カテゴリー: 2010-2019

  • 『密やかな炎』 セレステ•イング, 2017 感想 | 女たちの内側の怒り >>

    『密やかな炎』 セレステ•イング, 2017 感想 | 女たちの内側の怒り >>

    🔽 基本情報 🔽
    密やかな炎
    セレステ•イング, 2017
    Little Fires Everywhere
    Celeste Ng, 2017
    2020.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    この映像化プロジェクトに関わったので同僚から借りた本。

    静かにゆっくりと始まる、まさにこの原題のように小さな炎があちらこちらで生まれていく。
    二つの家族、二つの逆の生き方、異なる母親像に、異なる娘像、そして異なる運命。


    登場人物はほの女性で彼女たちの内側の怒りを描くんだけど、ここで重要なのは女性と言っても一つの存在ではなく、社会的地位と貧富の差が女性を分け隔てるということ。
    フェミニズムを語るときに重要なことは、そこには常に人種や貧富の差、社会的地位、イデオロギーの違いなどが確実に存在しているという事実。
    フェミニズムの一言でまとめられる問題じゃない。

    女性同士の問題を、なんというか心持ち分かりやすくしすぎている気がしてそこがちょっと気になるけど、でも私のいつもの屁理屈なだと思う。

    もうちょっと壊れていく感じを出していたら私の好みにもっと近づくのではと密かに思う。
    🔽 関連ページ 🔽
    tag フェミニズム
    tag 女性主体
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  • 『もう、怒らない』 小池龍之介, 2012 感想 | エネルギーの無駄遣いはしない >>

    『もう、怒らない』 小池龍之介, 2012 感想 | エネルギーの無駄遣いはしない >>

    🔽 基本情報 🔽
    もう、怒らない
    小池龍之介, 2012
    182 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    またもや小池龍之介というお坊さんの本。
    包み込まずにストレートに書いてあり、自身の実体験からきていると分かる反省をもっての伝え方なので受け付けやすいのかも。

    それにしてもイタリアに来て仏教で心を落ち着かせるとか、いわゆる仏教系の自己啓発を読み始めたのは、年齢のせいか、それともイタリアがそこまでムカつきにまみれた国だからか。
    どっちもあるかな。
    日本もイギリス(というかロンドン)は大体のことは決められた通りに進み、みんな決められた仕事をこなし、距離感を保つ。
    イタリアは全て逆、極度の官僚主義社会だから誰もが抜け道を必死に探し、自分のために怒ること多々。怒らないと永遠に後回しにされる。

    そんな感じで、生きにくい社会の程度はそれぞれ時代や地域によって違ったにしても、2500年前から仏教によって人々が救われたのはやっぱり自分一人の力では変えられない環境のなかで自分自身を整えて、ある意味自分自身をマインドコントロールして、乗り越えていくという方法が手っ取り早く効果的だったのでしょう。

    神様がいうから人の悪口を言わない、じゃなくて、自分にとってネガティブだから人の悪口ごときににエネルギーを使わない。

    私にもいつかは、そうね、はいはい、と全てをさらっと流せる日が来るのでしょうか。

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  • 『最高のオバハン』 林真理子, 2017 感想 | 自由な女性像 >>

    『最高のオバハン』 林真理子, 2017 感想 | 自由な女性像 >>

    🔽 基本情報 🔽
    最高のオバハン
    中島ハルコの恋愛相談室
    林真理子, 2017
    240 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    風邪だし、軽めのをどんどん読む。

    前に読んだエッセイ「運命はこうして変えなさい」がいまいちだったけど、こっちはフィクションなので林真理子節がぶっ飛んでる。

    楽しいしエンターテイメントなので深く考えずに一緒に笑う読書の仕方で。
    まあ何はなくとも、女性が自由になるにはダメ男から離れて生きるしかない。
    そのためには経済力。

    ただ率直にいうと、いや卑屈なこと言うと、日本では蔑んで自分をオバサン、オジサンと呼んだり(もちろん愛嬌とは違うレベルで)年齢を気にしすぎるし、それで笑いを誘うという感覚がどうしても気になる。
    ニュースとかでも無駄に一般人の年齢が公表されたり。そんなに他人の年齢が気になるのか。
    いやでも、それ自体はこの本とは関係ないんですよ、本は面白い。

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  • 『ゴータマ・ブッダ』 2011 感想 | ブッダの人生を知る入門書>>

    『ゴータマ・ブッダ』 2011 感想 | ブッダの人生を知る入門書>>

    🔽 基本情報 🔽
    Gautama Buddha
    The Life and Teachings of The Awakened One
    Vishvapani Blomfield, 2011
    (ゴータマ・ブッダ)
    416 ページ
    2020.02 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    できるだけ飾らずミステリアスにならないように書かれたブッダの伝記。

    なんといっても2500年前なので順序よく語るのが難しいはずだけど、ブッダの人生を忠実に追い、当時のインドの様子もきちんと描写されている。(といってもこれまた大昔なので現実ではありえないことになる場合もある)

