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  • 『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎, 1937年 感想 | 人間は誰でもいい

    『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎, 1937年 感想 | 人間は誰でもいい

    🔽 基本情報 🔽
    猫と庄造と二人のおんな
    谷崎潤一郎, 1937年
    日本
    176 ページ
    2020.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    猫のリリーがすべての中心。

    男はリリーを愛しリリーのみを愛する。
    人間の女は福子でも品子でも母でも誰でもいい。

    谷崎らしい片思いのドラマなんだけど、溺愛の対象は猫。
    しかも清楚な名前の西洋種の雌猫。
    主人なのか召使いなのか、男の愛情には気ままにしか対応しない。「痴人の愛」のナオミを極限まで引っ張って、ここでは美しい西洋猫リリーになる。
    周りに流される庄造、庄造に捨てられた女、猫以下の女。

    庄造の幸せとはつまり、猫のためだけに全てを捧げる事だった、んですね。
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    English review
    タグ: 谷崎潤一郎

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  • 『刺青・秘密』 谷崎潤一郎, 1910年 感想 | すでに確立された谷崎文学

    『刺青・秘密』 谷崎潤一郎, 1910年 感想 | すでに確立された谷崎文学

    🔽 基本情報 🔽
    刺青・秘密
    谷崎潤一郎, 1910
    日本
    336 ページ
    2020.04 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    谷崎潤一郎の処女作「刺青」、すでにエロティシズム、フェティシズムはテーマとして確立されていて、でも初々しさというか生々しさがある。

    足の美しさでその女の真の姿を見出し、目覚めさせる。
    さすがとしか言いようがない。

    「秘密」の逢引と悲しさも、「少年」の無邪気で偽りのない暗い欲望も、「二人の稚児」の純粋さも、すべてがつながっている。

    解説にあった永井荷風の言葉にある通り、谷崎が他と違っていたのはその都会的な雰囲気であるわけで。田舎っぽい貧しさなど一切関係ないかのような、お坊ちゃん、お嬢さん、紳士淑女の生きる世界、その美しい世界に潜む欲望の影。
    それが谷崎文学の光。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review “The Tattoo” Junichiro Tanizaki (1910) Review | Early Tanizaki
    タグ: 谷崎潤一郎
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  • 『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎, 1933年 感想 | トイレのことを書いても美しい

    『陰翳礼讃』 谷崎潤一郎, 1933年 感想 | トイレのことを書いても美しい

    🔽 基本情報 🔽
    陰翳礼讃
    谷崎潤一郎 1933
    日本
    288 pages
    2024.11 読了
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽

    最近さんざんこの本の話をしてるので再読。

    いんえいらいさん、In praise of shadows とその通りなんだけど、陰のみが素晴らしいんだということでなく、東洋的、日本的な感覚のことで、潔癖に白くて清潔なタイル張りでは醸し出せない古い木目の深い暖かみのある美しさということ。

    日本人は室内の暗さに慣れていて、それを西洋人のように文明によって明るくしようとするのでなく、暗さのなかで美を見いだそうとする。
    暗いから、女性のほんのすこし見える肌が白く、またそれを強調するかのようなお歯黒がある、と。
    いまの明々とした電灯の下ではけばけばしいもの、例えば歌舞伎やそういった芸能も本来のろうそくの灯火の元ではじんわりと美しい。

    約100年たった今、現代に住む日本人はたしかにその感覚はなくなっているかもしれない、でもまだ完全に忘れてはいない。
    実は世界に誇れるぜひ残したい文化、感覚。
    陰を美しいと思える感覚、新しくないものを美しいと思える感覚。

    エッセイ集なので、その他にも旅行についてや客ぎらい、また最後は厠についても。
    口うるさい谷崎氏の話を聞いているような、読んでいてなんかニヤリと笑いが込み上げてくるような、実はそんなに堅苦しくはない一冊。

    そしてやっぱり、谷崎潤一郎の文章なのでトイレのことを書いていても美しい。ニヤリ。


    いんえいらいさん

    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "In Praise of Shadows" Junichiro Tanizaki (1933) Review | Finding beauty even in toilet
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  • 『台所太平記』 谷崎潤一郎, 1963年 感想 | 愛らしい女中さんたちの記録

    『台所太平記』 谷崎潤一郎, 1963年 感想 | 愛らしい女中さんたちの記録

    🔽 基本情報 🔽
    台所太平記
    谷崎潤一郎, 1963
    The Maids
    Junichiro Tanizaki
    240 pages
    2024.08
    🔽🔽 読書記録 🔽🔽
    谷崎潤一郎が描く、とある老人の家にやってくる女中さんの記録。
    といっても、谷崎の筆にかかれば全ての女が独特で愛らしくて、それを一歩下がってみている主人の様子など、まさに谷崎文学。

    戦前からの数十年つまり一昔前の女中は現代でいうお手伝いさんではない。
    若い彼女たちは田舎から出てきて住み込みで働くが、主人の方も自分の娘のように案じ、世話もする。そういう関係はやっぱり今ではそうはいかない。

    主人の若い女好きが転じて女中だらけの家にいるのは一目瞭然で、いつものように足フェチなのも伺えるし、女中の自由な恋愛にだって、女中同士の同性愛へだって比較的おおらかに描かれる。
    でもそれも今は昔、良いことか悪いことかデモクラシーとはそういうもので。
    🔽 関連ページ 🔽
    English review
    "The Maids" Junichiro Tanizaki (1963) Review | All his lovable maids
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