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  • 『考えない練習』 小池龍之介, 2012年 感想 | 実践的な練習方法

    『考えない練習』 小池龍之介, 2012年 感想 | 実践的な練習方法

    🔽 基本情報 🔽
    考えない練習, 2012
    小池龍之介
    272 ページ
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    また変わり者のお坊さんの本。
    前に読んだ「こだわらない練習」と同じよう、実践的で具体的な練習方法があり面白い。
    仏教となると精神論かな、と構えてしまうけど、その逆というか、嫌な感じの理由や根元や何だろうと考えるんじゃなくて、そこに集中しないように意識をずらそうという話。

    例えば、嫌な音に嫌悪感を感じるのではなく、その音から意識をずらす。
    そのためには練習として普段からわずかな音にも注意を向ける。
    頭の中で考えるだけでなく、耳を使い、目を使い、考えるのでなく五感を駆使する。

    個人的には親切の話が面白かった。
    まさに、小さな親切大きなお世話。
    最後の脳研究者との対談も、仏教の自己を見つめるという観念と脳からの命令を見つめるということも、興味深い。

    結局回りを変えることも自分の脳をコントロールすることもできないんだから、集中する点を変えるしかない、自分のために。
    そしてそれは普段から練習できる。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Practice of Not Thinking” Ryunosuke Koike (2012) Review | Practical advices
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  • 『雪とけ柳 着物始末歴』 中島要, 2015年 感想 | 京都の老舗との過去

    『雪とけ柳 着物始末歴』 中島要, 2015年 感想 | 京都の老舗との過去

    🔽 基本情報 🔽
    雪とけ柳
    着物始末暦4
    中島要 2015
    Kaname Nakajima
    264 ページ
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    やっぱり面白い。
    一人一人のキャラクターがしっかりしていて、新しい事件が起きたり少しづつ彼らの過去が明かされたりして、ゆっくりだけどドキドキと次を読んでしまう。
    男前の着物始末屋の余一と京都の老舗の呉服店との過去、なんて気になってしょうがない。

    せっかく日本で2冊買ったのに、よく見ると2冊とも4卷だったので残念。
    またボチボチと集めよう。
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  • 『インド・闇の領域』 V.S.ナイポール, 1964年 感想 | 強烈な一冊

    『インド・闇の領域』 V.S.ナイポール, 1964年 感想 | 強烈な一冊

    🔽 基本情報 🔽
    An Area of Darkness
    V. S. Naipaul, 1964
    Sir Vidiadhar Surajprasad Naipaul
    インド・闇の領域
    V.S.ナイポール
    304 ページ
    2023.08 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ブッカー賞もノーベル賞も受賞した、インド系トリニダード出身のイギリス人の著者。

    ピンとこない人はこの意味が分かりづらいでしょうが、いわゆるクーリー貿易のあの流れで西インド諸島に渡ったインド人の孫。
    彼らはインド人の顔をしていてもインドを知らず、故郷トリニダードでは常に黒人から人種差別を受けるグループ。
    その孫の代で多くがイギリスに渡っていますが、故郷の観念が複雑なのです。

    さて、本題の本について。
    きっと、先祖の地インドにわたり、ダークネスの中にも神秘的な繋がりを見出す旅行記だと勝手に思っていたら、完全なる大間違いだった。

    どちらかというと彼自身が自分で内面的な旅をする中で、ただその背景にインドがあるというか。
    そして彼の描くインドは完全にネガティブ。
    きっと本人も精神的に参っていた時期なのだろうけど、とにかく残酷な表現。
    よく西洋人や裕福な人間がインドに行って貧困が美しい、神秘的だ、人生観が変わる、なんて言うけどそんな綺麗事は一切なし。
    彼の旅行記は、貧困の様子、貧しい人からの搾取、貧困の醜さ、無知の醜さ、人間から出てくる廃棄物をことごとく描く。
    インドでは発禁されていたそうだけど、それはそうだろう、こんな本が出回ったら旅行客は一気に減ってしまう。

    いよいよ祖父の故郷の村にいくシーンも読んでいて辛い。
    彼は義務感から行ったけれど、その貧しさ、人々の無知さに嫌気が差し、逃げるようにさっさと出ていく。
    この場面だけでもわかるように、とにかく不快な思いばかりだったようで、隠しもせずにここに表現されている。

    貧困は神秘的で美しいなんていう偽善者の顔をひっぱたくような、もっというとそんな偽善者に中指を立てるような、そんな強烈な一冊。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “An Area of Darkness” V. S. Naipaul (1964) Review | A slap in the face
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    インド・闇の領域


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  • 『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    『正欲』 朝井リョウ, 2021年 感想 | ズシンと後味も悪い

    🔽 基本情報 🔽
    正欲
    朝井リョウ, 2021
    528 ページ
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    確かにズシンと重みがあって、後味も悪い一冊。
    なぜかと考えると。
    やっぱり最大の理由はこの本にずばりと「あんたもそうなんでしょ」と言われているからだ。
    「あんたも気持ち悪いと思ってるでしょ」
    「あんたも都合のいい多様性だけには寛容なんでしょ」
    「あんたも本当は人に言えないことあるでしょ」

    多様性、言うは易し。
    外国で暮らすと当然のことながら自分の価値観はマイノリティになる。
    (価値観どころか自分の存在自体がマイノリティになるし、酷ければ虐げられるけど)
    でも実は国境を越えなくても、じゃあ同じ町で生まれた人はみな同じ感覚か、教室ではみな分かち合えるのか、きょうだい間では。
    そうつまり、理解してもらうことは超レア。
    でも学校では日本は特に正しい答えを復唱することだけを教えられてきて、表面だけではみんな正常で安心して同じ製品として大きくなっていく。
    人は自分と違うという意識がないので想像力が培われない。
    ただし、根本的な欲望が人と違う人間の場合は別。
    人と違う不良品と思い込んで生きていくしかない状況に陥りやすくなる。

    結局人間の喜びは繋がること、理解してもらえること。
    主人公たちが実際に出会えた幸せというのは、本当は図りきれない奇跡。

    人それぞれに興奮する対象が違うというのは当たり前で、人に言えないことがあるのも、程度や頻度は違ってももうここで人生終わりたいと思うことも当たり前。
    人生で知らないことばかりなのも、ほとんどの場面で自分が間違っているのも当たり前。
    つまりみんな正解のない中で生きているんだな、と分かれば自分も他人も楽になるのでは。

    多様性は大事。
    多様性のない社会は滅びます。
    たぶんずっと正しい答えは見つからず、しかも現在正しいとされていても時代が変われば正義も変わるし、永久に議論は続くと思う。
    でも議論ができるというのは違う意見が立場が存在するからで、社会はすこーしずつ良くなる。
    つまり、たまには大声を出しあってでも議論が永久に続くことが少なくとも私たちができる最良な選択でもあるのでは。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “(Ab)Normal Desire” Ryo Asai (2021) Review | You, too
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  • 『冬の夜ひとりの旅人が』イタロ・カルヴィーノ, 1979年 | 本好きの天国と地獄

    『冬の夜ひとりの旅人が』イタロ・カルヴィーノ, 1979年 | 本好きの天国と地獄

    🔽 基本情報 🔽
    If on a Winter's Night a Traveller
    Italo Calvino, 1979
    Se una notte d'inverno un viaggiatore
    冬の夜ひとりの旅人が
    イタロ・カルヴィーノ
    272 ページ
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    なんて本なんだろう。
    これは他にない読書体験、試験的読書体験。
    読者、作者、翻訳者、出版社、翻訳者、政府も本の中の人物も全部ひっくるめて、時空も日常も現実もすべてを超越して地獄と天国がこの一冊に詰まっている。

    主人公である「あなた」が本を読み始めるけれど、途中から印刷が乱れる乱丁本だったようで、仕方なく本屋に戻る。
    新しい本もどうも違う本らしい、しかもこっちも乱丁本、そしてそれが何度も続き。
    毎回、やっと背景や人物像を把握し面白くなってきたところで読めなくなる、なんとしてでも続きが読みたい、そこから「あなた」の異様な冒険が始まる。

