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  • 『どうもいたしません』 檀ふみ, 2007年 感想 | 読んでるとファンになる

    『どうもいたしません』 檀ふみ, 2007年 感想 | 読んでるとファンになる

    ★★★★☆  檀ふみさんのこと詳しくもないくせに、読んでるとファンになる。たくさんのことが好きで真面目で心地よく生きてそうな感じが滲み出ていて、楽しく読める。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    どうもいたしません
    檀ふみ, 2007
    Fumi Dan
    243 pages
    2024.07
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    短いエッセイがたくさん並んだエッセイ集。
    檀ふみさんのこと詳しくもなくせに、読んでるとファンになる。

    間違いなく大変な子供時代を過ごしたはずなのに、抜けてて、ちょっとかわいくて家族とも仲良くて楽しそう。
    こういう風に小さな事に気付いて、真面目に10年連載をしてるということはやっぱり真面目だから。
    たくさんのことが好きで真面目で心地よく生きてそうな感じが滲み出ていて、楽しく読める。


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  • 『働く男』 星野源, 2015年 感想 | 働くエネルギーに溢れている

    『働く男』 星野源, 2015年 感想 | 働くエネルギーに溢れている

    ★★★★☆  日本にいない私ですら何でも屋さんとして彼を知っている星野源のエッセイ集。面白い。働くエネルギーに溢れているときは精一杯働けばいい、ただ、そうじゃないときは落ち着いててもいい。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    働く男
    星野源, 2015
    (A man who works)
    Gen Hoshino
    256 pages
    2024.07

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    2010年辺りのいろんなエッセイ集をまとめたものらしいけれど、日本にいない私ですら、何でも屋さんとして彼を知っている。
    そして、型にはまらないとても珍しい人間として。

    表現が好きで、学生時代にたまっていったインプットがどんとアウトプットされているのか、しかもアングラなのにメジャーで、完全にお茶の間のスター。
    好きなことをするためにとことん努力する。その姿勢。

    20代はひたすら働いたんでしょう。
    はじめに、に書いてある2015年当時は病気も乗り越え今はそういう脅迫感はないと。
    結局何事もタイミングなわけで、働くエネルギーに溢れているときは精一杯働けばいい、ただ、そうじゃないときは落ち着いててもいい。

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  • 『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川恵海, 2015年 | 辞めても人生終わらない

    『ちょっと今から仕事やめてくる』 北川恵海, 2015年 | 辞めても人生終わらない

    ★★★★☆  軽くさらっと読めるかと思ったら、ちょっとミステリーっぽくなるわ、ゴーストものなのかと思いきや、泣けてくるし、想像以上にグッとくる。ほんと、仕事辞めたって人生は終わらない。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    ちょっと今から仕事やめてくる
    北川恵海 2015
    258 pages
    2024.07
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    軽くさらっと読めるかと思ったら、ちょっとミステリーっぽくなるわ、ゴーストものなのかと思いきや、泣けてくるし、想像以上にグッと来る。

    つまり、みんな仕事がきつい。
    ひどい環境にいる人を探せばキリがなくて、絶望の縁にいる人は特に日本では多い。
    真面目に無理して頑張ることが偉くて、その悪循環にはまってしまうと全てが悪になり自分自身を責める。
    つくづく日本の会社員にはなれないと思うけど、日本の若い人が読むとスッキリするはず。
    でも最近のgen zなら大丈夫かも。仕事辞めたって人生は終わらない。
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  • 『浮世の画家』カズオ・イシグロ, 1986年 感想 | 後悔と哀愁の静かなエレガンス

    『浮世の画家』カズオ・イシグロ, 1986年 感想 | 後悔と哀愁の静かなエレガンス

    🔽 基本情報 🔽
    An Artist of the Floating World
    Kazuo Ishiguro, 1986
    浮世の画家
    カズオ・イシグロ
    206 pages
    2024.07 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    過去を思い出し、後悔を思い出し、明るい未来を願う。
    イシグロらしさが滲み出す、日本人らしいことに閉じ込められた老人のお話。

    老後の静かな生活の中で戦時中の自分を思い返し、当時は当たり前だった日本精神のプライドなどを少しずつ見直す主人公の気持ちの変化は、後悔や哀愁、ノスタルジアをいつもうまく突き刺してくるイシグロらしい静かなエレガントさに包まれている。

    ノーベル賞受賞作家

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "An Artist of the Floating World" Kazuo Ishiguro (1986) Review | Japanese sentiment
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  • 『東京島』 桐野夏生, 2008年 感想 | 女の生々しさ

    『東京島』 桐野夏生, 2008年 感想 | 女の生々しさ

    🔽 基本情報 🔽
    東京島
    桐野夏生, 2008
    Natsuo Kirino
    384 pages
    2024.07
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    無人島に住む、一人の女と31人の男。
    彼女は女である価値をフル活用する、というのが大きな筋となるけれどそんなやわな話ではない。
    5年、6年と、経つうちに各々は崩れていき、各々のストーリーが渦巻いていく。
    ロビンソン・クルーソーを最近読んだばかりだけど、トウキョウがいてホンコンがいて男がいて女がいて、男はみんな出来損ないで、しかもその女は太った40代で徐々に確実に傲慢になっていくとなると、美しい話ではない。
    そういう女の生々しさがさすが桐野夏生。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Tokyo Island" Natsuo Kirino (2008) Review | She gets old, fat and greedy
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  • 『鳥人計画』 東野圭吾, 1989年 感想 | 野望は収まるところを知らない

    『鳥人計画』 東野圭吾, 1989年 感想 | 野望は収まるところを知らない

    ★★★★☆  ウィンタースポーツのミステリーかと思っていたら、テクノロジーも入ってくる、東野ミステリー。手段は選ばず超人を作るという野望は収まるところを知らない。どんなものも東野作品は十分に面白いので嬉しい限りです。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    鳥人計画
    東野圭吾 1989
    Keigo Higashino
    400 pages
    2024年7月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ウィンタースポーツのミステリーかと思っていたら、テクノロジーも入ってくる、東野ミステリー。
    この頃の日本はウィンタースポーツ黄金時代、確かにオリンピックでの日本チームの大活躍をテレビでやっていたのを覚えてる。
    その頃にちょうど出てきた一冊。

