今まで、英国に特化した人種差別を問う本や議論の場というのは数えるほどしかなく、ほとんどはアメリカから輸入されたものであったという事実。
    つまりそれだけタブーであるということ。

    フェミニストでもある著者は、フェミニズムの土俵で、人種のことに触れると突き放されるという。
    別の場所でやってくれ、と。
    まるでフェミニズムは比較的裕福な白人女性のためだけの場であるかのように。
    多くのメインストリームの場で女性の権利は支持されるのに、人種差別に反対することは、理論的なレベルで支持されても、日常レベルでは見て見ぬふりをされる。
    しかも「これは人種差別じゃないから」と開き直って。

    そして、何年も議論が絶えないEU離脱を後押しする白人労働者階級の人たちは、まるで移民や白人以外の人が国を去れば(英国生まれの有色人種やミックス人種を含め) 全ての問題が解決すると信じている。つまりそこでも肌の色が問題だとされる。

    実際に人種差別がなくならない理由はなにか。
    「何が」問題なのか。
    黒人やアジア人に問題があるのではない。
    それは明らかに白人主義に問題がある、もちろん。
    どうやって白人のセンチメンタリズムを傷つけずに、白人を優位な立場から引きずり降ろさずに議論するか。
    怖い黒人女性と決めつけられずに意見を主張する方法があるのか。
    そういった葛藤の中で、彼女は、もう白人に人種の話はしない、と宣言したわけです。
    もちろんこれは、さらに数年前のブログのタイトルで、そこから彼女はやっぱり言わなければいけない、ということでこの本を書いているわけですが
    沈黙は自分を守ってくれない。黙っていても自分の立場は良くならない。

    挑発的なこの本は、まさに多くのセンチメンタルな白人を追い詰めて、彼らを罪悪感に浸らせてしまった。
    どうしていいかわからないと頼ってくる白人たち。
    イベントのQ&Aでモノローグを始め勝手に泣き崩れる白人。
    でも彼女は言う。
    罪悪感を感じる余裕があれば、自分の行動範囲内で声に出してみればいい。
    例えば職場で発言してみる。
    組織的な差別の基盤はやっぱり人。
    一人ひとりが行動をし、一つのムーブメントとなる。

    日本にいればたしかにこの感覚は分かりづらい。
    大々的な奴隷貿易の歴史もないし、移民が我々の職を奪いに国境を超えて来ているという妄想的な危機感もないし、肌の色と社会的立場もしくは階級の明らかなカテゴリーもない。

    それでもこれはやっぱり重要な本である。
    英国人歌手のStormzyが言ったように、英国には例えばイタリアのようなあからさまな人種差別はないかもしれない。
    でも確実に存在していて、差別主義者は今まで陰口を言っていただけだけど、今日の英国で大声で言える権利を得たと勘違いしている。
    そしてそれはとっても恐ろしいことだ、と。

    この本が、いま、この若い英国人黒人女性によって書かれベストセラーになっていることは、その挑戦的な内容を例え読者全員が100%完全に支持できないとしても、とても重要なことであり、間違いなく英国各地で議論のきっかけになった。
    ちょっと希望が持てる気もしてくる。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Why I’m No Longer Talking to White People About Race” Reni Eddo-Lodge (2019) Review | silence won’t protect us
    tag 植民地主義/Colonialism
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    Why I’m No Longer Talking to White People About Race: The #1 Sunday Times Bestseller
    
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  • 『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017 感想 | 韓国から日本へ>>

    『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017 感想 | 韓国から日本へ>>

    🔽 基本情報 🔽
    Pachinko
    Min Jin Lee, 2017
    パチンコ
    ミン・ジン・リー
    512 ページ
    2021.10 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    韓国に生まれ日本に渡った一人の女性、彼女の人生で耐えることなく続く苦労と小さな幸せ。

    一人の女性の焦点を当てることで、より戦時中のリアルな苦しみが浮かび上がり、かえって普遍的なストーリーとなっていく。
    日本と韓国の歴史、もしくは日本人と韓国人の歴史といったほうが正しいのか、その関係は簡単には概要を掴めない、というのも今日もまだ続き変わり続けているから。
    戦争は間違いなく関係悪化の要素の一つだけれどそれだけでもない。

    この本はいかに一瞬の不運やタイミングの違いでその後の人生が大きく揺らされるかを豊かな表現で描く。
    アジア人でないと分かりにくいところはあると思うけれど、アメリカ出版で世界中でベストセラー(むしろ日本の反応が遅くて鈍かった)

    韓国はドラマもそうだけどストーリーテリングが上手。
    ドラマチックな流れで、でも実際に戦時中や戦後はこんなスピードで人生は流れていったんだろう。

    フェデリコ•フェリーニは、人生は祭りだというけれど、この本は、「いや、人生はパチンコだ」といっている。
    フェアじゃない。負けると決まっている勝負。それでも続けてしまう。

    AppleTVのシリーズも観てみたい。



    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Pachinko” Min Jin Lee (2017) Review | Korean-Japanese epic
    tag 日本史
    tag 植民地主義
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  • 『(ザ・ホワイトタイガー) 』アラヴィンド・アディガ, 2008 感想 | 現代インドのエネルギー >>

    『(ザ・ホワイトタイガー) 』アラヴィンド・アディガ, 2008 感想 | 現代インドのエネルギー >>

    🔽 基本情報 🔽
    The White Tiger
    Aravind Adiga, 2008
    (ザ・ホワイトタイガー)
    アラヴィンド・アディガ
    336 ページ
    2021.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ちょうど、ネットフリックスがプリヤンカー・チョープラー制作主演で映画化したので、観る前に読まねばと。

