カテゴリー: 文学 日本

  • 『臓器農場』 帚木蓬生, 1993年  感想 | 思ってたように暗い

    『臓器農場』 帚木蓬生, 1993年 感想 | 思ってたように暗い

    ★★★☆ 精神科医でもある著者。思ってたように暗い。
    体調が良くなってなかったら読めなかったかもというくらい、暗い。新生児の臓器のビジネス、もう聞くだけで暗い。
    🔽 基本情報 🔽
    臓器農場
    帚木蓬生 1993
    224 pages
    2024年6月 読了
    アマゾンで見る

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    作家で精神科医の著者。
    はじめて読んだけど、思ってたように暗い。
    退院後の自分の体調が良くなってなかったら読めなかったかもというくらい、暗い。

    助かる見込みのない新生児の臓器のビジネス、または研究、そこで繰り返されるホラーのようなスリラーのような。

    面白い、けど、例えば松本清張のように好きかといわれればそうではないので4。
    🔽 買えるところ 🔽

      ●●楽天●●


    ●●アマゾン●●

    臓器農場 (新潮文庫)



  • 『死者の奢り 飼育』 大江健三郎 1958年 感想 | 閉塞感むきだし

    『死者の奢り 飼育』 大江健三郎 1958年 感想 | 閉塞感むきだし

    🔽基本情報🔽
    死者の奢り 飼育
    大江健三郎 1958
    320 pages
    2024年5月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    先延ばししていた、短編集。
    確かにすごい世界。
    戦争の悲劇というのは、もちろん酷い形で死者を出すこともあるけれど、人間の精神をここまで削り取るということでもある。
    死者、死体、死、ストーリーとして面白いし読みやすいんだけど、精神状態が安定してないときには避けたほうがいい。

    普通、世界が広がるという言い方をするけど、これは世界が狭まっている。
    閉塞感むきだしで、そのなかにある生身の人間関係。
    社会性とか柔らかい人間性とか博愛とか、今日明日の生存に無駄なものを削ぎとったギリギリの状態の人間性。
    そこには明らかな反戦のメッセージや、偽善者に対する嫌悪感があり、私達を締め付ける。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Lavish are the Dead, Prize Stock" Kenzaburo Oe (1958) Review | Confinement, hopelessness
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    ●●楽天●●


    ●●アマゾン●●


    死者の奢り・飼育 (新潮文庫)




  • 『無花果の森』 小池真理子, 2011年 感想 | 隠したいこと、隠さなければいけないこと

    『無花果の森』 小池真理子, 2011年 感想 | 隠したいこと、隠さなければいけないこと

    ★★★☆☆ 人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。そんなときにだから会える人もいる。
    🔽基本情報🔽
    無花果の森
    小池真理子 2011
    Mariko Koike
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    いわゆるアラフォー世代に響く、というやつ。もう一回人生をやり直せる。
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    DVを扱うのはまだ珍しかったのかな、でも逃げる彼女の心境がリアルに描かれている。

    アラフォーとかアラサーとかという言葉を使いこなせない私ですが、つまりほぼ中年の男女の訳ありの恋愛。
    人生を半分くらい生きると、隠したいこと、隠さなければいけないことくらい誰だってある。
    画家の頑固おばあちゃんとバーのママの脇役がいい。この二人は人生のもっと先輩だから。

    登場人物の若くはなく、もうすぐ40の女性が新しい人生を歩もうとするのはいいんだけど、でもぼちぼちよい一冊。
    🔽 買えるところ 🔽
    
      ●●楽天●●
    
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    無花果の森 (新潮文庫 新潮文庫) [ 小池 真理子 ] 価格:935円(税込、送料無料) (2025/10/3時点)

    ●●アマゾン●● 無花果の森(新潮文庫)



  • 『愛さずにはいられない』 藤田宜永 2003年 感想 | 60年代の青年時代

    『愛さずにはいられない』 藤田宜永 2003年 感想 | 60年代の青年時代

    ★★★☆☆ 60年代を生きた著者の青年時代の私小説。一人の女性を愛し、その裏にある母親との葛藤というのも絡み合って複雑にする。好みではないけれど面白くないわけではない。
    
    
    
    
    
    🔽基本情報🔽
    愛さずにはいられない
    藤田宜永 2003
    Yoshinaga Fujita
    784 pages
    2024年5月 読了
    🔽 こんな人、こんなときにおすすめ 🔽
    この作家のファンは私なんかより絶対もっと楽しめる

