『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

🔽 基本情報 🔽
Power, Politics and Culture
Interviews with Edward W. Said, 2001
権力、政治、文化
エドワード・W・サイード発言集成
アメリカ
512 pages
2024.11 読了
🔽🔽 読書記録 🔽🔽
エドワード・サイード教授とのインタビューや彼の発言を集めたもの。
第一部は文化的な分野、つまり文学、音楽、芸術などに焦点を置いたもので、第二部は政治的な内容の2つのセクション。
私にはそういうクラシックな教養がないので前半はわかりにくかったというのが正直な感想。
でも後半は違う。パレスチナ、ガザで起きていることを知らない人はいない。
彼が何十年も訴え続けたパレスチナの二国家解決は利己的な権力者に継続的に否定され、いま現在、常識的にありえないはずのパレスチナ人のジェノサイドが私達の目の前で起こっている。

彼自身は自分を救いようのない楽観主義者と呼んでいた。
一部の人間は彼を敵とみなしテロリストとも呼んでいた。
しかし世界中の多くの人間は彼の情熱的なヒューマニズムに心を打たれた。
イスラム教を崇めるわけでもなくユダヤ教を否定するわけでもない。
彼がとても人間らしいのは、人間は矛盾していることを理解し、それでも互いに寄り添うことを目指したということ。

キリスト教徒パレスチナ人。
典型的なアラブの植民地主義的なクラシックな教育を受け、長年コロンビア大学で英文学と比較文学を教えていたサイード教授。
世界中で何らかのリベラルアーツ、一般教養を学んだ人間には、彼の唱えたオリエンタリズムはあまりにも有名。
教育の場以外でも生涯をかけてイスラエルとパレスチナの共存を訴え続けた。
二国家解決以外はありえない、もう誰も覚えていない歴史や神話に執着せず、今現在その土地に住んでいる人の暮らしを尊重するしか道はない、そうすれば共存はできる、と。

アメリカの問題は、その昔誤ってアラブを野蛮なテロリストだと位置付けしたあと、その間違いを認めずに野蛮人として描写することに意地になっていることだと。
そしてもちろん、イスラエルがガザを侵略することによって膨大な利益を受けていることも知らない人はいない。

サイード教授が亡くなって20年ちょっと。
憎み合うことが当然という社会で生きてきた人々にとっても彼は大切な灯火であり、憎しみを利用する政治家にとって彼は敵だった。
それでも訴え続けた人生のまっすぐな言葉がこの本に詰まっている。

「イスラエルだってパレスチナ人を永遠に邪険に扱い、その存在を永遠に否定し続けることは不可能だ。パレスチナ人を完全に抹殺することはありえないんだから」
世界中が見ているなかで正にそのありえないことが起きている。
彼のような人間味の溢れた知識人の声はもう届かないのだろうか。
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"Power, Politics and Culture, Interviews with Edward W. Said" (2001) Review | Coexist
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