タグ: 帝国主義

  • 『小さきものたちの神』 アルンダティ ロイ, 1997年 感想 | じんわりと感動が迫ってくる

    『小さきものたちの神』 アルンダティ ロイ, 1997年 感想 | じんわりと感動が迫ってくる

    🔽 基本情報 🔽
    小さきものたちの神
    アルンダティ ロイ, 1997
    The God of Small Things
    Arundhati Roy, 1997
    2019.12 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドの作家で、同僚にオススメしてもらったもの。
    なので全く予備知識もなく読んで、その繊細な美しさに驚いて、読み終わって本を閉じた時に、じんわりと感動が迫ってきた。

    たしかに読みづらい。
    それは事件を明確にしないまま時系列的にあちこちに飛んでいくという点と、インドの文化を知らないとついていけない部分があるという点で。
    分からない単語やコンセプトも多く、調べながらの読書。
    何が起きたのかというのが最後の方までわからないまま、その周辺の記憶を辿って行くので、あとになってから、あれはこういうことか、と判明してくるので分からないからと飛ばすのはもったいない。
    まさに、トラウマを抱える人が、一番重要な事件を記憶の先頭に立たせるのに、その他の事についてぐるぐると思い起こすかにように。

    これがインド人(インド系でなく、インド人)女性によって書かれたという意義。
    アジア人、インド人の女性としての感覚、視点、描写は、西洋の中で生まれ育ってしまうと光ってこない。
    「不可触民」がいるという生活、母であり、女であり、邪魔者であるという生活。
    少し少なめに愛されていると認識する子供たち(双子) 、コンプレックス、差別、トラウマ、嫉妬、愛情、繋がり、禁断の愛、無。
    少しずつ少しずつ壊れていく。

    「子供たちが昼間慕う男性、母が夜に愛するその男性」という表現を含め、時に美しく時に冷たく、時に率直な表現が散りばめられていて、それを追うのが困難でもあり、この本の楽しみでもあり、取りつかれたように次のページに進んでしまう。
    さすがブッカー賞。

    これを読んで、ケーララ州に行きたくなって、実際に行ってカタカリという古典舞踊も一応見てきましたよ。

    背景がすでに日本の日常からかけ離れているので、詩的なこの本の美しさを訳すのは大変そう。
    オンラインでは日本語での定価がなさそうなので古本で探してみてください。
    イギリスではいまだに売れている本だけどやっぱり日本にはなじみがなかったのかな。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The God of Small Things" Arundhati Roy (1997) Review | Haunting, emotional, beautiful
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    小さきものたちの神
    小さきものたちの神


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  • 『(茶の歴史)』 ロイ・モクサム, 2003年 感想 | 情報の詰まった茶の歴史本

    『(茶の歴史)』 ロイ・モクサム, 2003年 感想 | 情報の詰まった茶の歴史本

    🔽 基本情報 🔽
    (茶の歴史
    中毒と搾取と帝国)
    ロイ・モクサム 2003
    A BRIEF HISTORY OF TEA:
    Addiction Exploitation and Empire (Brief Histories)
    Roy Moxham 2003
    2020.08 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    Brief、簡潔なという名のシリーズだけれどかなりの情報量でさらっと読むものではない。

    茶の歴史、ということで地域としてはもちろん英国、中国、インドを中心とした歴史の本で、つまりは英国がいかにシステマティックに中国のモラルを破壊し、インドを陥れたか。
    お茶が好きな誰もが忘れてはいけない植民地主義の歴史。

    現在はヨーロッパにもっと近いアフリカのケニアで安価な茶葉が作られる。
    同じような運命をたどったのはチョコレートで、同じくアフリカでかなり安く作られる。
    砂糖もそう、嗜好品の歴史はどれも苦い。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "A BRIEF HISTORY OF TEA" Roy Moxham (2003) Review | An informative history book around tea
    tag ; 食文化 植民地主義
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    A Brief History of Tea
    A Brief History of Tea: Addiction, Exploitation, and Empire (Brief Histories)


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  • 『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 感想 | クリミア戦線の看護婦 

    『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 感想 | クリミア戦線の看護婦 

    🔽 基本情報 🔽
    (メアリ・シーコール)
    ロン・ラムディン, 2005年
    Mary Seacole
    Ron Ramdin, 2005
    2020.07 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ジャマイカ出身の混血の英国人の看護婦の伝記。
    幼少期から医療や看護に携わるも混血であること、女性であることで大きく差別を受ける。
    クリミア戦争のとき英国のボランティア看護師を志願するも、白人でないことでフローレンス・ナイチンゲールに拒否される。

    それでも自分の経験と知識は役に立つと信じ、自費でクリミアに入り、ナイチンゲールたちが後方の安全なエリアで看護をしている中、戦場にかぎりなく近い場所で看護施設を設ける。
    食堂のようなビジネスを立ち上げ資金稼ぎにするという偉業。
    戦場で兵士にとってのくつろげる場所を提供し、その売り上げを兵士の身体的な傷を癒す。

    拒否られようが差別されようが、とにかく怯まない、自分の能力を最大限に使って人を助けるために生きる、すごい。

    英国人、白人である兵士たちを「息子たち」と呼び、彼らからも信頼され愛される存在になる、これはのちに彼女が破産したときに当時の兵士たちが助けたということでも証明されている。

    逆に神経質で有名なナイチンゲールの暗い部分を浮かび上がらせる話でもある。
    人手が足りないのに人種差別を優先したあとも、戦線で生き生きと兵士たちの心と体の看護に徹したシーコールを、兵士に酒を飲ませた、うるさい、と非難。
    そして英国という国もシーコールの偉業を100年近く闇に葬り、ナイチンゲールのみを全面的に「天使」化した。

    決して忘れてはいけないのはシーコールは「混血版ナイチンゲール」ではない。
    彼女はメアリ・シーコールという一人の独立した英雄である。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Mary Seacole” Ron Ramdin (2005) Review | Determination to help her "sons"
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    Mary Seacole
    Mary Seacole (Life & Times) 英語


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  • 『The Other Middle Passage』 ロン・ラムディン, 1994年 感想 | 奴隷制度は名前を変えるだけ 

    『The Other Middle Passage』 ロン・ラムディン, 1994年 感想 | 奴隷制度は名前を変えるだけ 

    🔽 基本情報 🔽
    The Other Middle Passage:
    Journal of a Voyage From Calcutta to Trinidad 1858
    ロン・ラムディン, 1994
    Ron Ramdin, 1994
    62 ページ
    2020.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インド系トリニダード人の友人の著作。
    インドから西インド諸島、カリブ海地域に送られたクーリー貿易(苦力貿易)といわれる新しい形の奴隷制度のついて。

    冒頭は輸送された労働者のコンディションについて、特に一つの船の状況を詳しく書いている。
    1858年に出向したその船は、108日かかった輸送で324人中124人が死亡。

    奴隷制度がなくなっても、当時のカリブ海ではサトウキビなどの栽培で全く人手が足らない状態になり、アフリカではなくインドから自由を奪って過酷な状況下の労働のためだけに人々を輸送。

    後半になるとその船内の様子や船長の奥さんの日記などによって当時の状況が詳しく書かれている。
    といっても、つまりは病気になって当たり前の環境で毎日人が病気になり、毎日人が死んでいく様子が綴られる。

    友人の彼も、クーリーとして送られて来た人の子孫で、白人の下に黒人、その下にインド人がいるという子供時代を過ごす。
    日本ではこの本は手に入りにくいので、もし興味があればご連絡ください。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Other Middle Passage” Ron Ramdin, (1994) Review | Another slave trade
    tag 植民地主義 インド
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    The Other Middle Passage: Journal of a Voyage From Calcutta to Trinidad 1858
    The Other Middle Passage: Journal of a Voyage From Calcutta to Trinidad 1858

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  • 『黒い皮膚・白い仮面』 フランツ・ファノン, 1952年 感想 | 劣等感と優越感の構造