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    60年代を生きた著者の青年時代の私小説。

    この時代というのは、とにかく破滅的。
    それでも生きていけたんだから。

    でもどうもこういうのは苦手ではある。
    最近こういう、60年代の俺の青春時代、っぽいのをなぜかよく読んでる。
    でも、一人の女性をとことん愛したストーリーとしてしっかり軸もあるし、そして実はその裏にある母親との葛藤というのも絡み合って複雑にしている。
    私の趣味と違うけれど面白くないわけではない。
    私がこの著者の作品を知らないことも、この本から私を遠ざけているのかも。

    昔はこういう生き方が出来たし、それがかっこ良くて、まあ若者に活気があった、ということ。
    いまはそんな生き方じゃ生き延びられない。
    
    
    
    
    
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    愛さずにはいられない (新潮文庫) [ 藤田 宜永 ]
    価格:1,155円(税込、送料無料) (2025/10/3時点)


    ●●●●●アマゾン●●●●●



    愛さずにはいられない (新潮文庫)





  • 『しのぶ梅 着物始末暦』 中島要, 2012年 感想 | 所々の雑学も楽しい

    『しのぶ梅 着物始末暦』 中島要, 2012年 感想 | 所々の雑学も楽しい

    ★★★★☆ 着物始末屋というやさ男が主人公のシリーズ。江戸が舞台の着物をめぐる短編集。エンターテイメント性たっぷりですらすらと読める。
    着物のことにも多く触れていて所々の雑学も楽しい。

    🔽 ログ 🔽
    しのぶ梅 着物始末暦
    中島要 2012
    Kaname Nakajima
    267ページ
    2024年2月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    裁縫好きで日本に詳しい友人がロンドンの古本屋で見つけた本。
    そのせいか、いや、それらしくと言うべきか、江戸時代の着物がテーマの短編集。
    
    気軽に買えるいまの洋服と違い、何着も持つことは難しい。
    しかも形やデザインの決まりも厳しいので場違いな物も着にくい。
    着物始末屋というやさ男が主人公のシリーズ。江戸が舞台の着物をめぐる短編集。
    
    特に難しい訳じゃなくてエンターテイメント性たっぷりですらすらと読める。
    一応私も裁縫初心者なので、着物のことに触れていて所々の雑学も楽しい。
    
    
    
    
    
    
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    しのぶ梅 着物始末暦 (ハルキ文庫) [ 中島要 ]
    価格:680円(税込、送料無料) (2025/10/2時点)




    ●●●●●アマゾン●●●●●
    しのぶ梅 着物始末暦 (ハルキ文庫 な 10-1 時代小説文庫)
    しのぶ梅 着物始末暦 (ハルキ文庫 な 10-1 時代小説文庫)


    
    
    
    



  • 『傲慢と善良』 辻村深月, 2019年 感想 | 社会が突きつけてくる物差し

    『傲慢と善良』 辻村深月, 2019年 感想 | 社会が突きつけてくる物差し

    🔽 ログ 🔽
    傲慢と善良
    辻村深月 2019年
    Mizuki Tsujimura
    504ページ
    2025年7月 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    人気の小説というのは知っていたけど、実は読んだことない作者だし、第一、日本の現代文学は自分の好みではないと決めつけている私がいて。
    それじゃいけないと読む幅を広げるという意味で手にした本。
    自分の固定観念に挑戦した結果、この本が読めた。でかした、自分。

    社会という暗い大きな闇が突きつけてくる物差し。
    いい子は誉められます、きちんと親のいうことを聞いて、嘘をつかずに、でしゃばらずに。
    それが今のこの日本社会で子供のときから受ける教育。
    一昔前はそうだったんだから、あなたもそうしなさいという上の世代からの教育。

    私自身はさっさと国外に出たので自分の境遇とは違う、だけど、だからといってこれを読んで心が痛まないわけはない。

    恋愛小説でありながら、突如いなくなる婚約者、真実(まみ)のあとを追うミステリー風でもある。つまり読みごたえがある。
    ちょっとずつ彼女の過去や思考の霧が晴れていく中で、これはいま結婚を「するべき年齢」といわれる日本の若者誰もが痛く感じさせられる現実であると思い知らされる。
    家族ぐるみのお見合いではない、自分が定めた数ある基準から相手の点数を見定める婚活。
    そこで見定められるものは本当は何なのか。

    ヨーロッパでは親からの結婚の期待はあるのはあるけど、私の自由です放っておいて、と突き放すもしくは宥めることの方が多い。
    それは、日本のようながんじがらめのレールを敷く社会を思春期で体感しないから。
    間違っていようが自分の意見をいうことが奨励される社会で育つとそこまで多くの人は彼女に自分を投影しない。
    そして他のアジアの国の多くは未だに家族が決めるお見合いも多い。よくも悪くも結婚とは家庭とはそういうものという考え方もある。
    つまり日本はそのどちらからも外れた、自分の意見も主張できず家族の提供する安心感も浅い中でプレッシャーと疲労感だけが高まる孤独な活動となる。