    天才と、努力家たちと、凡人たち、その周辺で支えるコーチや家族。
    努力よりさらに上を、手段は選ばず超人を作るという野望は収まるところを知らない。

    彼の作品は、めちゃめちゃ面白い!というのでなくても、ミステリー要素以外にもみん現模様がちゃんと描かれていて、十分に面白いので嬉しい限りです。

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  • 『響きと怒り』 ウィリアム・フォークナー, 1929年 感想 | 語り手の意識の中に迷い込む

    『響きと怒り』 ウィリアム・フォークナー, 1929年 感想 | 語り手の意識の中に迷い込む

    🔽 基本情報 🔽
    The Sound and the Fury
    William Faulkner, 1929
    響きと怒り
    ウィリアム・フォークナー
    464 pages
    2024.07 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    かなり難しいので完全にわかったわけではない、でもすごい一冊。
    第一章からいきなり重度の知的障害の弟の視点から描かれているので、時系列でもないし、重複したり注意があちこちに飛ぶ、その中で明らかなのはお姉ちゃんに対する愛情。
    それから他の兄弟の視点へと移り、客観的な説明がないのに同じことについて別の視点で描かれているが、つまりはかつて裕福であったアメリカ南部の一家の崩壊の物語。
    知的障害児が身近な私にとっても、その思考の表し方など、そういう意味でも興味深い。

    同じ出来事が別の視点で語られることによりその人物の人格を浮き上がらせるが、その事柄自体の説明がないので、途中からウィキペディアのあらすじを頼りに読んだけど、それでもこのリズムがつかめるようになるとページがどんどん進む。
    当時のアメリカ南部にきっと多くいたであろう、機能不全家族の悲しい物語。

    これはもう一度改めて読んで、そのうえで一つの読書体験とするべき。

    ノーベル賞受賞作家


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Sound and the Fury" William Faulkner (1929) Review | A difficult read but a masterpiece
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  • 『ブルータスの心臓』 東野圭吾, 1993年 感想 | ミステリーxテクノロジー

    『ブルータスの心臓』 東野圭吾, 1993年 感想 | ミステリーxテクノロジー

    ★★★★☆  東野圭吾 x テクノロジー。カッコウと続けて読んでるせいで印象が弱くなってるのは否めないけど、少し複雑なせいでスリルはカッコウほどないかも。

    🔽 基本情報 🔽
    ブルータスの心臓
    東野圭吾 1989
    Keigo Higashino
    264 pages
    2024.07

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    東野圭吾 x テクノロジー
    冒頭でロボットが意思を持ったかのような序章があり、それからは主人公にくっついてストーリーが進む。

    彼の思惑のはずが、なにが起きてるのか、誰が、どうして、が最後まで分からない。

    カッコウと続けて読んでるせいで印象が弱くなってるのは否めないけど、少し複雑なせいでスリルはカッコウほどないかも。
    いやこれも私のせい、いつもほぼ100%同じ作家や同じテーマのものは続けてみないようにしてるのについ。

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  • 『カッコウの卵は誰のもの』 東野圭吾, 2013年 感想 | ウィンタースポーツと人間臭さ

    『カッコウの卵は誰のもの』 東野圭吾, 2013年 感想 | ウィンタースポーツと人間臭さ

    ★★★★☆  久しぶりの東野圭吾。やっぱり面白い。今回は著者の好きなウィンタースポーツが背景になっていてそこの細かさもさすが。人間臭さが好き。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    カッコウの卵は誰のもの
    東野圭吾 2013
    Keigo Higashino
    392 pages
    2024年7月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    久しぶりの東野圭吾。
    やっぱり面白い。全ての辻褄があっていて、謎解きミステリーとして面白いのと、人間関係が面白いのと、なにより人間臭さがいつもきちんと残されていて感動も与える。
    今回は著者の好きなウィンタースポーツが背景になっていてそこの細かさもさすが。
    才能とは、家族とは、血とは。

    やっぱり東野圭吾はエンターテイメントとして最高峰に面白い。

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  • 『寒い国から帰ってきたスパイ』ジョン・ル・カレ, 1963年 感想 | スタイリッシュなスパイ小説の古典

    『寒い国から帰ってきたスパイ』ジョン・ル・カレ, 1963年 感想 | スタイリッシュなスパイ小説の古典

    🔽 基本情報 🔽
    The spy who came in from the cold
    John Le Carré, 1963
    寒い国から帰ってきたスパイ
    ジョン・ル・カレ
    464 pages
    2024年7月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    有名なスパイ小説。私がスパイもの、しかも冷戦のスパイものに興味も知識もないので残念ながらとても惹きつけられたということはないんだけど、それは私の問題だから別として客観的にも面白いと思うし映画になるのも納得。
    寒いところからというタイトルからして冷たくて、スタイリッシュでスタイル化されていて、クレバーで、ちゃんと人間の苦悩みたいのもある。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The spy who came in from the cold" John Le Carré (1963) Review | The classic spy novel. Stylish
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  • 『無理』 奥田英朗, 2009年 感想 | ハチャメチャストーリー

    『無理』 奥田英朗, 2009年 感想 | ハチャメチャストーリー

    ★★★★☆  片田舎のそれぞれいろんな不満がある人たち、それが徐々にじゅんぐりじゅんぐり、絡まってきて。想像していた通りのハチャメチャストーリー。
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    無理 上下巻
    奥田英朗 2009
    736 pages (368 + 368)
    Hideo Okuda
    2024年7月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    想像していた通りのハチャメチャストーリー。
    片田舎のそれぞれいろんな不満がある人たち、合併により新しくできた町、共同体意識は薄れ、故郷という感覚も昔のもの、ショッピングセンターが唯一のエンターテイメントで、パート程度しか仕事がない、それは今の日本の多くの住民が共感できること。
    それが徐々にじゅんぐりじゅんぐり、絡まってきて…
    軽くどんどん読める、予定どおり。

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  • 『ホワイト・ティース』ゼイディー・スミス, 2000年 感想 | 混沌としたロンドンへのラブレター