    『黒い皮膚・白い仮面』 フランツ・ファノン, 1952年 感想 | 劣等感と優越感の構造

    🔽 基本情報 🔽
    黒い皮膚・白い仮面
    フランツ・ファノン, 1952年
    Black skin, white masks
    Peau noire, masques blancs
    Frantz Fanon, 1952
    2020.05 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ポストコロニアリズムの古典。
    黒い皮膚を持ちながら白人として生きるとはどういうことか。
    いやもっというと、白人としていきたいと思うこととは、どういうことか。

    著者ファノンはフランスの植民地マルティニーク出身の精神科医。
    精神科医ということは潜在意識の専門家であり、つまり制御された欲求、つまり性的欲求、もしくは恐怖の専門家。

    黒人は、白人社会に身を置いて初めて黒人となる。
    白人社会とは植民地主義の世界であり、黒人は常に自らを否認しながら生活する必要がある。
    自己否定を避けることができても、主体的にはならない。
    逆に白人は、自分たちが勝手に作り上げた黒人像に怯えながら生活する必要がある。
    野蛮で、なにより性的に強力な黒人像。
    面白いのは、恐怖症という怯えは実は深いところにある欲求から生まれるという論点。
    つまり、差別主義者は心の奥では黒人に脅かされたいという欲求がある、と。

    もう一つ面白い点は、彼はフランスの植民地主義について語るという点で、奴隷制度の廃止はアフリカ人が戦って得たものではなく、白人のご主人様から与えられたものだという観点。

    もちろん、黒人だけでなく私自身のように白人社会で生きる白人以外の人間は常に自分の皮膚の色がもたらす余計な意味について意識しながら生活するわけで、どこにいても白人が一番優位である事実は避けられない。
    日本は植民地化されていないので、日本にいる限り自分の肌の色から生まれる原罪を意識することはほとんどない。
    むしろ日本人特有のコンプレックスでアジアにおける「黄色い皮膚・白い仮面」というちょっと違う側面もあるが、それはここではさて置き。

    あと、上記にもちょっと書いたように、もちろん映画や娯楽、アート、文化において黒い皮膚というのは悪と描かれるので、アジア人を含む共同的なイマジネーションにおいて、その歴史を知っていなくても「黒=悪」という方程式が植えつけられる。

    ファノンは、植民地主義に植民地化されたくないという。
    黒人は劣等感から解き放たれ、白人は優越感から解き放たれるべきだと。

    そして70年以上たった今。
    人種を超えたコミュニケーション、友情、恋愛関係は普通になって、人種差別をする人間は見下される世の中になった。
    でも、私たちは本当の意味で人種から自由になったのか。

    ファノンの苦悩はなくならなかった。
    例え知識人として知的な発見をしたとしても、サトウキビ畑で労働を強いられている8歳の子の生活は変わらないと。
    問題は単純に皮膚の色だけでもない。
    白人社会で生きるミドルクラスの黒人の苦しみと、その日の生活がやっとの黒人の苦しみ、二人の問題は同じものではない。
    人種の問題は多くの段階を含み、層を含み、複雑である。

    でも、それでも、たとえ複雑であっても解決方法がなくても、目を背けない、そのためにこの本を読む。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    tag 植民地主義
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    黒い皮膚・白い仮面 【新装版】



    フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』 2021年2月 (NHK100分de名著)
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  • 『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008 感想 | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    『(ケシの海)』アミタヴ・ゴーシュ , 2008 感想 | アヘン戦争直前の奴隷船にて

    🔽 基本情報 🔽
    Sea of Poppies
    Amitav Ghosh, 2008
    (ケシの海)
    アミタヴ・ゴーシュ
    559 ページ
    2025.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    噂には聞いていたけど、やっぱり圧倒的に面白かった。

    大英帝国が治めるインド、そこで行われるケシの栽培、そしてアヘン戦争の匂いを受けて奴隷船に乗り込む人々。
    それだけでもう本を開く前から自分好みなのは一目瞭然。

    開けてみると、個性的な登場人物がどんどん出てくる。
    辛い結婚生活から逃げた主人公の女性ディーティ、フランス人ポーレットとインド人ジョドゥの兄妹愛、破綻した繊細なラジャに、秘密を持ったアメリカ人船乗りザッカリー、などなどがそれぞれの思いを胸にモーリシャス諸島へ向かう奴隷船アイビス号に乗り込む。
    その流れだけで分かるよう、壮大なストーリーがこの3部作で描かれるのです。

    女性たちの無謀さと、それについて行ってる男性たちだったり、騙されて人生が一転するラジャの変化などがエンターテインメントを込めて書かれているのでこの後どうなるのか。
    まだ最初の一冊を読んだばかり、先が気になる。

    日本ではまだ翻訳されてないので残念。
    英語はちょっと難しいです、というかインド英語やそれぞれの訛りなどもあり分かりにくい。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Sea of Poppies” Amitav Ghosh (2008) Review | Leading up to Opium War
    category 文学 インド 南アジア/Indian S. Asian Lit.
    tag インド/India
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    Sea of Poppies: Ibis Trilogy Book 1 (English Edition)

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  • 『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』 感想 | 人種差別と対話, 2019 >>

    『(私がなぜ人種についてもう白人にはなさないのか) 』 感想 | 人種差別と対話, 2019 >>

    🔽 基本情報 🔽
    Why I’m No Longer Talking to White People About Race
    Reni Eddo-Lodge, 2019
    (私がなぜ人種についてもう白人に話さないのか)
    2020.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    とてもパワフルな一冊。 
    まずはカバーがいい。彼女の怒りや苛立ちを思う存分に表現してる。
    そして中身、今の英国にとってとても重要な内容。
    英国の歴史の中での黒人やアジア人がどうか変わってきたのかという観点から始まり、英国にシステムがいかに差別的か、またその差別が正当化されているか。
    (正確には黒い人と茶色の人という言い方でいわゆる東洋人、黄色人種ではない)
    何が人種差別を生むのか。そこで人々が抱える恐怖とは。
    フェミニズムと人種、階級と人種、と続く。

    この本が、なぜ今、重要なのかは英国に住んでいれば分かる。
    つまりここ5年ほどで、人種差別は正当化されているから。(当時2020年)
    白人が人種差別主義者とレッテルを張られることは、黒人が人種差別を受ける事よりも酷いことという考えがまかり通る社会。
    そして今まで、英国に特化した人種差別を問う本や議論の場というのは数えるほどしかなく、ほとんどはアメリカから輸入されたものであったという事実。
    つまりそれだけタブーであるということ。

    フェミニストでもある著者は、フェミニズムの土俵で、人種のことに触れると突き放されるという。
    別の場所でやってくれ、と。
    まるでフェミニズムは比較的裕福な白人女性のためだけの場であるかのように。
    多くのメインストリームの場で女性の権利は支持されるのに、人種差別に反対することは、理論的なレベルで支持されても、日常レベルでは見て見ぬふりをされる。
    しかも「これは人種差別じゃないから」と開き直って。

    そして、何年も議論が絶えないEU離脱を後押しする白人労働者階級の人たちは、まるで移民や白人以外の人が国を去れば(英国生まれの有色人種やミックス人種を含め) 全ての問題が解決すると信じている。つまりそこでも肌の色が問題だとされる。

    実際に人種差別がなくならない理由はなにか。
    「何が」問題なのか。
    黒人やアジア人に問題があるのではない。
    それは明らかに白人主義に問題がある、もちろん。
    どうやって白人のセンチメンタリズムを傷つけずに、白人を優位な立場から引きずり降ろさずに議論するか。
    怖い黒人女性と決めつけられずに意見を主張する方法があるのか。
    そういった葛藤の中で、彼女は、もう白人に人種の話はしない、と宣言したわけです。
    もちろんこれは、さらに数年前のブログのタイトルで、そこから彼女はやっぱり言わなければいけない、ということでこの本を書いているわけですが
    沈黙は自分を守ってくれない。黙っていても自分の立場は良くならない。