    でも、それでも、ネタバレ阻止で詳しくは言えないけど、彼女は確実にいわゆる大人の階段を上る。
    遅いか早いかは、周りから見れば遅いかもしれない。しかし遅すぎることはない。

    まだ間に合う、まだ失敗しても大丈夫、人生はいつだって方向転換ができる、まだここが終わりじゃない。よかった。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "(Arrogance and Virtue)" Mizuki Tsujimura (2019) Review | Not so comical "Pride and Prejudice" in Japan
    🔽 買えるところ 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    傲慢と善良 (朝日文庫) [ 辻村深月 ]
    価格:891円(税込、送料無料) (2025/10/1時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●
    gouman
    傲慢と善良 (朝日文庫)






  • 『火と汐』松本清張, 1967年 感想 | 60年代の新しさも

    『火と汐』松本清張, 1967年 感想 | 60年代の新しさも

    🔽 ログ 🔽
    火と汐
    松本清張 1967年
    336 pages
    Seicho Matsumoto
    2024年1月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    4つの短編。
    松本清張らしい、男と女のもつれ、金銭のもつれ、男のプライド、そういう大好きな要素がちゃんと入った佳作集と言った感じ。

    ここでもとにかく、旅行と言う、普段と違う空間と言うのがキーとなる。
    もしくは戦争と言う異空間も。
    あとがきにあってなるほどと思ったのは、松本清張は常にその時の新しいことを用いると言うこと。
    ヨットと言うお金持ちの新しい趣味、離島への国内線の飛行機など。
    当時はきっともっとブームになり、社会現象になったんだろうけど、いまだってレトロ感を残しつつも面白さもまだそのまま。
    とにかく、外れがない。


    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "(The Fire and the Sea)" Seicho Matsumoto (1967) Review | A trip to a remote island, so 60s
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    火と汐 (文春文庫) [ 松本 清張 ]
    価格:847円(税込、送料無料) (2025/10/1時点)


    ●●●●●アマゾン●●●●●
    火と汐 (文春文庫 ま 1-136)
    火と汐 (文春文庫 ま 1-136)






  • 『哀愁の町に霧が降るのだ 上下』椎名誠, 1981年 感想 | 楽しくて切なくて、突っ走る

    『哀愁の町に霧が降るのだ 上下』椎名誠, 1981年 感想 | 楽しくて切なくて、突っ走る

    ★★★★☆ 椎名誠は面白い、それにつきる。
    彼の青年時代の話が中心だけど、やっぱりこの時代は活気があった。楽しくて切なくて、突っ走る。風邪でダウンしていたので軽く読める本として。
    実際、上下一日で読んでしまう

    🔽 ログ 🔽
    哀愁の町に霧が降るのだ 上下
    椎名誠 1981年
    Makoto Shiina
    416 + 400 pages
    2024年1月 読了

    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    椎名誠は面白い、それにつきる。
    彼の青年時代の話が中心だけど、やっぱりこの時代は活気があった。楽しくて切なくて、突っ走る。
    でもそういう外界の影響と言うのもあるだろうけど、やっぱり彼の回りにいた人間が面白いやつだった、そして現在も友人関係が続いていると言う羨ましい話。

    まあ残念なことに風邪と熱で、しっかり読んだわけでもないし、大した読書感想文も書けない。
    言えるのは、ただ純粋に面白かった。
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    ●●● 楽天 ●●●
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    哀愁の町に霧が降るのだ(上) [ 椎名 誠 ]
    価格:957円(税込、送料無料) (2025/10/1時点)

    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    哀愁の町に霧が降るのだ(下) [ 椎名 誠 ]
    価格:946円(税込、送料無料) (2025/10/1時点)

     
    ●●● アマゾン ●●●
    哀愁の町に霧が降るのだ(上) (小学館文庫) Kindle版
    哀愁の町に霧が降るのだ(下) (小学館文庫) Kindle版



  • 『火宅の人』 壇一雄, 1975年 感想 | 男の無益なプライド

    『火宅の人』 壇一雄, 1975年 感想 | 男の無益なプライド

    ★★★★☆ こういういかにも昭和のダメ男はきっとそこらじゅうにいたはず。お金はある、なのにいつも足りない。逃げるように女を追いかけてお酒を追いかける。ただの我儘、男の無益なプライド。
    これが無頼派
    🔽 ログ 🔽
    火宅の人 上下
    壇一雄 1975
    Kazuo Dan
    960ページ(480+480)
    2025年6月読了
    