    余談だけど「夜は短し歩けよ乙女」って絶対これに影響受けてるよね。
    読書という側面じゃなくて、どこにいっても結局ある女性にたどり着くという側面で。

    これは一体何なのか。
    どうやってこれらの物語は終わるのか、終わりとはなにか。
    読書という地味な日常の体験。一人なはずの体験。
    この本はそこにいろんな疑問をガンガンぶつけてくる。
    そして答えは?
    本を通じて時空を超えて繋がってくる人々、登場人物、作者、その他諸々と実際に読んでいる「あなた」、最後にはなんとなくニヤニヤしてきます。
    なるほど、これこそが文学の魔術師、イタロ・カルヴィーノ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review "If on a Winter's Night a Traveller" Italo Calvino (1979) Review | Paradise and hell for readers
    タグ: イタリア
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  • 『ハバナの男』グレアム・グリーン 1958年 感想 | どんどんややこしくなる

    『ハバナの男』グレアム・グリーン 1958年 感想 | どんどんややこしくなる

    🔽 基本情報 🔽
    Our man in Havana
    Graham Greene, 1958
    ハバナの男
    グレアム・グリーン
    256 pages
    2023.07 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    不思議なスパイコメディー小説。
    冷戦下のキューバ、平凡な掃除機屋の主人公はなぜか英国スパイにスカウトされる。
    ことごとく浪費癖のある娘のせいでお金に困っていたし悪くはないとこの話にのって、勘違いや大げさな反応や状況の馬鹿らしさに流されていると、話がどんどんとややこしくなっていく。

    信じられないような話なのに、でもありえなくもないかも、と思えてくる。
    スパイって現在もいるし(ロンドンでは意外とよくスパイのニュースがあります、MI5の求人募集の話とかも)、彼らの情報の重要さは誰もが承知、でももしこの小説のように意図的にテキトーなことを報告していたら?
    スパイ小説も映画もコメディも多いけれど、これはかなり異色。

    気がついたらもう手に負えないくらいおかしなことになってて、でももうここまで来たら嘘でもなんでも通してしまおう、もう政府相手だろうがなんだろうが、ななげやり感もすてき。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Our man in Havana” Graham Greene (1958) Review | All tangled up
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    ハバナの男


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  • 『或る「小倉日記」伝』松本清張 1952年 感想 | もつれと絶望感

    『或る「小倉日記」伝』松本清張 1952年 感想 | もつれと絶望感

    🔽 基本情報 🔽
    或る「小倉日記」伝
    松本清張, 1952
    396 pages
    2023.07 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    やっと読んだ、芥川賞受賞の短編集。
    これ以降は当時朝日新聞勤務であった松本清張は小説に専念するようになったそう。
    彼特有の、人間の嫌なところをうまく描くというスタイル、それが静かに燃えている感じ。

    有名な小倉日記では、外見と裏腹に知的で研究熱心な主人公。
    でもどうみても障害を持っている見た目では社会が簡単に受け入れない。
    他の短編集では、社会的地位の低さによって運命が決められているということ、もしくは結婚相手が凡人であるがゆえに天才肌の女性が徐々に狂っていくということ、もしくは小さな貸しにより弱みを握られると言うこと。
    殺人とか事件とか大袈裟なものじゃなく、普通に誰もが経験しうることをテーマにしていて、やっぱり面白い、すごい。

    そしていつも、支える人がいるのもストーリーとしてテーマとして興味深い。
    全身全霊で息子を想う母、普通の幸せを望む夫、結局は離れざるを得ない恩人、文句をいわずに付き添う愛人、巻き込まれる愛人。
    そういうドロドロで劇的で、でも読んでいる誰もが心の底では理解できる人間関係のもつれと絶望感。
    さすがです。

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  • 『(おばあちゃんのツイート)』 Geeta Gopalakrishnan, 2018年 感想 | 南インドの女性たち

    『(おばあちゃんのツイート)』 Geeta Gopalakrishnan, 2018年 感想 | 南インドの女性たち

    🔽 基本情報 🔽
    My grandmother's tweets
    Geeta Gopalakrishnan, 2018
    (おばあちゃんのツイート)
    ジータ・ゴパラクリシュナン
    340 pages
    2023.07 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    インドでもらった本の一つ。
    日本で言うところのおばあちゃんの知恵袋みたいなものだけど、実用的というより逸話や伝説から学ぼう的な感じ。
    Avvaiyarという南インド、タミルの12世紀の女性の詩人の言葉を、女性がずっと繋げてきた逸話、格言集。

    一気に読むというより、たまに一つ一つ読んだり、思い出したときに開けて読むようなもの。
    古代インドの賢さと暖かさ。

    🔽 関連ページ 🔽
    “My grandmother’s tweets” Geeta Gopalakrishnan (2018) Review |Female wisdom from Tamil
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    My Grandmother's Tweets: Stories Inspired by Avvaiyar's Ancient Wisdom (English Edition)


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  • 『パリ・ロンドン放浪記』ジョージ・オーウェル 1933年 感想 | 彼の小説のベース

    『パリ・ロンドン放浪記』ジョージ・オーウェル 1933年 感想 | 彼の小説のベース

    🔽 基本情報 🔽
    Down and Out in Paris and London
    George Orwell, 1933
    パリ・ロンドン放浪記
    ジョージ・オーウェル
    224 pages
    2023.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    インド帝国ビルマでの勤務を終え、ジョージ・オーウェルはパリとロンドンで自ら進んで窮困生活を送った。
    その時の様子を、貧困と隣り合わせに過ごした様子を彼らしい文章で描く傑作。

    日本語のタイトルの「放浪記」はちょっと雰囲気が違うかも。
    Down and Out、パリとロンドンの下と外での、いわゆる街の華やかな雰囲気ではない陰での生活の記録という原題を意識して読むと良いと思う。

    ロンドンやパリのレストランの多くは地下に炊事場があり、特に皿洗いは営業時間の前後もずっと外の光や空気に当たることなく一日が過ぎていく、そういう生活のこと。
    頭上にいるレストランで食事ができる層の人間が汚したものを洗い続ける毎日。
    しかしいくら働いても生活は良くならないから地下から抜け出せない。
    そういう生活を経験し、彼の毎日の様子や、当時の思考などを細かく書いている。

    彼が後に書く有名な小説のベースは間違いなくここでの貧困生活。
    誰のせいで貧困から抜け出せないのか。
    それは皿洗いを一生続けなければいけない人のせいではなく、一生続けても良くならないシステムを造り上げた社会のせい、社会としての破綻のせい。
    貧困であってもしっかりした意思があればその人は威厳を持って生きていける、というのは唯一の希望の欠片のよう。
    (ただし、オーウェルは貧しい家庭出身ではなく、自分で選んで数年だけ貧困生活を送った、ということも忘れてはいけないけれど)

    🔽 関連ページ 🔽 
    “Down and Out in Paris and London” George Orwell (1933) Review | Foundation of his novels
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    パリ・ロンドン放浪記 (岩波文庫)


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  • 『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』本田秀夫, 2013年 | ASD関連の古典 >>

    『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』本田秀夫, 2013年 | ASD関連の古典 >>

    🔽 基本情報 🔽
    自閉症スペクトラム
    10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体
    本田秀夫, 2013
    Hideo Honda
    248 pages
    2023.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ずっと読みたかった本。
    多分この分野では日本で一番読まれている本なのでは。
    とてもわかりやすく、淡々と語られている。

    ASD、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)は当事者じゃない人が思っているよりも身近にある。
    殆どの場合は見えないところにいる、というか、一般社会の見えないところに押しのけられているが、確実に存在する。

    この本はもうすでに古典といえる。
    何よりも重要な点として、ドラマチックでない。
    この本でも何度か触れられているけど、自閉症の当事者の自伝や、医者の武勇伝にならない、普通に生きているの人々のことが大事であり、意外にも多い「少数派の、障害のある」人々にとっての生きやすさ、生きづらさを教えてくれる。

    少数派といっても10人に一人となると、当事者や家族でなくても生きていく中で絶対に対面することになるのだから。
    特に日本でよく思うのは、じゃあ彼らはどこにいるのか、なぜ見えないのか、ということ。
    あなたの町にも絶対に住んでいます、ただ外に出にくい社会だから見えないだけで。
    少数派にとって住みにくい社会とは、結局は自分にとって住みにくい社会になるという意識が薄い。

    シンプルでわかりやすいので、学校などで誰もがこういう本を一度読む機会があれば、世の中はもっと多くの人にとって住みやすいものになるのに。
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    自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 (SB新書)


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  • 『読書力』齋藤孝, 2002年 感想 | 鍛える読書力>

    『読書力』齋藤孝, 2002年 感想 | 鍛える読書力>

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    人気の本なので何となく気になっていて、そしてさすが話題なだけあって当然面白い。