    想像していた通りの面白さ、激しさ、リアルさ。
    淡々と進んでいくようなストーリーなんだけど実はエネルギーに溢れていて、これこそ現代インドの鏡。
    どうしてもインドを神秘な国と決めつけてしまうけれど、現実にはここには人々が生活をしていて、多くの貧しい若者はなんとか自分の親より良い生活がしたいと突き進む。
    それは当たり前の若者のエネルギーなんだけど、ここはそれでもインド。
    物凄い数の人間が絡み合い、その中でも生まれたときから叩きつけられている身分をわきまえるという常識は自分の中からも消えない。
    日本っぽいところがあるというか、アジア全般での文化はやっぱり繋がるところがある。
    ただ、貧困の層が分厚いインドでのこの物語はとてつもない興奮をまとっている。

    主人公が言うように、自分の生きている間にきっと白い男たちは消え、茶色と黄色の男たちが世界を制するようになる、つまり白人の時代は終わりアジア人の時代が来る、というのはそう間違ってもないかも。

    英語はちょっと難しいかも、というのもインド英語も入ってくるし。

    ネットフリックスの映画(日本語あり)もいいです!
    もちろんボリウッド的な歌もダンスもないけれど、代わりにリアルな暴力と音楽がありさらにこのストーリーを盛り上げる。

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    English review “The White Tiger” Aravind Adiga (2008) Review | Energy of young India
    tag インド

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  • 『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024 感想 | ダークでリアルなロンドン>>

    『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024 感想 | ダークでリアルなロンドン>>

    🔽 基本情報 🔽
    Caledonian Road
    Andrew O'Hagan, 2024
    カレドニアンロード
    アンドリュー・オヘイガン
    657 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンって住むにはどんなところ?と聞かれたら、とりあえずこれを読んでと言う。
    完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。

    人々はより良い生活を求めてロンドンに行くけれど、すぐにそんなものは存在しないと気づかされる。
    ここ数年で特に急激にお金がないとマシな生活はできない街となった。
    未だに階級の問題は根強く残っているし、桁違いの金持ちの生き方は一般人からは見えないほどにきっぱりと区別されている。
    (もちろん旅行者に見えることは絶対にない)
    金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    仲間と敵、それは政治上あったり利益であったり郊外に住むギャングであったり。

    主人公の美術史の歴史家兼教授である生徒との関係がメインだけど、貴族階級の伝統的な富裕層、ロシアの富裕層、その子どもたち、犯罪も厭わない若者ギャングなどの視点からも描かれていてまるでロンドンの街の生活そのままの複雑なサスペンス。

    このエリアは実は私は合計10年近く住んでいたので、知ってる道の名前が出てきて嬉しい。
    この辺は貧しい通りと裕福な通りが本当に隣り合わせ。

    英語レベルで言うとロンドンのスラングなども入ってくるのでちょっと難しめ。
    しかもみっちり657ページ。
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    English review “Caledonian Road” Andrew O’Hagan (2024) Review | Dark reality of London today
    tag ロンドン

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  • 『(眼の中の砂)』タゴール, 1903 感想 | インドの傑作 >>

    『(眼の中の砂)』タゴール, 1903 感想 | インドの傑作 >>

    🔽 基本情報 🔽
    Chokher Bali
    Rabindranath Tagore, 1903
    (眼の中の砂、やっかいもの)
    ラビンドラナート・タゴール
    298 ページ
    2022.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    初めて読んだタゴールの本はこの小説。
    インドでは有名でテレビや映画になっていて、特に最近のアイシュワリヤー・ラーイ主演のは見てみたい。

    Chokher Bali、眼の中の砂、やっかい者。
    美しい未亡人が、知り合いの家に預けられ、その家の嫁と仲良くなる。
    お互いをBaliと呼びあう仲だったけれど、才色兼備の未亡人(美しさが頂点のアイシュワリヤー・ラーイが演じる)は運命に反してでも自由になりたかった、そしてどんな手を使ってでも。

    日本人には馴染のある夫婦間、母と息子、嫁と姑、という繊細な家族の揺れ。
    そこに突如、悲しみを身にまとった美貌の未亡人がやってくるんだから、それぞれが沸々と狂っていく。
    眼の中の砂は触るものすべてを乱して、いつの間にかいなくなる。
    この身分をわきまえずに愛情も幸せも追求した悪に根元(インドでは未亡人は不吉な存在)。

    不幸をテーマにした強く悲しいインドの傑作。

    (原語はベンガル語、日本語訳は見つけられませんでした)
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Chokher Bali” Rabindranath Tagore, (1903) Review | Tragedy from India
    tag インド
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    Chokher Bali (English Edition) 
    
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  • 『呪われた村』ジョン・ウィンダム, 1957 感想 | 居心地の悪さ>>

    『呪われた村』ジョン・ウィンダム, 1957 感想 | 居心地の悪さ>>

    🔽 基本情報 🔽
    The Midwich Cuckoos
    John Wyndham, 1957
    呪われた村
    ジョン ウィンダム
    240 ページ
    2022.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    友人に薦められるままに読んだので内容を知らなかったので最初は混乱状態に。
    なにこれ。
    SF小説をあまり読まないので他と比べようがないけれど、何度も映画化やドラマ化されている静かに恐ろしい一冊。