    経典ではなく個人としてのブッダの人生を知る入門書であり、そしてなぜあの時代のインドで仏教がスタートしたか、なぜ現代においても多くの人を魅了するのかということ、ということがよく分かる一冊。
    ただ読むのは難しかった。だって今もだけどこの時代のインドの人の名前はとても長くてしかも色んな人が出てきて誰が誰かわからなくなる。
    なので英語自体はちょっと上級者向き。

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  • 『シンプル禅生活』金嶽宗信, 2009 感想 | 坐禅、究極の癒し>>

    『シンプル禅生活』金嶽宗信, 2009 感想 | 坐禅、究極の癒し>>

    🔽 基本情報 🔽
    心とからだのサビをとる
    シンプル禅生活
    金嶽宗信 監修, 2009
    224 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    その通り、生活、人生に対する禅を通じたアドバイス本。
    坐禅の組み方や呼吸方、なにを念じながら坐るか、など実践的なことも。
    現代人のストレスにはやっぱり坐禅が良さそう。
    悩むよりまず座って呼吸、できることから、と自分で自分の面倒を見る、管理するという究極の癒し。
    さらっと読んでまずやってみるのが一番なんでしょう。結構具体的にかいてある。

    🔽 関連ページ 🔽
    tag 仏教
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  • 『インドへ』 横尾忠則, 1977 感想 | カルチャーとしてのインドへ>>

    『インドへ』 横尾忠則, 1977 感想 | カルチャーとしてのインドへ>>

    🔽 基本情報 🔽
    インドへ
    横尾忠則, 1977
    203 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽


    インドの旅行記というのは星の数だけある。
    で、これはグラフィックデザイナー、画家の横尾氏の彼の内側のインドへの旅行記。

    インドという彼が抱いた幻想の世界への旅、むしろ彼の意識の中のインドへの旅というか、本物のインドは背景に過ぎない。
    そして彼の作品を見たことがあれば何故彼がインドにこだわるか一目瞭然。
    つまり彼は意識、また無意識の中で常にインドを求めていた。

    ニューヨークでのドラッグによる「インスタント悟り」に始まり、ビートルズを通り、ヒッピー、禅宗を通り、三島由紀夫の死によって、インドへ導かれる。

    この本ではメインはカシミール地方へ行ったときのことがメイン。
    最初にインドに行った強烈な印象を乗り越え、今回は星を眺め、宇宙と一体になってる時間のほうが長かったんじゃと思うくらい、宇宙やUFOが頻繁に出てくる。
    人間が自然と一体化するインドで、瞑想の中で自らが自然と一体化する。
    でもそこにはとてつもない貧困があり、差別があり、直球で遠慮のない死の世界もある。

    この本自体と同じくらい印象深い三島由紀夫の著者への言葉「インドへは行ける者と行けないものがあり、さらにその時期は運命的なカルマが決定する」

    著者はインドそのものでなくインドが象徴するもの、例えば死が限りなく身近にあることなど、もっと言えばアメリカのフィルターを通したカルチャーとしてのインドに惹かれ、それを求めた。

    私も親のおかげで小さい頃からインド亜大陸の写真を見ていて、いつか行くときが来ると漠然には思っていたけれど、別にヒッピーではないし、人生を変えようとも悟りを開こうともヨガを極めようとも思ってはない。
    でもこういう本を読むのは面白い。70年代まっしぐら。
    日本人がインドに対して抱く憧れは、こういう正直な文学により磨かれ保護され、永遠に消えないとおもう。
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  • 『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』 感想 | 人種差別と対話, 2019 >>

    『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』 感想 | 人種差別と対話, 2019 >>

    🔽 基本情報 🔽
    Why I’m No Longer Talking to White People About Race
    Reni Eddo-Lodge, 2019
    (私がなぜ人種についてもう白人に話さないのか)
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とてもパワフルな一冊。 
    まずはカバーがいい。彼女の怒りや苛立ちを思う存分に表現してる。
    そして中身、今の英国にとってとても重要な内容。
    英国の歴史の中での黒人やアジア人がどうか変わってきたのかという観点から始まり、英国にシステムがいかに差別的か、またその差別が正当化されているか。
    (正確には黒い人と茶色の人という言い方でいわゆる東洋人、黄色人種ではない)
    何が人種差別を生むのか。そこで人々が抱える恐怖とは。
    フェミニズムと人種、階級と人種、と続く。

    この本が、なぜ今、重要なのかは英国に住んでいれば分かる。
    つまりここ5年ほどで、人種差別は正当化されているから。(当時2020年)
    白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る社会。
    そして今まで、英国に特化した人種差別を問う本や議論の場というのは数えるほどしかなく、ほとんどはアメリカから輸入されたものであったという事実。
    つまりそれだけタブーであるということ。

    フェミニストでもある著者は、フェミニズムの土俵で、人種のことに触れると突き放されるという。
    別の場所でやってくれ、と。
    まるでフェミニズムは比較的裕福な白人女性のためだけの場であるかのように。
    多くのメインストリームの場で女性の権利は支持されるのに、人種差別に反対することは、理論的なレベルで支持されても、日常レベルでは見て見ぬふりをされる。
    しかも「これは人種差別じゃないから」と開き直って。

    そして、何年も議論が絶えないEU離脱を後押しする白人労働者階級の人たちは、まるで移民や白人以外の人が国を去れば(英国生まれの有色人種やミックス人種を含め) 全ての問題が解決すると信じている。つまりそこでも肌の色が問題だとされる。

