タグ: 政治

  • 『侍女の物語』 マーガレット アトウッド, 1985年 感想 | 女性嫌悪の最終地点 

    『侍女の物語』 マーガレット アトウッド, 1985年 感想 | 女性嫌悪の最終地点 

    🔽 基本情報 🔽
    侍女の物語
    マーガレット アトウッド, 1985年
    The Handmaid's Tale
    Margaret Atwood
    337 ページ
    2018年 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    アトウッド大ファンのカナダ人の友人に借りたんですが、当時入院中だった身には暗かった...

    近い未来に起こりそうなディストピア。
    出生率の低さが戦争をも引き起こす社会で、主人公オブフレッドは妻の分身として子供を作るという役割を割り当てられた侍女の一人。
    この地に残されたわずかな妊娠できる体を持つ女性である彼女は少し前までの自分の夫と子供との生活を忘れられずにいた。

    女性嫌悪の最終地点とでも言うべきか、女性は生身の人間ではなく役割を果たすことのみを許された道具。
    妻という存在も象徴であり、夫婦間の愛情はない。
    分析しようとすると永遠に終わりそうにないけど、この物語を80年代に書いてしまうアトウッドの才能の恐ろしさ。

    ただ、ストーリーが面白くて惹かれるだけでなく、ひょっとしたら20年後には世界はこうなってるのかも、という怖さに引き付けられる。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Handmaid's Tale" Margaret Atwood (1985) Review | Interesting yes but scary
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    侍女の物語


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  • 『アナーキズムについて』 ノーム・チョムスキー, 2013年 感想 | 大衆のパワーは明るい未来へと導く

    『アナーキズムについて』 ノーム・チョムスキー, 2013年 感想 | 大衆のパワーは明るい未来へと導く

    🔽 基本情報 🔽
    (アナーキズムについて)
    ノーム・チョムスキー, 2013
    On Anarchism
    Noam Chomsky
    128 ページ
    2020.07 読了
    日本未出版
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    オバマ政権時代に出版された本、当時は確かに政治的アイデアの違い、イデオロギーの違い、だった。
    でもトランプ政権の時代のアメリカは、ただの政治の違いではなく、いかに数人の金持ちがより金持ちになるかという、わがままの販促のためのゲーム。

    チョムスキーはイデオロギーを信用しているけれど、それよりも実際的であるものに重点を置いているように思える。
    大衆にとって良いことは、イデオロギーにしがみつくことか。
    いや、エリートを投げ倒すことのできる大衆のパワーは私たちを明るい未来へと導く。

    それにしても、政治学に詳しくない私にはかなり難しい本だった。
    スペイン内戦に詳しくないのでそこはさらっと読むしかなかったし、まだまだまーだ、知らないことや学ぶことが山積み。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "On Anarchism" Noam Chomsky (2013) Review | Power of collective actions
    tag ;
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    On Anarchism (Penguin Special) (English Edition)
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  • 『無敵の読解力』 池上彰 佐藤優 2021年 感想 | 最強コンビが見分ける >>

    『無敵の読解力』 池上彰 佐藤優 2021年 感想 | 最強コンビが見分ける >>

    🔽 基本情報 🔽
    無敵の読解力
    池上彰 佐藤優, 2021
    256 ページ
    2026.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    おお、情報量が多い上に全て興味深い。

    この本のテーマが、情報処理能力を問われる今の社会で生き抜くにはまずは本を読め、とあるので、つまりこの本は初っぱなから、テーマからして重要な情報がつまってる。

    もし大事な箇所を線引きしようと思ったら全ページに線を引くことになるって言うくらい、中国やアメリカの現状、共産主義と本家のマルクス、マキャベリ推しの菅元総理の危うさ、読書をしない日本の政治家、などなど語られる一つ一つの事柄が常にフル回転。

    個人的には最後の、外国人による日本人論についてが特に興味深かった。いやそんな控えめでなく、そうなんですよ!と叫びたかった。
    戦時中や戦後直後の日本人論は、未だに的を得ている点が多い、天才であっても個性は邪魔にされるなどなど。
    でも意外でありつつ納得したのは、日本における子供や若者間でのシステマティックないじめを指摘されていること。
    これをなくしさえすれば日本は改善されると。
    そしてもちろんこれは約80年たっても教育の場で放置されている。
    明治維新が自分達の独立したイデオロギーによるものでないというの話も、心のモヤモヤ取り払ってくれた感じ。
    「菊の刀」も積読してるので読まなきゃ。

    そして一時期、日本人は凄いという本が「日本で」売れ、そういう本を外国人が誰も書かなくなったら自分達で日本は素晴らしい、特殊であると誉め始めた。痛い。
    さらにこの本が出版された数年後の今、外国人旅行者が円安の日本を安く消費している、というこれも痛い現実。

    参考書としておすすめの本リストがたっぷりあるので、ほしい本リストがまた長くなりました。
    🔽 関連ページ 🔽
    共著 「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」池上彰 佐藤優, 2015
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  • 『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024 感想 | ダークでリアルなロンドン>>

    『(カレドニアンロード) 』アンドリュー・オヘイガン , 2024 感想 | ダークでリアルなロンドン>>

    🔽 基本情報 🔽
    Caledonian Road
    Andrew O'Hagan, 2024
    カレドニアンロード
    アンドリュー・オヘイガン
    657 ページ
    2025.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    ロンドンって住むにはどんなところ?と聞かれたら、とりあえずこれを読んでと言う。
    完全にお金持ちの遊び場と化したロンドンが近年抱えている問題はここに詰まっている。

    人々はより良い生活を求めてロンドンに行くけれど、すぐにそんなものは存在しないと気づかされる。
    ここ数年で特に急激にお金がないとマシな生活はできない街となった。
    未だに階級の問題は根強く残っているし、桁違いの金持ちの生き方は一般人からは見えないほどにきっぱりと区別されている。
    (もちろん旅行者に見えることは絶対にない)
    金、権力、悪意の中で生きる人々が皆抱えている思い、それは寂しさ。