    なるほど、つまりは読書をするという行為をスポーツのように捉えて、鍛えることができるよ、ということで、現代に生きる私たちにもわかりやすい。

    昔は読書をするということ自体が文化で、学生である=本を読んでいるはず、だった。
    本を読むことで自然と、生きていくことそして対人関係の準備をしていた。
    しかし、本を読むこと自体は自然な行為ではない。
    特に軽くはない本となると、むしろ、訓練がいる行為だ、スポーツのように。

    読書会なんかができると楽しそう。
    まあ環境的に無理だけど、一生のうちにいつかは参加できれば。

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  • 『愛について語るときに我々の語ること』レイモンド・カーヴァー, 1981年 感想 | 静かでモダンで村上春樹な世界感

    『愛について語るときに我々の語ること』レイモンド・カーヴァー, 1981年 感想 | 静かでモダンで村上春樹な世界感

    🔽 基本情報 🔽
    What We Talk About When We Talk About Love
    Raymond Carver, 1981
    愛について語るときに我々の語ること
    レイモンド・カーヴァー
    (村上春樹 日本語訳)
    176 pages
    2023.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    80年代アメリカのショートストーリー。

    アメリカの郊外で起こるストーリー、というか何も起こらないといったほうが正しいかも。
    静かで、モダンな雰囲気、そうまるで村上春樹の作品のような。
    と思っていたら、日本語訳はなんと村上春樹だそう。

    私のタイプの一冊ではないけれど、もちろんそれは悪いというわけではない。
    村上ファンなら日本語訳をダブルで楽しめますね。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “What We Talk About When We Talk About Love” Raymond Carver (1981) Review | American suburbs

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    愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー c- 3)


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  • 『茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会』角山栄, 1980年 感想 | 茶の歴史と経済学

    『茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会』角山栄, 1980年 感想 | 茶の歴史と経済学

    🔽 基本情報 🔽
    茶の世界史
    緑茶の文化と紅茶の社会
    角山栄, 1980
    Sakae Tsunoyama
    239 pages
    2023.06 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    サブタイトルがまさに的を得ている。
    経済学という視点から出発しているので、よくあるただ歴史を辿る本とは違う。
    なぜ茶は欧米で受け入れられ、なぜ紅茶が圧倒的に広がったのか、なぜ砂糖をいれるのか。

    当時の世界的ブームのスタート地点は日本の茶道であったにも関わらず、近代において日本の茶は売れなかった。
    そこには元々、西洋の東洋に対する優れた文化に対するコンプレックスがあった。
    しかし西洋はあっという間に優れた技術と社会を作り出し、もう盗用に対し引け目を感じなくなった。
    そして茶を得るためにそれと平行して発達した近代工業化。
    つまり、プランテーションに負けた中国と日本。

    やっぱり茶の文化、歴史は面白い。
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    茶の世界史 改版 - 緑茶の文化と紅茶の世界 (中公新書 596)


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  • 『(また恋におちる) 』ラスキン・ボンド 2013年 | 感想 | まるで夢だったように

    『(また恋におちる) 』ラスキン・ボンド 2013年 | 感想 | まるで夢だったように

    🔽 基本情報 🔽
    Falling in love again
    Ruskin Bond, 2013
    (また恋におちる)
    ラスキン・ボンド
    197 pages
    2023.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    インド生まれ、インド育ち、でもイギリス系白人の作家、ラスキン・ボンド氏。
    2025年の今年91歳になったインドでも最も重要な作家の一人。
    人種なんか関係ないというのは簡単だけど、運命はそう安易ではない。

    さてこの本は恋愛に関するショートストーリーを集めたもので、彼は17歳の頃から書いているけれど、いろんな時期に書かれたものが集められていて興味深い。
    ただ単に違う時代に書かれたから違う雰囲気、というわけではなく、彼の物語には繰り返し表される表現や風景がある。
    主人公の名前が著者と同じラスキンやラスキーだったり、ロケーションも彼の故郷ヒマチャルプラデシュであることが多いので、彼の少年時代や思い出とは切っても切り離されないはず。
    それだけじゃなく、同じセリフが出てきたり、同じ列車の路線に乗っていたり、違う女の子に同じ名前が繰り返されたり。

    ストーリー自体はみなほろ苦いストーリーが多く、恋愛とはまだ言えない段階であったり、何かが始まる前に失恋したり、まるで夢だったかのように、彼が恋をした女の子はふっと消えていく。

    日本ではあまり作品が出ていないのが残念ですがぜひ探してみてください。
    でも彼の本は子どもにも読まれるように書いてあるので、英語でも比較的簡単な表現で書かれています。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Falling in love again” Ruskin Bond (2013) Review | Maybe it was a dream

    彼が17歳で書いた作品The Room on the Roofはこちら
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    (彼の作品は日本ではこれが手に取りやすいようです)

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    Falling in Love Again: Stories of Love and Romance (English Edition)


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  • 『辺境を歩いた人々』宮本常一, 2005年 感想 | 宮本民俗学の先代たち

    『辺境を歩いた人々』宮本常一, 2005年 感想 | 宮本民俗学の先代たち

    🔽 基本情報 🔽
    辺境を歩いた人々
    宮本常一, 2005
    Tsuneichi Miyamoto
    296 pages
    2023.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ちょっと久しぶりの宮本常一さん。この口調、文調が相変わらず心地よい。

    今回は「宮本民俗学の先代」とでもいうべき、彼より前の明治時代の4人のついて彼が語る。
    同じように、辺地、辺境を歩いてそれぞれの境遇のなかで調査をした人々。
    それを宮本さんが愛をもって現代の私たちに紹介する。

    彼の本を読むたびに、いかに一般的な歴史というものが本当にごく一部の裕福な支配階級のみに集中しているか、いかにそれが人々の本当の歴史を知る上で間違った方法なのか思い知らされる。

    大衆の貧しい人々の生活に注目した素晴らしい先人に敬意を払う。
    そして現在の私達がそういう宮本常一に対して尊敬の意を示す、そうやって回っていっているのだなあと、じんわりと思うわけです。

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  • 『The First Principle, Talks on Zen』オショー・ラジニーシ 1981年 感想 | 噂話のレベル

    『The First Principle, Talks on Zen』オショー・ラジニーシ 1981年 感想 | 噂話のレベル

    🔽 基本情報 🔽
    The First Principle
    Talks on Zen
    Osho, 1981
    (第一原則 禅について)
    オショー・ラジニーシ
    288 pages
    2023.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    このすぐ前に読んだOshoのThe Book of Manよりもっと苦痛だった。
    スピーチなどを集めたもので、読むというより聞くためのものだっただろうけれど、どっちみち私の好みではない。

    「私が聞いた話では」ばかりが集められていて、面白いというか噂話のレベルでしかないというか、人の注意を引くためにこなれたジョークをとばす、というのが全体的な印象。

    昔からある、古代から守られてきた宗教や習慣がお気に召さないようで、というか憎いようで極度に批判する。
    つまりカルトでありヒッピーカルチャーである。

    もう2冊も彼の本を読んだので、もう他は読まないでもいいですか…

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The First Principle, Talks on Zen” Osho (1981) Review | Sounds like just gossips

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    The First Principle: Talks On Zen


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  • 『”The Book of Man”』オショー・ラジニーシ 2002年 感想 | 国際的カルト

    『”The Book of Man”』オショー・ラジニーシ 2002年 感想 | 国際的カルト

    🔽 基本情報 🔽
    The Book of Man
    Osho, 2002
    オショー・ラジニーシ
    226 pages
    2023.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    話にはよく聞くOshoの本を初めて読んだ。
    実際には彼の発言集という形の本。

    よく分かった。なぜ彼がこんなにも、70年代から今現在においても人気であることが。
    誰だって不満を抱えて生きているんだから、中にはカルトにハマる人は絶対にいる。
    宗教的であることは今日でも長い人の歴史においても別に変わったことではない。
    ただ彼の教えでは、盲目的に宗教的であれ、強い力つまり自分に導かれなさい、属しなさい、と。

    70年代。彼は完璧なタイミングで出てきたわけです。
    アメリカなどの欧米社会に、賢くて口がうまくてサイケデリックなインド人グルがエキゾチックなことを言い出したんだから、絶妙なタイミングとしか言いようがない。
    抑制することはよくない、自由に人生を楽しめと彼は説く。
    とりあえずとググってみると彼はもちろん膨大な資金を寄付で稼いでおり、高級車を乗り回し(テレビで93台のロールスロイス)、暴力を推進し、性的にも極端に自由であったのだから、それは人は憧れる。
    しかし忘れてはいけないのは違法薬物を製造し自分の基地の他にも世界中に流通させ、さらには日常的な暴力を奨励し、そして特記する必要があるのは未成年に対する慢性的な性的搾取があったこと。