    挑発的なこの本は、まさに多くのセンチメンタルな白人を追い詰めて、彼らを罪悪感に浸らせてしまった。
    どうしていいかわからないと頼ってくる白人たち。
    イベントのQ&Aでモノローグを始め勝手に泣き崩れる白人。
    でも彼女は言う。
    罪悪感を感じる余裕があれば、自分の行動範囲内で声に出してみればいい。
    例えば職場で発言してみる。
    組織的な差別の基盤はやっぱり人。
    一人ひとりが行動をし、一つのムーブメントとなる。

    日本にいればたしかにこの感覚は分かりづらい。
    大々的な奴隷貿易の歴史もないし、移民が我々の職を奪いに国境を超えて来ているという妄想的な危機感もないし、肌の色と社会的立場もしくは階級の明らかなカテゴリーもない。

    それでもこれはやっぱり重要な本である。
    英国人歌手のStormzyが言ったように、英国には例えばイタリアのようなあからさまな人種差別はないかもしれない。
    でも確実に存在していて、差別主義者は今まで陰口を言っていただけだけど、今日の英国で大声で言える権利を得たと勘違いしている。
    そしてそれはとっても恐ろしいことだ、と。

    この本が、いま、この若い英国人黒人女性によって書かれベストセラーになっていることは、その挑戦的な内容を例え読者全員が100%完全に支持できないとしても、とても重要なことであり、間違いなく英国各地で議論のきっかけになった。
    ちょっと希望が持てる気もしてくる。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Why I’m No Longer Talking to White People About Race” Reni Eddo-Lodge (2019) Review | silence won’t protect us
    tag 植民地主義/Colonialism
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    Why I’m No Longer Talking to White People About Race: The #1 Sunday Times Bestseller
    
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  • 『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017 感想 | 韓国から日本へ>>

    『パチンコ』 ミン・ジン・リー, 2017 感想 | 韓国から日本へ>>

    🔽 基本情報 🔽
    Pachinko
    Min Jin Lee, 2017
    パチンコ
    ミン・ジン・リー
    512 ページ
    2021.10 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1910年の韓国から日本に渡った一人の女性、彼女の人生で耐えることなく続く苦労と小さな幸せ。

    一人の女性の焦点を当てることで、より戦時中のリアルな苦しみが浮かび上がり、かえって普遍的なストーリーとなっていく。
    在日コリアンの歴史、日本と韓国の歴史、もしくは日本人と韓国人の歴史といったほうが正しいのか、その関係は簡単には概要を掴めない、というのも今日もまだ続き変わり続けているから。
    戦争は間違いなく関係悪化の要素の一つだけれどそれだけでもない。

    この本はいかに一瞬の不運やタイミングの違いでその後の人生が大きく揺らされるかを豊かな表現で描く。
    アジア人でないと分かりにくいところはあると思うけれど、アメリカ出版で世界中でベストセラー(むしろ日本の反応が遅くて鈍かった)

    韓国はドラマもそうだけどストーリーテリングが上手。
    ドラマチックな流れで、でも実際に戦時中や戦後はこんなスピードで人生は流れていったんだろう。

    フェデリコ•フェリーニは、人生は祭りだというけれど、この本は、「いや、人生はパチンコだ」といっている。
    フェアじゃない。負けると決まっている勝負。それでも続けてしまう。

    AppleTVのシリーズも観てみたい。



    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Pachinko” Min Jin Lee (2017) Review | Korean-Japanese epic
    tag 日本史
    tag 植民地主義
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    パチンコ 上 (文春文庫 り 7-1)
    
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  • 『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022  | インド好きのためのミステリー >>

    『(バンガロール探偵クラブ) 』ハリニ・ナジェンドラ, 2022 | インド好きのためのミステリー >>

    🔽 基本情報 🔽
    The Bangalore Detective Club
    Harini Nagendra, 2022
    (バンガロール探偵クラブ)
    ハリニ・ナジェンドラ
    292 ページ
    2022.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    1920年代のインド、医者と結婚したばかりで主婦として静かな生活を送るはずの主人公が南インドのベンガルール(バンガロール)の街で起こる犯罪を推理する、という可愛い感じの推理小説。
    シリーズ物の第一弾。
    主人公Kaveriが好奇心旺盛で強くて、そうなのインドの都会の女の子ってこんな感じっていう楽しさと、権力を持つイギリス人との衝突もあったり。
    若い奥さん、主婦であっても、白い目で見られても趣味の水泳はやめないし、好きに外を歩き回る。

    著者が実は生態学者という変わった経歴なのも面白いので続編も読んでみる。

    ベンガルールの街のスポットが色々出てきて旅行予習になったし美味しそうな料理も出てくる。
    インド好きな人が軽く楽しく読める。

    英語も比較的簡単なので英語の勉強にも。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Bangalore Detective Club” Harini Nagendra (2022) Review | Nice mystery for India lovers
    tag インド
    tag 女性主体

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    The Bangalore Detectives Club (The Bangalore Detectives Club Series) (English Edition)


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  • 『(ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)』サラ・ベスキー,2014 感想 | ダージリンの現実>>

    『(ダージリン; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)』サラ・ベスキー,2014 感想 | ダージリンの現実>>

    🔽 基本情報 🔽
    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India (California Studies in Food and Culture Book 47)
    Sarah Besky, 2014
    (ダージリン ディスティンクション; インドのフェアトレード茶畑における労働と正義)
    サラ・ベスキー
    258 ページ
    2022.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    まさに探していたトピックの本。
    ダージリンのお茶と産業と労働者の関係。

    ダージリンは世界で一番高級な茶であり、世界中で知られていてステータスもある、なのになぜダージリンの労働者は貧しいのか。
    ダージリンのお茶一杯の値段はお茶を摘む仕事の女性の一日の給料より圧倒的に高い。
    高級感を売り物にするダージリンの現実は静かに隠されている。

    ダージリンやシッキム州のいわゆる広い意味でダージリン茶を作るエリアは実は最近まではインドではなかったし、18世紀に英国人が周辺の発達のためにネパールから大量の労働者を連れてきたので、人種的にもほとんどがインド人ではない。
    90年代に盛んだったグルカ運動はいまも消えたわけではないけれど、これだけ商品価値のある商品を作るダージリン、インドは、西ベンガル州は何があっても手放さない。
    グルカもネパール系の人々は何代もの間この産業を支えているのに実質的に何も所有できない、他の道も少ない、自分たちの歴史さえ曖昧になっている。
    フェアトレードの観点から言うと、フェアトレードを押し付けられるせいで現地の人間の生活はより厳しくなったとも。

    高級茶の代名詞のダージリンは現地の人々からの搾取によって支えられている。

    🔽 関連ページ 🔽

    English review “The Darjeeling Distinction” Sarah Besky (2014) Review | Dark side of the posh tea
    tag 東ヒマラヤ

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    The Darjeeling Distinction: Labor and Justice on Fair-Trade Tea Plantations in India


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    The Darjeeling Distinction Labor and Jus...
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  • 『(大英帝国とグルカの関係)』 GL・ライジムダー, 2007年 感想 | 大英帝国とインドの間で

    『(大英帝国とグルカの関係)』 GL・ライジムダー, 2007年 感想 | 大英帝国とインドの間で

    🔽 基本情報 🔽
    Anglo-Gurkha Relations: Historical Account of how the Gurkhas Bestowed upon Queen Victoria the Gift of Indian Empire
    GL Rai-Zimmdar, 2007
    (大英帝国とグルカの関係)
    211 ページ
    2023.12 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    自主出版だと思うけれど、大英帝国とインドの側で歴史を紡いてきたネパールに関する独自の見解で興味深い。