    実際に人種差別がなくならない理由はなにか。
    「何が」問題なのか。
    黒人やアジア人に問題があるのではない。
    それは明らかに白人主義に問題がある、もちろん。
    どうやって白人のセンチメンタリズムを傷つけずに、白人を優位な立場から引きずり降ろさずに議論するか。
    怖い黒人女性と決めつけられずに意見を主張する方法があるのか。
    そういった葛藤の中で、彼女は、もう白人に人種の話はしない、と宣言したわけです。
    もちろんこれは、さらに数年前のブログのタイトルで、そこから彼女はやっぱり言わなければいけない、ということでこの本を書いているわけですが
    沈黙は自分を守ってくれない。黙っていても自分の立場は良くならない。

    挑発的なこの本は、まさに多くのセンチメンタルな白人を追い詰めて、彼らを罪悪感に浸らせてしまった。
    どうしていいかわからないと頼ってくる白人たち。
    イベントのQ&Aでモノローグを始め勝手に泣き崩れる白人。
    でも彼女は言う。
    罪悪感を感じる余裕があれば、自分の行動範囲内で声に出してみればいい。
    例えば職場で発言してみる。
    組織的な差別の基盤はやっぱり人。
    一人ひとりが行動をし、一つのムーブメントとなる。

    日本にいればたしかにこの感覚は分かりづらい。
    大々的な奴隷貿易の歴史もないし、移民が我々の職を奪いに国境を超えて来ているという妄想的な危機感もないし、肌の色と社会的立場もしくは階級の明らかなカテゴリーもない。

    それでもこれはやっぱり重要な本である。
    英国人歌手のStormzyが言ったように、英国には例えばイタリアのようなあからさまな人種差別はないかもしれない。
    でも確実に存在していて、差別主義者は今まで陰口を言っていただけだけど、今日の英国で大声で言える権利を得たと勘違いしている。
    そしてそれはとっても恐ろしいことだ、と。

    この本が、いま、この若い英国人黒人女性によって書かれベストセラーになっていることは、その挑戦的な内容を例え読者全員が100%完全に支持できないとしても、とても重要なことであり、間違いなく英国各地で議論のきっかけになった。
    ちょっと希望が持てる気もしてくる。


    🔽 関連ページ 🔽
    tag 植民地主義/Colonialism
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  • 「沈黙のパレード」東野圭吾, 2018 / “Silent Parade” Keigo Higashino >>

    「沈黙のパレード」東野圭吾, 2018 / “Silent Parade” Keigo Higashino >>

    🔽 基本情報 🔽
    沈黙のパレード
    東野圭吾, 2018
    Silent Parade
    Keigo Higashino
    496 ページ
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ガリレオシリーズですから、やっぱり面白い。
    湯川、草薙コンビと内海さんその他の警察関係者と、町の人々というシリーズの人間関係の型にきれいにはまっていて、今回もトリックとちょっとドラマチックな展開、そしてぴったりすぎるタイトル。 

    相変わらず寝ずにあっという間に読める。
    今回のキーワードは「沈黙」。黙っていれば罪に問われないという究極の守り。
    あと、「世代の差」。世代によって感覚が違う。
    復讐のためにだけに生きる人、何年も苦しみを背負って生きる人、友のために全てを賭けて行動する人、さらっと諦める人、あと少し我慢して待ってあげられなかった人。
    わたしたち。
    (抽象的だけど、ネタバレ防止対策です)

    どこかに書いてたけど、どこから見ても著者がまた福山雅治に主演してほしいと猛アタックしてるしか思えないシーンがたっぷりだとか。
    映画もドラマもみたことないけれど、なるほど、そういう風に映画とも絡ませている感じが高度な遊びで嬉しくなる。

    徹底的なエンターテイメントミステリー。
    さすが、ガリレオシリーズ。
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    ★★★★★ A classic Galileo where it’s all about people, their lives and love and hatred, with tricks that’s seemingly impossible. This time the keyword is “silence”; if you stay silent, you cannot be guilty. Perfect entertainment.

    🔽 log 🔽
    Silent Parade
    Keigo Higashino
    Read in 2020.01


    🔽 Book review and notes 🔽

    There are a few of Detective Galileo Series translated into English - and do read them all!
    Yukawa is a professor of Physics and he tackles "impossible' mysteries with his friend, Inspector Kusanagi.
    This one, I'd say, is a classic Galileo where it's all about people, their lives and love and hatred, with tricks that's seemingly impossible.

    This time the keyword is "silence"; if you stay silent, you cannot be guilty.
    And maybe "generation gap", some are so patient for their own revenge, or can carry the burden for decades, while others might give up instantly, or couldn't wait just a moment longer.

    Though it's always clever, Galileo series always insist on human drama, a perfect entertainment.