    『ホワイト・ティース』ゼイディー・スミス, 2000年 感想 | 混沌としたロンドンへのラブレター

    🔽 基本情報 🔽
    White Teeth
    Zadie Smith, 2000
    ホワイト・ティース
    ゼイディー・スミス 
    464 pages
    2024年7月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ロンドンに初めて行ったときからずーっと話題の本、を20年経ってやっと読んだ。
    なんとなく難しくて移民の厳しい生活の話と勘違いしていたけど、読んでみると心温まるコメディーっぽくてちょっとびっくり。
    まさに当時まだ残っていたロンドンがこの本にはある、ごちゃごちゃした混沌としたロンドン。
    ロンドンではイズリントン区というどちらかというとトルコ人エリアにほとんどずっと住んでいたのでこの本の人物と人種的には違うけど、当時は階級も人種も入り混じっていることが自然だった。
    段々とロンドンは設備され、汚いものは「カーペットの下に隠されて」いまではお金がないと生活できない街になってしまった。

    みんな違う意見を持ち、肌の色、年齢、世代、伝統、教育、宗教、過去、経験、すべてが違うなかで、ひとつの共同体として呼吸をするということ。
    まとめることも同化することも必要ない、そういう共同体での生活は確かに苦労をするんだけど、その苦労こそがコミュニティの意義であり強みであるとこの本は語っているよう。

    日本人を含む世界のイメージの中のロンドンは現実離れしてびっくりするけど、まあ実はロンドンはそういう幻想を売りにすることで観光業を盛り上げているので、この本で、20年前まであった本当のロンドンに出会ってください。
    汚くて大げさで下品です。いや、でした。過去形。今はこういうコミュニティーは市内から弾かれているのが残念でならない。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "White Teeth" Zadie Smith, (2000) Review | Love letter to London


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  • 『風立ちぬ 美しい村』 堀辰雄, 1938年 感想 | ぼくらは生きようとしなければいけない

    『風立ちぬ 美しい村』 堀辰雄, 1938年 感想 | ぼくらは生きようとしなければいけない

    ★★★★ 軽井沢という異次元で流れる静かな時間のなかで登場人物は静かに人を愛する。「風が立つ。ぼくらは生きようとしなければいけない」ゆっくりとひんやりした時間に浸れる一冊

    🔽 基本情報 🔽
    風立ちぬ 美しい村
    堀辰雄 1938
    (Kaze tachinu / The wind rises)
    Tatsuo Hori
    288 pages
    2024年6月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ジブリの風立ちぬの基になったストーリー。
    堀辰雄を始めて読んだけど、詩的でか弱くて美しい。
    自身が病弱なのもあり、軽井沢という人間臭い生活感もない異次元が舞台で、そこで流れる静かな時間のなかで登場人物は静かに人を愛する。

    サナトリウムという、そのなかでもさらに生活感から離れた空間を何度も登場させる。
    風立ちぬ、Il vent se lève, il faut tenter di vivre- 風が立つ。ぼくらは生きようとしなければいけない。
    そういうタイトルでありながら、主人公の愛する人はもう死の間際にいる。それをしんと見つめるかのように季節は流れ、木々にはつぼみが溢れ、落ち葉は深くなる。
    そして二人は、もう死を待つのみの透き通った空間のなかで互いを静かに愛し、時空を越えた二人だけの泡のなかに生き、そして彼女のその静かな死後も彼はその泡のなかで生きる。
    ゆっくりとひんやりと流れる時間に浸れる一冊。

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  • 『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 感想 | 暴力な世界の中の美しい物語

    『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 感想 | 暴力な世界の中の美しい物語

    🔽 基本情報 🔽
    Afterlives
    Abdulrazak Gurnah, 2020
    アブドゥルラザク・グルナ
    288 pages
    2024年7月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。

    人々の生活や愛情は、戦争という外部の環境によってボロボロに破壊されるということを忘れてはいけない。
    アフリカの人々の人生は、ヨーロッパ人が勝手に始めた戦争、つまりアフリカに住む人々とは全く関係のない殺し合いビジネスによって左右される。
    それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。
    そんな狂暴な環境でも、植民地主義上の植民者と先住民でありながらも少しマジカルなでも一人間同士の関係も描かれていて少し希望を持つこともできる。

    2021年ノーベル賞受賞


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Afterlives" Abdulrazak Gurnah (2020) Review | A beautiful story told in a cruel and violent environment
    🔽 買えるところ 🔽

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    Afterlives: By the winner of the Nobel Prize in Literature 2021



  • 『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006 感想 | 大迫力の復讐劇

    『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006 感想 | 大迫力の復讐劇

    🔽 基本情報 🔽
    ワイルド•ソウル
    垣根涼介 2006
    Ryosuke Kakine
    1040 pages (512 + 528)
    2024年6月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    上下二巻の壮大なストーリー。
    戦後の日本からブラジルへ渡った4万人のアマゾンでの壮絶な生活、そこから逃げ出した人々の底辺を這うような生活。

    そして下巻へ。
    現在の日本、東京。三人の日系人の男たちの日本政府に対する復讐劇が始まる。

    読んでいる方としてはアマゾンでの大変な生活を知っているから、もちろん完全に三人の男の肩を持つ。彼らの計画は次へ次へと進んでいく。

    この本での何度も出てくる通り、大きな自然を前にして人ひとりなんてちっぽけで、そのちっぽけななかで、一生かけて後悔をしたり、人を愛したりする。
    そういうところも滲み出ていて、全体像でとても面白い。
    アクションもドラマもたっぷりで一気に読める傑作。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Wild Soul" Ryosuke Kakine, (2006) Review | Let the revenge begin from Brazil
    🔽 買えるところ 🔽
    
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  • 『ヌメロ・ゼロ』ウンベルト・エーコ, 2015年 感想 | エーコの遺作、イタリア社会への警告

    『ヌメロ・ゼロ』ウンベルト・エーコ, 2015年 感想 | エーコの遺作、イタリア社会への警告

    🔽 基本情報 🔽
    Numero Zero
    Umberto Eco, 2015
    ヌメロ・ゼロ
    ウンベルト・エーコ
    208 pages
    2024年6月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エーコの7冊目にして最後の小説は、陰謀論やフェイクニュースにまみれたジャーナリズム、私たちの時代におけるジャーナリズム。
    彼の他の小説のように難しくてクラシックに挑発的ではない、けれど短くて比較的読みやすい。
    何も「本当」なものはなく、「事実」は作り上げられる、私達の生きるこの今の社会においての信念や真実の意味を問いただす。
    イタリアの知の巨人と呼ばれるエーコ、彼の頭脳のクオリティはもちろんだけど、包容力のある彼の人間的な部分が好きなんですが、これは政治的にも二極端なイタリア社会への警告にもとれる。