    と、まあ本に戻ると、多くの人が納得いくことが書いてあります。もちろん意図的に。
    なので研究対象というか、そういう側面から見ると面白いといえるけど、それ以上ではない。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Book of Man” Osho (2002) Review | International cult
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  • 『作品集』ラビンドラナート・タゴール 1886年~ 感想 | インドを代表する詩人思想家

    『作品集』ラビンドラナート・タゴール 1886年~ 感想 | インドを代表する詩人思想家

    🔽 基本情報 🔽
    Selected Stories of Rabindranath Tagore
    Rabindranath Tagore, 1886-
    作品集
    ラビンドラナート・タゴール
    372 pages
    2023.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    タゴールの素晴らしさはどこでも語られる。
    でも実際に色々と読むまでは本当には実感できない。

    もう一世紀以上経っているのでタゴールの作品集という名の本はたくさん出ているけれど、これはインド人の友人にもらったインドの出版社のもの。
    詩や短編小説が多いので、インドでもその時代によってもかなりの本が出ていて、人と話していてその本は読んでないけどその物語は知っている、ということはよくある。

    この本の中だけをみても、ジャンルがいろいろとある。
    恋愛もの、幽霊の出る話や、家族、友情と、彼のその取り上げるストーリーの幅の広さに驚かされるけれど、そこで語られる物語の多くが、正直で真面目、謙虚で貧しい人々であるということも忘れてはいけない。

    100年経っても、時代は変わっても、人々の苦しみの根源は変わらない。
    だからベンガル地方、インド、アジアという枠を超えて、人はタゴールの物語に心を打たれる。

    中でも良かった作品は「The river stairs」「The Cabuliwalla」「The son of Rashimani」「The master Mashai」「Living or Dead」「Fair neighbour」

    リンクは、同じような短編、中編の作品集を張っています。
    でも可能であれば他の手に取りやすい作品から入るのも良いと思います。

    アジア初のノーベル賞受賞者、芸術と平和という観点から近代インドと近代日本を繋いだ人でもある、けれど日本では彼の作品はそうどこにでもあるというわけではないようです。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Selected stories of” Rabindranath Tagore (1886-) Review | Mastermind of literature

    『ギタンジャリ』タゴール, 1910 感想 | インドの偉大な詩人の代表作

    『日本の精神』ラビンドラナート・タゴール, 1916年 感想 | 軍事国家へ走る日本への警告
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    タゴール著作集 第4巻 中・短篇小説集1


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  • 『(フェラーリを売り払った僧侶)』 ロビン・シャーマ, 1996年 感想 | 悟りへの近道的な

    『(フェラーリを売り払った僧侶)』 ロビン・シャーマ, 1996年 感想 | 悟りへの近道的な

    🔽 基本情報 🔽
    The monk who sold his Ferrari
    Robin Sharma, 1996
    (フェラーリを売り払った僧侶)
    ロビン・シャーマ
    198 pages
    2025.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    仕事一筋でお金が重要な生活をしていた男性のもとに、人生とは何かを告げる変な男がやってきた。

    何が大事かを悟るために、本当の夢や運命を追いかけるためにどういうことをすればいいか、ということを非常に分かりやすく具体的に説いた本で(例えば、瞑想が難しいのなら部屋にある一つの置物の表面の一点に集中して、とか)、読んだあとその瞬間にすぐに行動に移せる本。

    ただ、面白いかといえば面白いわけではない。
    まあ自己啓発本だからストーリーが面白いことが目的ではないんだけど、それはいいとしても、「古代インドでは」とか「神秘的な共同体にいたとき」とか「アジアの伝説によると」とか、どうみても欧米の一般人が好きそうな表現が多い。
    まあそれもターゲット層がそうなんだから仕方がないんだと思うしかない。
    いずれにしろ、もし欧米の白人の層に属しているのなら自己啓発としては優れているのは間違いない。
    そうでない人にとってはズレていると思う。

    あ、もし欧米人に瞑想とは悟りとは何かとかを説明する必要があれば訳には立つ!

    🔽 関連ページ 🔽
    “The monk who sold his Ferrari” Robin Sharma (1996) Review | A quick way
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  • 『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 感想 | ヌーベルバーグ

    『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 感想 | ヌーベルバーグ

    🔽 基本情報 🔽
    Les Enfants Terribles
    Jean Cocteau, 1929
    恐るべき子供たち
    ジャン・コクトー
    144 pages
    2025.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    大学の教科書でも何度も出てくる一冊をやっと。
    フランスの詩人コクトーの小説。

    とても詩的、とてもコクトー、とてもフランスで、とてもヌーヴェル・ヴァーグ。
    退廃的な少年少女のストーリーで最後の瞬間にすべてが完璧となる。
    パリが好きな人がパリを想うとき、こういう芸術的で自己破滅的で退廃的な風景を想う。
    当時はもちろん社会にショックを与えた一冊だっただろうし、現在においても何度も何度も戻って来る地点がここにある。
    それだけ影響力があるストーリーで、概念としての現代フランス芸術が詰まっている。

    映画もいつか見なきゃ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Les Enfants Terribles” Jean Cocteau (1929) Review | very Nouvelle Vague

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  • 『中央流沙』松本清張, 1966年 感想 | 人間の貪欲

    『中央流沙』松本清張, 1966年 感想 | 人間の貪欲

    🔽 基本情報 🔽
    中央流沙
    松本清張, 1966
    Seicho Matsumoto
    230 pages
    2023.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    久々の松本清張。

    やっぱり鋭くて、エンターテイメント性がちゃんとあって、なにより納得のいくミステリーなんです、松本清張はすべて。

    この場合は、官僚の汚職。
    とことん汚れていて、一般人からするとどうしようもない。
    彼の作品は時代に密着したストーリーでいて人間の貪欲という普遍的な汚さがテーマで、あるけれど、これもそう。悪いやつら世にはばかる。
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  • 『深夜特急 3 インド ネパール』沢木耕太郎, 1986年 感想 | 旅行記の定番

    『深夜特急 3 インド ネパール』沢木耕太郎, 1986年 感想 | 旅行記の定番

    🔽 基本情報 🔽
    深夜特急 3
    インド ネパール
    沢木耕太郎, 1986
    211 pages
    2023.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    青年時代インド北部とネパールを回った作家のエッセイ。

    まず読み物として絶対的に読んでて面白い。
    70年代のはずなので、ヒッピー絶頂期でインドも今より生々しいところだったはず。
    しかもそういうところを結果的に廻ってるので、いわゆる王道のインドなスポット。

    自分が若い頃に読んでたら憧れていただろうけど、今インドに行って、数百円、数十円を一時間かけて値切る根気は全くない。
    予定を決めない旅行もできそうにない。
    (実はこの後の2023年2月から友人の結婚式を始めインドを何箇所か回ってきたので、その直前に読んだのでした)

    やっぱりインドというのは誰にとっても特殊。
    最近India Syndrome というのを目にしたけれど、インドに行って精神的に感化されまくってもう私は一生ここで生きていく、と極端にインドに異常にベタ惚れすることだそう(きっと少なからず薬物なども関わってると思うけど)
    生と死が渦巻いていて、特にアメリカや日本など飽和社会からインドの貧しいエリアに行くと脳天に物凄いパンチを受けることになるのはわかる。

    私は冷めてるのかもしれないけど、インドだって人が生活しているんだから、大人になって上から目線で己の人生を変えようとインドに行って本当はお金があるのにわざと貧しい生活を短期間して、それで気安く人生変えなくても、と思う。
    きっと長年多くのインド人と働いたから、自分の現実の世界と離して考えられないんだろう。
    著者のように若いときに行くのは別にして、大人でお金があるなら、もし人生変えてもらったんなら寄付でもすれば良いのに。

    自分は溺れないようにしようと心に決めたまでです。
    どこで読んだか、人間には二種類あるそうで。
    インドに行きたくて、行ける人間と
    インドに行きたくても行けない人間。
    つまり皆インドに行きたい。
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    深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】


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  • 『ババヤガの夜』 王谷晶, 2020年 感想 | 爆発する新しい世界に踏み込む

    『ババヤガの夜』 王谷晶, 2020年 感想 | 爆発する新しい世界に踏み込む

    🔽 基本情報 🔽
    ババヤガの夜
    王谷晶, 2020
    208 pages
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    噂通りにバイオレンス爆発、アクション爆発、シスターフッド爆発。