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    Silent Parade (Detective Galileo Series, 4)


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  • 『科学者が人間であること』中村桂子, 2013 感想 | だって自分は自然の一部 >>

    『科学者が人間であること』中村桂子, 2013 感想 | だって自分は自然の一部 >>

    🔽 基本情報 🔽
    科学者が人間であること
    中村桂子, 2013
    256 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    一風変わったこのタイトルの重要さ。
    自分と自然に境目はない、だって自分は自然の一部でしかないのだから。
    科学者だけでなく、会社人でも特に政治家も、ぜひ読んで忘れないでほしい、あなたもわたしも、人間であることを。

    「日本文学の大地」を読んだときにに感じたことが、ここでは現代の科学者からの視点で書かれている。
    17世紀からの近代科学の発展、つまり自然を支配しようという思想のせいで、自然の一部だという人間の本来の感性があたかも古くさいもののように陰に追いやられた。
    でも今こそその感性を思い出す時。
    そう「思い出す」のであって新しいことではない、私たちが本来持っている感性と科学や技術の発展は敵対するものではない。

    元来の人間の生活を中心に置いたその向こうに見える未来は輝いている。
    それは金融資本とか人工知能とか金儲けのための開発とか、人間を置いてけぼりにした死んだ発展ではない。
    技術が進むにつれ知識が増える、でも次のステップ「どう普遍的な文明に繋げるか」にもたどり着くことを皆が意識する。

    彼女のことはお坊さんのポッドキャスト「テンプルモーニングラジオ」で知ったんだけど、DNAを引っ張り出して、血統だとか子孫だとか言うのは間違っていると強く仰っていて、それに惹かれてこの本を探したのでした。

    DNAは生物すべてが共有するものであり、単に親から子へまっすぐと降りてくるものという意識は間違っていると心に留めておくと、自分さえ良ければという考え方が薄れていくと思う。そして今こそ大事な考え方の転換。


    追記ですが、明治から特に海外に出た日本人の偉人が色々と言及されているので、特に南方熊楠は一度しっかり読みたい。

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    科学者が人間であること (岩波新書)


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  • 『あん』ドリアン助川, 2015 感想 | 暖かくてそっと甘い / Sweet Bean Paste, Durien Sukegawa, 2015 >>

    『あん』ドリアン助川, 2015 感想 | 暖かくてそっと甘い / Sweet Bean Paste, Durien Sukegawa, 2015 >>

    🔽 基本情報 🔽
    あん
    ドリアン助川, 2015
    260 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。
    でも幸せはいつもわかりやすいの形をしていない。

    社会の役に立つことが生きる意味だと言われることを最近よく考える。
    それは生きる意味じゃないとつくづく思う、どちらかというと意義だよね。
    生きる意味自体は「あぁ、よかった」って思えることじゃないかな、と最近は思う。

    徳江さんも、店長さんも、ワカナちゃんも、それぞれ辛い思いをしてきたなかでお互いに会えた。
    ハンセン病という病気に苦しみ完治後は偏見に苦しんだ徳江さん。
    私も療養施設が90年代まであったなんていうことも知らなかったけれど、差別をする側の無知の怖さ。

    偶然にも去年初めて自分であんこを作り、その後何度かどら焼きも作った。
    簡易レシピであったにも関わらず、もちろん乾燥小豆を前の日から水に浸し、数時間かかる。
    そして、自分で作ったちょっと固めになってしまったあんこの美味しさ。
    その時に感じたのは、間違いなく幸福感だった。
    お菓子が運んできてくれる小さな幸せ。
    時間をかけた割には一瞬で食べてしまう美味しいもの。
    そんなときにも「あぁ、よかった」と思うようだ。

    暖かくて甘くてそっと抱きしめるような物語、とでもいうのか、じんわりとした幸せを感じる。


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    あん (ポプラ文庫 と 1-2)



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    ★★★★★ It’s often said that being useful for others is the meaning of life, but maybe, the meaning of life, the meaning itself, is simply to feel “ah this is good”. The happiness that the humble sweet beans can bring will give you that feeling.

    🔽 log 🔽
    Sweet Bean Paste
    Durien Sukegawa, 2015
    Read in 2025.12


    🔽 Book review and notes 🔽

    It's so warm, like a hug, you feel the warmth that's probably happiness.

    It's often said that being useful for others is the meaning of life, but I'm not sure, isn't it more like a feeling of significance living in a society, and that's a great thing.
    But maybe, the meaning of life, the meaning itself, is simply to feel "ah this is good"

    Here the main characters had all suffered, and they met, and they shared the same sweet beans.
    Tokue suffered from leprosy the disease, and after recovering, she suffered from the society's prejudice and ignorance.
    I myself also didn't know that there were facilities until the 90s in Japan, and that is the horror of ignorance and I'm part of it.