    ただ、ムッソリーニの時代のことを振り返るので、そのあたりの知識がないとちょっと置いてけぼりを食らう。

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    English review
    "Numero Zero" Umberto Eco, (2015) Review | A warning to the Italian society today.
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  • 『地獄の季節』アルチュール•ランボー, 1873年 感想 | 純粋で天才的

    『地獄の季節』アルチュール•ランボー, 1873年 感想 | 純粋で天才的

    🔽 基本情報 🔽
    A season in hell
    Arthur Rimbaud, 1873
    Une saison en enfer
    地獄の季節
    アルチュール•ランボー
    96 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    今年はたくさん積読していたペンギンクラシックの短いのを読み漁り。

    青年の苦の詩集。
    どっかで見たけど、これはできれば酔っぱらった状態で夜に読むべき詩集だそうで、地中海の青い空のしたで読んでも場違いな感じ。

    自己破滅型の男である恋人との旅行から帰ってきて書いたもので、挫折と自己憐憫と欲求不満たっぷり。
    まだ20歳そこそこ、なのにその昔の華やかな幸せを思い、美しくて苦悩に満ちている。
    青年だからこその純粋さと苦しみ、それを書き表すランボーの天才的な才能。
    せめて静かな夜に読むべきだった。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "A season in hell" Arthur Rimbaud (1873) Review | Pure and genius
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    A Season In Hell




  • 『アムステルダム』イアン・マキューアン, 1998年 感想 | イギリスらしく、暗い

    『アムステルダム』イアン・マキューアン, 1998年 感想 | イギリスらしく、暗い

    🔽 基本情報 🔽
    アムステルダム
    Amsterdam 
    Ian McEwan, 1998
    イアン・マキューアン
    224 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    誰かにもらった本。で、日本語訳なので直接の面白さは欠けるのでちょっと残念ではあるが、さっと読める短編。
    同じ女性を愛したという接点のある中年の男二人の小難しい友情、もしそれが友情と呼べるのならだけど。
    小難しく、イギリスらしく、暗い。
    でも他のも読んでみたい。
    やっぱりオリジナルがせっかく英語なら英語じゃないと。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Amsterdam" Ian McEwan (1998) Review | So dark so English
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    アムステルダム (新潮文庫)



  • 『君主論』ニッコロ・マキャベリ, 1532年 感想 | 残酷であれ、卑怯であれ

    『君主論』ニッコロ・マキャベリ, 1532年 感想 | 残酷であれ、卑怯であれ

    🔽 基本情報 🔽
    The Prince
    Niccolò Machiavelli, 1532
    Il principe
    君主論
    ニッコロ・マキャベリ
    128 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ただの古典でなく何世紀も幅広く影響力があった古典、君主論。
    1500年のヨーロッパにおいての、正しい君主になるにはというガイドブックで、マキャベリズムというと残酷なイメージがあるけど、紛争の耐えない時代において仕方ない部分はあるが、これが未だに民主主義国家の政治家に愛読されているというのは怖い。

    自分の家族や領土を守るという目的達成のためには残酷だっていい、それが良い君主。
    メッセージは明瞭で当時のヨーロッパだけでなくローマ帝国時代にも細かくくれながら、具体的なアドバイスをする。
    当時から500年も言われているけど確かに、典型的なルネッサンスの産物。

    私のようにローマ時代から16世紀の歴史に詳しくない場合は注意書きが多い本を選ぶのがおすすめです。いろんな歴史上の人物が出てくるのでややこしい。
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    English review
    “The Prince” Niccolò Machiavelli (1532) Review | Focus, be cruel, rule

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  • 『お金の流れで読む日本と世界の未来』 ジム・ロジャーズ, 2017年 感想 | 歴史を理解し次を見据える

    『お金の流れで読む日本と世界の未来』 ジム・ロジャーズ, 2017年 感想 | 歴史を理解し次を見据える

    ★★★★☆ 歴史を理解し次を見据えるのが投資の原点。保守的な過保護な日本は近いうちに国として成り立たなくなるという点近いうちに北朝鮮と韓国がお互いを補って国として成功し世界一幸せな国になるという面白い予見
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    お金の流れで読む日本と世界の未来
    ジム・ロジャーズ, 2017
    Jim Rogers
    237 pages
    2024年6月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    バックグラウンドは歴史という投資家の日本独占インタビューといった形。
    歴史に詳しいということで、歴史は繰り返すということを説く。

    確かに、歴史を理解し、次を見据えるというのが投資の原点だと思う。
    まったく投資が分からないので私はその辺のつまりメインの部分は理解できないけど、その周辺の話が面白い。

    特に、近いうちに必ず統一する北朝鮮と韓国がお互いを補って国として成功し世界一幸せな国になるという点。
    北朝鮮の資源とポテンシャル、技術は高くとも少子化で悩む韓国。すごく納得。

    日本は大好きだけど、外に目を向けない保守的な過保護な日本は近いうちに国として成り立たなくなるという点。
    ただ、彼でも予想できなかったことが起きた。
    出版直後にコロナで世界が止まったことだ。
    それでも今まだ彼の言っていた事は間違ってはいない。
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  • 『イタリア民話集』イタロ・カルヴィーノ, 1956年 感想 | 民話は残酷

    『イタリア民話集』イタロ・カルヴィーノ, 1956年 感想 | 民話は残酷

    🔽 基本情報 🔽
    Ten Italian Folktales
    Italo Calvino, 1956
    Fiabe italiane
    イタリア民話集
    イタロ・カルヴィーノ
    96 pages
    2024年6月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    イタリア民話集という本当はもっと大きな短編集からの抜粋10話。
    民話集ということでそれぞれは短く、道徳的な教えもある。
    ただ、眠っている姫と寝て自分を王様にしたりとレイプを正当化する話もあって生々しい。
    不幸なことや残酷なことも綴られている。
    ちゃんと本編もいつか読まなきゃ、評価も何ともいえない。
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    English review
    "Ten Italian Folktales" Italo Calvino (1956) Review | Misfortunes and cruelties
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  • 『(中年の危機への哲学的な対応)』キーラン・セティア, 2017年 感想 | もっと良い人生だったかもは幻想