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    私小説風の大変な男の話。
    家族は放ったらかし、愛人にも面倒くさくなり、それ以外もフラフラとあっちの女、こっちの女にすがり付き、もちろん商売の女にもすがり付き、何よりも酒にお金を使い込む、そう、最低の男の代表格。
    
    こういういかにも昭和のダメ男はきっとそこらじゅうにいたはず。
    お金はある、なのにいつも足りない。
    逃げるように女を追いかけてお酒を追いかける。
    でも最低の男であっても、優しくないわけではない。
    年じゅう放っておくくせに、急に子供を海や川に泊まりがけで遊びにつれていく。
    寝たきりの次男が気になってしょうがない(だからといって世話はしないけど)。
    女の面倒を見たがる。
    でも言ってみれば、ただの我儘なええかっこしい。男の無益なプライド。
    
    結局は幸いお金があるということが救いになっているけど、じゃあなければ汗水垂らして働きますということだってないだろう。
    
    無頼派とは、こういうことか。
    
    🔽 買えるところ / あらすじ、詳細 🔽
    [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

    火宅の人(下巻)改版 (新潮文庫) [ 檀 一雄 ]
    価格:825円(税込、送料無料) (2025/10/1時点)



    ●●●●●アマゾン●●●●●

    火宅の人 上下2冊セット 文庫 新潮社









  • 『何様』 朝井リョウ, 2012年 感想 | 真面目で不器用で滑稽な人たち

    『何様』 朝井リョウ, 2012年 感想 | 真面目で不器用で滑稽な人たち

    🔽 ログ 🔽
    何様
    朝井リョウ 2012
    Ryo Asai
    416ページ
    2025年3月 読了
    🔽 楽天 🔽

    何様 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]


    🔽🔽読書記録🔽🔽
    初の朝井リョウ。
    貰い物なのでなにも知らずだったけど、6つの物語の短編集。
    前作の何者というのがあるようなので順番は間違えたのかも。

    今時の就職についてがメインで、就職したばかりだったり、大学生だったり、就職セミナーの講師だったり。最初のは高校最後のストーリーだけど、ここも大きな変化のなかのできごと、という共通点。
    こういう人、いるよね、という感じの普通の人たちの葛藤。

    最初の高校生のラブストーリーは新鮮だった。二つ目のゆらゆら揺れまくってる、姉の代わりのアパートシェアをする人を探す女の子には呆れるけど、いる、こういう人。
    真面目すぎて不器用で滑稽な人たちのストーリー。

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    “Nanisama” Ryo Asai (2012) Review | Unintentionally funny
    🔽 買えるところ / あらすじ、情報 🔽

    ●●●●●楽天●●●●●

    何様 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]



    ●●●●●アマゾン●●●●●

    何様(新潮文庫)
    (電子書籍)







  • 『螢川 泥の河』 宮本輝, 1977 感想 | 底辺でも強く生きる

    『螢川 泥の河』 宮本輝, 1977 感想 | 底辺でも強く生きる

    🔽ログ🔽
    螢川・泥の川
    宮本輝 1977年
    208 pages
    読了=2025年1月
    🔽楽天ブックス (内容、著者紹介も)🔽

    螢川・泥の河 (新潮文庫 みー12-9 新潮文庫) [ 宮本 輝 ]


    🔽🔽読書記録🔽🔽
    泥の河は太宰治賞、螢川は芥川賞。
    泥の河は戦後の大阪でのを描く。質素な生活をする少年の、泥の川に浮かぶ船で生活する姉と弟と、身体を売って生活をしのぐ彼らの母との短い思い出。
    貧しいということ、戦後を生きるということ、底辺でも強く生きるということ、その中にも潜む淡い正直な大人への目覚め。ドラマチックじゃないけど心にすんっと入ってくる。

    螢川はそれより少し上の思春期の少年時代。はっきりと性に目覚めた主人公、羽振りがよかった事業に失敗した高年の父への嫌悪感に平行するかのように同じ女の子を好きな友人への嫉妬というか一目おいてしまう感じのなかで、ふとどちらも失ってしまう。そんなときに出会うごちゃごちゃとしたあの頃の人情を胸に、初恋の子と見る蛍の群れ、そしてラストシーンのビジュアル。
    いろんな感情が積み重なり、最後に花開くという感じ。
    なにが際立っているかというとその情景の描写。まるでその情景を一緒に体感しているような一体感を産み出す文章。だから読者もなんだか懐かしいような気持ちになる。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "Hotarugawa, Doro no Kawa" Teru Miyamoto (1977) Review | To live in post war Japan
    
    
    
    
    🔽 買えるところ 🔽
    ●●楽天●●
    螢川・泥の河 (新潮文庫 みー12-9 新潮文庫) [ 宮本 輝 ]

    ●●アマゾン●●
    螢川・泥の河(新潮文庫)