    By chance, I made my first sweet beans last year, and I also made dorayaki several times after that.
    I found a "quick and easy recipe" online, "quick" but you'd still need to soak the beans from the night before and cook for several hours.
    I'd love writing about my first delicious, slightly hard, sweet beans I made all day here, but I instead I tell you the feeling was definitely the happiness.
    The happiness that the humble sweet beans can bring, something that takes hours to make but needs 2 seconds to eat, to say, ah this is good.
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  • 「2050年 衝撃の未来予想」苫米地英人, 2017 >>

    「2050年 衝撃の未来予想」苫米地英人, 2017 >>

    🔽 基本情報 🔽
    2050年 衝撃の未来予想
    苫米地英人, 2017
    244 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今から8年前に書かれた、今から25年後の予想図。
    ほぼ著者の言う通りな未来が待っているとは思う。
    ただ、2017年には想像すらできなかったコロナ禍というここでは当然載っていない要素の影響は少なくないと思うけれど、それはどう科学にまた人間に影響するのか。
    希望としては人間である価値が下がるスピードを緩めて「高層=高齢富裕層」対「地下=若年貧困層」の到来を遅らせていればいいな。

    日本は震災を経験したすぐあとにコロナ禍になり、その2年を生きた私たちは自分とはなにか家族とは社会とは、を考える時間が二度あった。

    もう一つ「想定外」は二度目のトランプ政権。
    世界最強の国はトランプが象徴する自己チューな社会をまた選んだ。
    まあこの本の流れでいうと当然の結果ではある。

    いずれにせよ、日本がどう頑張っても世界の渦には逆らえない、ということが書いてある本であるということ。

    確かに興味深いんだけど、面白かったとは言いたくない。
    未来予想ってこんなに暗いものだったけ?
    実際に暗いんだろうけど、ワクワクする未来を頭の中に描けない今の若い人や子供ってどういう心境で大きくなるんだろう。
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    2050年 衝撃の未来予想
    
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  • 「紅茶の手帖」磯淵猛, 2016 >>

    「紅茶の手帖」磯淵猛, 2016 >>

    🔽 基本情報 🔽
    紅茶の手帖
    磯淵猛, 2016
    Takashi Isobuchi
    275 ページ
    2021.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    キリン 午後の紅茶のアドバイザー。さらにモスバーガーでもアドバイザー。
    まさに彼が日本の紅茶カルチャーをリバイバルさせた、というか現代に花咲かせた。
    紅茶を美味しく、手軽に、でもほどよく本格的に、ペットボトルで、ファストフード店で。
    その背景にはやっぱり徹底した紅茶好きがいた。

    なんで午後の紅茶やモスの紅茶は成功したのかというビジネスの観点や現代日本の食文化はもちろん、お茶の歴史や産地もわかりやすく説明されていて、お茶の本といえば飲み方やウンチクばかりに焦点を当てがちだけどこれはもっとさっぱりしていて的確。

    内容としては、知らなくてびっくりということはないけど、日本人ビジネスマンが書いた本なので、日本人には納得する説明、内容。

    日本は緑茶、という型を静かに破る。
    おにぎりに紅茶を合わせるというマーケティングは確かにすごい。
    緑茶でもなくコーヒーでもなく紅茶。
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  • “The Darjeeling Distinction” Sarah Besky, 2014 / (ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義) >>

    “The Darjeeling Distinction” Sarah Besky, 2014 / (ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義) >>

    🔽 基本情報 🔽
    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India (California Studies in Food and Culture Book 47)
    Sarah Besky, 2014
    (ダージリン ディスティンクション; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)
    サラ・ベスキー
    258 ページ
    2022.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    まさに探していたトピックの本。
    ダージリンのお茶と産業と労働者の関係。

    ダージリンは世界で一番高級な茶であり、世界中で知られていてステータスもある、なのになぜダージリンの労働者は貧しいのか。
    ダージリンのお茶一杯の値段はお茶を摘む仕事の女性の一日の給料より圧倒的に高い。
    高級感を売り物にするダージリンの現実は静かに隠されている。

    ダージリンやシッキム州のいわゆる広い意味でダージリン茶を作るエリアは実は最近まではインドではなかったし、18世紀に英国人が周辺の発達のためにネパールから大量の労働者を連れてきたので、人種的にもほとんどがインド人ではない。
    90年代に盛んだったグルカ運動はいまも消えたわけではないけれど、これだけ商品価値のある商品を作るダージリン、インドは、西ベンガル州は何があっても手放さない。
    グルカもネパール系の人々は何代もの間この産業を支えているのに実質的に何も所有できない、他の道も少ない、自分たちの歴史さえ曖昧になっている。
    フェアトレードの観点から言うと、フェアトレードを押し付けられるせいで現地の人間の生活はより厳しくなったとも。

    高級茶の代名詞のダージリンは現地の人々からの搾取によって支えられている。
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    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India


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    The Darjeeling Distinction Labor and Jus...
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    ★★★★☆ Darjeeling is the most expensive tea in the world, most well marketed and iconic – how is it that the workers remain so poor? A cup of Darjeeling costs more than a plucker’s daily wage, but not known because it’s always linked to luxury.

    🔽 log 🔽
    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India (California Studies in Food and Culture Book 47)
    Sarah Besky, 2014
    258 pages
    Read in 2022.11


    🔽 Book review and notes 🔽

    Exactly the topic I was interested in about the Darjeeling tea, its industry and its workers.

    Darjeeling tea is the most expensive tea in the world, most well marketed and iconic - how is it that the workers remain so poor?
    Uncomfortably, a cup of Darjeeling costs a lot more than a plucker's daily wage, but not known enough because the tea is always linked to luxury.

    Darjeeling and Sikkim area not like the rest of India, indeed the majority of the people are ethnically Nepali.
    India would do anything to keep Darjeeling tea Indian, it's the most iconic single product and one of the most famous from India.
    Gorkhas don't own anything, not even their history.
    Speaking of Fair Trade, since it's been forced on the locals, ironically, their lives became harder.