    『(中年の危機への哲学的な対応)』キーラン・セティア, 2017年 感想 | もっと良い人生だったかもは幻想

    🔽 基本情報 🔽
    Midlife
    A philosophical guide
    Kieran Setiya, 2017
    (中年の危機への哲学的な対応)
    キーラン・セティア
    186 pages
    2024年6月 読了
    
    
    
    
    

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    Midlife A Philosophical Guide【電子書籍】[ Kieran Setiya ]

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    「中年の危機への哲学的な対応」という意味で、そういう内容。
    いわゆる普通の自己啓発本ではない、哲学的な考えを身につけることでほぼ誰もが陥る中年の危機を生き抜くと。いうことで楽な解決法は教えてくれない。

    大体において「もっと良い人生を送れたかもしれない」は幻想であり、実際は今あなたが手にしている人生より良くなる可能性はなかったと考えれること。
    結果に左右されず、今自分が行っている行動に重点を置き、その行動自体を楽しもう、と。

    40代の中年に入る前に読むのも心の準備になるのかも。
    ミッドライフ・クライシスの危機に面している主人公の本をいろいろ紹介してるのもよかった。
    で、最後はやっぱり仏教と瞑想で終わる。

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    English review
    "Midlife" Kieran Setiya (2017) Review | Could it have been better? Probably not.
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  • 『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー, 1719年 感想 | 主人公がとってもイギリス人

    『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー, 1719年 感想 | 主人公がとってもイギリス人

    🔽 基本情報 🔽
    Robinson Crusoe
    The Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoe
    Daniel Defoe, 1719
    ロビンソン・クルーソー
    ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険
    ダニエル・デフォー
    384 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    古典を読んでいた時期に、旅行記の古典といえば。
    この主人公がとってもイギリス人なのが面白い。
    整理整頓を心がけ、この野蛮な地を絶対に(イギリス的な)我が家にしてやる、と奮闘し誇りに思っている。

    あたかも本当の自伝と思わせるように、口語的な英語でしかも語り口は一人称で「本人自筆」とまで書いてある。
    もちろんフィクションだけど当時はこの手法でかなり売れたよう。

    この時代の小説なので植民地主義的、人種差別的な内容は避けられないけれど、良いキリスト教徒としてクルーソーはそれなりに現地人フライデーと打ち解けているのも忘れてはいけない。
    今振り返って良い悪いはあるにしても、300年前に書かれた素晴らしいストーリーであることは否定できない。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Robinson Crusoe" Daniel Defoe (1719) Review | Classic of classics
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    洋書>Robinson Crusoe (Macmillan readers) [ ダニエル・デフォー ]




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  • 『臓器農場』 帚木蓬生, 1993年  感想 | 思ってたように暗い

    『臓器農場』 帚木蓬生, 1993年 感想 | 思ってたように暗い

    ★★★☆ 精神科医でもある著者。思ってたように暗い。
    体調が良くなってなかったら読めなかったかもというくらい、暗い。新生児の臓器のビジネス、もう聞くだけで暗い。
    🔽 基本情報 🔽
    臓器農場
    帚木蓬生 1993
    224 pages
    2024年6月 読了

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    臓器農場(新潮文庫)【電子書籍】[ 帚木蓬生 ]

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    作家で精神科医の著者。
    はじめて読んだけど、思ってたように暗い。
    退院後の自分の体調が良くなってなかったら読めなかったかもというくらい、暗い。

    助かる見込みのない新生児の臓器のビジネス、または研究、そこで繰り返されるホラーのようなスリラーのような。

    面白い、けど、例えば松本清張のように好きかといわれればそうではないので4。
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    臓器農場 (新潮文庫)



  • 『The incendiaries』 R. O. Kwon, 2018年 感想 | パンクなカルト恋愛小説

    『The incendiaries』 R. O. Kwon, 2018年 感想 | パンクなカルト恋愛小説

    🔽 基本情報 🔽
    The incendiaries
    R. O. Kwon, 2018
    214 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ダークでリアルでパンクな若者の日々。
    韓国系アメリカ人の魅力的な女の子、その子に惹かれる普通の男の子。
    男の子が見つめる中、女の子はどんどん北朝鮮がテーマの白人の男の子がリーダーのカルト(つまり実態もメッセージも脆い)にハマり行動もエスカレートしていく、という流れ。

    なんかちょっとパンクな感じで、カルトやテロリズムに繋がっていくんだけど、現代文学ゆえ表面的な雰囲気のまま。
    文章の表現がまるで詩のようで新鮮さはあるんだけど、深さがないのが残念ではある。

    複雑な心境にあるはずの女の子にもナレーターである男の子にも感情移入ができない。
    そこを狙っているのかもしれないんだけど、そのせいで私の好みからは外れてしまう。

    🔽 買えるところ 🔽
    English review
    "The incendiaries" R. O. Kwon (2018) Review | A bit of punk, a lot of cult love story
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  • 『シルクロード全史』ピーター・フランコパン, 2015年 感想 | 世界史に興味を持つことになった原因の一冊

    『シルクロード全史』ピーター・フランコパン, 2015年 感想 | 世界史に興味を持つことになった原因の一冊

    🔽 基本情報 🔽
    The Silk Roads: A New History of the World
    Peter Frankopan, 2015
    シルクロード全史: 文明と欲望の十字路
    ピーター・フランコパン
    657 pages
    2024年6月 読了
    
    
    
    
    

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    シルクロード全史 上 文明と欲望の十字路 [ ピーター・フランコパン ]

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エピック。大作。間違いなく歴史本の歴史を変えた。
    シルクローズ(複数形のRoads)というタイトルでまず分かるように、シルクロードは一つではないという大前提を投げつけてくる分厚い600ページ超えのいわゆるマイナーな国々の歴史の本なのに退屈じゃない。
    むしろ内容そのものと語り口にエンターテインメント性が出ていて巨大な小説を読んでいるかのよう。

    著者フランコパンのポッドキャストも聞くけど、彼は偏屈者っぽい奴なんだけど言い分は筋が通っていて、事実に極端に忠実なだけな人。
    でも大真面目で逆に面白いというギャップもあって、耳で聞くのも楽しい。

