★★★★★ 確かにズシンと重みがあって後味も悪い一冊。「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。多様性、言うは易し。結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。もし不特定多数の想像を超える欲望だったら?
🔽 基本情報 🔽
正欲
朝井リョウ, 2021
528 ページ
2025.10 読了
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確かにズシンと重みがあって、後味も悪い一冊。
なぜかと考えると。
やっぱり最大の理由はこの本にずばりと「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。
「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」
「あんたも都合のいい多様性だけには寛容なんでしょ」
「あんたも本当は人に言えないことあるでしょ」
多様性、言うは易し。
外国で暮らすと当然のことながら自分の価値観はマイノリティになる。
(価値観どころか自分の存在自体がマイノリティになるし、酷ければ虐げられるけど)
でも実は国境を越えなくても、じゃあ同じ町で生まれた人はみな同じ感覚か、教室ではみな分かち合えるのか、きょうだい間では。
そうつまり、理解してもらうことは超レア。
でも学校では日本は特に正しい答えを復唱することだけを教えられてきて、表面だけではみんな正常で安心して同じ製品として大きくなっていく。
人は自分と違うという意識がないので想像力が培われない。
ただし、根本的な欲望が人と違う人間の場合は別。
人と違う不良品と思い込んで生きていくしかない状況に陥りやすくなる。
結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。
主人公たちが実際に出会えた幸せというのは、本当は図りきれない奇跡。
人それぞれに興奮する対象が違うというのは当たり前で、人に言えないことがあるのも、程度や頻度は違ってももうここで人生終わりたいと思うことも当たり前。
人生で知らないことばかりなのも、ほとんどの場面で自分が間違っているのも当たり前。
つまりみんな正解のない中で生きているんだな、と分かれば自分も他人も楽になるのでは。
多様性は大事。
多様性のない社会は滅びます。
たぶんずっと正しい答えは見つからず、しかも現在正しいとされていても時代が変われば正義も変わるし、永久に議論は続くと思う。
でも議論ができるというのは違う意見が立場が存在するからで、社会はすこーしずつ良くなる。
つまり、たまには大声を出しあってでも議論が永久に続くことが少なくとも私たちができる最良な選択でもあるのでは。
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“(Ab)Normal Desire” Ryo Asai (2021) Review | You, too
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正欲 (新潮文庫 あ 78-3)



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