    So iconic yet so exploited.

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    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India

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    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India (California Studies in Food and Culture Book 47)

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  • 「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ, 2012 >>

    「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ, 2012 >>

    🔽 基本情報 🔽
    桐島、部活やめるってよ
    朝井リョウ, 2012
    256 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    タイトルだけはずっと知ってて内容は全く知らなかったので、こういう感じとは想像もできなかった。

    高校時代、17歳のそれぞれの想い、部活を通じての人間関係や生活そのもの。
    確かに中学や高校にいる間は高校だけが宇宙で、自分のすぐ周りだけが世界。
    なにか大きな事が起こるのではない、なにかの筋の通ったストーリーがあるわけではない、ただその小宇宙で生きている不安定なまだ幼い人間たちの小さな揺れを、当時ほぼ同年代の朝井リョウが描く。
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  • 「ランチのアッコちゃん」柚木麻子, 2013 >>

    「ランチのアッコちゃん」柚木麻子, 2013 >>

    🔽 基本情報 🔽
    ランチのアッコちゃん
    柚木麻子, 2013
    (Akko-chan and the lunch)
    Asako Yuzuki
    200 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっぱり元気をもらえた!
    アッコちゃんの周りで起きる短編集で、食べ物を取り囲んで冷えきった東京の生活を暖めてくれる物語たち。

    お腹と心を満たすご飯の力なめるな、笑顔で突き進む女の力なめるな。

    先輩のアッコちゃんから元気をもらう美智子、でも実は持ちつ持たれつでお互いは支えあってる、そしてその和がひろがる。
    日本の会社員の生活を知らないので大変そうだなと思うばかりだけど、絶対にこういう人はいる。
    目を凝らせばそっと手を差しのべている人が。
    そこに気付くことができれば、昨日よりちょっと幸せになれる。
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  • 「ボクは坊さん。」白川密成, 2010 >>

    「ボクは坊さん。」白川密成, 2010 >>

    🔽 基本情報 🔽
    ボクは坊さん。
    白川密成, 2010
    220 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    これは人気なはず。
    普通にある青年のエッセイとして面白いのに、ちゃんと仏教と繋がっていて、初心のお坊さんが一緒にビックリして一緒に悩む。
    今は若い人が仏教って別に悪くないんじゃない?って思う時代なのでこういう上から目線じゃない仏教もとても大事。

    もちろん年配のお坊さんの言葉も大事だけど、今の時代は共感が大切で、そのなかで、密教というちょっと摩訶不思議な世界に属する若いお坊さんが、きちんと言語化して、同じ高さから仏教のことを話す。

    この企画を糸井重里さんがピックアップしたというのもなるほど。
    生きづらい世の中だからこそ、じっくり対談する古い仏教について知りたい、寄り添ってもらいたい。
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  • 「BUTTER」柚木麻子, 2017 / Butter, Asako Yuzuki >>

    「BUTTER」柚木麻子, 2017 / Butter, Asako Yuzuki >>

    🔽 基本情報 🔽
    BUTTER
    柚木麻子, 2017
    Butter
    Asako Yuzuki
    592 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とうとう読んだ Butter
    元ネタの殺人事件を知らなかったのだけど、知ってたら比較したりともっとミーハーな気持ちを強く楽しめたかも。

    このストーリーの魅力はやっぱり容疑者カジマナの強いパワー。マーガリンとフェミニストが嫌いなカジマナ。
    それに完全に振り回される主人公である女性記者理香との微妙な力関係。
    いや、力でいうとカジマナが完全に勝っている。
    主人公の親友との関係も、恋人との時間の過ごし方もそのあとにどこで何を食べるかも、人間関係全てにおいてカジマナの白い柔らかい腕から伸びるぷっくりとした手が鷲掴みにした。

    この本、世界中でもちろん人気だけど、女性の体重に関する社会のデリカシーのなさと、見た目を気にするようにプログラミングされた日本人女性に一番響くのは間違いない。
    自分のために幸せになり、好きなものを食べることが咎められる日本。
    脂っこいものをたまに食べ結果多少体重が増えても、自分にとっての適度な楽しい人生を手にするのが、特に女性が手にするのは、悪いことである日本。

    自分のために幸せになるのは実はかなり気合いがいる。
    人の意見を振り払い、色んなものを破棄しないとたどり着かない。
    その先には自分が美味しいと思うものを美味しく食べる、高価なバターのような贅沢な濃厚な時間がある。

    単なるフェミニストな小説なんかではない。
    女性の容姿に関わる世間の身勝手な期待という呪縛からの解放、そこは大前提であるがそれに伴い男性だって男らしくあれという呪縛からも解放される。
    ミステリーでありながら、社会問題の本質のところを突き止める。
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    BUTTER (新潮文庫 ゆ 14-3)

    ★★★★★  For a woman to eat oily food, gain a few kilo and have a fun life is a shameful thing. She must give up a lot, including her sanity, to go beyond. Then, there is a place where she can eat what she wants, a life of rich and luxurious butter.