    女性が主人公でここまでスッキリと細かく暴力的なのは他に読んだことない。
    ヤクザものもどうしても女性は弱い立場か、悪女か、トラウマがあるか(つまり可哀想にこの女はだから暴力に走ったんだね、という言い訳つき)、または無駄に男っぽいかになる。そう、典型的な「女嫌い」男尊女卑になってしまうところを、これは違う。
    依子は非常に暴力的なでありながら、きちんと堂々と一人の女性であるということがすてき。

    女性は揃いも揃って弱い女、もしくは悪い女、男性目線でよしよし、とされるそんな小説も物語ももういらない。
    女同士の強い絆、シスターフッド sisterhood。
    主人公が自分の足で、腕で、憧れの存在に近づくかっこよさ。

    いやー、これをただのバイオレンス小説と読まないで、もったいない。
    エンターテイメントに徹していながら新しい世界に踏み込んでいく、大事な一冊。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Night of Baba Yaga" Akira Otani (2020) Review | Sisterhood and violence
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    『ババヤガの夜』日本人初受賞 世界最高峰のミステリー文学賞 英国推理作家協会賞(ダガー賞) (河出文庫 お 46-1)


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  • 『下町ロケット』池井戸潤, 2013年 感想 | 気持ちのいい正統派の正義

    『下町ロケット』池井戸潤, 2013年 感想 | 気持ちのいい正統派の正義

    🔽 基本情報 🔽
    下町ロケット
    池井戸潤, 2013
    Jun Ikeido
    480 pages
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    初の池井戸潤。
    なるほど、半沢直樹は何度かみたので期待していたし、タイトルも有名。

    そして、期待の上を飛んでいく面白さ。
    銀行とか、中小企業、大企業という彼のストーリーのキーワードに続き、男たちの夢とプライドというのもしっかりとある。
    善悪もはっきりしていて、善が勝つと分かっていても、ハラハラな展開、でもその都度彼らのチームとしての力が大きくなる。

    物語の流れとしてここまできちんと正統派なのに正義が勝つって分かってるのに心配で心配で、最後は誰もが、うん、よかった!と言える、元気になる一冊。

    読み始めたら最後、夜更かし決定です。
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  • 『さるのこしかけ』さくらももこ, 2002年 感想 | ちびまる子ちゃんそのもの

    『さるのこしかけ』さくらももこ, 2002年 感想 | ちびまる子ちゃんそのもの

    ★★★★☆ 楽しくかわいいと勝手に抱いていた想像よりももっと笑える感じでびっくり。ここまでハチャメチャな人だったとは、本当にまる子が大きくなっただけとでもいうか、自由。

    🔽 基本情報 🔽
    さるのこしかけ
    さくらももこ, 2002
    Momoko Sakura
    296 pages
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ずっと気になっていたさくらももこのエッセイ、やっと一つ手にしました。
    楽しくかわいいと勝手に抱いていた想像よりももっと笑える感じでびっくり。

    ここまでハチャメチャな人だったとは、本当にまる子が大きくなっただけとでもいうか、自由。

    小学校の思い出のテレビでみていたまるちゃんそのままで嬉しい。
    他のも探さなきゃ。

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    さるのこしかけ (集英社文庫)


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  • 『人間的な、あまりに人間的な』フリードリヒ・ニーチェ 1878年 | 意外と楽しく読める

    『人間的な、あまりに人間的な』フリードリヒ・ニーチェ 1878年 | 意外と楽しく読める

    🔽 基本情報 🔽
    Human, All Too Human: A Book for Free Spirits
    Friedrich Nietzsche, 1878
    Menschliches, Allzumenschliches: Ein Buch für freie Geister
    人間的な、あまりに人間的な
    フリードリヒ・ニーチェ
    304 pages
    2025.10 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ちょっと頑張りすぎたかもしれない。
    哲学の基礎もなく、ただ単にちょっと前に読んだこの本の抜粋バージョンが面白かったからと、これに手を付けてしまった。
    間違いなく難しい。
    でもどちらかというと楽しく読めた。ほんと。
    いくつか面白かったのをピックアップしたので読んでみて、ぜひ挑戦してみて。

    ニーチェがまだ30代だった頃に書かれたアフォリズム、格言集なので、後期のような「確立された」雰囲気ではない、んだそう。後期を知らないからなんとも言えないけど。
    いいニュースとしては、格言集なので一つ一つは短くて中には一行のものだってある。
    悪いニュースは、638個のアフォリズムがあり、中にはかなり深入りしていくものもあって、何度か読み返してなんとなく分かってきたら、さっさと次に進んでいってしまう。
    当時は彼は色々と絶望していたようでショーペンハウアーを目の敵にしているのかな、というくらい批判しているけど、ニーチェの前の時代の哲学の流れが分かってないと何を批判しているのかが掴みにくい。

    でもこういう難しい本は本編に入る前の専門家の解説をきちんと真面目に読んでいるので、今回もおかげで必死で付いていくことはできた、と思う。
    自由な人間であるということは、自分の意志をきちんと持ち、宗教やそれまでの固定観念から飛び立った存在で、そのへんのことをついてる。

    特に面白い箇所は書き出したりしてゆっくりと読み進めたので時間はかかったけど良い読書体験です。

    この時代だから仕方ないといえど、彼は女性を非常に見下していたのでそのあたりがイマイチ説得力がない部分ではある。
    意外と楽しめるのは、たまにジョークのような文章が出てきたり、滑稽なおかしさがあったりするので、ああ彼も苦しんでるんだな、となんかしみじみしてくる。

    結局は、この本のタイトルの通り、私達はあまりにも人間的なんですね。




    さて。
    メモした中のいくつかの短い文章をピックアップしました
    和訳は私(プロでない私がさっとまとめた訳なので変な表現でもお許しを。日本語を読んでいないのですが絶対に出版された方の訳がまともですよ)、元の英語訳はPenguin Classics版から。
    面白いことを言ってるので、ぜひこの機会に


    58
    言動を約束することはできても、感情は約束できない。感情は自分の意志通りにはならないから。

    61
    情熱は待ってくれない

    68
    その昔キリスト教がギリシャ哲学に勝利したのは、つまりは荒々しく暴力的なものがスピリチュアルで繊細なものに勝利したということに過ぎない

    105
    「賢い人間は、人が悪いことをしたから罰するのではない、そうすることで今後悪い行いをしないように罰するのだ」

    120
    その信念が人を喜ばせないのなら、それを人は信じない。

    265
    ヨーロッパ人がアジア人よりも優れているのは、我々は自らの信念に理論的になれる能力があるからだ。アジア人には不可能である。彼らは真実と詩の区別だってついていない。

    303
    誰かの意見に反論するとき、実はその意見に反対するのではなく、意見を発するその人のトーンに反対している事が多い。

    335
    我々が近隣の人の気分を伺うのは、その人の気分が何らかの形で私達の秘密を暴くかもしれないと恐れているからだ。

    388
    自分の女が攫われたといって嘆く男は少ない。ほとんどの男は、なぜ誰も自分の女を攫ってくれなかったんだと嘆く。

    472
    政府がその市民の苦しみや辛さに対し成すすべがないとき、宗教が大衆を落ち着かせ忍耐強くさせる。

    494
    多くの人は自分の選ぶ道に頑固になるが、その先の目的地にはこだわっていない。

    499
    おもいやりではなく、共有できる楽しみが友情を生む

    508
    我々は自然に身を任せるのが好きである。自然は我々に対しなんの意見も持たないから。

    523
    愛してくれと要求することは最大の傲慢だ。

    563
    もし過去はすべて憎むべきものと考えることができれば、人は後悔で苦しむことはなくなる。

    589
    朝一番にできる最も素晴らしいこと、それはどうすれば今日一日に少なくとも一人の人を喜ばせることができるかと考えることだ。宗教的な祈りの習慣の代わりにそう考えることできっと多くの人に利益をもたらすことができるだろう。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Human, All Too Human" Friedrich Nietzsche (1878) Review | Surprisingly entertaining

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  • 『(地獄の外食記) 』ジェイ・レイナー 2012年 感想 | 正直で意地悪