    静かな町である日、住民が全員意識を失い目が覚めると女性たちは妊娠していた。
    一斉に生まれた子どもたちは親に全く似ていないがお互いが似ていた。特に光った目。
    そして子どもたちは恐ろしいほどに賢く強く育っていく。
    何かがおかしい、この子達は何者なのか、どうすればいいのか、何が正しい方法なのか、どうやって止めるのか。

    居心地の悪い怖さの理由は、こんなことが本当はどこかで静かに起きて静かに消されているんじゃないか、というそのリアルさ。

    SFって昔は宇宙人の仕業だった。
    わかりやすい敵が外にいるいい時代だったのか。
    今は身内である人間が怖い。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Midwich Cuckoos” John Wyndham, (1957) Review | Uncomfortable


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    呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)


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  • 『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022  | インド好きのためのミステリー >>

    『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022 | インド好きのためのミステリー >>

    🔽 基本情報 🔽
    The Bangalore Detective Club
    Harini Nagendra, 2022
    (バンガロール探偵クラブ)
    ハリニ・ナジェンドラ
    292 ページ
    2022.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1920年代のインド、医者と結婚したばかりで主婦として静かな生活を送るはずの主人公が南インドのベンガルール(バンガロール)の街で起こる犯罪を推理する、という可愛い感じの推理小説。
    シリーズ物の第一弾。
    主人公Kaveriが好奇心旺盛で強くて、そうなのインドの都会の女の子ってこんな感じっていう楽しさと、権力を持つイギリス人との衝突もあったり。
    若い奥さん、主婦であっても、白い目で見られても趣味の水泳はやめないし、好きに外を歩き回る。

    著者が実は生態学者という変わった経歴なのも面白いので続編も読んでみる。

    ベンガルールの街のスポットが色々出てきて旅行予習になったし美味しそうな料理も出てくる。
    インド好きな人が軽く楽しく読める。

    英語も比較的簡単なので英語の勉強にも。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Bangalore Detective Club” Harini Nagendra (2022) Review | Nice mystery for India lovers
    tag インド
    tag 女性主体

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    The Bangalore Detectives Club (The Bangalore Detectives Club Series) (English Edition)


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  • 『(ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)』サラ・ベスキー,2014 感想 | ダージリンの現実>>

    『(ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)』サラ・ベスキー,2014 感想 | ダージリンの現実>>

    🔽 基本情報 🔽
    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India (California Studies in Food and Culture Book 47)
    Sarah Besky, 2014
    (ダージリン ディスティンクション; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)
    サラ・ベスキー
    258 ページ
    2022.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    まさに探していたトピックの本。
    ダージリンのお茶と産業と労働者の関係。

    ダージリンは世界で一番高級な茶であり、世界中で知られていてステータスもある、なのになぜダージリンの労働者は貧しいのか。
    ダージリンのお茶一杯の値段はお茶を摘む仕事の女性の一日の給料より圧倒的に高い。
    高級感を売り物にするダージリンの現実は静かに隠されている。

    ダージリンやシッキム州のいわゆる広い意味でダージリン茶を作るエリアは実は最近まではインドではなかったし、18世紀に英国人が周辺の発達のためにネパールから大量の労働者を連れてきたので、人種的にもほとんどがインド人ではない。
    90年代に盛んだったグルカ運動はいまも消えたわけではないけれど、これだけ商品価値のある商品を作るダージリン、インドは、西ベンガル州は何があっても手放さない。
    グルカもネパール系の人々は何代もの間この産業を支えているのに実質的に何も所有できない、他の道も少ない、自分たちの歴史さえ曖昧になっている。
    フェアトレードの観点から言うと、フェアトレードを押し付けられるせいで現地の人間の生活はより厳しくなったとも。

    高級茶の代名詞のダージリンは現地の人々からの搾取によって支えられている。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Darjeeling Distinction” Sarah Besky (2014) Review | Dark side of the posh tea
    tag 東ヒマラヤ

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    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India


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  • 『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012 感想 | 自分を見つける巡礼の旅>>

    『A Sense of Direction』ギデオン ルイス=クラウス, 2012 感想 | 自分を見つける巡礼の旅>>

    🔽 基本情報 🔽
    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful
    Gideon Lewis-Kraus, 2012
    ギデオン ルイス=クラウス
    352 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最初は普通の旅行記にもとれる。
    30歳のライターでベルリンに自由気ままに文句をたれながら暮らしていたけれど、あるきっかけからキリスト教の巡礼の地カミーノ・デ・サンティアゴでスペインへ、そして四国のお遍路四国八十八ヶ所霊場、最後はユダヤ教の巡礼でウクライナのウマンへと次々と巡礼の地を回る。
    そしてこの旅の本当の目的は、自分の父親との関係を修復することだと気づく、といった感じ。

    世界中を回って結局自分の求めていたものはいつも出発地点にあったという典型的な旅ではあるけれど、やっぱりきつくて苦しい思いをすることでそこにたどり着くのです。
    ユダヤ教の指導者ラビであった父親が、ある日若い男の恋人を作って家を出た。
    その父親を許せるのか、許すのか、自分は父親を愛しているのか、父親は自分を愛してくれていたのか。

    そういう彼自身の葛藤を別にしても巡礼を回る旅行記としても面白い。
    宗教心もスピリチュアルな思いも全くなし、でも現代人はそういう人が多い。
    それでも巡礼をする意味はやっぱりある。
    サンティアゴは友人と(友人や恋人と巡礼する人たちは多くが分かれるらしいけど彼はなんとか友情を保ちつつ)、四国は一人きりで、そしてウクライナは弟と父親と。

