『遠い山なみの光』 カズオ•イシグロ, 1982年 感想 | 普通の人の嫌味や僅かな悪意

a pale view of hills Ishiguro

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A Pale View of Hills
Kazuo Ishiguro, 1982
カズオ•イシグロ
遠い山なみの光
183 pages
2025年2月読了
🔽🔽読書記録🔽🔽
カズオ•イシグロの最初の長編小説。読んだのは2月だけどここを更新する7月にはちょうど日本の映画が公開されたばかり。

彼の物語の特徴である、すごく日本的でありながらもすごく英国的という点がよく出ていて、やっぱり彼のようにすごく上手に二つのセンチメントを操る人はいない。

イシグロ作品にはいつもちょっと普通の人の嫌みや僅かな悪意という隠し味がある。それって人間的でいたって当たり前。ここではサチコと娘の些細な狂気が常に漂っていて、そして周囲のお行儀の良い人たちの自分勝手さなんかがそう。

戦時中、戦後の空しさと苦しみ。過去と未来。女たちと後悔。女たちと終わるべき過去。
エツコは何度も自分の記憶の頼りなさをつぶやく。年老いて十分に苦労した自分をもう傷つけないために、思い出が曖昧になる。でもそれの何が悪いのか、彼女は十分に自分を苦しめた、ちょっと位曖昧にしたって、いい。

やっぱりイシグロ作品は面白い。静かでありながらしっかりと人間の内面をしぼりだしている。
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English review
"A Pale View of Hills" Kazuo Ishiguro (1982) Review | slight malice of "normal" kind people
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