    仲間と敵、それは政治上あったり利益であったり郊外に住むギャングであったり。

    主人公の美術史の歴史家兼教授である生徒との関係がメインだけど、貴族階級の伝統的な富裕層、ロシアの富裕層、その子どもたち、犯罪も厭わない若者ギャングなどの視点からも描かれていてまるでロンドンの街の生活そのままの複雑なサスペンス。

    このエリアは実は私は合計10年近く住んでいたので、知ってる道の名前が出てきて嬉しい。
    この辺は貧しい通りと裕福な通りが本当に隣り合わせ。

    英語レベルで言うとロンドンのスラングなども入ってくるのでちょっと難しめ。
    しかもみっちり657ページ。
    🔽 関連ページ 🔽

    English review “Caledonian Road” Andrew O’Hagan (2024) Review | Dark reality of London today
    tag ロンドン

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    Caledonian Road: The Sunday Times bestseller (English Edition)
    
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  • 『(歴史上の100人の邪悪な女たち)』 Hannah Jewell, 2019年 感想 | 構わず偉業を残した女性たち

    『(歴史上の100人の邪悪な女たち)』 Hannah Jewell, 2019年 感想 | 構わず偉業を残した女性たち

    🔽 基本情報 🔽
    100 Nasty Women of History:
    Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know
    Hannah Jewell, 2019
    (歴史上の100人の邪悪な女たち)
    376 ページ
    2022.03 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    100人の女性の伝記コレクション。
    トランプがナンシー・ペロシ史をnasty と呼びいつものように低俗なあだ名で呼んでいたのにかけて、歴史上の100人のやり手な女性を集めた本。

    著者ごとく、彼女たちについて深く読んでいく前に私達は彼女たちが間違いなく存在したという事実をきちんと受け止めるべきだと。
    歴史のホコリにまみれて人の目のつかない場所に追いやられた女性たち。
    男性と同じ様に成果を残しても、女性は常に男性より以下。男性の偉業ほど大事ではない。
    もし仮に、女性が何かを成し遂げたとしてもそれはただの偶然で、女性は英雄ではなく男社会にとってただnastyなだけ、邪悪なだけ。

    カテゴリー別に分かれていてそれぞれは短くて読みやすく、ジョークや口の悪い文章が連なるけれど、やりすぎずちょうどいい。
    ここからそれぞれの女性について読みすすめるガイドブック的な本。

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    100 Nasty Women of History: Brilliant, badass and completely fearless women everyone should know (English Edition)
  • 『中央流沙』松本清張, 1966年 感想 | 人間の貪欲

    『中央流沙』松本清張, 1966年 感想 | 人間の貪欲

    🔽 基本情報 🔽
    中央流沙
    松本清張, 1966
    Seicho Matsumoto
    230 pages
    2023.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    久々の松本清張。

    やっぱり鋭くて、エンターテイメント性がちゃんとあって、なにより納得のいくミステリーなんです、松本清張はすべて。

    この場合は、官僚の汚職。
    とことん汚れていて、一般人からするとどうしようもない。
    彼の作品は時代に密着したストーリーでいて人間の貪欲という普遍的な汚さがテーマで、あるけれど、これもそう。悪いやつら世にはばかる。
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  • 『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 感想 | シッキム王国の歴史と魅力

    『(シッキム)』アンドリュー・ダフ 2015年 感想 | シッキム王国の歴史と魅力

    🔽 基本情報 🔽
    Sikkim
    Requiem for a Himalayan Kingdom
    Andrew Duff, 2015
    (シッキム ヒマラヤ王国へのレクイエム)
    アンドリュー・ダフ
    320 pages
    2023.01 読了
    日本未出版
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    シッキム王国がインドに吸収される前の数十年を詳しく書いたシッキムの歴史の本でありながらも、その最後のチョギャル(王様)であるトンドゥプ・ナムゲルのストーリー。

    シッキム、現インド シッキム州はネパール、ブータン、チベットなどに囲まれたヒマラヤ山脈の東に位置するエリア。
    地形的に厳しいエリアでありながらも重要な国々に囲まれた特殊な地理もあり、17世紀からはチベット系の王チョギャルが治めていて、1975年にインドに吸収される。

    知れば知るほど面白くて仕方がないのです。
    この本のスコットランド人著者は、幼い頃に祖父が語ってくれたシッキムに憧れ、ついにその地を訪れる。
    ペリンの町の外れにあるペマヤンツェ寺院で、ちょっと変わったに僧に出会い、お前はシッキムの何を知っているんだ、と言われ、ある本を渡された。
    そこから彼の本格的な研究が始まる。
    その僧こそ、当時国王の側近であった人物であり、その本が最近私もやっと読めた本Smash and Grabなんですね。

    ヒマラヤの文化が集中しているシッキム、元は現地民が住んでいたけれど、チベット系の王ができたことで文化的に仏教中心になっていって、でも19世紀ごろからは大英帝国も入り込んできて、農業改革を行うに当たり、歴史的にも敵対していたネパール人をシッキムに移住させる。
    チベットや中国が権利を主張するもイギリスの保護国となったシッキム、インド独立後はその権利を引き継いだインドの保護下になるも、最後のチョギャル、トンドゥプ・ナムゲルの方針はシッキム独立であったため、ネパール系に多かった親インド派と国内で対立が続き、親インド派を手懐けたインドの後押しで王政は崩壊、あっというまにインド軍に囲まれ、アメリカに亡命。
    と、簡単な歴史はこんな感じで、この本は最後のチョギャルに焦点を置いたものでありながら、前後の流れもわかりやすい。
    インド、中国、イギリスと巨大な権力がこの小さな王国の上で渦巻いている。
    自分の王としての権利にしがみつき、若いアメリカ人の王妃(東洋のグレース・ケリー)に操られているんだ、出来損ないの政治家だ、と色んな意見はあるけれど、結局のところシッキム王国に何ができたか。
    インドの手下となったネパール系の反対派との動きの詳しい本はこちら。
    “Smash and Grab” Sunanda K. Datta-Ray 1984 >>

