『白い人・黄色い人』 遠藤周作, 1955 感想 | 人種と宗教の境界線 >>

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白い人・黄色い人
遠藤周作, 1955
208 ページ
2020.01 読了
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キリスト教と人間の悪。

「白い人」
自らの醜さを理解し、親の教育をすり抜け、劣等感を超えての空想の優越感を覚える。
悪は普遍的であり、政治的であり、相手を潰す力を持つ。
ついに運命の時がやってくる。
級友を踏みにじることは全ての偽善者を踏みにじることであり、そしてこの娘を汚すのは全ての処女を汚すこと。
これは絶対的な神を持つ文化で生きる白人の道徳の中に沸き出す悪だという事だろう。
それを信じて耐える人間になるか信じずに悪に酔う人間になるか。


「黄色い人」
これは、ある意味もっと辛い。
著者本人の一番のテーマである「日本人のくせにキリスト教信者」の矛盾がもたらす醜さ。
戦争を生きる信者の青年は全てに疲れきっていた。
私たち黄色い人間には、貴方達のような白い人間が恐れる神を本当は信じられない。
私たち黄色い人間には、原罪はない、罪を背負って生きない、どうせ聖母マリアはこの国にいない。
今日は疲れた、明日行こう。
神を裏切った元神父はやっとこの国に住む黄色い人のその疲れた目に宿る真実に気づく。
生も死も恐れない、罪もない、一つの神を信じない彼らの世界では罪人もそのまま救われる。
自分たち白い手を持つ人間はこの黄色い人に近づくことができるのか。

「黄色い人」は信じるか信じないかの二択から解き放たれた人たちのただただ疲れた瞳、諦め、そして罪のない身軽さを描く。


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tag 宗教/Religion

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