★★★★★ やっぱり圧倒的な本だった。思想としての仏教はどう変わったかという問題に全身全霊で衝突していく。本来は言語化できないキーワード、そういうミッションインポッシブルを根気よくとことん掘り下げる。脳を刺激されまくり。
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超越と実存
「無常」をめぐる仏教史
南直哉, 2018年
256 ページ
2026.02 読了
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やっぱり圧倒的な本だった。
仏教のもろに内部の人であるお坊さんが、ブッダを始めとした内部の偉人がどう仏教に正面から向かい合ったか、2500年間どう考えられどう言語化してきたか、そして思想としての仏教はどう変わったかという問題に全身全霊で衝突していく。
読み終わることはできたけど私はまだそれぞれの思想は理解していない。
ブッダ、初期仏教の偉人たち、中国仏教の思想、そしてアニミズムの地日本にやってくるという壮大な流れのなかで、掘り下げられる「私とは」「生きるとは」「悟るとは」などの問い、そして思想として発展するなかで「本覚」「唯識」「縁起」「本願」などの本来は言語化できないキーワード、そういうミッションインポッシブルを根気よくとことん掘り下げる。
著者自身もあとがきで言うように、彼はやっぱり哲学者。
冒頭から自分は仏教の言説を完全には信じてないと言い放つし、全ての章を通して無防備に信じないという態度が徹底している。
曹洞宗の住職でありながら少し離れたところで正直に真面目に懸命に語られているので、こちらも誠意を込めて読む。
ただ、とてつもなく難しい。私にとっては。
何度もページを行き来し、眉間にシワを寄せながら、まるでマラソンを走らせられてるかのように、脳みその息が上がってる。
でも分からない。
例えば唯識思想とかアーラヤ識は今後本を何冊読んでも理解できるのか分からないし、本覚は分かった気にはなったけど本覚の感覚をこの自分が持ってみたらという想像もできない。
でも、なぜいま日本にこれほどの宗派がありそれぞれ根本的な考えが違うという事態の深さはちょこっと分かった、と思う。
今回は先に「日本仏教史」を読んでいたことが大きい。
あれで概要を予習できていたのでどっぷり哲学的でも生き延びれた。
しかし難しい本を読むと、難しいことの価値が身に染みる。
いまの時代どうしても分かりやすいことの価値が喜ばれるけれど、例えばここで次から次へと出てくる形而上学的な考えは分かりやすくはできないし、そのレベルまで自分を高めるという挑戦でもある。
もし環境が違っていれば私も阿弥陀さまにお念仏を唱える事を生活の一部にすることはありえたのか。
自我をとことん削って坐禅をすることもありえたのか、ありえるのか。
分からないけど、信じることができれば、その先にはきっといまの自分には見えない世界が見えるとは思う。
最後に書いてあった通り、老師のお寺の近所に住むおばあちゃんたちにこの哲学的な本は関係ない。
おばあちゃんたちの目の前には、月参りをしてくれるただ生身の方丈さん、お坊さんがいる、それだけ。
そういう感覚を大事にされているのが他の本やインタビューでもよく分かるので、南老師の本は今後も読み漁ります。
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『日本仏教史』 末木文美士, 1992年 感想 | 仏陀の教えをローカライズ
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