    ユダヤ人らしいユーモアもちらほら見えて読み物として面白い。
    ただ足の裏がぼろぼろになり寒くて辛くて心も折れるこの旅行記を読んで自分も巡礼に行こう、とは思わないかも。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “A Sense of Direction” Gideon Lewis-Kraus, (2012) Review | Pilgrimages to yourself
    タグ: 宗教

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    A Sense of Direction: Pilgrimage for the Restless and the Hopeful (English Edition)

  • 『9つの人生』ウィリアム・ダルリンプル, 2013 感想 | もう人間ではない聖なるもの / >>

    『9つの人生』ウィリアム・ダルリンプル, 2013 感想 | もう人間ではない聖なるもの / >>

    🔽 基本情報 🔽
    Nine Lives: In Search of the Sacred in Modern India
    William Dalrymple, 2013
    9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて
    ウィリアム・ダルリンプル
    305 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今まで読んだダルリンプル氏の他の本とはちょっと違った感じ。
    形としては旅行記なんだけど、旅先の土地の様子ではなく、その土地が「創り上げた」人々の話。

    9つの聖なる人生、9人の人間のストーリー。
    彼らは人間ではあるけれど、「聖なるもの」として崇められすでに人間ではない生活を送っている。
    例えば自己を捨て聖人としてただ流れに任せて生きている人や、女神に仕える女性として生きているけれどでもやっていることは売春婦でしかないひと、または宗教的な踊りや歌を受け継ぐ人、本当にそれぞれの宿命を背負って生きている。

    私がダルリンプルの書く文章が大好きな理由はもちろん、彼のすべてをありのままに受け止め、深い情熱と愛を持って世界に届けようとする徹底したその姿勢。
    いまインドの社会は大きく変化している。
    それは日本のように人々が宗教から離れていくという減少ではなく、その土地その町の超ローカルな信仰が薄れていき、代わりに、意図的に、インド全国規模の統一されたヒンドゥー教が彼らの生活に入り込んできているということ。
    何百年も語り継がれてきた地元の信仰とは違う、インド全土で統一されたラーマの物語が全国放送のテレビを通じて短期間で人々の脳内の記憶を塗り直すナショナリステックなラーマフィケーション(Rama-fication、ラマ化)が進む中、あと何十年、あと何年でローカルな信仰や伝統は忘れ去られるのか。

    その最後をきちんと書き残してくれる歴史家がいるって素晴らしい、の一言に尽きる。
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    English review “Nine Lives” William Dalrymple (2013) Review | Being holy in India today
    tag インド
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  • 『(ハイヒールを履いた僧侶) 』西村宏堂, 2022 感想 | メイクアップと仏教という使命 >>

    『(ハイヒールを履いた僧侶) 』西村宏堂, 2022 感想 | メイクアップと仏教という使命 >>

    🔽 基本情報 🔽
    This Monk Wears Heels: Be Who You Are
    Kodo Nishimura, 2022
    (ハイヒールを履いた僧侶)
    西村宏堂
    224 ページ
    2022.09 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    お坊さんでありながらメイクアップアーティストであるユニークな人物。
    ユニークで強い使命感を持った人物。

    若い人にとって大きな励みになる自己啓発の本、ゲイであろうがなかろうが、根本的なメッセージは変わらない。
    自分に自信を持って、誇りを持って。

    メイクアップは自分の美をより強めるものであり、その裏に隠れるためのものではない。
    そして仏教は真実を追求するものである。
    そういう見方で考えると、一見無関係な2つのことが同じ目的を持っていて、それこそが彼の目的、ミッション。
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    English review “This Monk Wears Heels” Kodo Nishimura (2022) Review | Make-up and Buddhism
    tag 仏教
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  • 『茶の本』 岡倉天心, 1906年 感想 | 日本文化の古典

    『茶の本』 岡倉天心, 1906年 感想 | 日本文化の古典

    🔽 基本情報 🔽
    The Book of Tea
    Kakuzo Okakura, 1906
    茶の本
    岡倉天心
    128 ページ
    2022.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    120年前に欧米に向けて英語で書かれた岡倉天心の名書。
    茶の本、とはいいつつ単に茶だけでなく日本の精神や哲学、美徳といった幅広い観点から繊細でありつつも強いメッセージを感じる一冊。

    当時は日本、東洋は野蛮とみなされていたが、この一冊でかなり雰囲気は変わったと思う。
    茶道だけでなく華道も織り交ぜ、東洋独自の美徳とは何かを伝えることに成功したこの本は現在でも強いメッセージ性がある。
    茶道や日本の茶の歴史について学ぶというより、日本の精神を茶を通じて学ぶ、といった本。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Book of Tea” Kakuzo Okakura (1906) Review | Tea and philosophy
    tag
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    茶の本 (岩波文庫 青 115-1)


  • 『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田直樹, 2016 感想 | 新鮮で希望が持てる >>

    『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田直樹, 2016 感想 | 新鮮で希望が持てる >>