    インドとなった現在もインドからシッキム州に行くには検問を通ります。
    私は2023年に行ったけど、外国人は要ビザ。
    シッキム州でシッキム人以外が不動産を買ったりビジネスを始めるのはかなり困難。
    面白いのは、18世紀から圧倒的にネパール系が多いのに、観光地も含め主要な寺院はチベット仏教系。
    自然が豊かなので次回行くときはぜひもっと北部に、それこそこの著者が訪れたペリンに。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Sikkim, Requiem for a Himalayan Kingdom” Andrew Duff (2015) Review | Fell in love with Sikkim
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  • 『落日燃ゆ』 城山三郎 1974年 感想 | 東京裁判

    『落日燃ゆ』 城山三郎 1974年 感想 | 東京裁判

    🔽 基本情報 🔽
    落日燃ゆ
    城山三郎 1974
    464 pages
    2024.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    東京裁判にて死刑を受けた、唯一軍人ではなかった元総理、元外相の広田弘毅の一生。
    知らなかった。

    福岡の石屋に生まれ、苦学の後に総理大臣にまでなる彼は、外交官として戦争を始めないように努力した人物。
    でも当時の日本人の官僚つまり軍人を押さえることができず結局は自らも認めるよう、戦争を阻止できなかったという罪によって、死刑。

    平和へのどんな苦労も、結局はノリに乗った軍人の前では無駄で、さらには勝利を手にしたアメリカ人に対しても無駄である。
    さらにさらに、当時の日本政府だって、戦後のゴタゴタでそれどころではない。

    歴史は勝利したものによって書かれるとは正にこの事で。
    今の世界の傾向を見ていても考えさせられる所が多い。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "War Criminal" Saburo Shiroyama (1974) Review | Tokyo Trial
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  • 『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

    『権力、政治、文化 エドワード・W・サイード発言集成』2001年 感想 | パレスチナ二国家解決

    🔽 基本情報 🔽
    Power, Politics and Culture
    Interviews with Edward W. Said, 2001
    権力、政治、文化
    エドワード・W・サイード発言集成
    アメリカ
    512 pages
    2024.11 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エドワード・サイード教授とのインタビューや彼の発言を集めたもの。
    第一部は文化的な分野、つまり文学、音楽、芸術などに焦点を置いたもので、第二部は政治的な内容の2つのセクション。
    私にはそういうクラシックな教養がないので前半はわかりにくかったというのが正直な感想。
    でも後半は違う。パレスチナ、ガザで起きていることを知らない人はいない。
    彼が何十年も訴え続けたパレスチナの二国家解決は利己的な権力者に継続的に否定され、いま現在、常識的にありえないはずのパレスチナ人のジェノサイドが私達の目の前で起こっている。

    彼自身は自分を救いようのない楽観主義者と呼んでいた。
    一部の人間は彼を敵とみなしテロリストとも呼んでいた。
    しかし世界中の多くの人間は彼の情熱的なヒューマニズムに心を打たれた。
    イスラム教を崇めるわけでもなくユダヤ教を否定するわけでもない。
    彼がとても人間らしいのは、人間は矛盾していることを理解し、それでも互いに寄り添うことを目指したということ。

    キリスト教徒パレスチナ人。
    典型的なアラブの植民地主義的なクラシックな教育を受け、長年コロンビア大学で英文学と比較文学を教えていたサイード教授。
    世界中で何らかのリベラルアーツ、一般教養を学んだ人間には、彼の唱えたオリエンタリズムはあまりにも有名。
    教育の場以外でも生涯をかけてイスラエルとパレスチナの共存を訴え続けた。
    二国家解決以外はありえない、もう誰も覚えていない歴史や神話に執着せず、今現在その土地に住んでいる人の暮らしを尊重するしか道はない、そうすれば共存はできる、と。

    アメリカの問題は、その昔誤ってアラブを野蛮なテロリストだと位置付けしたあと、その間違いを認めずに野蛮人として描写することに意地になっていることだと。
    そしてもちろん、イスラエルがガザを侵略することによって膨大な利益を受けていることも知らない人はいない。

    サイード教授が亡くなって20年ちょっと。
    憎み合うことが当然という社会で生きてきた人々にとっても彼は大切な灯火であり、憎しみを利用する政治家にとって彼は敵だった。
    それでも訴え続けた人生のまっすぐな言葉がこの本に詰まっている。

    「イスラエルだってパレスチナ人を永遠に邪険に扱い、その存在を永遠に否定し続けることは不可能だ。パレスチナ人を完全に抹殺することはありえないんだから」
    世界中が見ているなかで正にそのありえないことが起きている。
    彼のような人間味の溢れた知識人の声はもう届かないのだろうか。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Power, Politics and Culture, Interviews with Edward W. Said" (2001) Review | Coexist
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    権力、政治、文化(上) エドワード・W・サイード発言集成


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  • 『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 感想 | 5つのアジア分離独立

