『(メアリ・シーコール)』 ロン・ラムディン, 2005年 感想 | クリミア戦線の看護婦 

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(メアリ・シーコール)
ロン・ラムディン, 2005年
Mary Seacole
Ron Ramdin, 2005
2020.07 読了
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ジャマイカ出身の混血の英国人の看護婦の伝記。
幼少期から医療や看護に携わるも混血であること、女性であることで大きく差別を受ける。
クリミア戦争のとき英国のボランティア看護師を志願するも、白人でないことでフローレンス・ナイチンゲールに拒否される。

それでも自分の経験と知識は役に立つと信じ、自費でクリミアに入り、ナイチンゲールたちが後方の安全なエリアで看護をしている中、戦場にかぎりなく近い場所で看護施設を設ける。
食堂のようなビジネスを立ち上げ資金稼ぎにするという偉業。
戦場で兵士にとってのくつろげる場所を提供し、その売り上げを兵士の身体的な傷を癒す。

拒否られようが差別されようが、とにかく怯まない、自分の能力を最大限に使って人を助けるために生きる、すごい。

英国人、白人である兵士たちを「息子たち」と呼び、彼らからも信頼され愛される存在になる、これはのちに彼女が破産したときに当時の兵士たちが助けたということでも証明されている。

逆に神経質で有名なナイチンゲールの暗い部分を浮かび上がらせる話でもある。
人手が足りないのに人種差別を優先したあとも、戦線で生き生きと兵士たちの心と体の看護に徹したシーコールを、兵士に酒を飲ませた、うるさい、と非難。
そして英国という国もシーコールの偉業を100年近く闇に葬り、ナイチンゲールのみを全面的に「天使」化した。

決して忘れてはいけないのはシーコールは「混血版ナイチンゲール」ではない。
彼女はメアリ・シーコールという一人の独立した英雄である。
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English review
“Mary Seacole” Ron Ramdin (2005) Review | Determination to help her "sons"
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