    いままでの大英帝国とグルカ、ネパールの関係や歴史を語る本は間違えている、というところから出発しているので、この本のミッションとしてはそれを正すことのよう。
    なので大英帝国とグルカの関係自体について学ぶ本ではないのが私の希望から外れていた。
    ただ、英国とインドという巨大な渦のせいでネパールの存在が軽視されてきたという点には納得。
    なので、私はまずはオーソドックスにネパールの歴史を学ぶべきです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Anglo-Gurkha Relations” GL Rai-Zimmdar (2007) Review | Britain and Nepal
    タグ: 東ヒマラヤ
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    Anglo-Gurkha Relations: Historical Account of how the Gurkhas Bestowed upon Queen Victoria the Gift of Indian Empire


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  • 『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 感想 | 軍事国家へ走る日本への警告

    『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 感想 | 軍事国家へ走る日本への警告

    🔽 基本情報 🔽
    The Spirit of Japan
    Rabindranath Tagore, 1916
    日本の精神
    ラビンドラナート・タゴール, 1916
    ロビンドロナト・タゴール
    22 ページ
    2023.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    タゴールが日本滞在の最後に、1916年に慶應義塾大学で行った講演。
    何度も訪日し、日本の文化や芸術また日常の中にある芸術を愛したインドの詩聖タゴール。
    しかしこの講演は急激に西洋化しナショナリズムへ走り軍事国家へと変化し始めた日本に対する厳しい批判と警告に溢れていた。

    彼の祖国を支配していた大英帝国の醜さを目の当たりにしているタゴールは、誇り高き文化を誇る日本が西洋の猿真似をしている、と強く批判。
    しかし彼の批判、警告は普遍的なものでもある。
    近代化という道は自己を破滅させる、憎しみを他者に押し付けても必ず自分に戻って来る。
    アジア初のノーベル賞を受賞した彼は東洋の力を信じていた。
    東洋の力とは、西洋のような技術的なモノを使う力ではなく、東洋哲学という力、和を愛する力。
    曇りの日でも太陽はずっとそこにあるように、東洋の力は強く輝き続けると。

    日本語では見つけれれなかったけど100年以上前のものだしネットではどこかで読めるかも?
    英語でも難しくはないです。
    短い文章ではあるけれど非常に率直で意味のある一冊。

    (講演だけどエッセイのカテゴリーに)


    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Spirit of Japan” Rabindranath Tagore (1916) Review | Short but meaningful
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    The Spirit of Japan a Lecture (Classic Reprint)


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  • 『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 感想 | シッキム王国の歴史と魅力

    『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 感想 | シッキム王国の歴史と魅力

    🔽 基本情報 🔽
    Sikkim
    Requiem for a Himalayan Kingdom
    Andrew Duff, 2015
    (シッキム ヒマラヤ王国へのレクイエム)
    アンドリュー・ダフ
    320 pages
    2023.01 読了
    日本未出版
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    シッキム王国がインドに吸収される前の数十年を詳しく書いたシッキムの歴史の本でありながらも、その最後のチョギャル(王様)であるトンドゥプ・ナムゲルのストーリー。

    シッキム、現インド シッキム州はネパール、ブータン、チベットなどに囲まれたヒマラヤ山脈の東に位置するエリア。
    地形的に厳しいエリアでありながらも重要な国々に囲まれた特殊な地理もあり、17世紀からはチベット系の王チョギャルが治めていて、1975年にインドに吸収される。

    知れば知るほど面白くて仕方がないのです。
    この本のスコットランド人著者は、幼い頃に祖父が語ってくれたシッキムに憧れ、ついにその地を訪れる。
    ペリンの町の外れにあるペマヤンツェ寺院で、ちょっと変わったに僧に出会い、お前はシッキムの何を知っているんだ、と言われ、ある本を渡された。
    そこから彼の本格的な研究が始まる。
    その僧こそ、当時国王の側近であった人物であり、その本が最近私もやっと読めた本Smash and Grabなんですね。

    ヒマラヤの文化が集中しているシッキム、元は現地民が住んでいたけれど、チベット系の王ができたことで文化的に仏教中心になっていって、でも19世紀ごろからは大英帝国も入り込んできて、農業改革を行うに当たり、歴史的にも敵対していたネパール人をシッキムに移住させる。
    チベットや中国が権利を主張するもイギリスの保護国となったシッキム、インド独立後はその権利を引き継いだインドの保護下になるも、最後のチョギャル、トンドゥプ・ナムゲルの方針はシッキム独立であったため、ネパール系に多かった親インド派と国内で対立が続き、親インド派を手懐けたインドの後押しで王政は崩壊、あっというまにインド軍に囲まれ、アメリカに亡命。
    と、簡単な歴史はこんな感じで、この本は最後のチョギャルに焦点を置いたものでありながら、前後の流れもわかりやすい。
    インド、中国、イギリスと巨大な権力がこの小さな王国の上で渦巻いている。
    自分の王としての権利にしがみつき、若いアメリカ人の王妃(東洋のグレース・ケリー)に操られているんだ、出来損ないの政治家だ、と色んな意見はあるけれど、結局のところシッキム王国に何ができたか。
    インドの手下となったネパール系の反対派との動きの詳しい本はこちら。
    “Smash and Grab” Sunanda K. Datta-Ray 1984 >>

    インドとなった現在もインドからシッキム州に行くには検問を通ります。
    私は2023年に行ったけど、外国人は要ビザ。
    シッキム州でシッキム人以外が不動産を買ったりビジネスを始めるのはかなり困難。
    面白いのは、18世紀から圧倒的にネパール系が多いのに、観光地も含め主要な寺院はチベット仏教系。
    自然が豊かなので次回行くときはぜひもっと北部に、それこそこの著者が訪れたペリンに。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Sikkim, Requiem for a Himalayan Kingdom” Andrew Duff (2015) Review | Fell in love with Sikkim
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  • 『落日燃ゆ』 城山三郎 1974年 感想 | 東京裁判

    『落日燃ゆ』 城山三郎 1974年 感想 | 東京裁判

    🔽 基本情報 🔽
    落日燃ゆ
    城山三郎 1974
    464 pages
    2024.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    東京裁判にて死刑を受けた、唯一軍人ではなかった元総理、元外相の広田弘毅の一生。
    知らなかった。

    福岡の石屋に生まれ、苦学の後に総理大臣にまでなる彼は、外交官として戦争を始めないように努力した人物。
    でも当時の日本人の官僚つまり軍人を押さえることができず結局は自らも認めるよう、戦争を阻止できなかったという罪によって、死刑。

    平和へのどんな苦労も、結局はノリに乗った軍人の前では無駄で、さらには勝利を手にしたアメリカ人に対しても無駄である。
    さらにさらに、当時の日本政府だって、戦後のゴタゴタでそれどころではない。

    歴史は勝利したものによって書かれるとは正にこの事で。
    今の世界の傾向を見ていても考えさせられる所が多い。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "War Criminal" Saburo Shiroyama (1974) Review | Tokyo Trial
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  • 『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

    『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

    🔽 基本情報 🔽
    Power, Politics and Culture
    Interviews with Edward W. Said, 2001
    権力、政治、文化
    エドワード・W・サイード発言集成
    アメリカ
    512 pages
    2024.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エドワード・サイード教授とのインタビューや彼の発言を集めたもの。
    第一部は文化的な分野、つまり文学、音楽、芸術などに焦点を置いたもので、第二部は政治的な内容の2つのセクション。
    私にはそういうクラシックな教養がないので前半はわかりにくかったというのが正直な感想。
    でも後半は違う。パレスチナ、ガザで起きていることを知らない人はいない。
    彼が何十年も訴え続けたパレスチナの二国家解決は利己的な権力者に継続的に否定され、いま現在、常識的にありえないはずのパレスチナ人のジェノサイドが私達の目の前で起こっている。

    彼自身は自分を救いようのない楽観主義者と呼んでいた。
    一部の人間は彼を敵とみなしテロリストとも呼んでいた。
    しかし世界中の多くの人間は彼の情熱的なヒューマニズムに心を打たれた。
    イスラム教を崇めるわけでもなくユダヤ教を否定するわけでもない。
    彼がとても人間らしいのは、人間は矛盾していることを理解し、それでも互いに寄り添うことを目指したということ。