    『(シャタード・ランド)』 サム・ダルリンプル, 2025年 感想 | 5つのアジア分離独立

    🔽 基本情報 🔽
    Shattered Lands
    Five Partitions and the Making of Modern Asia
    Sam Dalrymple, 2025
    シャタード・ランド
    5つの分離独立と現代アジアの誕生 (日本語訳なし)
    サム・ダルリンプル
    528 pages
    2025.09 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    現代アジアを造り上げた分離独立、パーティション。
    その背景は日本人だけでなく、当事者のインド周辺の現地の人にも、英国人にも世界中でも知られていない。
    バングラデシュ、ミャンマー、カシミヤ、そういうニュースで見る地域の問題は、自然発生したものではなく、もちろん現地の人が単純に暴力的だからでもない。
    何事にも理由がある。

    日本での第二次世界大戦の終戦日のぴったり2年後、インド帝国が英国から独立。
    それは有名だけれど、そのインド帝国、つまり現在のイエメンからミャンマーまでの壮大なエリアがその前後にどう分けられていったかはあまり知られていない。
    というか、イエメンからミャンマーまで、その間に現在のカタール、アラブ首長国連邦、ブータン、など無数の藩王国があったのすら知られていない。
    5つの分離、つまりミャンマーの独立、アラビア半島の独立、インド・パキスタン分離独立、印パによる500ほどの藩王国の吸収、バングラデッシュの独立。

    「知られていない」と繰り返し書いているけれど本当にそうなのだから仕方がない。
    英国はインド帝国の利益によって支えられていたけれど、大英帝国の人口は当時の世界の人口の25%!
    戦争により経済が崩れ世界の4分の1の人口を支えきれなくなった英国はできるだけ早く撤退することをモットーに、アジアなんて行ったこともないロンドンの役人が駆り出されどんどん地図上に線を引いていき、しかもインド帝国に借りていたお金もほぼ無視で、しかも「せっかくなら日本を敗戦させた8月15日に独立させよう」と言い出し、十分な準備もなく独立。大英帝国といえば、どこにいっても嘘をつき続け、右に左に騙し続け、最後は自分の手は汚さずさっさと逃げ出す、いつも同じパターン。
    私もそこは知っていた。エリザベス女王の旦那フィリップ殿下の叔父、インド総監マウントバッテンの当時の適当さも知っていた。そこまでは有名。
    それ以外のすべてが「知られていない」、知らなかった。

    Shattered Lands、粉々になった土地、というタイトルの通り。
    戦時中にまずミャンマーが分離。(しかも当時ミャンマーの現ヤンゴンが世界で人の出入りが激しい港、つまりニューヨークなんか追い越した大都会だったと。なんと。)
    当時人口の16%いたインド系の人間はミャンマー人じゃない、と追い出される。
    この本は5つの独立分離について非常に詳しく描かれているけれど、5つとも現地の人々の反応、待遇、対応、残酷さはすべて似ている。
    民族や宗教の枠を超えてコスモポリタンな社会に生きていた人々。
    今まで近所付き合いのあった人びとが突然、民族が違うから、宗教が違うから、という理由で追い出し合い、憎み合い、殺し合う。
    その度に何百万という人間が新しく引かれた国境を超え、もちろん多くは難民となり、少なくない数の人が虐待、強姦、そして殺された。
    粉々になった土地、ばらばらに引き裂かれた人々。
    カシミア紛争を含むインド・パキスタン情勢、ロヒンギャ難民問題などその多くは解決していない。
    他のところで聞いたことだけど(彼のお父さんのポッドキャストで)、この時代を生きた人は、それこそ戦争に駆り出された日本のおじいちゃんたちもそうかも知れないけれど、多くを語りたがらない。
    彼らはその恐怖と過ちと恥を墓まで持っていくつもりで口は開かない。
    その子どももなんとなく聞きづらくて追求しない。
    でも今、孫の代になって初めて真相が明らかになっているという現象が起きているらしい。

    細かく言うと色々とあるんだけど、それはいつかきっとこの本が日本語に訳され日本でも多くの人の手にわたることを願い省くとして(ミャンマーには日本もかなり関わってきます)、全体として印象深かったのは、分離独立前は各々の地域によって生活習慣も違っていたのに、セキュラ―な社会、非宗教的な社会だったということ。
    完全に平和かといえばそうじゃなかったにしてもギリギリのバランスは保たれていた。
    それが突如、超宗教的で、国民主義的、ナショナリズムに走ったはっきりいって差別的で軍事的で暴力的な社会を次々と生み出してしまった。
    英国の下で植民地化された社会が良いとは言えないけれど、じゃあ紛争のないアジアを目指したとき、人々はセキュラ―であることを目指し宗教や伝統を蔑ろにしたほうがいいのか。
    共同体が与えてくれる安心感は過去の産物になるのか。
    伝統は狂暴なのか。

    この本には毎ページに驚きが隠されている。
    素晴らしい歴史本は大概まるで物語を読んでいるように感じるけれど、この本もそう。
    28歳の著者サム・ダルリンプル氏はヒューマニズムに溢れ人間的で、情熱を持った人物だと言うのが手に取るようにわかる。
    これだけ残酷な歴史を語る本の中にも、それでも宗教の違う友人が命をかけて助け合った話をきちんと残してくれるし、彼自身も独立分離によって故郷に帰れない人の代わりに国境を超えて代理で会いに行くという活動もしている。

    もちろん父親がウィリアム・ダルリンプルということはプラスに働いているけれど、彼は20代にして初出版にして、もう自分の足で立っている歴史家の一人。
    インドでもダルリンプル親子がベストセラーのチャートにずっと上ってたし、インド史周辺はなかなか面白いことになりそう。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Shattered Lands" Sam Dalrymple(2025) Review | Making of new Asia
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  • 『略奪の帝国』ウィリアム・ダルリンプル, 2019年 感想 | 暴力で制した東インド会社