    🔽 log 🔽
    Butter
    Asako Yuzuki
    Read in 2025.11


    🔽 Book review and notes 🔽

    Finally read Butter, the book everyone is talking about, in Japan, in the UK and beyond.

    The power of Kajimana is the core, a pale chubby middle aged woman with an undeniable attraction, who is a suspect of murdering her lovers - she hates two things, margarine and feminist.
    The book is about the power struggle between the two women; Kajimana and Rika a journalist.
    Well actually no, it is always Kajimana who has the control over everything Rika does, including when she sleeps with her boyfriend and what she should eat afterwards when and where, as if her pale chubby arms is grabbing the life of Rika.
    It's a struggle to escape the chubby arm of control.

    It's a bestseller worldwide, but this is very Japan.
    You'd enjoy it more if you know how horrible Japanese society is to women, even today (and if you know how expensive butter is there)
    It's a very normal thing to criticise or joke about the weight of a woman in public, and a woman is expected to worry about her appearance constantly and forever.
    For a woman to eat oily food, gain a few kilo, have a fun life is a shameful thing. God forbit.
    So especially in Japan, for a woman, to have a good life for herself requires more energy.
    You must give up a lot, including your sanity, in order to get there.
    But as you get there, there is a place where you can eat what you want, a life of rich and luxurious butter.

    This book is not merely a feminist book, that'd be an easy observation.
    As women become free from the society's cruel and unrealistic expectations, men are also freed from the unreasonable expectation of manliness.

    The novel is based on a real life crime in Japan, but before you know it it becomes less about the crime and the mystery but more about you and me and the society we live in.
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    Butter: The Cult Japanese Bestseller about a Serial Killer Cook (Food and Murder)


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  • 『9つの人生』ウィリアム・ダルリンプル, 2013 感想 | もう人間ではない聖なるもの / “Nine Lives” William Dalrymple>>

    『9つの人生』ウィリアム・ダルリンプル, 2013 感想 | もう人間ではない聖なるもの / “Nine Lives” William Dalrymple>>

    🔽 基本情報 🔽
    Nine Lives: In Search of the Sacred in Modern India
    William Dalrymple, 2013
    9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて
    ウィリアム・ダルリンプル
    305 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今まで読んだダルリンプル氏の他の本とはちょっと違った感じ。
    形としては旅行記なんだけど、旅先の土地の様子ではなく、その土地が「創り上げた」人々の話。

    9つの聖なる人生、9人の人間のストーリー。
    彼らは人間ではあるけれど、「聖なるもの」として崇められすでに人間ではない生活を送っている。
    例えば自己を捨て聖人としてただ流れに任せて生きている人や、女神に仕える女性として生きているけれどでもやっていることは売春婦でしかないひと、または宗教的な踊りや歌を受け継ぐ人、本当にそれぞれの宿命を背負って生きている。

    私がダルリンプルの書く文章が大好きな理由はもちろん、彼のすべてをありのままに受け止め、深い情熱と愛を持って世界に届けようとする徹底したその姿勢。
    いまインドの社会は大きく変化している。
    それは日本のように人々が宗教から離れていくという減少ではなく、その土地その町の超ローカルな信仰が薄れていき、代わりに、意図的に、インド全国規模の統一されたヒンドゥー教が彼らの生活に入り込んできているということ。
    何百年も語り継がれてきた地元の信仰とは違う、インド全土で統一されたラーマの物語が全国放送のテレビを通じて短期間で人々の脳内の記憶を塗り直すナショナリステックなラーマフィケーション(Rama-fication、ラマ化)が進む中、あと何十年、あと何年でローカルな信仰や伝統は忘れ去られるのか。

    その最後をきちんと書き残してくれる歴史家がいるって素晴らしい、の一言に尽きる。
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    9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて (集英社新書)

    ★★★★★ It’s a travel journal, except that the focus is not on the places but the people these places “created”. These traditions are disappearing. As India is now going for a national holy story, as they call it Rama-fication, how long will these very local faiths last.

    🔽 log 🔽
    Nine Lives: In Search of the Sacred in Modern India
    William Dalrymple, 2013
    304 pages
    Read in 2025.11


    🔽 Book review and notes 🔽

    A slightly different touch to other books I've read from Mr. Dalrymple.
    It's a travel journal, except that the focus is not on the places but the people these places "created".

    The book focuses on the 9 people who are admired as holy and sacred, because they have been "decided" to be as holy being by the society, or sometimes they chose to, or maybe they have great skills like creating the religious art.

    As always Dalrymple is all about embracing as things are, he's not here to judge, he's just here to pass on their stories and traditions to a wider world.
    As he says, and indeed as he saw, these traditions are disappearing.
    They are not necessarily less religious but the modern India is now going for a national, standardised holy story, the nationalistic Hinduism, as Dalrymple calls it Rama-fication, rather than 1000s of very local stories.

    India is lucky to have Dalrymple as their historian today, his curious eyes will record everything and with passion he shares with us.