    キリスト教徒パレスチナ人。
    典型的なアラブの植民地主義的なクラシックな教育を受け、長年コロンビア大学で英文学と比較文学を教えていたサイード教授。
    世界中で何らかのリベラルアーツ、一般教養を学んだ人間には、彼の唱えたオリエンタリズムはあまりにも有名。
    教育の場以外でも生涯をかけてイスラエルとパレスチナの共存を訴え続けた。
    二国家解決以外はありえない、もう誰も覚えていない歴史や神話に執着せず、今現在その土地に住んでいる人の暮らしを尊重するしか道はない、そうすれば共存はできる、と。

    アメリカの問題は、その昔誤ってアラブを野蛮なテロリストだと位置付けしたあと、その間違いを認めずに野蛮人として描写することに意地になっていることだと。
    そしてもちろん、イスラエルがガザを侵略することによって膨大な利益を受けていることも知らない人はいない。

    サイード教授が亡くなって20年ちょっと。
    憎み合うことが当然という社会で生きてきた人々にとっても彼は大切な灯火であり、憎しみを利用する政治家にとって彼は敵だった。
    それでも訴え続けた人生のまっすぐな言葉がこの本に詰まっている。

    「イスラエルだってパレスチナ人を永遠に邪険に扱い、その存在を永遠に否定し続けることは不可能だ。パレスチナ人を完全に抹殺することはありえないんだから」
    世界中が見ているなかで正にそのありえないことが起きている。
    彼のような人間味の溢れた知識人の声はもう届かないのだろうか。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Power, Politics and Culture, Interviews with Edward W. Said" (2001) Review | Coexist
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    権力、政治、文化(上) エドワード・W・サイード発言集成


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  • 『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 感想 | 5つのアジア分離独立

    『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 感想 | 5つのアジア分離独立

    🔽 基本情報 🔽
    Shattered Lands
    Five Partitions and the Making of Modern Asia
    Sam Dalrymple, 2025
    シャタード・ランド
    5つの分離独立と現代アジアの誕生 (日本語訳なし)
    サム・ダルリンプル
    528 pages
    2025.09 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    現代アジアを造り上げた分離独立、パーティション。
    その背景は日本人だけでなく、当事者のインド周辺の現地の人にも、英国人にも世界中でも知られていない。
    バングラデシュ、ミャンマー、カシミヤ、そういうニュースで見る地域の問題は、自然発生したものではなく、もちろん現地の人が単純に暴力的だからでもない。
    何事にも理由がある。

    日本での第二次世界大戦の終戦日のぴったり2年後、インド帝国が英国から独立。
    それは有名だけれど、そのインド帝国、つまり現在のイエメンからミャンマーまでの壮大なエリアがその前後にどう分けられていったかはあまり知られていない。
    というか、イエメンからミャンマーまで、その間に現在のカタール、アラブ首長国連邦、ブータン、など無数の藩王国があったのすら知られていない。
    5つの分離、つまりミャンマーの独立、アラビア半島の独立、インド・パキスタン分離独立、印パによる500ほどの藩王国の吸収、バングラデッシュの独立。

    「知られていない」と繰り返し書いているけれど本当にそうなのだから仕方がない。
    英国はインド帝国の利益によって支えられていたけれど、大英帝国の人口は当時の世界の人口の25%!
    戦争により経済が崩れ世界の4分の1の人口を支えきれなくなった英国はできるだけ早く撤退することをモットーに、アジアなんて行ったこともないロンドンの役人が駆り出されどんどん地図上に線を引いていき、しかもインド帝国に借りていたお金もほぼ無視で、しかも「せっかくなら日本を敗戦させた8月15日に独立させよう」と言い出し、十分な準備もなく独立。大英帝国といえば、どこにいっても嘘をつき続け、右に左に騙し続け、最後は自分の手は汚さずさっさと逃げ出す、いつも同じパターン。
    私もそこは知っていた。エリザベス女王の旦那フィリップ殿下の叔父、インド総監マウントバッテンの当時の適当さも知っていた。そこまでは有名。
    それ以外のすべてが「知られていない」、知らなかった。

    Shattered Lands、粉々になった土地、というタイトルの通り。
    戦時中にまずミャンマーが分離。(しかも当時ミャンマーの現ヤンゴンが世界で人の出入りが激しい港、つまりニューヨークなんか追い越した大都会だったと。なんと。)
    当時人口の16%いたインド系の人間はミャンマー人じゃない、と追い出される。
    この本は5つの独立分離について非常に詳しく描かれているけれど、5つとも現地の人々の反応、待遇、対応、残酷さはすべて似ている。
    民族や宗教の枠を超えてコスモポリタンな社会に生きていた人々。
    今まで近所付き合いのあった人びとが突然、民族が違うから、宗教が違うから、という理由で追い出し合い、憎み合い、殺し合う。
    その度に何百万という人間が新しく引かれた国境を超え、もちろん多くは難民となり、少なくない数の人が虐待、強姦、そして殺された。
    粉々になった土地、ばらばらに引き裂かれた人々。
    カシミア紛争を含むインド・パキスタン情勢、ロヒンギャ難民問題などその多くは解決していない。
    他のところで聞いたことだけど(彼のお父さんのポッドキャストで)、この時代を生きた人は、それこそ戦争に駆り出された日本のおじいちゃんたちもそうかも知れないけれど、多くを語りたがらない。
    彼らはその恐怖と過ちと恥を墓まで持っていくつもりで口は開かない。
    その子どももなんとなく聞きづらくて追求しない。
    でも今、孫の代になって初めて真相が明らかになっているという現象が起きているらしい。

    細かく言うと色々とあるんだけど、それはいつかきっとこの本が日本語に訳され日本でも多くの人の手にわたることを願い省くとして(ミャンマーには日本もかなり関わってきます)、全体として印象深かったのは、分離独立前は各々の地域によって生活習慣も違っていたのに、セキュラ―な社会、非宗教的な社会だったということ。
    完全に平和かといえばそうじゃなかったにしてもギリギリのバランスは保たれていた。
    それが突如、超宗教的で、国民主義的、ナショナリズムに走ったはっきりいって差別的で軍事的で暴力的な社会を次々と生み出してしまった。
    英国の下で植民地化された社会が良いとは言えないけれど、じゃあ紛争のないアジアを目指したとき、人々はセキュラ―であることを目指し宗教や伝統を蔑ろにしたほうがいいのか。
    共同体が与えてくれる安心感は過去の産物になるのか。
    伝統は狂暴なのか。

    この本には毎ページに驚きが隠されている。
    素晴らしい歴史本は大概まるで物語を読んでいるように感じるけれど、この本もそう。
    28歳の著者サム・ダルリンプル氏はヒューマニズムに溢れ人間的で、情熱を持った人物だと言うのが手に取るようにわかる。
    これだけ残酷な歴史を語る本の中にも、それでも宗教の違う友人が命をかけて助け合った話をきちんと残してくれるし、彼自身も独立分離によって故郷に帰れない人の代わりに国境を超えて代理で会いに行くという活動もしている。

    もちろん父親がウィリアム・ダルリンプルということはプラスに働いているけれど、彼は20代にして初出版にして、もう自分の足で立っている歴史家の一人。
    インドでもダルリンプル親子がベストセラーのチャートにずっと上ってたし、インド史周辺はなかなか面白いことになりそう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Shattered Lands" Sam Dalrymple(2025) Review | Making of new Asia
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  • 『略奪の帝国』ウィリアム・ダルリンプル, 2019年 感想 | 暴力で制した東インド会社

    『略奪の帝国』ウィリアム・ダルリンプル, 2019年 感想 | 暴力で制した東インド会社

    🔽 基本情報 🔽
    The Anarchy
    The relentless rise of East India Company
    William Dalrymple 2019
    略奪の帝国 東インド会社の興亡
    ウィリアム・ダルリンプル
    576 pages
    2024.08 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最高な一冊。歴史本で私の中では最高峰。
    まさにずっと気になっていたトピック、どうやって小さな島国イングランドが巨大で裕福な亜大陸を植民地化することができたか。
    
