『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎, 1933年 感想 | トイレのことを書いても美しい

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陰翳礼讃
谷崎潤一郎 1933
日本
288 pages
2024.11 読了
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最近さんざんこの本の話をしてるので再読。

いんえいらいさん、In praise of shadows とその通りなんだけど、陰のみが素晴らしいんだということでなく、東洋的、日本的な感覚のことで、潔癖に白くて清潔なタイル張りでは醸し出せない古い木目の深い暖かみのある美しさということ。

日本人は室内の暗さに慣れていて、それを西洋人のように文明によって明るくしようとするのでなく、暗さのなかで美を見いだそうとする。
暗いから、女性のほんのすこし見える肌が白く、またそれを強調するかのようなお歯黒がある、と。
いまの明々とした電灯の下ではけばけばしいもの、例えば歌舞伎やそういった芸能も本来のろうそくの灯火の元ではじんわりと美しい。

約100年たった今、現代に住む日本人はたしかにその感覚はなくなっているかもしれない、でもまだ完全に忘れてはいない。
実は世界に誇れるぜひ残したい文化、感覚。
陰を美しいと思える感覚、新しくないものを美しいと思える感覚。

エッセイ集なので、その他にも旅行についてや客ぎらい、また最後は厠についても。
口うるさい谷崎氏の話を聞いているような、読んでいてなんかニヤリと笑いが込み上げてくるような、実はそんなに堅苦しくはない一冊。

そしてやっぱり、谷崎潤一郎の文章なのでトイレのことを書いていても美しい。ニヤリ。


いんえいらいさん

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English review
"In Praise of Shadows" Junichiro Tanizaki (1933) Review | Finding beauty even in toilet
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