    『略奪の帝国』ウィリアム・ダルリンプル, 2019年 感想 | 暴力で制した東インド会社

    🔽 基本情報 🔽
    The Anarchy
    The relentless rise of East India Company
    William Dalrymple 2019
    略奪の帝国 東インド会社の興亡
    ウィリアム・ダルリンプル
    576 pages
    2024.08 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    最高な一冊。歴史本で私の中では最高峰。
    まさにずっと気になっていたトピック、どうやって小さな島国イングランドが巨大で裕福な亜大陸を植民地化することができたか。
    
    簡単に言えばつまりはムガール帝国がライオンで、東インド会社はハイエナというところ。
    裕福な帝国ムガール帝国が少し崩れてきたところに、無作法でアグレッシブで便乗主義者で嘘つきで自分勝手で成金趣味の数人の商人が行った、自分の利益のためだけの略奪。自国英国の政府にも王室にも逆らって。
    つまり、現地インドの帝国も自国の王室をも無視した無政府主義(Anarchy)の一企業による略奪の歴史。
    
    東インド会社は商人としてではなく、ひたすら暴力と嘘で財力を得て、結局はイギリスの経済はこのチンピラ集団が治めるインドなしでは維持できなくなり、英国王室も危機を感じ会社を国営化、そして英国は引き継ぐ形でインドを植民地化する、というのが歴史の流れ。
    
    事実は小説よりも奇なり、歴史はフィクションよりも面白いとはこのことで、しかもダルリンプル氏の手にかかればドキドキハラハラの壮大な物語のようにあっという間に読んでしまう。
    
    彼の情熱的でヒューマニズムに溢れた文章は、この本をただの歴史本ではなく力強い文化財に変えてしまったと言える。
    
    この本はインド国内の、今まで誰も見ていなかった資料を引っ張り出して整理することできちんと整理された実際に起きたことを細かく伝えてくれる。
    そして事実は厳しい。
    特に大英帝国は華やかで誇らしいものだと学校で教えられてきたイギリス人にとって、史実は目を向けたくなるもので、実際にダルリンプル氏はイギリスの右派からイギリスを貶すなと批判されまくり。
    
    特に気になった人物はウォーレン・ヘースティングズという、ベンガル知事、初代インド総監。
    通常東インド会社の社員はインド文化には興味がないなか、彼は唯一インドの言語、芸術、文学を愛した珍しい存在。
    ただ、いつの時代もそういう繊細でまともな人は貪欲な組織の中で叩かれる。
    
    で、ダルリンプル氏のファンになり、ポッドキャストも全部聞いてます。
    スコットランドの貴族の家系に生まれ、先祖がよく歴史上の出来事に出てくると苦笑し、裕福な子供時代を過ごすも中東の歴史や文化に惹かれ、現在はデリーでヤギと農場で暮らしている彼。
    最近は特に、イギリスの学校はイスラエル、パレスチナ、中東全般の間違った歴史を教えていると声を上げている。
    (ちなみに彼の息子のサム・ダルリンプル君の本を現在読んでるけど、息子もきっとお父さんと同じ道を進んでくれるだろう)
    
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Anarchy" William Dalrymple(2019) Review | A gang of thugs

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    The Anarchy: The Relentless Rise of the East India Company (English Edition)



  • 『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006 感想 | 大迫力の復讐劇

    『ワイルド•ソウル』 垣根涼介, 2006 感想 | 大迫力の復讐劇

    🔽 基本情報 🔽
    ワイルド•ソウル
    垣根涼介 2006
    Ryosuke Kakine
    1040 pages (512 + 528)
    2024年6月 読了
    アマゾンで見る

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    上下二巻の壮大なストーリー。
    戦後の日本からブラジルへ渡った4万人のアマゾンでの壮絶な生活、そこから逃げ出した人々の底辺を這うような生活。

    そして下巻へ。
    現在の日本、東京。三人の日系人の男たちの日本政府に対する復讐劇が始まる。

    読んでいる方としてはアマゾンでの大変な生活を知っているから、もちろん完全に三人の男の肩を持つ。彼らの計画は次へ次へと進んでいく。

    この本での何度も出てくる通り、大きな自然を前にして人ひとりなんてちっぽけで、そのちっぽけななかで、一生かけて後悔をしたり、人を愛したりする。
    そういうところも滲み出ていて、全体像でとても面白い。
    アクションもドラマもたっぷりで一気に読める傑作。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Wild Soul" Ryosuke Kakine, (2006) Review | Let the revenge begin from Brazil
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  • 『お金の流れで読む日本と世界の未来』 ジム・ロジャーズ, 2017年 感想 | 歴史を理解し次を見据える

    『お金の流れで読む日本と世界の未来』 ジム・ロジャーズ, 2017年 感想 | 歴史を理解し次を見据える

    ★★★★☆ 歴史を理解し次を見据えるのが投資の原点。保守的な過保護な日本は近いうちに国として成り立たなくなるという点近いうちに北朝鮮と韓国がお互いを補って国として成功し世界一幸せな国になるという面白い予見
    
    
    
    
    
    🔽 基本情報 🔽
    お金の流れで読む日本と世界の未来
    ジム・ロジャーズ, 2017
    Jim Rogers
    237 pages
    2024年6月 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    バックグラウンドは歴史という投資家の日本独占インタビューといった形。
    歴史に詳しいということで、歴史は繰り返すということを説く。

    確かに、歴史を理解し、次を見据えるというのが投資の原点だと思う。
    まったく投資が分からないので私はその辺のつまりメインの部分は理解できないけど、その周辺の話が面白い。

    特に、近いうちに必ず統一する北朝鮮と韓国がお互いを補って国として成功し世界一幸せな国になるという点。
    北朝鮮の資源とポテンシャル、技術は高くとも少子化で悩む韓国。すごく納得。

    日本は大好きだけど、外に目を向けない保守的な過保護な日本は近いうちに国として成り立たなくなるという点。
    ただ、彼でも予想できなかったことが起きた。
    出版直後にコロナで世界が止まったことだ。
    それでも今まだ彼の言っていた事は間違ってはいない。
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  • 『The incendiaries』 R. O. Kwon, 2018年 感想 | パンクなカルト恋愛小説