    簡単に言えばつまりはムガール帝国がライオンで、東インド会社はハイエナというところ。
    裕福な帝国ムガール帝国が少し崩れてきたところに、無作法でアグレッシブで便乗主義者で嘘つきで自分勝手で成金趣味の数人の商人が行った、自分の利益のためだけの略奪。自国英国の政府にも王室にも逆らって。
    つまり、現地インドの帝国も自国の王室をも無視した無政府主義(Anarchy)の一企業による略奪の歴史。
    
    東インド会社は商人としてではなく、ひたすら暴力と嘘で財力を得て、結局はイギリスの経済はこのチンピラ集団が治めるインドなしでは維持できなくなり、英国王室も危機を感じ会社を国営化、そして英国は引き継ぐ形でインドを植民地化する、というのが歴史の流れ。
    
    事実は小説よりも奇なり、歴史はフィクションよりも面白いとはこのことで、しかもダルリンプル氏の手にかかればドキドキハラハラの壮大な物語のようにあっという間に読んでしまう。
    
    彼の情熱的でヒューマニズムに溢れた文章は、この本をただの歴史本ではなく力強い文化財に変えてしまったと言える。
    
    この本はインド国内の、今まで誰も見ていなかった資料を引っ張り出して整理することできちんと整理された実際に起きたことを細かく伝えてくれる。
    そして事実は厳しい。
    特に大英帝国は華やかで誇らしいものだと学校で教えられてきたイギリス人にとって、史実は目を向けたくなるもので、実際にダルリンプル氏はイギリスの右派からイギリスを貶すなと批判されまくり。
    
    特に気になった人物はウォーレン・ヘースティングズという、ベンガル知事、初代インド総監。
    通常東インド会社の社員はインド文化には興味がないなか、彼は唯一インドの言語、芸術、文学を愛した珍しい存在。
    ただ、いつの時代もそういう繊細でまともな人は貪欲な組織の中で叩かれる。
    
    で、ダルリンプル氏のファンになり、ポッドキャストも全部聞いてます。
    スコットランドの貴族の家系に生まれ、先祖がよく歴史上の出来事に出てくると苦笑し、裕福な子供時代を過ごすも中東の歴史や文化に惹かれ、現在はデリーでヤギと農場で暮らしている彼。
    最近は特に、イギリスの学校はイスラエル、パレスチナ、中東全般の間違った歴史を教えていると声を上げている。
    (ちなみに彼の息子のサム・ダルリンプル君の本を現在読んでるけど、息子もきっとお父さんと同じ道を進んでくれるだろう)
    
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Anarchy" William Dalrymple(2019) Review | A gang of thugs

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    略奪の帝国 上: 東インド会社の興亡


    略奪の帝国 下: 東インド会社の興亡


    The Anarchy: The Relentless Rise of the East India Company (English Edition)



  • 『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 感想 | 暴力な世界の中の美しい物語

    『Afterlives』 アブドゥルラザク・グルナ, 2020年 感想 | 暴力な世界の中の美しい物語

    🔽 基本情報 🔽
    Afterlives
    Abdulrazak Gurnah, 2020
    アブドゥルラザク・グルナ
    288 pages
    2024年7月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    戦争や植民地化という残酷で暴力的な環境の中で語られる美しい物語。

    人々の生活や愛情は、戦争という外部の環境によってボロボロに破壊されるということを忘れてはいけない。
    アフリカの人々の人生は、ヨーロッパ人が勝手に始めた戦争、つまりアフリカに住む人々とは全く関係のない殺し合いビジネスによって左右される。
    それでも彼らは確実に自分たちのものである小さな幸せや悲しみをしっかりと握りしめる。
    そんな狂暴な環境でも、植民地主義上の植民者と先住民でありながらも少しマジカルなでも一人間同士の関係も描かれていて少し希望を持つこともできる。

    2021年ノーベル賞受賞


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Afterlives" Abdulrazak Gurnah (2020) Review | A beautiful story told in a cruel and violent environment
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    Afterlives: By the winner of the Nobel Prize in Literature 2021



  • 『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー, 1719年 感想 | 主人公がとってもイギリス人

    『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー, 1719年 感想 | 主人公がとってもイギリス人

    🔽 基本情報 🔽
    Robinson Crusoe
    The Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoe
    Daniel Defoe, 1719
    ロビンソン・クルーソー
    ロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険
    ダニエル・デフォー
    384 pages
    2024年6月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    古典を読んでいた時期に、旅行記の古典といえば。
    この主人公がとってもイギリス人なのが面白い。
    整理整頓を心がけ、この野蛮な地を絶対に(イギリス的な)我が家にしてやる、と奮闘し誇りに思っている。

    あたかも本当の自伝と思わせるように、口語的な英語でしかも語り口は一人称で「本人自筆」とまで書いてある。
    もちろんフィクションだけど当時はこの手法でかなり売れたよう。

    この時代の小説なので植民地主義的、人種差別的な内容は避けられないけれど、良いキリスト教徒としてクルーソーはそれなりに現地人フライデーと打ち解けているのも忘れてはいけない。
    今振り返って良い悪いはあるにしても、300年前に書かれた素晴らしいストーリーであることは否定できない。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Robinson Crusoe" Daniel Defoe (1719) Review | Classic of classics
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    ロビンソン・クルーソー (福音館文庫 古典童話)




    Robinson Crusoe (Oxford World's Classics) (English Edition)



  • 『シルクロード全史』ピーター・フランコパン, 2015年 感想 | 世界史に興味を持つことになった原因の一冊

    『シルクロード全史』ピーター・フランコパン, 2015年 感想 | 世界史に興味を持つことになった原因の一冊

    🔽 基本情報 🔽
    The Silk Roads: A New History of the World
    Peter Frankopan, 2015
    シルクロード全史: 文明と欲望の十字路
    ピーター・フランコパン
    657 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンで見る
    
    
    
    
    

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エピック。大作。間違いなく歴史本の歴史を変えた。
    シルクローズ(複数形のRoads)というタイトルでまず分かるように、シルクロードは一つではないという大前提を投げつけてくる分厚い600ページ超えのいわゆるマイナーな国々の歴史の本なのに退屈じゃない。
    むしろ内容そのものと語り口にエンターテインメント性が出ていて巨大な小説を読んでいるかのよう。

    著者フランコパンのポッドキャストも聞くけど、彼は偏屈者っぽい奴なんだけど言い分は筋が通っていて、事実に極端に忠実なだけな人。
    でも大真面目で逆に面白いというギャップもあって、耳で聞くのも楽しい。

    中東と呼ばれるエリアがいかに歴史豊かで多様性に富んだ素晴らしい伝統をもっているか、そしてヨーロッパはいかに欲深く宗教を言い訳にこの豊かな地を破壊したか。
    そして今日、古いヨーロッパに変わってアメリカ帝国が彼らの謳う自分勝手な民主主義を武器に更に追い打ちをかけているか。
    中東、アラブがあたかも石油の成金かのように世界の目を欺きたい欧米は、もちろんこのシルクロードの歴史は隠し通したい。
    ひょっとしたら、ただ単にヨーロッパ、アメリカの帝国主義の終わりなだけなのかもしれない。

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    English review
    "The Silk Roads" Peter Frankopan (2015) Review | History book that changed my history

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    シルクロード全史 上: 文明と欲望の十字路





    シルクロード全史 下: 文明と欲望の十字路



    The Silk Roads: A New History of the World (English Edition)



  • 『The French art of tea』 Mariage Frères, 2006 感想 | マリアージュフレールの歴史とカタログ >>

    『The French art of tea』 Mariage Frères, 2006 感想 | マリアージュフレールの歴史とカタログ >>

    🔽 基本情報 🔽
    The French art of tea
    Mariage Frères, 2006
    L’Art Français du Thé
    104 pages
    2024年6月 読了
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    The French Art of Tea