    中東と呼ばれるエリアがいかに歴史豊かで多様性に富んだ素晴らしい伝統をもっているか、そしてヨーロッパはいかに欲深く宗教を言い訳にこの豊かな地を破壊したか。
    そして今日、古いヨーロッパに変わってアメリカ帝国が彼らの謳う自分勝手な民主主義を武器に更に追い打ちをかけているか。
    中東、アラブがあたかも石油の成金かのように世界の目を欺きたい欧米は、もちろんこのシルクロードの歴史は隠し通したい。
    ひょっとしたら、ただ単にヨーロッパ、アメリカの帝国主義の終わりなだけなのかもしれない。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Silk Roads" Peter Frankopan (2015) Review | History book that changed my history

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    シルクロード全史 上: 文明と欲望の十字路





    シルクロード全史 下: 文明と欲望の十字路



    The Silk Roads: A New History of the World (English Edition)



  • 『The French art of tea』 Mariage Frères, 2006 感想 | マリアージュフレールの歴史とカタログ >>

    『The French art of tea』 Mariage Frères, 2006 感想 | マリアージュフレールの歴史とカタログ >>

    🔽 基本情報 🔽
    The French art of tea
    Mariage Frères, 2006
    L’Art Français du Thé
    104 pages
    2024年6月 読了
    
    
    
    
    

    🔽 楽天ブックス (英語 内容、著者紹介も) 🔽

    The French Art of Tea

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    マリアージュフレールという日本にも支店のある創業1854年のパリのお茶屋さんが出している本、兼カタログ。
    前半は簡単にだけど歴史や伝統、お茶の地理などがある。
    例えば日本では鉄瓶でお茶を淹れるとか、たまに内容は怪しいけど(急須だよねー)その内容の正確さは当てにならなくても、フランス人がお茶、紅茶の価値をどう思っているかがわかる。
    つまり、フランス人にとっての茶は植民地時代の華やかな歴史を物語るものであり、その東洋のエキゾチックさというのが魅力であるわけで、書いてある文章の向う側にあるものが面白い。
    「道は狭く急だったので茶の箱は現地民の青年が担いで運んだ」ことが恰もそのお茶の価値であるかのような、オリエンタリズム全開で100年前に書かれたのかなと思うほど。
    後半はカタログと製品説明。
    紅茶はよく買うのですが、まあそういう視点が売りなので仕方ないのかと。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The French art of tea" Mariage Frères (2006) Review | History and catalogue

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    The French Art of Tea



  • 『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 感想 | カリンポンの歴史とキリスト教

    『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 感想 | カリンポンの歴史とキリスト教

    🔽 基本情報 🔽
    Chasing a blazing fire in the Himalayas
    A brief sketch of the (un)noticed Kalimpong Pentecostal revival
    Anmol Mukhia, 2020
    146 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    雰囲気で買ってしまったけど、前半は良かった。
    カリンポンはインド北東部の西ベンガル州の北部、ダージリン近くの街。
    ここは英国人が紅茶栽培で住み着いて以来キリスト教布教が盛んで、当時はインド全土にいた英国人が子どもをカリンポンやダージリンのキリスト教系の学校に送っていた。
    なのでそこまでは知っていたけれど、この本は特にペンテコステ派とカリンポンの繋がりについて詳しく書いてある。
    そう、前半は。
    最後の方になると、トーンが変わって良いキリスト教徒になるには、という結論で終わる。
    タイトルともカリンポンの街とも関係ない説教で終わるので、かなり飛ばしながら読んだけど、最初が面白かっただけに残念。

    🔽 買えるところ 🔽
    English review
    "Chasing a blazing fire in the Himalayas" Anmol Mukhia, 2020 Review | History of Kalimpong's Christianity
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    Chasing A Blazing Fire In The Himalayas (English Edition)



  • 『深夜特急6 南ヨーロッパ ロンドン』 沢木耕太郎, 1992年 感想 | こんなひとり旅は今は贅沢

    『深夜特急6 南ヨーロッパ ロンドン』 沢木耕太郎, 1992年 感想 | こんなひとり旅は今は贅沢

    ★★★☆ 3と6しか読んでない邪道だけど。インド編に比べ当然かなり余裕。このご時世こんなひとり旅は贅沢。いいなあ。井上陽水との対談のあとがきも良いです。
    🔽基本情報🔽
    深夜特急6
    南ヨーロッパ ロンドン
    沢木耕太郎 1992
    224 pages
    2024年5月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    続けて旅行記。
    彼の旅の最終章、ヨーロッパ。
    インド編しか読んでないけど、ここは旅も最後にかかり、しかも物理的に豊かなヨーロッパなので、余裕もある感じ。

    といってもバスでイタリアやスペインを駆け巡るのは普通の神経ではできない。
    こういいのを読むといよいよ現代の世の中ではこんなことはできないと思う。まず物価。そして国境を越える難しさ。
    旅人という気楽さ、そして時間をも手余すという贅沢。

    直前に読んだ村上春樹よりも圧倒的に旅に出たくなってしまう一冊。

    あとがきの井上陽水との対談も、あんまり関係なく緩くて個別に面白い。
    🔽 買えるところ 🔽

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  • 『辺境•近境」 村上春樹 1997年 感想 | 私は確実に村上春樹に感化されてる

    『辺境•近境」 村上春樹 1997年 感想 | 私は確実に村上春樹に感化されてる

    ★★☆☆ 20年ほど彼の小説を避けている。最近思う、私は村上春樹は嫌いというより食わず嫌いかも。これを読んで遠回りして四国初上陸し本当にただ讃岐うどんを食べに行った。つまり、私は確実に村上春樹に感化されてる。やっぱり読まなきゃ。
    🔽基本情報🔽
    辺境•近境
    村上春樹 1997
    Haruki Murakami
    304 pages
    2024年5月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    旅行記。
    彼の文章が嫌いなんじゃないけど、好みではない。
    多分、口語文というか、なぜか外国の文章を和訳したかのような語り口のせい。
    そこが世界中にファンがいる魅力なんだろうけど、言葉の流れの美しさ、楽しさがない(気がする)
    書いている文章が面白いだけに、もっと好きになりたいのに。
    いや、でもかなり長いこと彼の小説を避けているので食わず嫌いなのかもしれない。

    モンゴルの辺境や、生まれ故郷の神戸を歩く近境についてなどで、相変わらずふわふわとしている。
    でもこの本について一番重要な点は、これを読んで今回の日本への里帰りで頑張って遠回りして初四国上陸、しかも滞在時間は半日(鳴門の渦潮を含む)、本当にただ讃岐うどんを食べに行ったこと。
    村上春樹の凄さを実感したのは、彼の回ったところは現在超有名店。