    🔽 基本情報 🔽
    The Reason I Jump: The Inner Voice of a Thirteen-Year-Old Boy with Autism
    By Naoki Higashida, 2016
    自閉症の僕が跳びはねる理由~会話のできない中学生がつづる内なる心~
    東田直樹, 2016
    208 ページ
    2022.03 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    それまで気づかなかったこと(気にしていなかったこと)に気付かされるだけでなく、まるで魔法のような美しさがある。
    それだけではない、13歳の直樹くんの自然に対する愛情や他の人と繋がりたい、わかってもらいたいという強い気持ちも読み取れる、新鮮で希望が持てる心地の良い一冊。

    そう、心地が良い。
    意地悪な言い方をすれば、自閉症の子供について何も知らない人が、感動して気付かされて、心地よく読める本。
    でも当事者は皆知っているけれど、実は生活の中でそんな美しさはごく一部でしかない。
    それでも取っ掛かりになるとは思うしこの本が世にでて多くの人が読んだことは素晴らしいと思うし、読者感動したということには偽りはない。
    ただ、その感動は周りの大人が上手に作り上げた感があるのがどうしても残念。

    私の読んだ英訳バージョンの場合は超有名人である作家が関わっているので、やっぱりできれば日本語で読んでみたい。
    そして彼がこのあとに書いた本も是非。
    ぜひ彼の言葉(にできるだけ近いかたちのもの)で読んでみたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Reason I Jump” Naoki Higashida (2016) Review | Revealing
    タグ: 自閉症 ASD
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  • 『(ダージリン 世界最高の茶)』Jeff Koehler, 2015 感想 | 植民地主義と高級茶>>

    『(ダージリン 世界最高の茶)』Jeff Koehler, 2015 感想 | 植民地主義と高級茶>>

    🔽 基本情報 🔽
    Darjeeling: A History of the World’s Greatest Tea
    Jeff Koehler, 2015
    (ダージリン 世界最高の茶)
    286 ページ
    2022.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ダージリン茶に関するすべての背景、なぜダージリンに茶が植えられたか、どういった植民地的な歴史を抱えているのかなどをかなり掘り下げた一冊。
    英国人が始めインド人経営者が受け継いだ茶園、そこに住み働く代々慎ましい生活をする人々の様子など人にまつわることも。

    多くの人にとってダージリンのお茶の風味はユニークな優雅さだったり高級感を象徴するけれど、ダージリンの抱える問題は別のユニークさがある。
    世界有数の高級な飲み物でありながら、つくり手の問題や生活環境は厳しく、いまだに植民地的な搾取によって生産されている。
    お茶を摘む作業を担う人間の一日の給料は、一杯のダージリンの値段以下。

    同じく世界有数の飲み物であるシャンパーニュやウィスキー、抹茶などと違い現地の国民、インド人は口にしないダージリンティー。
    数え切れない問題を抱えるダージリン茶産業、今後も人々はダージリンを飲み続けるのか、そして作り続けることはできるのか。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Darjeeling: A History of the World’s Greatest Tea” Jeff Koehler (2015) Review | Colonial history and Darjeeling
    tag
    tag 東ヒマラヤ
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    Darjeeling: The Colorful History and Precarious Fate of the World's Greatest Tea


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  • 『(歴史上の100人の邪悪な女たち)』 Hannah Jewell, 2019年 感想 | 構わず偉業を残した女性たち

    『(歴史上の100人の邪悪な女たち)』 Hannah Jewell, 2019年 感想 | 構わず偉業を残した女性たち

    🔽 基本情報 🔽
    100 Nasty Women of History:
    Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know
    Hannah Jewell, 2019
    (歴史上の100人の邪悪な女たち)
    376 ページ
    2022.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    100人の女性の伝記コレクション。
    トランプがナンシー・ペロシ史をnasty と呼びいつものように低俗なあだ名で呼んでいたのにかけて、歴史上の100人のやり手な女性を集めた本。

    著者ごとく、彼女たちについて深く読んでいく前に私達は彼女たちが間違いなく存在したという事実をきちんと受け止めるべきだと。
    歴史のホコリにまみれて人の目のつかない場所に追いやられた女性たち。
    男性と同じ様に成果を残しても、女性は常に男性より以下。男性の偉業ほど大事ではない。
    もし仮に、女性が何かを成し遂げたとしてもそれはただの偶然で、女性は英雄ではなく男社会にとってただnastyなだけ、邪悪なだけ。

    カテゴリー別に分かれていてそれぞれは短くて読みやすく、ジョークや口の悪い文章が連なるけれど、やりすぎずちょうどいい。
    ここからそれぞれの女性について読みすすめるガイドブック的な本。

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    100 Nasty Women of History: Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know (English Edition)
  • 『(ダージリンにまっすぐな道はない)』 Parimal Bhattacharya, 2017年 感想 | ヒマラヤを見上げる

    『(ダージリンにまっすぐな道はない)』 Parimal Bhattacharya, 2017年 感想 | ヒマラヤを見上げる

    🔽 基本情報 🔽
    (ダージリンにまっすぐな道はない)
    No path in Darjeeling is straight
    Memories of a Hill Town
    Parimal Bhattacharya, 2017
    200 ページ
    2022.02 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    1990年代にダージリン地区で勤務していたベンガル人教師の回想録。
    一応は同じ「西ベンガル州」になるけれど、ダージリンやあの辺りの山の人間と、ベンガル人は習慣も原語も歴史も違う。
    ダージリンのあたりの歴史などの本はよく読むけれど、これは個人的な回想録なので違った面白さがある。
    外部の人間として、その複雑なダージリンの問題、政治、生き様をしっかりと見つめる一冊。

