カテゴリー: 1920-1929

  • 『アイヌ神謡集』 知里幸恵, 1923年 レビュー | アイヌの鮮やかな世界観

    『アイヌ神謡集』 知里幸恵, 1923年 レビュー | アイヌの鮮やかな世界観



    アイヌ神謡集
    知里幸恵 編訳 1923
    224 ページ
    2020.02 読了
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    🔽 本の紹介と一言レビュー 🔽

    ✔ アイヌの神話の日本語訳
    ✔ 19歳で亡くなった少女が丁寧に残したカムイユカラ
    ✔ 人間と神と自然が共存していたアイヌの世界観

    ★★★★☆ アイヌの神話は歌にのせて語り(歌い)継がれてきた。それをアルファベットで書き留め日本語訳に。ひとりの少女が丁寧に残した神や動物の神が自ら歌ったとする謡で、人間と神と自然が共存していたアイヌの世界観が鮮やかに描かれる。

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    アイヌの神話、カムイユカラは文字ではなく歌にのせて語り(歌い)継がれてきた。
    それをアルファベットで書き留め、日本語訳したもの。

    19歳で亡くなったひとりの少女が丁寧に残したものは、神や動物の神が自ら歌ったとする謡で、人間と神と自然が共存していたアイヌの世界観のその内容ももちろん興味深いけど、それをアルファベットで正確に残すという方法の歴史的な価値。
    日本語とは全く違う言葉で、ぜひ聞いてみたいと思う。
    でも残念ながら現代日本は、というか中世から日本はアイヌを蔑み彼らの文化をとことん抹消してきた。
    少数派の文化を殺していることに気づいていない。
    悲しいことです。

    最近やっとゴールデンカムイの映画をみたんですが、これでアイヌ文化が身近になるとそれも素敵なことですね。

    🔽 関連ページ 🔽
    tag 宗教/Religion
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  • 『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 感想 | ヌーベルバーグ

    『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 1929年 感想 | ヌーベルバーグ

    🔽 基本情報 🔽
    Les Enfants Terribles
    Jean Cocteau, 1929
    恐るべき子供たち
    ジャン・コクトー
    144 pages
    2025.01 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    大学の教科書でも何度も出てくる一冊をやっと。
    フランスの詩人コクトーの小説。

    とても詩的、とてもコクトー、とてもフランスで、とてもヌーヴェル・ヴァーグ。
    退廃的な少年少女のストーリーで最後の瞬間にすべてが完璧となる。
    パリが好きな人がパリを想うとき、こういう芸術的で自己破滅的で退廃的な風景を想う。
    当時はもちろん社会にショックを与えた一冊だっただろうし、現在においても何度も何度も戻って来る地点がここにある。
    それだけ影響力があるストーリーで、概念としての現代フランス芸術が詰まっている。

    映画もいつか見なきゃ。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review “Les Enfants Terribles” Jean Cocteau (1929) Review | very Nouvelle Vague

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  • 『ダロウェイ夫人』ヴァージニア・ウルフ, 1925年 感想 | 壊れる寸前の意識の流れ

    『ダロウェイ夫人』ヴァージニア・ウルフ, 1925年 感想 | 壊れる寸前の意識の流れ

    🔽 基本情報 🔽
    ダロウェイ夫人
    ヴァージニア・ウルフ, 1925
    Mrs. Dalloway
    Virginia Woolf
    イギリス
    240 pages
    2024.10 読了
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    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    初のヴァージニア・ウルフ。

    確かに簡単な本ではない。
    一日の出来事だけを追うんだけど、外側ではイギリスらしいお上品な行動が起こりつつも、主人公を含め彼らの頭の中ではものすごくたくさんのことが起こっている。
    本当は何を考えているのか、何を思い出しているのか。
    「意識の流れ」というやつだそうですべてが内面に向かっていて、流れは止まらない。

    (ちょっとネタバレです。100年前の小説なのでもう知られているとは思いますが)
    主人公クラリッサはギリギリの精神状態、自分の義務と希望の間でもなんとか一日を過ごそうとする。
    一方、知人セプティムスは、別のところでついに精神をやられてしまうが、そのことがクラリッサにも影響を及ぼす。
    遠くで起こっている死、その死へと向かう彼の道のり。
    その日の一日の出来事としては全くもって無関係なのに、不思議なことに意識の中ではしっかりと絡み合っている。
    そのギリギリのところの意識の描写がすごい。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Mrs. Dalloway" Virginia Woolf (1925) Review | Stream of consciousness
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  • 『響きと怒り』 ウィリアム・フォークナー, 1929年 感想 | 語り手の意識の中に迷い込む

    『響きと怒り』 ウィリアム・フォークナー, 1929年 感想 | 語り手の意識の中に迷い込む

    🔽 基本情報 🔽
    The Sound and the Fury
    William Faulkner, 1929
    響きと怒り
    ウィリアム・フォークナー
    464 pages
    2024.07 読了
    アマゾンで見る

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    かなり難しいので完全にわかったわけではない、でもすごい一冊。
    第一章からいきなり重度の知的障害の弟の視点から描かれているので、時系列でもないし、重複したり注意があちこちに飛ぶ、その中で明らかなのはお姉ちゃんに対する愛情。
    それから他の兄弟の視点へと移り、客観的な説明がないのに同じことについて別の視点で描かれているが、つまりはかつて裕福であったアメリカ南部の一家の崩壊の物語。
    知的障害児が身近な私にとっても、その思考の表し方など、そういう意味でも興味深い。

    同じ出来事が別の視点で語られることによりその人物の人格を浮き上がらせるが、その事柄自体の説明がないので、途中からウィキペディアのあらすじを頼りに読んだけど、それでもこのリズムがつかめるようになるとページがどんどん進む。
    当時のアメリカ南部にきっと多くいたであろう、機能不全家族の悲しい物語。

    これはもう一度改めて読んで、そのうえで一つの読書体験とするべき。

    ノーベル賞受賞作家


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Sound and the Fury" William Faulkner (1929) Review | A difficult read but a masterpiece
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