★★★★★ オーウェルはパリとロンドンで自ら進んで窮困生活を送った。その時の様子を彼らしい文章で描く傑作。誰のせいで人々は貧困から抜け出せないのか。彼が後に書く有名な小説のベースは間違いなくここでの貧困生活。
🔽 基本情報 🔽
Down and Out in Paris and London
George Orwell, 1933
パリ・ロンドン放浪記
ジョージ・オーウェル
224 pages
2023.06 読了
🔽🔽 読書記録 🔽🔽
インド帝国ビルマでの勤務を終え、ジョージ・オーウェルはパリとロンドンで自ら進んで窮困生活を送った。
その時の様子を、貧困と隣り合わせに過ごした様子を彼らしい文章で描く傑作。
日本語のタイトルの「放浪記」はちょっと雰囲気が違うかも。
Down and Out、パリとロンドンの下と外での、いわゆる街の華やかな雰囲気ではない陰での生活の記録という原題を意識して読むと良いと思う。
ロンドンやパリのレストランの多くは地下に炊事場があり、特に皿洗いは営業時間の前後もずっと外の光や空気に当たることなく一日が過ぎていく、そういう生活のこと。
頭上にいるレストランで食事ができる層の人間が汚したものを洗い続ける毎日。
しかしいくら働いても生活は良くならないから地下から抜け出せない。
そういう生活を経験し、彼の毎日の様子や、当時の思考などを細かく書いている。
彼が後に書く有名な小説のベースは間違いなくここでの貧困生活。
誰のせいで貧困から抜け出せないのか。
それは皿洗いを一生続けなければいけない人のせいではなく、一生続けても良くならないシステムを造り上げた社会のせい、社会としての破綻のせい。
貧困であってもしっかりした意思があればその人は威厳を持って生きていける、というのは唯一の希望の欠片のよう。
(ただし、オーウェルは貧しい家庭出身ではなく、自分で選んで数年だけ貧困生活を送った、ということも忘れてはいけないけれど)
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“Down and Out in Paris and London” George Orwell (1933) Review | Foundation of his novels
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パリ・ロンドン放浪記 (岩波文庫)




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