    日本語版しかないけど、この辺りに興味がある人はぜひ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “No path in Darjeeling is straight” Parimal Bhattacharya (2017) Review | Complicated history
    タグ: 東ヒマラヤ
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    No Path in Darjeeling Is Straight: Memories of a Hill Town (English Edition)


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  • 『無名なるイギリス人の日記』 ジョージ・グロウスミス 1892年 感想 | 100年前も気まずい

    『無名なるイギリス人の日記』 ジョージ・グロウスミス 1892年 感想 | 100年前も気まずい

    🔽 基本情報 🔽
    The Diary of a Nobody
    George and Weedon Grossmith, 1892
    無名なるイギリス人の日記
    ジョージ・グロウスミス
    ウィードン・グロウスミス
    2022.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    本屋さんでなんとなく手にした本、蓋を開けてみると、私が何年も住んでいたロンドンのホロウェイ地区に住む男性の気まずいコメディー小説だった。

    130年前に書かれた本なのでもちろん近所の様子はぜんぜん違うけれど、ユーモアは完全なるブリティッシュユーモア。
    下層のミドルクラスの男性の家族、下層といえど華やかな場に呼ばれてしまったり、一応はメイドに厳かな態度を見せたりしないといけないけど、どうもうまくいかない。

    気まずい生活のなかで頑張る気が優しいのか気が弱いのか微妙な「何者でもないただの」男性の書く日記。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Diary of a Nobody” George and Weedon Grossmith (1892) Review | Very awkward

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    無名なるイギリス人の日記


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  • 『喪失の響き』 キラン・デサイ, 2006 感想 | 平等、和解、夢、そんなものは存在するのか

    『喪失の響き』 キラン・デサイ, 2006 感想 | 平等、和解、夢、そんなものは存在するのか

    🔽 基本情報 🔽
    The Inheritance of Loss
    Kiran Desai, 2006
    喪失の響き
    キラン・デサイ
    384 ページ
    2022.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    友人に進められるままに買ったので、私がいつも気になっている東ヒマラヤのカリンポンの街が舞台とは知らなかった。

    裕福な家庭の女の子が孤児になり、インド料理もナイフとフォークで食べるような厳格な祖父と暮らすことになる。
    そのころ激しくなっていくグルカ運動(ネパール系独立運動)に生活と人生を翻弄される人々。
    少女の想像と妄想と、そして現実。

    祖父と召使いだけの大きな家で、彼女はある貧しい青年に恋をする。
    同じ頃、召使いのニューヨークに住む自慢の息子は実は底辺を這うような生活をしていた。
    一見繋がりのないそれぞれの人生、でもグルカ運動が過激化するごとに確実に狂っていく。
    人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、わかり合い、夢、そんなものは存在するのか。

    激しく変化する生活の中で唯一変わらないもの、ヒマラヤ山脈。
    春には淡い希望を運んできて、雨季にはすべてを腐らせる湿気を運んでくる神の宿る山のもとで、その流れに身を任せる。
    日本の表紙のように明るく可愛いストーリーではないです。

    そういう感覚はインドではかなり身に沁みるというか、自分よりも圧倒的に強いパワーというものが現実にあるインド。
    コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Inheritance of Loss" Kiran Desai (2006) Review | Peace, understanding, dream, no such things here
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    喪失の響き (ハヤカワepiブック・プラネット)

  • 『(大英帝国とグルカの関係)』 GL・ライジムダー, 2007年 感想 | 大英帝国とインドの間で

    『(大英帝国とグルカの関係)』 GL・ライジムダー, 2007年 感想 | 大英帝国とインドの間で

    🔽 基本情報 🔽
    Anglo-Gurkha Relations: Historical Account of how the Gurkhas Bestowed upon Queen Victoria the Gift of Indian Empire
    GL Rai-Zimmdar, 2007
    (大英帝国とグルカの関係)
    211 ページ
    2023.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    自主出版だと思うけれど、大英帝国とインドの側で歴史を紡いてきたネパールに関する独自の見解で興味深い。

    いままでの大英帝国とグルカ、ネパールの関係や歴史を語る本は間違えている、というところから出発しているので、この本のミッションとしてはそれを正すことのよう。
    なので大英帝国とグルカの関係自体について学ぶ本ではないのが私の希望から外れていた。
    ただ、英国とインドという巨大な渦のせいでネパールの存在が軽視されてきたという点には納得。
    なので、私はまずはオーソドックスにネパールの歴史を学ぶべきです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Anglo-Gurkha Relations” GL Rai-Zimmdar (2007) Review | Britain and Nepal
    タグ: 東ヒマラヤ
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    Anglo-Gurkha Relations: Historical Account of how the Gurkhas Bestowed upon Queen Victoria the Gift of Indian Empire


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  • 『罪と罰』フョードル・ドストエフスキー, 1866年 感想 | プライドまみれの青春

    『罪と罰』フョードル・ドストエフスキー, 1866年 感想 | プライドまみれの青春

    🔽 基本情報 🔽
    Crime and Punishment
    Fyodor Dostoyevsky, 1866
    Преступление и наказание
    Фёдор Миха́йлович Достое́вский
    罪と罰
    フョードル・ドストエフスキー
    720 ページ
    2023.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    つい最近「カラマーゾフの兄弟」を読み終わって、なんというかカラマーゾフが幽霊のように追いかけてくるんです。この物語よりも素晴らしいものはない、と呟きながら。
    なので、潔く「罪と罰」。