    『The incendiaries』 R. O. Kwon, 2018年 感想 | パンクなカルト恋愛小説

    🔽 基本情報 🔽
    The incendiaries
    R. O. Kwon, 2018
    214 pages
    2024年6月 読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    ダークでリアルでパンクな若者の日々。
    韓国系アメリカ人の魅力的な女の子、その子に惹かれる普通の男の子。
    男の子が見つめる中、女の子はどんどん北朝鮮がテーマの白人の男の子がリーダーのカルト(つまり実態もメッセージも脆い)にハマり行動もエスカレートしていく、という流れ。

    なんかちょっとパンクな感じで、カルトやテロリズムに繋がっていくんだけど、現代文学ゆえ表面的な雰囲気のまま。
    文章の表現がまるで詩のようで新鮮さはあるんだけど、深さがないのが残念ではある。

    複雑な心境にあるはずの女の子にもナレーターである男の子にも感情移入ができない。
    そこを狙っているのかもしれないんだけど、そのせいで私の好みからは外れてしまう。

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    English review
    "The incendiaries" R. O. Kwon (2018) Review | A bit of punk, a lot of cult love story
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  • 『シルクロード全史』ピーター・フランコパン, 2015年 感想 | 世界史に興味を持つことになった原因の一冊

    『シルクロード全史』ピーター・フランコパン, 2015年 感想 | 世界史に興味を持つことになった原因の一冊

    🔽 基本情報 🔽
    The Silk Roads: A New History of the World
    Peter Frankopan, 2015
    シルクロード全史: 文明と欲望の十字路
    ピーター・フランコパン
    657 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンで見る
    
    
    
    
    

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    エピック。大作。間違いなく歴史本の歴史を変えた。
    シルクローズ(複数形のRoads)というタイトルでまず分かるように、シルクロードは一つではないという大前提を投げつけてくる分厚い600ページ超えのいわゆるマイナーな国々の歴史の本なのに退屈じゃない。
    むしろ内容そのものと語り口にエンターテインメント性が出ていて巨大な小説を読んでいるかのよう。

    著者フランコパンのポッドキャストも聞くけど、彼は偏屈者っぽい奴なんだけど言い分は筋が通っていて、事実に極端に忠実なだけな人。
    でも大真面目で逆に面白いというギャップもあって、耳で聞くのも楽しい。

    中東と呼ばれるエリアがいかに歴史豊かで多様性に富んだ素晴らしい伝統をもっているか、そしてヨーロッパはいかに欲深く宗教を言い訳にこの豊かな地を破壊したか。
    そして今日、古いヨーロッパに変わってアメリカ帝国が彼らの謳う自分勝手な民主主義を武器に更に追い打ちをかけているか。
    中東、アラブがあたかも石油の成金かのように世界の目を欺きたい欧米は、もちろんこのシルクロードの歴史は隠し通したい。
    ひょっとしたら、ただ単にヨーロッパ、アメリカの帝国主義の終わりなだけなのかもしれない。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Silk Roads" Peter Frankopan (2015) Review | History book that changed my history

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    シルクロード全史 上: 文明と欲望の十字路





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    The Silk Roads: A New History of the World (English Edition)



  • 『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 感想 | 共有できる価値観を見つめる

    『(人類学者のように考える)』 マシュー・エンゲルケ, 2017年 感想 | 共有できる価値観を見つめる

    🔽 基本情報 🔽
    (人類学者のように考える)
    Think Like an Anthropologist
    Matthew Engelke 2017
    マシュー・エンゲルケ
    368 pages
    2024年5月 読了
    
    
    
    
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    昔からアンソロポロジー人類学に興味があったけど、まさにこのこと。
    人類学とは、その土地の現地の人の視点から世界を見る学問。
    我々はみんな違う。
    ヨーロッパの都市に住む人とポリネシアの小さな島に住む人は、違う。
    でもそれは生物学的に違うとか、能力の点から違うとかそういうことじゃない。
    そして決して「未開発」であったりとか「野蛮」ではない。
    むしろ植民地主義の奴らのほうが野蛮で人として未開発。

    抑えきれない好奇心から始まり、居ても立ってもいられずに現地へ向かい、そこの現地人、地元の人と共に過ごし、彼らのように考え彼らのように物事を正当化する。Critical Thinking批判的思考は忘れずに。

    私の興味が心理学から人類学に広がったのは人類学は人間が共有できる価値観を見つめる学問だから。
    その価値観は古臭いかもしれない、でもそれなしでは生活できない共同体としての価値。わたしたちはそんなに新しいタイプの人類ではないはず。

    ペリカンのこのシリーズもっと集めたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Think Like an Anthropologist" Matthew Engelke (2017) Review | We are all different yet not that different

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    Think Like an Anthropologist (Pelican Books) (English Edition)




  • 『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 感想 | 下山事件に取り憑かれます

    『下山迷宮』デイヴィッド・ピース, 2021年 感想 | 下山事件に取り憑かれます

    🔽 基本情報 🔽
    Tokyo Redux
    David Peace, 2021
    下山迷宮
    デイヴィッド・ピース
    480 pages
    2024年5月 読了
    アマゾンで見る
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    戦後のゴタゴタに見え隠れするレトロなハードボイルドに興味がある人、ぜひ

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    トーキョー三部作なのに三部作目から読んでしまった。
    でも大丈夫、面白かった。
    戦後のゴタゴタの中にある男のロマンっぽい雰囲気がどのページにも漂っていて、あの活気と勢いとアメリカニズムの中で、未解決の国鉄総裁殺人の実際の事件を扱ったミステリー。
    英国人が描く、アメリカ占領下の東京というミステリアスでノスタルジックな街を舞台に、アメリカ風のハードボイルドな物語。
    逆に日本人じゃないからこそ描けるトーキョー。

