
濹東綺譚
永井荷風, 1937年
192 ページ
岩波書店
2010年 読了
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✔ 小説家の主人公と、彼の通う玉の井の女との日々
✔ 変わりゆく季節と何もない日々を艶めかしく描く傑作
★★★★☆ 一気にこの雰囲気に惹かれてしまった。別に何か事件が起こるわけでもなく、静かに、ゆっくりと、艶かしく過ぎていく時間。平凡の中にあるちょっとしたことが、大げさなドラマよりも色っぽい。
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ひそかにずっと読みたかった本。
あっという間に一気に読んでしまったほど、この雰囲気に惹かれてしまった。
別に何か事件が起こるわけでもなく、静かに、ゆっくりと、艶かしく過ぎていく時間。
たくさんのことに期待をしながらも幸せとは言えない日々に起こったほんのわずかな変化と、それに執着するわけでもなくただ単に受け止める、晩年の時間。
白玉を「むしゃむしゃ食べたり」、言えずじまいの言葉が部屋を漂っていたり。
そういう平凡の中にあるちょっとしたことが、大げさなドラマよりも色っぽい。
雰囲気では意外にも「雪国」に似ているかも。
そして作者の荷風のような主人公がこの小説の中でさらに小説を書いていて、その主人公も同じような時間が過ぎていて、鏡の中の中って感じで、それもこのとめどない永遠さを確実にしているようにも思える。
昔を懐かしむような回想や情景にこちらでもノスタルジックにされて、この雰囲気にゆっくりと浸りたくなる。
ぼくとうきたん
ぼくとうきだん
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濹東(ぼくとう)綺譚 (岩波文庫)