    『(地獄の外食記) 』ジェイ・レイナー 2012年 感想 | 正直で意地悪

    🔽 基本情報 🔽
    My dining hell
    Twenty ways to have a lousy night out
    Jay Rayner, 2012
    マイ・ダイニング・ヘル (地獄の外食記)
    ジェイ・レイナー
    76 pages
    2023.01 読了
    日本語未出版、私が勝手にタイトルを訳しています
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    著者はイギリスでいちばん有名な料理、レストラン評論家。
    少なくとも一番口が悪いことではかなりダントツで有名。
    彼はずっとObserverという新聞にレストランの批評を載せていて、この本はその中でも悪い評価のレストランの記事を集めたもの。面白くないわけがない。

    辛口と言われているけれど、この本に集められた記事を見る限りではレストランが悪いとしか言いようがない。
    料理がまずい、レストラン自体が悪い、さらにどちらも悪いとなると救いようがないし、その上でぼったくりとなると悪いけど全国版で叩かれても仕方がない。

    1999年から2012年の間の批評なので、確かに一番悪い時期ではあったのかもしれない。
    イギリスは別としてロンドンの料理は不味くないよ、と言われだして、レストラン業界がカッコだけつけた料理をどんどん出していた時期。
    さらには物価もどんどん上がり、シンプルでそこそこ美味しい料理を出せていたレストランは撤退していった。

    私がロンドンが好きな理由は料理にしろ文化一般的にも、ごちゃまぜ感があったから。
    超高級なものもあるし、びっくりするほど安いものもある。
    誰も知らない立地でひっそりと美味しい料理を出していた店もあった。
    でも今は高級料理のテーマパークと化したロンドン。
    いつかこの無駄な高級志向時代が終わることを願って。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "My dining hell" Jay Rayner (2012) Review | Honest but brutal reviews
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  • 『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 感想 | シッキム王国の歴史と魅力

    『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 感想 | シッキム王国の歴史と魅力

    🔽 基本情報 🔽
    Sikkim
    Requiem for a Himalayan Kingdom
    Andrew Duff, 2015
    (シッキム ヒマラヤ王国へのレクイエム)
    アンドリュー・ダフ
    320 pages
    2023.01 読了
    日本未出版
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    シッキム王国がインドに吸収される前の数十年を詳しく書いたシッキムの歴史の本でありながらも、その最後のチョギャル(王様)であるトンドゥプ・ナムゲルのストーリー。

    シッキム、現インド シッキム州はネパール、ブータン、チベットなどに囲まれたヒマラヤ山脈の東に位置するエリア。
    地形的に厳しいエリアでありながらも重要な国々に囲まれた特殊な地理もあり、17世紀からはチベット系の王チョギャルが治めていて、1975年にインドに吸収される。

    知れば知るほど面白くて仕方がないのです。
    この本のスコットランド人著者は、幼い頃に祖父が語ってくれたシッキムに憧れ、ついにその地を訪れる。
    ペリンの町の外れにあるペマヤンツェ寺院で、ちょっと変わったに僧に出会い、お前はシッキムの何を知っているんだ、と言われ、ある本を渡された。
    そこから彼の本格的な研究が始まる。
    その僧こそ、当時国王の側近であった人物であり、その本が最近私もやっと読めた本Smash and Grabなんですね。

    ヒマラヤの文化が集中しているシッキム、元は現地民が住んでいたけれど、チベット系の王ができたことで文化的に仏教中心になっていって、でも19世紀ごろからは大英帝国も入り込んできて、農業改革を行うに当たり、歴史的にも敵対していたネパール人をシッキムに移住させる。
    チベットや中国が権利を主張するもイギリスの保護国となったシッキム、インド独立後はその権利を引き継いだインドの保護下になるも、最後のチョギャル、トンドゥプ・ナムゲルの方針はシッキム独立であったため、ネパール系に多かった親インド派と国内で対立が続き、親インド派を手懐けたインドの後押しで王政は崩壊、あっというまにインド軍に囲まれ、アメリカに亡命。
    と、簡単な歴史はこんな感じで、この本は最後のチョギャルに焦点を置いたものでありながら、前後の流れもわかりやすい。
    インド、中国、イギリスと巨大な権力がこの小さな王国の上で渦巻いている。
    自分の王としての権利にしがみつき、若いアメリカ人の王妃(東洋のグレース・ケリー)に操られているんだ、出来損ないの政治家だ、と色んな意見はあるけれど、結局のところシッキム王国に何ができたか。
    インドの手下となったネパール系の反対派との動きの詳しい本はこちら。
    “Smash and Grab” Sunanda K. Datta-Ray 1984 >>

    インドとなった現在もインドからシッキム州に行くには検問を通ります。
    私は2023年に行ったけど、外国人は要ビザ。
    シッキム州でシッキム人以外が不動産を買ったりビジネスを始めるのはかなり困難。
    面白いのは、18世紀から圧倒的にネパール系が多いのに、観光地も含め主要な寺院はチベット仏教系。
    自然が豊かなので次回行くときはぜひもっと北部に、それこそこの著者が訪れたペリンに。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Sikkim, Requiem for a Himalayan Kingdom” Andrew Duff (2015) Review | Fell in love with Sikkim
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  • 『YouTube大全』 小山竜央, 2023年 感想 | 本気な人はまずこれ

    『YouTube大全』 小山竜央, 2023年 感想 | 本気な人はまずこれ

    🔽 基本情報 🔽
    【超完全版】YouTube大全
    6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法
    小山竜央 2023
    Tatsuo Koyama
    400 pages
    2025.7 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    本というか教科書。
    しっかりとした内容で曖昧なことじゃなくて実践的な方法の記載。

    ビジネス相手でYouTubeで自社の顧客というかファンを増やしたい、というのが目的で、YouTubeの収益ということではない。
    リサーチして真似して自分色を足す、面白おかしく話す、というのが原則で、やっぱりそこができないとYouTubeは絶対できない。

    全体的に読んでやっぱり、ここまでしっかり根気強くできるかどうかはわからない(というか今のところその必要もない)。
    でも本気で初めたい人には非常に役に立つし、私も必要になればこの本のとおりに実践します。
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  • 『遺伝学者、レイシストに反論する』アダム・ラザフォード, 2020 感想 | 事実は事実

    『遺伝学者、レイシストに反論する』アダム・ラザフォード, 2020 感想 | 事実は事実

    🔽 基本情報 🔽
    How to argue with a racist
    Adam Rutherford, 2020
    遺伝学者、レイシストに反論する
    差別と偏見を止めるために知っておきたい人種のこと
    アダム・ラザフォード
    224 pages
    2023.01 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    人種差別の理論がいかに科学的でないか、という本。

    著者の専門は遺伝子で、一般的に「人種」ということで、肌の色の違いで人類がさらにカテゴリー別に存在するように思われがちだけど、遺伝子という観点でもそうではないということを分野別にきちんと説明している一冊。

    人種差別主義者、レイシストは「人種的に」黒人はああだ、中国人はどうだ、という言い方をする。
    そして100年、200年前に奴隷制度や白人至上主義を肯定するためなんかに言われていた古い考えを何度も繰り返したり、また根拠のない理論を用いる。

    DNAや遺伝子、歴史、古代史など難しくなりがちなものを分かりやすく、興味深くかいている。

    ほんと、よくあることだけど彼らの主張は自分に都合の良い言葉にしがみついて、自分が気分が良くなるためだけのものであり、そういう人に事実を語っても無駄と思ってしまうことは多い。
    でも、だからといっても事実は事実であり、根拠のない差別的な発言はつまりは嘘。
    そこを知らされない人(差別は無知から)に対して、でも言っても無駄だから、そんなの常識だからわかるはず、と放っておいた結果がまたトランプが大統領になった大きな理由だったりするわけで。

    事実を淡々と伝え、嘘の中で生きる差別主義者を言い負かせ、その事実を受け入れてもらえるようにする、やっぱり一般教育は大事なんですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “How to argue with a racist” Adam Rutherford (2020) Review | Facts are facts
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    遺伝学者、レイシストに反論する 差別と偏見を止めるために知っておきたい人種のこと


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  • 『だれでも書ける最高の読書感想文』 齋藤孝, 2012年 感想 | 中高生へ

    『だれでも書ける最高の読書感想文』 齋藤孝, 2012年 感想 | 中高生へ

    ★★★★☆  中高生向きの本。高校生にもなるときちんとクリティカルな視線で書くべきだし書けるだろうに、なぜ「感想文」で留まるのだろう。自由に書けと強制する日本。頑張れ学生、実は世界は広い。
    🔽 基本情報 🔽
    だれでも書ける最高の読書感想文
    齋藤孝 2012
    256 pages
    2025.9 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    中高生向きの読書感想文の書き方。
    読書感想文なんて書かされて面倒だよね、嫌だよね、と柔らかい口調(文調か)で、でもこうすれば楽しくなるし自分の最高な文が書けるよ、という本。