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    マリアージュフレールという日本にも支店のある創業1854年のパリのお茶屋さんが出している本、兼カタログ。
    前半は簡単にだけど歴史や伝統、お茶の地理などがある。
    例えば日本では鉄瓶でお茶を淹れるとか、たまに内容は怪しいけど(急須だよねー)その内容の正確さは当てにならなくても、フランス人がお茶、紅茶の価値をどう思っているかがわかる。
    つまり、フランス人にとっての茶は植民地時代の華やかな歴史を物語るものであり、その東洋のエキゾチックさというのが魅力であるわけで、書いてある文章の向う側にあるものが面白い。
    「道は狭く急だったので茶の箱は現地民の青年が担いで運んだ」ことが恰もそのお茶の価値であるかのような、オリエンタリズム全開で100年前に書かれたのかなと思うほど。
    後半はカタログと製品説明。
    紅茶はよく買うのですが、まあそういう視点が売りなので仕方ないのかと。

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    English review
    "The French art of tea" Mariage Frères (2006) Review | History and catalogue

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    The French Art of Tea



  • 『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 感想 | カリンポンの歴史とキリスト教

    『”Chasing a blazing fire in the Himalayas”』 Anmol Mukhia, 2020年 感想 | カリンポンの歴史とキリスト教

    🔽 基本情報 🔽
    Chasing a blazing fire in the Himalayas
    A brief sketch of the (un)noticed Kalimpong Pentecostal revival
    Anmol Mukhia, 2020
    146 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    雰囲気で買ってしまったけど、前半は良かった。
    カリンポンはインド北東部の西ベンガル州の北部、ダージリン近くの街。
    ここは英国人が紅茶栽培で住み着いて以来キリスト教布教が盛んで、当時はインド全土にいた英国人が子どもをカリンポンやダージリンのキリスト教系の学校に送っていた。
    なのでそこまでは知っていたけれど、この本は特にペンテコステ派とカリンポンの繋がりについて詳しく書いてある。
    そう、前半は。
    最後の方になると、トーンが変わって良いキリスト教徒になるには、という結論で終わる。
    タイトルともカリンポンの街とも関係ない説教で終わるので、かなり飛ばしながら読んだけど、最初が面白かっただけに残念。

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    English review
    "Chasing a blazing fire in the Himalayas" Anmol Mukhia, 2020 Review | History of Kalimpong's Christianity
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    Chasing A Blazing Fire In The Himalayas (English Edition)



  • 『最初の人間』アルベール・カミュ, 1994年 (1960年) 感想 | 未完成という完全

    『最初の人間』アルベール・カミュ, 1994年 (1960年) 感想 | 未完成という完全

    🔽 基本情報 🔽
    The First Man
    Albert Camus 1994 (1960)
    Le Premier homme
    最初の人間
    アルベール・カミュ
    282 pages
    2024年5月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    1960年に事故で亡くなったカミュのカバンにあった未完成の原稿が1994年に未完成のまま出版される。名前や詳細が噛み合っていないのもその生々しさを語る。
    半分自伝、半分小説、未完成、でも完全に心惹かれる。

    アルジェリアに住んでいたときの貧しい生活、でも母、祖母、叔父への愛に溢れていた。
    フランスとアルジェリアという2つの国に引き裂かれた生活には父親がいない、家族の伝統もない、信頼できる人も、自分を育ててくれる確かな存在も、なにもない。
    そんな時に小学校の先生に出会う。

    時に家族や血縁で繋がっていない人が、その溢れる愛情をもって育ててくれることがある。
    この先生がカミュの人生にとってかけがえのない人だったことがよく分かるくらい感動する章。
    そして彼は恋に落ちる - がそこでこの物語は途切れてしまう。
    確かに傑作になっていたと思う。
    愛だろ、愛。

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    English review
    "The First Man" Albert Camus, (1994 /1960) Review | Half biography fully touching
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  • 『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 感想 | 共有できる価値観を見つめる

    『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 感想 | 共有できる価値観を見つめる

    🔽 基本情報 🔽
    (人類学者のように考える)
    Think Like an Anthropologist
    Matthew Engelke 2017
    マシュー・エンゲルケ
    368 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    昔からアンソロポロジー人類学に興味があったけど、まさにこのこと。
    人類学とは、その土地の現地の人の視点から世界を見る学問。
    我々はみんな違う。
    ヨーロッパの都市に住む人とポリネシアの小さな島に住む人は、違う。
    でもそれは生物学的に違うとか、能力の点から違うとかそういうことじゃない。
    そして決して「未開発」であったりとか「野蛮」ではない。
    むしろ植民地主義の奴らのほうが野蛮で人として未開発。

    抑えきれない好奇心から始まり、居ても立ってもいられずに現地へ向かい、そこの現地人、地元の人と共に過ごし、彼らのように考え彼らのように物事を正当化する。Critical Thinking批判的思考は忘れずに。

    私の興味が心理学から人類学に広がったのは人類学は人間が共有できる価値観を見つめる学問だから。
    その価値観は古臭いかもしれない、でもそれなしでは生活できない共同体としての価値。わたしたちはそんなに新しいタイプの人類ではないはず。

    ペリカンのこのシリーズもっと集めたい。

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    English review
    "Think Like an Anthropologist" Matthew Engelke (2017) Review | We are all different yet not that different

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    Think Like an Anthropologist (Pelican Books) (English Edition)




  • 『美は傷』 エカ•クルニアワン, 2002年 感想 | その地に宿る魂の苦しみ

    『美は傷』 エカ•クルニアワン, 2002年 感想 | その地に宿る魂の苦しみ

    
    
    
    
    
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    Beauty is a wound
    Cantik Itu Luka
    By Eka Kurniawan, 2002
    美は傷
    エカ•クルニアワン
    原語=インドネシア語
    読了=英語訳
    480 pages
    2024年4月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    インドネシアの町に死んだはずの売春婦の女性が戻ってきた。

    強く美しい女たちの物語は、いつも男たちによって泥沼にされる。
    その地に宿る魂の苦しみ、植民地としての過去、蔑ろにされる女性の尊厳、生きていくための手段。暴力と愛と呪い。なるほど、マジカルリアリズム。

    女性は自分の美しい娘の成長した姿を確認するまでは死ぬに死にきれず、唯一の醜い娘の幸福を確信する。だって外見の美しさは歴史、人種、宗教や政治、権力を越え、その子の人生の傷でしかないから。

    自分は何とか生き抜いた、でもそれぞれの子にそれぞれの苦しみと呪いがある、まるでマルケスの百年の孤独のような何代にも渡る一族のストーリーを、痛々しくリアルに描く。

    この物語はインドネシアだからこそ生まれてきた物語であり、世界中の人の心を揺さぶった。
    一度ページをめくったらやめられない、強く生きる女たちの壮大な物語。

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    English review
    "Beauty is a wound" Eka Kurniawan (2002) Review | Mix of history, religions, power, and abuse


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  • 『(茶:世界を変えた飲み物) 』ジョン・グリフィス, 2007年 感想 | 生真面目さのお陰で詳しい本

    『(茶:世界を変えた飲み物) 』ジョン・グリフィス, 2007年 感想 | 生真面目さのお陰で詳しい本

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    Tea, the drink that changed the world
    (Tea: A History of the Drink That Changed the World)
    By John Griffiths, 2007
    373 pages
    2024年2月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    お茶の本というのはとりあえず買う、というのが私の方針です。これはダージリンの街の中心の本屋で買った思い出の本。
    どの紅茶が美味しいとか分類とかそういうことじゃなく(日本はそういう本が多い)、お茶のその興味深く残酷な歴史の本もたくさんある。でもこれは少し違う。