    カラマーゾフと比べて短いし、比較的ストーリーを追いやすい。
    単純に主人公一人だからという理由で。
    でもストーリー、出来事を追いやすいというだけで、決して読みやすい訳ではない。
    その辺に関しては私がグダグダ感想を述べても仕方ない、この本も「偉大な一冊」であることは誰もが知っているから。

    青年ラスコーリニコフは問題児だ。
    でも彼が本の中で問題を起こすから、自分の行動を正当化するからじゃない。
    彼は私達読者に、特に若者に、社会に対して自分勝手な問題を起こしてもいいんだよ、と囁いているからだ。
    この本が若者に与えた影響は簡単に想像できる。
    どの時代もどの国でも、自分は特別なのに不当に扱われているという(もしくは扱われているという妄想であっても)憎しみと怒りは普遍的。

    若いことは美しくはない。若いことは痛みでしかない。
    その上、すこし頭が良くて、自信はないのにプライドにまみれた青春は耐えられない。
    彼のその無知、無垢、妄想の前にはばかるもの、それは生きるということ、人生。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Crime and Punishment” Fyodor Dostoyevsky (1866) Review | Intolerable pride
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    罪と罰 上 (角川文庫)


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  • 『フランケンシュタイン』 メアリー・シェリー, 1818年 感想 | 痛々しくも美しい

    『フランケンシュタイン』 メアリー・シェリー, 1818年 感想 | 痛々しくも美しい

    🔽 基本情報 🔽
    Frankenstein
    Mary Shelley, 1818
    Frankenstein: Or the Modern Prometheus
    フランケンシュタイン
    メアリー シェリー
    224 ページ
    2020.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    世界で最も有名なホラーのひとつ。
    でも特記すべきは、この物語は当時18歳だった若きメアリー・シェリーが書いたということ。
    しかも、旅行中に天気が悪いからと、同行した二人の男性と「誰が一番怖い話を書くか賭けをしよう」と言うことで書き始めた話は有名。その二人とは詩人バイロンと作家ポリドリ、かなり豪華な遊び。

    さて、物語は原作を知らないとどうしても恐ろしいモンスターの話、と単純に思ってしまうけれど、読んでびっくり、詩的で悲しい、そして痛々しくも美しい物語と私は言い切ってしまいたい。
    この怪物の存在を後悔する二人の男の物語。
    一人は怪物を作った男、もうひとりは怪物本人。
    怪物が怪物的で暴力的なものは仕方がない、彼の意思ではなく自然の原理でしかない。

    どうしても映画や漫画などで単純なイメージが独り歩きしているけれど、原作では単純な悪ではない。
    どちらかというと、望まれない存在である一人ぼっちの怪物の悲しいお話。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Frankenstein” Mary Shelley (1818) Review | A lonely unwanted creature

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    フランケンシュタイン (新潮文庫)


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  • 『老子道徳経』 老子 感想 | 中国思想の圧倒的なすごさ

    『老子道徳経』 老子 感想 | 中国思想の圧倒的なすごさ

    🔽 基本情報 🔽
    Tao Te Ching
    Laozi
    老子道徳経
    老子
    78 ページ
    2023.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    道教のメインの書物。
    老子が書いたとされるけれど、いや怪しいとか、老子自体が存在したかとか言う点も議論になるらしい。
    これは英訳と、それぞれの章のあとにコメンタリーがついているものだったけれど、もちろん出版社や時期によって全然変わってくると思う。
    なにも予習せずにいきなりメインの書を読んでも分かりづらいというのが正直な感想で私のせい。

    興味深いのはもちろんだけど、なるほど仏教が日本にたどり着いたときはもうインドの仏教とはぜんぜん違うものだったのもよくわかる。
    中国の思想はとても強いので、このフィルターを通したことでそうなったんですね。

    ちゃんと勉強して何度も読み返すべき本。
    そしてできれば詳しい解説付きで…

    (年代カテゴリーに紀元前はないので、1-1699年のカテゴリーに)
    (日本語でも色々出てますが、2つランダムにピックアップ)
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Tao Te Ching” Laozi Review | Absolute greatness of Chinese Thought
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  • 『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 感想 | 軍事国家へ走る日本への警告

    『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 感想 | 軍事国家へ走る日本への警告

    🔽 基本情報 🔽
    The Spirit of Japan
    Rabindranath Tagore, 1916
    日本の精神
    ラビンドラナート・タゴール, 1916
    ロビンドロナト・タゴール
    22 ページ
    2023.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    タゴールが日本滞在の最後に、1916年に慶應義塾大学で行った講演。
    何度も訪日し、日本の文化や芸術また日常の中にある芸術を愛したインドの詩聖タゴール。
    しかしこの講演は急激に西洋化しナショナリズムへ走り軍事国家へと変化し始めた日本に対する厳しい批判と警告に溢れていた。

    彼の祖国を支配していた大英帝国の醜さを目の当たりにしているタゴールは、誇り高き文化を誇る日本が西洋の猿真似をしている、と強く批判。
    しかし彼の批判、警告は普遍的なものでもある。
    近代化という道は自己を破滅させる、憎しみを他者に押し付けても必ず自分に戻って来る。
    アジア初のノーベル賞を受賞した彼は東洋の力を信じていた。
    東洋の力とは、西洋のような技術的なモノを使う力ではなく、東洋哲学という力、和を愛する力。
    曇りの日でも太陽はずっとそこにあるように、東洋の力は強く輝き続けると。