    作品の中で言われるように私も「下山病にかかるよ」、つまりこの未解決事件の魔力に取り憑かれたのかも。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Tokyo Redux" David Peace, (2021) Review | Catching "Shimoyama disease"
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    Tokyo Redux: A novel (Tokyo Trilogy Book 3) (English Edition)





  • 『(Gramsci’s Political Thoughts)』 Carlos Nelson Coutinho, 2012年 感想 | グラムシの思想と半生

    『(Gramsci’s Political Thoughts)』 Carlos Nelson Coutinho, 2012年 感想 | グラムシの思想と半生

    🔽 基本情報 🔽
    Gramsci's Political Thoughts
    Carlos Nelson Coutinho, 2012
    198 pages
    2024年4月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    グラムシの思想をある程度知っている人で、次のステップとして

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    まずはアントニオ•グラムシについて、彼の人生のアウトラインだけでも驚愕。

    イタリア、サルデーニャ州の田舎に生まれ、生後すぐに身体に障害を負う。父を亡くし貧しいながらも苦学し奨学金でトリノ大学に入学。当時から政治の世界に入り、産業都市トリノで労働運動に参加。
    その後はイタリア共産党の結成に関わりロシア滞在中に当時のムッソリーニ政権から逮捕状を出され帰国不能に、その後議員に選出され無事に帰国するが再度逮捕状を出され、そのまま半生を牢獄で過ごす。獄中、多くの手紙や手記を残す。最後は障害を持ち病弱であるにも関わらず治療を拒否され虐待受け、獄中で死ぬと困るからと投げ出されるかたちで釈放された直後に死亡。
    その逮捕の理由も有名で「この男の頭脳を20年間ストップさせなければならない」というファシズム政権の目論見から。

    残念なことに私がグラムシについてもマルクス主義にもそんなに詳しくないので、ついていけない所も多かったけど、この本は彼の生涯においての思想の成熟の過程を追う感じで進んでいく。

    46歳で亡くなる彼の徹底したマルクス主義、反ファシズムは世界中に強い影響を与える。この本の著者もブラジルのマルクス主義者。日本でも彼の思想は戦後からずっと根強い人気。

    次はヘゲモニー論についてちゃんと読みたい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Gramsci's Political Thoughts" Carlos Nelson Coutinho, (2012) Review | Fascist government couldn't stop him
    🔽 買えるところ 🔽

    買えるところはなさそうです。



    ★★★★☆ “We must prevent this brain from working for twenty years” but even after arrested by Fascist government, he didn’t stop writing. A book about his life, from poverty in Sardinia, student life in Turin, exile in Russia, prison and death.

    🔽 log 🔽
    Gramsci’s Political Thoughts
    Carlos Nelson Coutinho, 2012
    198 pages
    Read 2024.4


  • 『動物農場』ジョージ•オーウェル, 1945年 感想 | 私たちは同じ間違いを繰り返す

    『動物農場』ジョージ•オーウェル, 1945年 感想 | 私たちは同じ間違いを繰り返す

    🔽 基本情報 🔽
    Animal Farm
    George Orwell, 1945
    動物農場
    ジョージ•オーウェル
    124 pages
    2024年4月 読了
    アマゾンで見る
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    超がつく古典。
    内容はほぼ知っていたけど、思ってたよりも短いのがびっくり。
    これだけ分かりやすいメッセージの物語なら子供でも読める。

    ネットで買ったこのエディションは教科書みたいに英語の言い回しの説明や、どの動物が実在の人物を表してあるか書いてあるから、ロシアや共産主義に詳しくなくてもよく分かる。

    分かるけど、我々は学んだか。
    いや、相変わらず同じ間違いを繰り返す。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    ”Animal Farm” George Orwell, (1945) Review | Have we learned? No
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

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    動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)
    動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)
    
    
    
    



    ★★★★☆ Classic of the classics. I knew more or less the content but was surprised how short it was. It’s short, with clear messages, but have we learned? No.




  • 「代表的日本人」 内村鑑三 鈴木範久 訳, 1908, 1995年 感想 | 当時の日本から西洋に挑戦

    「代表的日本人」 内村鑑三 鈴木範久 訳, 1908, 1995年 感想 | 当時の日本から西洋に挑戦

    🔽基本情報🔽
    代表的日本人
    内村鑑三 1908
    "Representative men of Japan" from Japan and the Japanese
    Kanzo Uchimura, 1894 and 1908
    鈴木範久 訳 1995
    256 pages
    2024年4月 読了
    アマゾンで見る
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    元々は1894年に日本を紹介する本、Japan and the Japaneseとして英語で書かれ、1908年にRepresentative men of Japanとして再度世に出て、それが新しく日本語訳されたもの。
    という前置きだけで、いかにナショナリスティックかが分かる。

    圧倒的に押し寄せる西洋文化にはばかり、日本人だって素晴らしいんだということを伝える為の本。

    確かに内容も、著者の主観的な部分が多く、どの章もまず日本のその分野の紹介から始まり、それぞれの人物がどうして日本人らしくて素晴らしいかを語る。
    最初の西郷隆盛の征韓論の正しさを訴えるようなのが気になったけど、あとがきによると、内村鑑三本人は日露戦争をもって反戦主義になったとのことで、西郷隆盛の数ヵ所はその名残のよう。

    5人について学ぶところもあるけれど、それよりも、著者がどういう姿勢でこの書をもってヨーロッパと対等になろうと訴える姿勢がメインの面白さ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Representative men of Japan" Kanzo Uchimura, 1908 Review | A resistance from this Christian Japanese author
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    
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  • 『(権力のシステム) 』 ノーム•チョムスキー, 2013年 感想 | 権力はシステムである