    The book focuses on;
    A devoted Jain nun, dancer in Kannur Kerala, daughters dedicated to a goddess, but actually working as prostitutes, singers in Rajasthan, devotee of Sufi that embraces Hindu and Islam, Tibetan monk who was a soldier, idol maker in Tamil, devotee in Tarapith for a fearful goddess, and a blind singer in Bengal.
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  • “The Reason I Jump” Naoki Higashida, 2016 /「自閉症の僕が跳びはねる理由」東田直樹 >>

    “The Reason I Jump” Naoki Higashida, 2016 /「自閉症の僕が跳びはねる理由」東田直樹 >>

    🔽 基本情報 🔽
    The Reason I Jump: The Inner Voice of a Thirteen-Year-Old Boy with Autism
    By Naoki Higashida, 2016
    自閉症の僕が跳びはねる理由~会話のできない中学生がつづる内なる心~
    東田直樹, 2016
    208 ページ
    2022.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    それまで気づかなかったこと(気にしていなかったこと)に気付かされるだけでなく、まるで魔法のような美しさがある。
    それだけではない、13歳の直樹くんの自然に対する愛情や他の人と繋がりたい、わかってもらいたいという強い気持ちも読み取れる、新鮮で希望が持てる心地の良い一冊。

    そう、心地が良い。
    意地悪な言い方をすれば、自閉症の子供について何も知らない人が、感動して気付かされて、心地よく読める本。
    でも当事者は皆知っているけれど、実は生活の中でそんな美しさはごく一部でしかない。
    それでも取っ掛かりになるとは思うしこの本が世にでて多くの人が読んだことは素晴らしいと思うし、読者感動したということには偽りはない。
    ただ、その感動は周りの大人が上手に作り上げた感があるのがどうしても残念。

    私の読んだ英訳バージョンの場合は超有名人である作家が関わっているので、やっぱりできれば日本語で読んでみたい。
    そして彼がこのあとに書いた本も是非。
    ぜひ彼の言葉(にできるだけ近いかたちのもの)で読んでみたい。
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    ★★★★☆  It’s revealing, beautiful and almost magical. His love for nature, his strong wish with to be with other people and be understood – these are refreshing and optimistic, and I must say, comforting for others

    🔽 log 🔽
    The Reason I Jump: The Inner Voice of a Thirteen-Year-Old Boy with Autism
    By Naoki Higashida, 2016
    208 pages
    Read in 2022.03


    🔽 Book review and notes 🔽

    It's revealing, beautiful and almost magical.
    Not only that, his love for nature and being with others, his strong wish to be with other people and be understood - these are refreshing and revealing but also optimistic, and I must say, comforting.

    It's comforting for people who know little about children with autism.
    This book will make you feel moved instantly and I cannot help but think that it's carefully crafted by savvy adults.

    We should not forget that it's a book from this particular and talented 13 year old boy.
    He's articulate, even if he doesn't speak in a conventional way and that's great and that's a big hope for parents, but this is one person on the spectrum.

    Definitely need to read in Japanese, which should be closer to how it was originally written by him (and not involving a famous writer) and I'd like to read more of his books, how he is progressing with his writing.
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    The Reason I Jump: one boy's voice from the silence of autism

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  • “100 Nasty Women of History” Hannah Jewell, 2019 >>

    “100 Nasty Women of History” Hannah Jewell, 2019 >>

    🔽 基本情報 🔽
    100 Nasty Women of History:
    Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know
    Hannah Jewell, 2019
    (歴史上の100人の邪悪な女たち)
    376 ページ
    2022.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    100人の女性の伝記コレクション。
    トランプがナンシー・ペロシ史をnasty と呼びいつものように低俗なあだ名で呼んでいたのにかけて、歴史上の100人のやり手な女性を集めた本。

    著者ごとく、彼女たちについて深く読んでいく前に私達は彼女たちが間違いなく存在したという事実をきちんと受け止めるべきだと。
    歴史のホコリにまみれて人の目のつかない場所に追いやられた女性たち。
    男性と同じ様に成果を残しても、女性は常に男性より以下。男性の偉業ほど大事ではない。
    もし仮に、女性が何かを成し遂げたとしてもそれはただの偶然で、女性は英雄ではなく男社会にとってただnastyなだけ、邪悪なだけ。

    カテゴリー別に分かれていてそれぞれは短くて読みやすく、ジョークや口の悪い文章が連なるけれど、やりすぎずちょうどいい。
    ここからそれぞれの女性について読みすすめるガイドブック的な本。

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    100 Nasty Women of History: Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know (English Edition)


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    ★★★★☆ Brief history of 100 unapologetic badass women. These great women are not less. As the writer says, before we go and read in depth about them, it is first of all important to know they existed.

    🔽 log 🔽
    100 Nasty Women of History:
    Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know
    Hannah Jewell, 2019
    376 pages
    2022.03


    🔽 Book review and notes 🔽

    Brief history of 100 individuals - 100 unapologetic badass women.
    As the writer says, before we go and read in depth about these women, it is first of all important to know they existed.

    It's amazing how these brave women are buried away in history.
    They are equally important to any of the male in history. But no, women are always less.
    Less important. Or they managed to make a difference "by chance" or they're not heroes they are just, "nasty"
    Easy and exciting to read, it's entertaining and the writer jokes and swears a lot, but not too much.
    Definitely makes you want to do further reading.
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    100 Nasty Women of History: Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know


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    100 Nasty Women of History: Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know

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