    日本語では見つけれれなかったけど100年以上前のものだしネットではどこかで読めるかも?
    英語でも難しくはないです。
    短い文章ではあるけれど非常に率直で意味のある一冊。

    (講演だけどエッセイのカテゴリーに)


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Spirit of Japan” Rabindranath Tagore (1916) Review | Short but meaningful
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    The Spirit of Japan a Lecture (Classic Reprint)


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  • 『カラマーゾフの兄弟』フョードル・ドストエフスキー, 1880年 感想 | 最高傑作

    『カラマーゾフの兄弟』フョードル・ドストエフスキー, 1880年 感想 | 最高傑作

    🔽 基本情報 🔽
    The Karamazov Brothers
    Fyodor Dostoevsky, 1880
    ратья Карамазовы
    Фёдор Достоевский
    カラマーゾフの兄弟
    フョードル・ドストエフスキー
    896 ページ
    2023.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    世界最高峰の小説、最高傑作。
    たしかに長編だし、最初の方は宗教的でゆっくり始まる、でも段々といろいろな事柄が絡み合い、謎を生み出し、謎が解かれていき、と次に今度は何が起こるかをドキドキしながらページをめくってしまう自分がいる。
    だからドストエフスキーは素晴らしい語り手、ストーリーテラーなんですね。

    世界中の人が読み、再読し、研究されているので私がわざわざ意見を書くまでもないんですが、単刀直入にいうと、物凄いものに出会ってしまった、ということ。
    読み直して、他に読んだ人とも感想を交換して、その上で浮かび上がる自分の意見を書き出して、となんだかこれからの一生についてきそうな本。
    続編があるはずだったから未完だということもあるだろうけど、未完なのに完全。

    ミステリーであり、恋愛小説であり、宗教についても、家族についても、貧困についても、一つ一つのテーマは誰もが分かるシンプルなものでありながら、とにかく広く深い、そんな壮大な小説。
    というか正にそこで、今後色んな本を読んでここまで衝撃を受けるものはあるか不安にすらなる。

    素晴らしい、傑作、ここまで来ると人類の宝でもあり、本という媒体でなければ博物館に飾られるレベル。
    全体的にずっと暗いし重たいのに、実は未来に向かっているという点も素晴らしいとしか言いようがない。

    読むだけでも一つの到達点でもあるんですよ、長いしややこしいし。
    でも読んでみる、その行動だけにもすでに価値がある。
    その上で読み直してもっと分かればより良い読書体験になると思う。ので少し時間を置いて再読必須。


    ちなみに相関図はあったほうがいい。
    ロシア文学はころころと呼び名を変える上に登場人物が多い。
    で、日本語で読んでないけれど、出版社によってページ数がぜんぜん違うみたい。
    下にリンクを張っている光文社は全5巻で約2500ページ、新潮文庫は上下あわせて1400ページ。
    どれが良いとなると個人の好みもあるけれど、光文社が読みやすいそう。
    1000ページの差が気になるけれど、しっかりと理解しながら読めたほうが良いと思うので、いつか光文社の日本語版も読むことにする。

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  • 『インド・闇の領域』 V.S.ナイポール, 1964年 感想 | 強烈な一冊

    『インド・闇の領域』 V.S.ナイポール, 1964年 感想 | 強烈な一冊

    🔽 基本情報 🔽
    An Area of Darkness
    V. S. Naipaul, 1964
    Sir Vidiadhar Surajprasad Naipaul
    インド・闇の領域
    V.S.ナイポール
    304 ページ
    2023.08 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ブッカー賞もノーベル賞も受賞した、インド系トリニダード出身のイギリス人の著者。

    ピンとこない人はこの意味が分かりづらいでしょうが、いわゆるクーリー貿易のあの流れで西インド諸島に渡ったインド人の孫。
    彼らはインド人の顔をしていてもインドを知らず、故郷トリニダードでは常に黒人から人種差別を受けるグループ。
    その孫の代で多くがイギリスに渡っていますが、故郷の観念が複雑なのです。

    さて、本題の本について。
    きっと、先祖の地インドにわたり、ダークネスの中にも神秘的な繋がりを見出す旅行記だと勝手に思っていたら、完全なる大間違いだった。

    どちらかというと彼自身が自分で内面的な旅をする中で、ただその背景にインドがあるというか。
    そして彼の描くインドは完全にネガティブ。
    きっと本人も精神的に参っていた時期なのだろうけど、とにかく残酷な表現。
    よく西洋人や裕福な人間がインドに行って貧困が美しい、神秘的だ、人生観が変わる、なんて言うけどそんな綺麗事は一切なし。
    彼の旅行記は、貧困の様子、貧しい人からの搾取、貧困の醜さ、無知の醜さ、人間から出てくる廃棄物をことごとく描く。
    インドでは発禁されていたそうだけど、それはそうだろう、こんな本が出回ったら旅行客は一気に減ってしまう。

    いよいよ祖父の故郷の村にいくシーンも読んでいて辛い。
    彼は義務感から行ったけれど、その貧しさ、人々の無知さに嫌気が差し、逃げるようにさっさと出ていく。
    この場面だけでもわかるように、とにかく不快な思いばかりだったようで、隠しもせずにここに表現されている。

    貧困は神秘的で美しいなんていう偽善者の顔をひっぱたくような、もっというとそんな偽善者に中指を立てるような、そんな強烈な一冊。

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    English review
    “An Area of Darkness” V. S. Naipaul (1964) Review | A slap in the face
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