    『(権力のシステム) 』 ノーム•チョムスキー, 2013年 感想 | 権力はシステムである

    🔽 ログ 🔽
    Power Systems Conversations with David Barsamian on Global Democratic Uprisings and the New Challenges to U.S. Empire Empire.
    Noam Chomsky, 2013
    ノーム•チョムスキー
    178 pages
    2024年4月 読了
    アマゾンで見る

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    タイトルは「権力のシステム アメリカ帝国のグローバルな民主主義の反乱と新たな挑戦 会話集」といったところ。

    2010年から2012年のノーム•チョムスキーの会話を集めた一冊。
    だから当然古い事柄もある。例えば10年も経てばインターネットの使い方も全然違うしアメリカ大統領も二度変わった。
    でも根本的にはいまとひとつの時代として括ることができる。

    アメリカの政治についてなので、分かったつもりにもなれる訳じゃないけど、分かることはただひとつ、彼の立ち位置と主張は変わらない。
    彼は一貫して他人にempathetic、共感的である。
    一貫して利己的なもの、ひと、主義に反対ている、そしてわたしたちは利己的な集団に統治されている。

    ちなみに、よくいわれる「アメリカ帝国」という言葉を最近よく考える。現在の帝国主義。

    チョムスキーは希望を忘れない。政治は我々一般市民が作るものであり、我々はきちんと理解すれば政治を使いこなすことができると。

    この本が出て10年少したち、世間はよくなったか。なってない。
    わたしたちができること、望むことができることは狭まれた。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Power Systems" Noam Chomsky (2013) Review | Power is systematic


    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

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    Power Systems: Conversations with David Barsamian on Global Democratic Uprisings and the New Challenges to U.S. Empire




  • 『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 感想 | シッキム王国の壮絶な歴史

    『Smash and Grab』 Sunanda K. Datta-Ray 1984年 感想 | シッキム王国の壮絶な歴史

    🔽ログ🔽
    Smash and Grab
    Annexation of Sikkim
    Sunanda K. Datta-Ray, 1984
    433 pages
    読了=2025年1月
    アマゾンで見る
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    何年も探した結果やっとデジタル本で友人に送ってもらった。結局紙媒体の本はインド政府に出版停止された本なので、探してもない。
    いやというか発売禁止にすると余計に盛り上がるから、印刷停止命令を出したそう。結果は同じこと。
    (追記;アマゾンで今年2025年から電子書籍として入手できます。リンクは↓)

    別のシッキムについての本で完全に魅了され2023年にシッキムまで行きました。
    あの辺は本当に不思議。ヒンドゥー教徒が過半数なのに(ヒンドゥー教のネパール系は80%以上)、寺院は仏教のお寺が多い。

    インド政府が出版後にすぐ停止させた理由は良くわかる。
    これは絶対に読んでもらいたくない。

    チョギャル(チベット系シッキム国王)を個人的に知っていたジャーナリストが書いたいわゆる暴露本で、彼が聞いたこと、見たこと、交わした会話、肌で感じたこと、当時の新聞記事など、この数年間の様子がこと細かく記録されている。

    シッキム王国の歴史の基本的な知識がないとこの本は難しい。
    その歴史自体についてちょっと簡単にいうと。
    シッキムはインドの北東部、ネパール、チベット、そしてダージリンのあるインド西ベンガル州、ブータンと各国に囲まれている、すごい立地。ヒマラヤ山脈の麓で冬は厳しいけれど豊かな地。
    長い間チベット系をトップに現地民レプチャ族と静かに暮らしていたけど、英国の紅茶産業がダージリンで始まり、18世紀に働き手としてものすごい数のネパール人が流れ込んできて、上流階級が少数民族となり、大半を占めるネパール系が差別されるという不思議な形に。(これはいまでもグルカ運動が続いていて解決されていない問題)
    1947年インド独立時にダージリンやカリンポンなどはインド西ベンガル州になるが、シッキムはそのままシッキム王国を維持。
    チョギャルが若いアメリカ人女性と再婚し東洋のグレース・ケリーと話題になったことで知られているかも。

    シッキム王国がインド、シッキム州になったのは1975年。
    インドは英国の植民地主義に苦しみ、独立を勝ち取って30年もしないうちに、インド自らがシッキム王国を植民地化したわけで、この史実は非常に都合が悪い。
    嘘、マインドコントロール、偽りの約束、賄賂にフェイクニュースになんでもあれ。
    そして圧倒的で一方的な暴力。
    Smash=ぶち壊して、grab=奪え。
    道徳的にまずいことは全部あった。
    インドはメディアをコントロールしてシッキム国王を悪者に仕立て上げ、増え続けるネパール系と権力を持つチベット系の社会問題を悪用し、慎んだ生活をしていた人々を騙して、インド側は見事に嘘に嘘を重ね、反対派を暴力で押さえつける。
    ふと気がつけば、シッキム国民たちは自分達が進んでインドに吸収されることを望んでいるかのようになってしまい、最後はインドが軍隊を送り込み、あっという間に国はなくなった。
    まさに植民地主義の鏡の様なやり方。少数の外国人が強すぎる権力を振りかざす。
    インドの政治は複雑で私は勉強不足の部分も多かったけど、それでもあからさま。
    シッキム国王は確かにネパール系を差別していたけれど、シッキム王国内で解決方法はあったかもしれない。
    でも、それでも、インドはシッキム王国のあの立地が欲しかった。数年かけて重要人物たちを手懐け、確実にインドのものにしたかった。
    どんな手を使ってでも。
    このインドの暗い現代史を今のインド人はどこまで知っていて、どう思っているのか。
    多分知らない。シッキム国民たちは自らの意思で正当な方法で素晴らしい国インドの一部になれた、と教えられているから。


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