    「世界を変えた飲み物」まさに。欧州人は東アジアのお茶に憧れ、南アジアを人工的に産地にし、中国を滅ぼし今はアフリカでもっと安く作っている、お茶。

    お茶、紅茶について、その全てが書かれている本。
    著者はお茶の農園をやっていた英国人の息子で政治家ということもあり、内部事情にかなり詳しいし何よりも政治的な面やきちんと数字に表すという面が特徴的。
    どの時代にお茶が何トン売れたか、値段の変動は、とか。

    お茶の文化や大変な歴史、そして当時の英国の政情、ここではそういったのも含め観点、テーマごとにまとめられている。
    本の中でその分類の仕方が分かりにくいところもあったけど、それだけ広い視点から書かれているということ。

    ワイン学なんかでも英国人が強いのと同じでここでもその生真面目な英国人さが出ている。でもワインよりももっと英国人の心とプライドの近くにいるもの、それがお茶。

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    English review
    "Tea, the drink that changed the world" John Griffiths (2007) Review | Tea, very close to the hearts and pride of British
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    Tea: The Drink That Changed the World




  • 『わたしたちが孤児だったころ』カズオ・イシグロ, 2000年 感想 | 事実は本当に事実なのか

    『わたしたちが孤児だったころ』カズオ・イシグロ, 2000年 感想 | 事実は本当に事実なのか

    🔽 ログ 🔽
    When We Were Orphans
    Kazuo Ishiguro, 2000
    わたしたちが孤児だったころ
    カズオ•イシグロ
    2025年7月 読了
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    ミステリー好き、そしてカズオイシグロは切ないけど優しい気持ちになれる
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    カズオ•イシグロ作品ということは文体が美しい、というのは期待どおり。彼の作品はいつもノスタルジアが漂っているけどこの本はノスタルジアこそが大きなテーマ。
    主人公クリストファーは上海での少年時代いつも友人のアキラと遊んでいた。楽しい優しい思い出。
    その後イングランドで有名な探偵となった彼はやっとあるミッションのために上海へ戻る。両親を見つけるために。

    作者はきちんと順序追っては説明してくれない。どこまでが事実でどこからが想像か。
    クリストファーは上海の街を目隠し状態で動き回る。
    固く信じている事実は本当に事実なのか。
    さすがカズオ•イシグロ。

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    English review
    "When We Were Orphans" Kazuo Ishiguro (2000) Review | Tender memories, are they?
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    when we were
    わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Kindle版
    
    
    
    



  • 『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 感想 柔らかい気持ちが長く続く

    『Small Worlds』 ケイレブ・アズマー・ネルソン 2023年 感想 柔らかい気持ちが長く続く

    🔽 ログ 🔽
    Small Worlds
    Caleb Azumah Nelson, 2023
    ケイレブ・アズマー・ネルソン
    256 pages
    2025年5月 読了
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    移民の集まる南ロンドンカルチャー好き、90年、2000年の音楽好き。
    


    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    今人気の最近の小説をまとめてロンドンで買った中の1つ、なので相変わらず内容も知らないまま購入。でもそれがよかった。

    とても詩的。パッと表紙を見ただけでは予想できない雰囲気。
    表紙のエッジーな雰囲気は背景で、移民、黒人文化、南ロンドン、音楽、そういうものからは暴力的で騒がしいものを連想するけど、でもこれはそういう社会の渦の中にある、彼らの住む小さなスモールワールド。
    愛情に溢れ、優しさに包まれ、自由、家族、夢や悲しみの小さな世界。

    主人公は幼馴染みをひたすら想い続け、保守的な父親との関係に苦しむ、つまり誰もが共感できる誰もが住んでいる各々のスモールワールド。

    背景に聞こえるリズムと静かで深い愛、読み終わったあともその柔らかい気持ちが長く続く。
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    English review
    "Small Worlds" Caleb Azumah Nelson (2023) Review | Tender feeling of understanding and belonging
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    Small Worlds



  • 『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 感想 | シッキム王国の壮絶な歴史

    『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 感想 | シッキム王国の壮絶な歴史

    🔽ログ🔽
    Smash and Grab
    Annexation of Sikkim
    Sunanda K. Datta-Ray, 1984
    433 pages
    読了=2025年1月
    アマゾンで見る
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    何年も探した結果やっとデジタル本で友人に送ってもらった。結局紙媒体の本はインド政府に出版停止された本なので、探してもない。
    いやというか発売禁止にすると余計に盛り上がるから、印刷停止命令を出したそう。結果は同じこと。
    (追記;アマゾンで今年2025年から電子書籍として入手できます。リンクは↓)

    別のシッキムについての本で完全に魅了され2023年にシッキムまで行きました。
    あの辺は本当に不思議。ヒンドゥー教徒が過半数なのに(ヒンドゥー教のネパール系は80%以上)、寺院は仏教のお寺が多い。

    インド政府が出版後にすぐ停止させた理由は良くわかる。
    これは絶対に読んでもらいたくない。

    チョギャル(チベット系シッキム国王)を個人的に知っていたジャーナリストが書いたいわゆる暴露本で、彼が聞いたこと、見たこと、交わした会話、肌で感じたこと、当時の新聞記事など、この数年間の様子がこと細かく記録されている。

    シッキム王国の歴史の基本的な知識がないとこの本は難しい。
    その歴史自体についてちょっと簡単にいうと。
    シッキムはインドの北東部、ネパール、チベット、そしてダージリンのあるインド西ベンガル州、ブータンと各国に囲まれている、すごい立地。ヒマラヤ山脈の麓で冬は厳しいけれど豊かな地。
    長い間チベット系をトップに現地民レプチャ族と静かに暮らしていたけど、英国の紅茶産業がダージリンで始まり、18世紀に働き手としてものすごい数のネパール人が流れ込んできて、上流階級が少数民族となり、大半を占めるネパール系が差別されるという不思議な形に。(これはいまでもグルカ運動が続いていて解決されていない問題)
    1947年インド独立時にダージリンやカリンポンなどはインド西ベンガル州になるが、シッキムはそのままシッキム王国を維持。
    チョギャルが若いアメリカ人女性と再婚し東洋のグレース・ケリーと話題になったことで知られているかも。

    シッキム王国がインド、シッキム州になったのは1975年。
    インドは英国の植民地主義に苦しみ、独立を勝ち取って30年もしないうちに、インド自らがシッキム王国を植民地化したわけで、この史実は非常に都合が悪い。
    嘘、マインドコントロール、偽りの約束、賄賂にフェイクニュースになんでもあれ。
    そして圧倒的で一方的な暴力。
    Smash=ぶち壊して、grab=奪え。
    道徳的にまずいことは全部あった。
    インドはメディアをコントロールしてシッキム国王を悪者に仕立て上げ、増え続けるネパール系と権力を持つチベット系の社会問題を悪用し、慎んだ生活をしていた人々を騙して、インド側は見事に嘘に嘘を重ね、反対派を暴力で押さえつける。
    ふと気がつけば、シッキム国民たちは自分達が進んでインドに吸収されることを望んでいるかのようになってしまい、最後はインドが軍隊を送り込み、あっという間に国はなくなった。
    まさに植民地主義の鏡の様なやり方。少数の外国人が強すぎる権力を振りかざす。
    インドの政治は複雑で私は勉強不足の部分も多かったけど、それでもあからさま。
    シッキム国王は確かにネパール系を差別していたけれど、シッキム王国内で解決方法はあったかもしれない。
    でも、それでも、インドはシッキム王国のあの立地が欲しかった。数年かけて重要人物たちを手懐け、確実にインドのものにしたかった。
    どんな手を使ってでも。
    このインドの暗い現代史を今のインド人はどこまで知っていて、どう思っているのか。
    多分知らない。シッキム国民たちは自らの意思で正当な方法で素晴らしい国インドの一部になれた、と教えられているから。


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    English review
    "Smash and Grab" Sunanda K. Datta-Ray (1984) Review | A dynamic history of Sikkim
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    Smash and Grab: Annexation of Sikkim (English Edition)