    確かに小学生の頃から何かあるごとに読書感想文を書かされる日本の学校。
    自由に書けと言いつつ自由にさせてくれない。
    コンクールの審査員なんかもする著者、そこを理解した上でのアドバイス。
    こういう風に先生が話したら読書感想文を苦にする子は減るのかも。

    でも読書「感想文」ってなんなんでしょう。
    高校生にもなるときちんとクリティカルな視線で書くべきだし書けるだろうに、なぜ「感想文」で留まるのか。
    いっそのこと、もっと書評っぽく書くノウハウを教えればいいのに。
    自由に書けと強制する、というのがまさに日本の教育らしい。

    頑張れ日本の学生、卒業すれば世界は広い。
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  • 『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん, 2018年 感想 | 現代版細雪

    『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん, 2018年 感想 | 現代版細雪

    ★★★★☆  同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」。正しい家族はない。家族は普遍的ではない。みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。本物の女の絆ほど強いものはない。
    🔽 基本情報 🔽
    あの家に暮らす四人の女
    三浦しをん 2018
    Shion Miura
    368 pages
    2025.9 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」
    なるほど、谷崎潤一郎の細雪をベースにしたものなのか。

    最近は家族という概念についてよく考える。
    どうも家族というのは揺るぎないもので理想の形があってみんな同じような「家族」を作り上げるべきで、そうじゃない人たちが変わってる、と思いがちなことについて。
    みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。
    正しい家族はない。家族は普遍的ではない。
    血が繋がってたらもちろんいいよね、でもそれは一つの要因。
    第一そんなことにこだわっていられるほど人生は長くない。
    なんとなく手に取ったこの本も、前に読んだ「汝、星のごとく」もそうで、いわゆる理想じゃない家族の形を肯定する。
    きっと今の日本は特にそう言ってくれるものが必要なのかもしれない。
    社会が定めた理想なんて、もう無理。

    細雪は大昔に読んだので記憶が定かじゃないけど、こんな感じで女たちが忙しそうにうろうろしてる話だった。
    本物の女の絆ほど強いものはない。
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  • 『爆破 モンキーレンチギャング』エドワード・アビー, 1975 感想 | コミカルに爆破

    『爆破 モンキーレンチギャング』エドワード・アビー, 1975 感想 | コミカルに爆破

    🔽 基本情報 🔽
    The Monkey Wrench Gang
    Edward Abbey, 1975
    爆破 モンキーレンチギャング
    エドワード・アビー
    480 pages
    2024.11 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    70年代のヒッピーなアメリカ人たちが西部劇並みの壮大な景色を背景に、環境保護の名の下、コミカルにあちこちを爆破する。

    ご想像通りの内容で、多分私の好みじゃないと知っててもきっと真面目に読み続けると思いつつ、やっぱり読み続けた一冊。

    3人の男と1人の女、他人同士だったけれどギャングを組んで、環境を破壊する橋やダムを破壊する、となると、今たまにテレビで見るgen Zの若者が美術館の絵画にペンキを書けるようなものか。
    いや、でも今どきのいたずらは命がけじゃないのでちゃんと真似できてない。
    ギャングにはお金持ちのおじさんがいるけれど、自分で走って汗かいて命もかける。

    この本に戻ると。
    やっぱり自分向けじゃないなと思うのは、やたらトラックや銃の細かいことが並べてあって、キーワードはベトナム戦争だし、ちょっと自分とは離れすぎていた。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “The Monkey Wrench Gang” Edward Abbey (1975) Review | Comically explosive
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    爆破: モンキーレンチギャング



    The Monkey Wrench Gang (English Edition)

    🔽 日本語情報 (「BOOKS」より引用) 🔽
    著:エドワード・アビー
    訳:片岡 夏実
    出版社:築地書館
    ISBN:9784806712220
    出版社:築地書館
    判型:4-6
    ページ数:416ページ


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  • 『落日燃ゆ』 城山三郎 1974年 感想 | 東京裁判

    『落日燃ゆ』 城山三郎 1974年 感想 | 東京裁判

    🔽 基本情報 🔽
    落日燃ゆ
    城山三郎 1974
    464 pages
    2024.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    東京裁判にて死刑を受けた、唯一軍人ではなかった元総理、元外相の広田弘毅の一生。
    知らなかった。

    福岡の石屋に生まれ、苦学の後に総理大臣にまでなる彼は、外交官として戦争を始めないように努力した人物。
    でも当時の日本人の官僚つまり軍人を押さえることができず結局は自らも認めるよう、戦争を阻止できなかったという罪によって、死刑。

    平和へのどんな苦労も、結局はノリに乗った軍人の前では無駄で、さらには勝利を手にしたアメリカ人に対しても無駄である。
    さらにさらに、当時の日本政府だって、戦後のゴタゴタでそれどころではない。

    歴史は勝利したものによって書かれるとは正にこの事で。
    今の世界の傾向を見ていても考えさせられる所が多い。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "War Criminal" Saburo Shiroyama (1974) Review | Tokyo Trial
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  • 『(比較文学)』 ベン・ハッチンソン, 2018年 感想 | つかみどころのない学問

    『(比較文学)』 ベン・ハッチンソン, 2018年 感想 | つかみどころのない学問

    🔽 基本情報 🔽
    Comparative Literature
    A very short introduction
    Oxford University Press
    Ben Hutchinson, 2018
    (比較文学)
    ベン・ハッチンソン
    160 pages
    2025.9 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    比較文学って掴みどころのない学問だったけど、ちょっとわかった。
    つまり私のやった映画学と同じ感じだ。

    勉強する分野は気の遠くなるほど広い。歴史、言語、技術、コロニアリズム、ショー者リズム、フェミニズム、コンシューマリズム、西洋、東洋、思い浮かぶものすべてを駆使。
    いろんな「イズム」が生まれる度にまたそれを拾う。

    あと、比較文学が分かりづらかったもう一つの原因は私がアングロサクソン系の国に生まれなかったから、にも関わらずアングロサクソン系の社会で高校から教育を受けたので、比較することはあまりにも普通で、わざわざ強調することがピンとこなかったからだ。
    そうじゃなくても日本は常に文化の違う中国や欧米を比べることが当たり前なのもある。
    それは、似たような文化の西欧が一番と思って暮らす人々とは感覚として違う。

    そういう掴みどころのない学問のことを、簡潔に説明してくれる一冊。

    人間は、比べる生き物。
    何かを知ると、他の何かと比べてしまう、非常にシンプルな思考。
    で、それで?
    今からの比較文学に求められているものは、比較することで何が生まれ、何を得るのか。
    そして、どこまで比較の対象となるのか。
    ちょっと昔はインターネットの時代と言われ、今はもうAIの時代。
    比較文化、映画学、また同じような一般教養、リベラルアーツの未来はどうなっていくんだろう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Comparative Literature” Ben Hutchinson (2018) Review | Comp. Lit.
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  • 『 (アカバドーラ) 』ミケラ・ムルジア 2009年 感想 | 終止符を打つ女性

    『 (アカバドーラ) 』ミケラ・ムルジア 2009年 感想 | 終止符を打つ女性

    🔽 基本情報 🔽
    Accabadora
    Michela Murgia, 2009
    (アカバドーラ)
    ミケラ・ムルジア
    208 pages
    2024.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    小説「アカバドーラ」現代サルデーニャ文学の最高峰。
    アカバドーラとは、末期患者やその親族の苦しみに終止符を打つ女性のこと、そう、その町で暗黙の了解の中、患者に安楽死をもたらす役目を背負った女性。

    とてもサルデーニャ的でとても地中海文化的。
    土埃の立つ乾いた家の壁、バールに座っている男たち、一日中家事に追われる女たち。
    草原に緑はなく茶色に乾いた草がいつこの地を炎に包もうかと小さな火花を待つ。

    生を与える助産婦が女性なら、生を終わらせるのも女性。
    少女マリアを引き取ってくれた独り身の女性は時折真夜中に黒尽くめの服を着て静かに家を出る。そして翌朝何もなかったかのように帰って来る。

    善か悪か、天使か悪魔か死神か、それはもう問題ではない。
    いま行われるべきか否か。

    サルデーニャでは実際に存在していたと考えられている。
    窒息という方法か、もっと有名なのは槌を使用する方法。
    現在も安楽死の問題は解決しないし、間違いなく客観的に100%正しいという答えは出てこないかもしれない。

    伝統に縛られた厳格な小さな町で、その大きく揺れる心境を圧倒的な力強さと威厳を持って描く一冊。
    日本語もいつか出るといいですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Accabadora" Michela Murgia, (2009) Review | A woman who ends life
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    ★★★★★ Accabadora, a woman in Sardinia who ends the suffering of very ill and their families. Is she an angel or a devil? That’s not the point any more to them. A book with an unusual dignity.