    つまり、私は確実に村上春樹に感化されてる。やっぱり読まなきゃ。
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  • 『若きウェルテルの悩み』ゲーテ, 1774年 感想 | 悲劇のヒロインぶり

    『若きウェルテルの悩み』ゲーテ, 1774年 感想 | 悲劇のヒロインぶり

    🔽 基本情報 🔽
    The Sorrows of Young Werther
    Johann Wolfgang von Goethe, 1774
    Die Leiden des jungen Werthers
    若きウェルテルの悩み
    ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
    144 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    誰もが聞いたことのある古典。というのを読むことにしたのがこの時期。
    想像よりももっと大変なお話だった。
    青年の悲しみや苦しみはそうなんだけど、それよりも彼の自己憐憫、悲劇のヒロインぶりがすごい。

    大人になって恋だの愛だのを経験して読むんじゃなくて、現在進行形で全身で恋愛をしている若い人が読んだら感動が違うだろうし、さらに18世紀に読んだらもっと違うんだろう。
    タイトルにちゃんと、「若き」ヴェルテルとなってるのがみそ。
    ここは多くの若き人々が通る道。

    青年は恋に落ちた。相手の女性の友情を自分への愛情だと勘違いし、苦しみ、そしてその苦しんでる自分にも酔ってしまう。
    自分自身への酔いこそが絶望の源となり、自分では制御できないモンスターになる。
    その悲劇の恋愛の原型のような、これ以降に書かれる報われない恋の物語の原型のような、250年たっても未だに共感する純粋な青年の苦悩。

    🔽 読書記録 🔽
    English review
    "The Sorrows of Young Werther" J W von Goethe, (1774) Review | Self pity is full on
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  • 『最初の人間』アルベール・カミュ, 1994年 (1960年) 感想 | 未完成という完全

    『最初の人間』アルベール・カミュ, 1994年 (1960年) 感想 | 未完成という完全

    🔽 基本情報 🔽
    The First Man
    Albert Camus 1994 (1960)
    Le Premier homme
    最初の人間
    アルベール・カミュ
    282 pages
    2024年5月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    1960年に事故で亡くなったカミュのカバンにあった未完成の原稿が1994年に未完成のまま出版される。名前や詳細が噛み合っていないのもその生々しさを語る。
    半分自伝、半分小説、未完成、でも完全に心惹かれる。

    アルジェリアに住んでいたときの貧しい生活、でも母、祖母、叔父への愛に溢れていた。
    フランスとアルジェリアという2つの国に引き裂かれた生活には父親がいない、家族の伝統もない、信頼できる人も、自分を育ててくれる確かな存在も、なにもない。
    そんな時に小学校の先生に出会う。

    時に家族や血縁で繋がっていない人が、その溢れる愛情をもって育ててくれることがある。
    この先生がカミュの人生にとってかけがえのない人だったことがよく分かるくらい感動する章。
    そして彼は恋に落ちる - がそこでこの物語は途切れてしまう。
    確かに傑作になっていたと思う。
    愛だろ、愛。

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    English review
    "The First Man" Albert Camus, (1994 /1960) Review | Half biography fully touching
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  • 『死者の奢り 飼育』 大江健三郎 1958年 感想 | 閉塞感むきだし

    『死者の奢り 飼育』 大江健三郎 1958年 感想 | 閉塞感むきだし

    🔽基本情報🔽
    死者の奢り 飼育
    大江健三郎 1958
    320 pages
    2024年5月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    先延ばししていた、短編集。
    確かにすごい世界。
    戦争の悲劇というのは、もちろん酷い形で死者を出すこともあるけれど、人間の精神をここまで削り取るということでもある。
    死者、死体、死、ストーリーとして面白いし読みやすいんだけど、精神状態が安定してないときには避けたほうがいい。

    普通、世界が広がるという言い方をするけど、これは世界が狭まっている。
    閉塞感むきだしで、そのなかにある生身の人間関係。
    社会性とか柔らかい人間性とか博愛とか、今日明日の生存に無駄なものを削ぎとったギリギリの状態の人間性。
    そこには明らかな反戦のメッセージや、偽善者に対する嫌悪感があり、私達を締め付ける。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Lavish are the Dead, Prize Stock" Kenzaburo Oe (1958) Review | Confinement, hopelessness
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  • 『(コップの中の嵐 日常の物理)』 ヘレン・チェルスキー, 2016年 感想 | 何事も偶然ではない

    『(コップの中の嵐 日常の物理)』 ヘレン・チェルスキー, 2016年 感想 | 何事も偶然ではない

    🔽 基本情報 🔽
    (コップの中の嵐)
    Storm in a Tea Cup
    The physics of everyday life
    Helen Czerski 2016
    ヘレン・チェルスキー
    282 pages
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    物理になんとなく興味がある人は私よりも絶対に楽しめる一冊

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    物理学者が、毎日の些細なことにどう物理が関わっているかを教えてくれる一冊。
    例えば、スプーンで紅茶をかき混ぜると液体が動く、これは物理の方式に従っているわけで何一つ偶然ではない。そういうことは私達がいかにちっぽけな存在かを語っているよう。

    たしかに面白いんだけど私にすべてが理解できたかというとそうではない、もっというと理解しようと努力する日が来るのかさえ怪しい。
    私はただ単にこの素晴らしい世界の中でちっぽけな存在でも十分です。

    ちなみに著者は英国人の女性物理学者、海洋学者でBBCでも見かける人。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Storm in a Tea Cup, The physics of everyday life" Helen Czerski (2016) Review | Nothing is by chance
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  • 『世界中の言語を楽しく学ぶ』 井上孝夫, 2004年 感想 | アナログな勉強法

    『世界中の言語を楽しく学ぶ』 井上孝夫, 2004年 感想 | アナログな勉強法

    ★★☆☆☆ 今の時代だったらもっともっと楽に学べただろうに、当時はかなりアナログで大変だったはず。
    🔽基本情報🔽
    世界中の言語を楽しく学ぶ
    井上孝夫 2004
    Takao Inoue
     pages
    2024年5月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    サラリーマンが趣味で100ヶ国語も勉強し、その意気込みと、さらっとその勉強法を書いている。
    謙虚な勉強を続けているよ、という、それ以上でもそれ以下でもない。

