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『サド侯爵 あるいは城と牢獄』 澁澤 龍彦, 2004年 レビュー | 城と牢獄は考え方次第で入れ替えれる


サド侯爵 あるいは城と牢獄
澁澤 龍彦, 2004年
189 ページ
河出書房新社
2010年 読了
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🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

✔ サド裁判などから始まり、城と牢獄の意味を掘り下げる
✔ 第二章では西洋、第三章では東洋の芸術に関する内容
✔ 読みごたえがあるというか気分が優れないときは避けた方が無難な一冊

★★★★☆ サドに関しては日本一のこの人、かなり細かいことまで詳しく描写されている。城と牢獄は考え方次第で入れ替えれるというアイデアも面白かったし徹底的にキリスト教を否定するという姿勢も興味深い。つくづく正義って何なのか考えさせられる。


🔽🔽 読書記録 🔽🔽

この前の『黒魔術の手帖』も大変だったけど、これも大変。
サドに関しては日本一のこの人なんだから、かなり細かいことまで詳しく描写されています。
気分がすぐれないときに読むものではないです。
そういう私は妊娠中に読んだわけですが。

でも、城と牢獄は考え方次第で入れ替えれるというアイデアも面白かったし徹底的にキリスト教を否定するという姿勢も興味深い。
人は、宗教なり何なりに押しつぶされそうになったとき、こういう風に反抗するかもしくは盲目的に信じてしまうか、どちらかのリアクションしかとれなくなるのかも。
やっぱり、人間っていうのは本当はとても弱い存在で、だからこそ自分を守って他の人も守らなければいけなくて、
一個人として共同体としてのもろさを感じます。
それと同時に、「弱い」と言い切ってしまうこと自体が表向きが重要視されるキリスト教的な考えで、本当は人間は残酷で自己中心的で他人や自分の痛みを喜びと感じるのが自然なのかも。

少年少女に性的虐待をする神父は許されて、金持ちが法に守られながらお金を奪っていくのは当然で、でも家族の安楽死を助けると確実に投獄される世の中。
イタリアっていう何に関してもドラマチックな国に住んでると、つくづく正義って何なのか考えさせられます。

後半は中世ヨーロッパから遠のいて、日本の芸術家などの批評になるんですが、残念ながら私が対象の芸術家その他を知らないので澁澤龍彦の意見の根本はおもしろかったけど具体的にはわかりませんでした。

これを書いたきのうの夜、テレビを見てたら偶然黒ミサと幼児性愛の話が出てきました。
現在24歳の女の子が5歳のころから体験した実の父親からの性的虐待とその父親に連れて行かれた黒ミサでのこと。
サタンの生贄にされ、ほかのメンバーにも虐待を受け、ナイフで傷をつけられた揚句危うく殺されそうになったり、ほかの生贄の子供を刺し殺すよう命令されたりという過去。
そして過去と向かい合うという意味で16年間会っていなかった父親にテレビクルーと共に対面したら、クルーともども敷地内に一時的に閉じ込められた、という内容。
黒ミサや異常な性的犯罪は、中世の話だけではないです。
今日もきっとそう遠くない人里離れた場所で、行われているんですね。
ちなみにこの番組は先日はある人が神父に性的虐待を受けていたのに、町の人は頑なにそしてヒステリックに「神父は素晴らしい人だからありえない」と信じない、という話が出ていました。

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