  • 『九州バカ 地元創生企業論』 村岡浩司 2018年 感想 | 地域密着型

    『九州バカ 地元創生企業論』 村岡浩司 2018年 感想 | 地域密着型

    ★★★☆☆ 著者の半生とどうやって地元というキーワードでビジネスを展開したかというお話で、地元密着型のビジネスを始めたい人は軽く読める本。ただし本の情報自体はすでに古い
    🔽 基本情報 🔽
    九州バカ 地元創生企業論
    村岡浩司 2018
    557 pages
    2024.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    タイトルだけで選んだと思う。ずっと読まずにいたけど手にとってみる。

    基本はこの村岡氏の半生とどうやって地元というキーワードでビジネスを展開したかというお話で、地元密着型のビジネスを始めたい人は軽く読める本。
    イメージは私がかつでやりたい願っていたものと近く、九州というキーワードで国外をみるというテーマ。寧ろ東京や日本国内はついで。
    ただこれは九州にすんでいないと難しい。

    回りの人のために走り回るというイメージも理想に近い、本としては所々に入る村岡さん万歳なコメントはちょっとネガティブに写ってしまうけど、自分一人の成功じゃないんだということなんでしょう。
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    九州バカ 世界とつながる地元創生起業論


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  • 『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

    『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

    🔽 基本情報 🔽
    Power, Politics and Culture
    Interviews with Edward W. Said, 2001
    権力、政治、文化
    エドワード・W・サイード発言集成
    アメリカ
    512 pages
    2024.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エドワード・サイード教授とのインタビューや彼の発言を集めたもの。
    第一部は文化的な分野、つまり文学、音楽、芸術などに焦点を置いたもので、第二部は政治的な内容の2つのセクション。
    私にはそういうクラシックな教養がないので前半はわかりにくかったというのが正直な感想。
    でも後半は違う。パレスチナ、ガザで起きていることを知らない人はいない。
    彼が何十年も訴え続けたパレスチナの二国家解決は利己的な権力者に継続的に否定され、いま現在、常識的にありえないはずのパレスチナ人のジェノサイドが私達の目の前で起こっている。

    彼自身は自分を救いようのない楽観主義者と呼んでいた。
    一部の人間は彼を敵とみなしテロリストとも呼んでいた。
    しかし世界中の多くの人間は彼の情熱的なヒューマニズムに心を打たれた。
    イスラム教を崇めるわけでもなくユダヤ教を否定するわけでもない。
    彼がとても人間らしいのは、人間は矛盾していることを理解し、それでも互いに寄り添うことを目指したということ。

    キリスト教徒パレスチナ人。
    典型的なアラブの植民地主義的なクラシックな教育を受け、長年コロンビア大学で英文学と比較文学を教えていたサイード教授。
    世界中で何らかのリベラルアーツ、一般教養を学んだ人間には、彼の唱えたオリエンタリズムはあまりにも有名。
    教育の場以外でも生涯をかけてイスラエルとパレスチナの共存を訴え続けた。
    二国家解決以外はありえない、もう誰も覚えていない歴史や神話に執着せず、今現在その土地に住んでいる人の暮らしを尊重するしか道はない、そうすれば共存はできる、と。

    アメリカの問題は、その昔誤ってアラブを野蛮なテロリストだと位置付けしたあと、その間違いを認めずに野蛮人として描写することに意地になっていることだと。
    そしてもちろん、イスラエルがガザを侵略することによって膨大な利益を受けていることも知らない人はいない。

    サイード教授が亡くなって20年ちょっと。
    憎み合うことが当然という社会で生きてきた人々にとっても彼は大切な灯火であり、憎しみを利用する政治家にとって彼は敵だった。
    それでも訴え続けた人生のまっすぐな言葉がこの本に詰まっている。

    「イスラエルだってパレスチナ人を永遠に邪険に扱い、その存在を永遠に否定し続けることは不可能だ。パレスチナ人を完全に抹殺することはありえないんだから」
    世界中が見ているなかで正にそのありえないことが起きている。
    彼のような人間味の溢れた知識人の声はもう届かないのだろうか。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Power, Politics and Culture, Interviews with Edward W. Said" (2001) Review | Coexist
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  • 『国宝』 吉田修一, 2018年 感想 | 国家の宝の美

    『国宝』 吉田修一, 2018年 感想 | 国家の宝の美

    🔽 基本情報 🔽
    国宝 上下
    吉田修一, 2018
    日本
    840 pages (408 + 432)
    2025.9 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    映画はここでは観れそうもないのでとにかく原作をと思って。
    そしてもう読む前からわかっている、国宝は凄いはず。

    さて、当然期待は最高峰クラスに高かった、なのにそれ以上だった。
    極道と花道という背景も興奮を煽る設定だし、血筋というのもそう、兄弟同然で生涯の友でライバルというのもそう、全てが面白くないわけがない設定。

    でもその凄さは喜久雄の成長物語の描き方。

    血筋のない一人の人間が運命の気まぐれで底辺に突き落とされ、または拾われて崇められて、堕ちて、を繰り返す中で彼は、その巨大な波に流される人生の中で後ろ楯もplan B代替案がない人生の中で生き延びる最後の砦としての歌舞伎と自らの天才的才能。
    人は大事なものを失うごとに成長する、そこで本来の自分を見つける。
    ひねくれものなので、やっぱり物語は上がって落ちて、堕ちるところまで堕ちるストーリーが圧倒的に面白い。
    でも彼は美そのもの、芸術そのものなのでもう本人の意思は重要ではない。
    国宝という究極の人間の人生を小説を通じて私たちが垣間見れる凄い体験。

    歌舞伎のことを知らない自分が残念、知っていたら更にもっと堪能できたはず。
    芸に生きる、まさに芸を生き抜いた人間の一生。
    一気に読んで一気に疲れる。

    映画でもいつか観てみたいなー、きっと美しさに圧倒されるんだろうなー。
    もちろん吉沢亮と横浜流星の美しさも見たいけど、なによりも素晴らしいであろう田中泯さんの仕草が見たい!
    動画を見てると音楽もいいし、いつかちゃんと劇場でみたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Kokuho (National Treasure)" Shuichi Yoshida (2018) Review | National Treasure himself
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  • 『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎, 1933年 感想 | トイレのことを書いても美しい

    『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎, 1933年 感想 | トイレのことを書いても美しい

    🔽 基本情報 🔽
    陰翳礼讃
    谷崎潤一郎 1933
    日本
    288 pages
    2024.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    最近さんざんこの本の話をしてるので再読。

    いんえいらいさん、In praise of shadows とその通りなんだけど、陰のみが素晴らしいんだということでなく、東洋的、日本的な感覚のことで、潔癖に白くて清潔なタイル張りでは醸し出せない古い木目の深い暖かみのある美しさということ。

    日本人は室内の暗さに慣れていて、それを西洋人のように文明によって明るくしようとするのでなく、暗さのなかで美を見いだそうとする。
    暗いから、女性のほんのすこし見える肌が白く、またそれを強調するかのようなお歯黒がある、と。
    いまの明々とした電灯の下ではけばけばしいもの、例えば歌舞伎やそういった芸能も本来のろうそくの灯火の元ではじんわりと美しい。

    約100年たった今、現代に住む日本人はたしかにその感覚はなくなっているかもしれない、でもまだ完全に忘れてはいない。
    実は世界に誇れるぜひ残したい文化、感覚。
    陰を美しいと思える感覚、新しくないものを美しいと思える感覚。

    エッセイ集なので、その他にも旅行についてや客ぎらい、また最後は厠についても。
    口うるさい谷崎氏の話を聞いているような、読んでいてなんかニヤリと笑いが込み上げてくるような、実はそんなに堅苦しくはない一冊。

    そしてやっぱり、谷崎潤一郎の文章なのでトイレのことを書いていても美しい。ニヤリ。


    いんえいらいさん

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    English review
    "In Praise of Shadows" Junichiro Tanizaki (1933) Review | Finding beauty even in toilet
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