    ただ、今の時代だったらもっともっと楽に学べただろうに、当時はかなりアナログで大変だったはず。
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  • 『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 感想 | 共有できる価値観を見つめる

    『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 感想 | 共有できる価値観を見つめる

    🔽 基本情報 🔽
    (人類学者のように考える)
    Think Like an Anthropologist
    Matthew Engelke 2017
    マシュー・エンゲルケ
    368 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    昔からアンソロポロジー人類学に興味があったけど、まさにこのこと。
    人類学とは、その土地の現地の人の視点から世界を見る学問。
    我々はみんな違う。
    ヨーロッパの都市に住む人とポリネシアの小さな島に住む人は、違う。
    でもそれは生物学的に違うとか、能力の点から違うとかそういうことじゃない。
    そして決して「未開発」であったりとか「野蛮」ではない。
    むしろ植民地主義の奴らのほうが野蛮で人として未開発。

    抑えきれない好奇心から始まり、居ても立ってもいられずに現地へ向かい、そこの現地人、地元の人と共に過ごし、彼らのように考え彼らのように物事を正当化する。Critical Thinking批判的思考は忘れずに。

    私の興味が心理学から人類学に広がったのは人類学は人間が共有できる価値観を見つめる学問だから。
    その価値観は古臭いかもしれない、でもそれなしでは生活できない共同体としての価値。わたしたちはそんなに新しいタイプの人類ではないはず。

    ペリカンのこのシリーズもっと集めたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Think Like an Anthropologist" Matthew Engelke (2017) Review | We are all different yet not that different

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  • 『無花果の森』 小池真理子, 2011年 感想 | 隠したいこと、隠さなければいけないこと

    『無花果の森』 小池真理子, 2011年 感想 | 隠したいこと、隠さなければいけないこと

    ★★★☆☆ 人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。そんなときにだから会える人もいる。
    🔽基本情報🔽
    無花果の森
    小池真理子 2011
    Mariko Koike
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    いわゆるアラフォー世代に響く、というやつ。もう一回人生をやり直せる。
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    DVを扱うのはまだ珍しかったのかな、でも逃げる彼女の心境がリアルに描かれている。

    アラフォーとかアラサーとかという言葉を使いこなせない私ですが、つまりほぼ中年の男女の訳ありの恋愛。
    人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。
    画家の頑固おばあちゃんとバーのママの脇役がいい。この二人は人生のもっと先輩だから。

    登場人物の若くはなく、もうすぐ40の女性が新しい人生を歩もうとするのはいいんだけど、でもぼちぼちよい一冊。
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  • 『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 感想 | 下山事件に取り憑かれます

    『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 感想 | 下山事件に取り憑かれます

    🔽 基本情報 🔽
    Tokyo Redux
    David Peace, 2021
    下山迷宮
    デイヴィッド・ピース
    480 pages
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    戦後のゴタゴタに見え隠れするレトロなハードボイルドに興味がある人、ぜひ

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    トーキョー三部作なのに三部作目から読んでしまった。
    でも大丈夫、面白かった。
    戦後のゴタゴタの中にある男のロマンっぽい雰囲気がどのページにも漂っていて、あの活気と勢いとアメリカニズムの中で、未解決の国鉄総裁殺人の実際の事件を扱ったミステリー。
    英国人が描く、アメリカ占領下の東京というミステリアスでノスタルジックな街を舞台に、アメリカ風のハードボイルドな物語。
    逆に日本人じゃないからこそ描けるトーキョー。

    作品の中で言われるように私も「下山病にかかるよ」、つまりこの未解決事件の魔力に取り憑かれたのかも。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Tokyo Redux" David Peace, (2021) Review | Catching "Shimoyama disease"
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  • 『日本文学の大地』 中沢新一, 2015年 感想 | 古代の人の感覚は私たちのなかに

    『日本文学の大地』 中沢新一, 2015年 感想 | 古代の人の感覚は私たちのなかに

    ★★★★★ 日本の古典文学をいくつか紹介する本。
    そこには近代以前の、自然と文化が分かれる前の大地が広がっている。こういう古代の人の感覚は私たちのなかにまだあるそう。嬉しい
    
    
    
    
    
    🔽基本情報🔽
    日本文学の大地
    中沢新一 2015
    Shinichi Nakazawa
    288 pages
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    日本の古典がちょっと食わず嫌いな人、多分ほとんどの人。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    日本の古典文学をいくつか紹介する本。
    そこには近代以前の、自然と文化が分かれる前の大地が広がっている。

    浄瑠璃の人形たちは、数人の裏方たちの一見無関係の縦横の動きによって細かく操られているという事実、それが比喩するもの。
    平安時代の、天皇は大地の初物を贈与されるんだから、その土地の美しい少女を贈与され、消費してあげるという観念。
    江戸時代までの、恋をすれば相手が男も女も関係ないという大まかなセクシュアリティ。
    松尾芭蕉のとことん装飾を削り取った美学。

    自分でない何かモノが語るから物語というんだということ。

    そして著者は人間は1000年ぐらいでは変わらないと言いきる。
    つまり、こういう古代の人の感覚は私たちのなかにまだある。
    私たちの生活は物に溢れ、貨幣の魔力の中で、大地と離れたところで忙しくなり、また個人というアイデアが一般化し壁ができてしまい、その感覚に触れづらくなったんだと思う。

    しかし、日本ももっと学校で面白い古典に触れる機会があればいいのに。
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    日本文学の大地



  • 『(Otherwise Pandemonium)』 ニック・ホーンビィ, 2005年 感想 | 初めてのホーンビィ

    『(Otherwise Pandemonium)』 ニック・ホーンビィ, 2005年 感想 | 初めてのホーンビィ

    🔽 基本情報 🔽
    Otherwise pandemonium
    Nick Hornby 2005
    ニック・ホーンビィ
    64 pages
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    サラッと読める本を探してる人に
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ショート2本立ての短い本。多分、初のニック・ホーンビィ。
    最初のSFっぽいショートもいいけど、二本目のNot a Starのほうが好きだった。
    お母さんが自分の息子の秘密の仕事を知るんだけど、でもまあいいや、的ないいお話。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Otherwise Pandemonium" Nick Hornby (2005) Review | My first Hornby
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    Otherwise Pandemonium (Pocket Penguins)